-- DTM・Band-in-a-Box --
自動で伴奏を作ってくれる音楽ソフト
BAND-IN-A-BOXはちょっと変わった音楽ソフトでして、自動で伴奏を作ってくれます。
「パソコンで音楽を制作する」というと、ふつうは楽譜ソフトなどを使って、1音符ずつちまちまと伴奏やメロディーの音を書きこんで曲を作るのですが。
BAND-IN-A-BOXの場合は、C→Am→Dm→G7→C→…のようにコードを書きこんで、あとは「80年代ユーロロック」「クラシックのバッハ風」「ビートルズのイエスタディみたいなの?」といった演奏スタイルを指定するだけで、それっぽく伴奏を自動演奏してくれます。
いちばんお勧めはコード進行の逆算機能です。
CDでもYouTube動画でもなんでも、音楽ファイルを読みこませるとそれを解析してコード進行を逆算します。つまり自分の知らない曲でも楽譜がなくても、実際に演奏した音さえあれば、そのとおりに自動伴奏させることができるのです。これほんとうに便利です、むっちゃ強力!
今のBAND-IN-A-BOXは、私が持っているバージョンよりも2つほどアップしていて、たくさんの機能が追加されたという噂です。いきなり全部の機能を使いこなすことは考えず、おいしそうな機能だけ先に使いながら、だんだん慣れていくのがいいかと思います。私自身、いまだにBAND-IN-A-BOXの一部の機能しか使っていません。
引き算で考えるのが有効
» 実際にBAND-IN-A-BOXに自動伴奏させたMIDIファイル
上のMIDIファイルは、私が制作した『スカボロフェア』の基になったMIDIファイルです。このままではとても聴けたものではありません。それでいいです。BAND-IN-A-BOXを使うときは、引き算で考えるのが有効です。とにかく使えそうな音をぜんぶMIDIファイルに書きだしておいて、あとから削除していきます。1小節の音符を手で書きこむのはたいへんですが、削除するのは1パート丸ごとでも一瞬です。
演出・編曲が必要
MIDIファイルを聴いてもらえばわかるとおり、BAND-IN-A-BOXは最初から最後までだあっと一本調子に演奏します。だから後作業として演出・編曲が必要です。
まず楽器ごとに「曲のどの部分を演奏してどこは演奏しない」という演出をつける必要があります。「イントロはギターソロから。1小節遅れてベースとピアノが入って…ボーカルと一緒にドラムがドン」とか。「サビはぜんぶ音を止めて、ストリングスとベースだけ」とか。
演奏者の心情をトレースして強弱をつける
ドラムはその役割からして、曲の節目をバンドの仲間(と演奏を聴いているお客さん)に分からせるために、サビパート直前のリフなど、少し強めに叩いて知らせるべきでしょう。特に曲の最後のサビパートなど「ラストスパートだぜぇぇぇぇ!」と言わんばかりにズダダダドン!と盛大にタムを連打したり★ します。
そうでなくても特に意識していなくても「ここぞ!」という聴かせどころでは、誰でも思わず力が入って大きな音を出してしまうはずです。そのように演奏者の心情をトレースして、部分的にドンと強く演奏する演出をつけることで、まるで本当に人が弾いているようなスリリングな音になります。
完成した作品の例
次のYouTubeの演奏動画は、上のMIDIファイルから作った実際の作品です。
日付は2008年2月11日、私が初めて完成させた作品です。とても一曲ぜんぶ仕上げる気力がなかったので…1分30秒で止めてしまいました。みなさんも最初からいきなり大曲を狙わず、まずピアノ伴奏だけとか、小さいところからこつこつ成功を重ねていくのがいいと思います。
こちらは2011年2月26日に投函した最新の演奏動画。
3年も続けていればいつのまにか、このくらいの品質までいくもんです。
ちなみに、私がYouTubeやニコニコ動画に投函した演奏動画は、ぜんぶBAND-IN-A-BOXで伴奏しています。他の演奏動画もいろいろ聴いていただければ、BAND-IN-A-BOXでだいたいどの程度のことができるのか、把握してもらえるかなと思っています。
細々と積みあげた知識は意外に多くなっていて、いきなりぜんぶ説明するとたいへんなことになる量です。今後ぼちぼち説明していけたらと思っています。
★ タムを連打する
ドラムのあのズダダダドン!という音は、専門用語で「タムをまわす」と言うらしいです。漫画『けいおん!』に書いてありました。(アニメの方だったかもしれません。)
楽器があればもっと楽しい毎日
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