-- ポケットサックス --
ザフーン・ポケットサックス(Xaphoon Pocket Sax)は手軽にサックス気分を楽しめる新しい楽器です。ポケットサックスの吹き方、補足その10。出だしをウッ!と力んで吹くとサックスっぽく聞こえます。
» ポケットサックスを吹いてみました
ポケットサックスは笛です
サックスみたいな音がする?ところから”サックス”と名づけられていますが、ポケットサックスは笛です。「まるでサックスみたいっ」という驚嘆の声と同じくらい、「サックスの音に聞こえない、これはクラリネットだね」と揶揄する声もよく聞きます。それは仕方ない、材質や構造はむしろクラリネットに近いのですから。
ポケットサックスは20世紀末にハワイで生まれた新しい楽器です。もともとは子どもの玩具の笛でした。背負うべき伝統も守るべき作法もありません。どのように吹いてもOKです。もちろんクラリネットのように吹いてもOKなのです。とはいえ「俺は『サックスの音がする』と聞いたから買ったんだっ」という人もいるでしょうし、そういう人は仕方ない、自力でサックスっぽく吹くしかありません。
音の形で楽器の印象が決まる
ピアノはピアノの音、オルガンはオルガンの音、ラッパはラッパの音がします。聞き間違えようがない。なぜか。「音色が違う」と答えるのがふつうですが、厳密に言うと、人間は音色でなく”音の形”で聞き分けています。音の形というのは、時間が経つにつれて音の大きさがどのように変わっていくか、ということです。
身近な楽器の音の形を、大きく3種類に分けてみました。右の図をご覧ください。
一つはピアノやギター、太鼓などのタイプです。ここではA型と言っておきます。これらの楽器の音は、いきなりマックスまでガツンと音が出て、後は小さくなっていく一方です。図の見方は分かりますか。コンコンという短い音、ポーンという長い音。いろいろあるでしょうが、たしかにみんなこんな音の形の楽器です。
もう一つは笛やオルガンなど、ここでB型としたタイプです。ブーと鳴り始めてブゥと鳴り終わる。オルガンはまさにこんな感じの音です。リコーダーやオカリナもこんな感じでしょう。笛でも尺八などの音は、大きくなったり小さくなったり複雑な動きをするのですが、まあ同じタイプに含めます。
最後はラッパやサックスなど、ここでC型としたタイプです。先のAとBを合わせたような形です。出だしにパアンと大きな音が出て、後は少し小さな音がプーと続きます。少々単純に誇張して説明していますが、なかなかそれぞれの楽器のタイプを捉えていると思いませんか。
音の出だしをウッ!と力んで吹く
さて、サックスの音に聞こえたりクラリネットだったりのポケットサックスですが。音の形を見るとクラリネットはB型でサックスはC型です。ですからサックスっぽく聞こえてほしいなら、C型のように、いささか大げさに吹けばいいわけです。つまり音の出だしをパアンと大きくしてやる。「フー、フー、」とふつうの笛を吹くように一本調子に吹くのでなく「ウッ!、ウッ!フーッ」のように音の出だしを力んで吹くと、サックスっぽく聞こえます。
ぜんぶ「ウッ!、ウッ!」やると、それはそれでマンガチックでおかしいので、たとえば、フレーズの出だしだけウッ!と力んで吹きはじめて、あとはすらすらっと吹く。他には(ここもかな?)と思うところをウッ!っと力んで吹く。
私はそんな感じに吹いています。
そこそこ成功していると実感しています。私のポケットサックスの音を、楽器に疎いふつうの人が聴いたら「サックスじゃない?」と言んじゃないかな。もちろん実際に本物を演奏している人はだませませんよ、そんなこと最初から目的にしていません。
楽器があればもっと楽しい毎日
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