-- カンテレ --
ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第9回、カンテレは2とおりのスタイルで演奏されます。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました
カンテレには大きく分けて2とおりの演奏スタイルがあります。
ハープ奏法
いわゆるハープや日本のお琴の弾き方です。鳴らしたい音を一つ一つ、指ではじいて鳴らします。複数の音―和音―を鳴らすときも、たとえばドミソなら三本の指でド・ミ・ソの弦を同時にはじいて鳴らします。世界中のほとんどのハープ族の弦楽器が、このスタイルで演奏されます。
コード奏法
複数の音―和音―を鳴らすときの発想が、ハープ奏法と反対です。たとえばドミソなら、鳴らしてはいけないレ・ファ・ラ・シの音を鳴らないように指で抑えて、ぜんぶの弦をまとめてかき鳴らします。人間の指の数が5本なので、操作できる弦の本数に限りがある。弦の数が10本前後のときに最も効果を発揮する…つまり、”小型の素朴な弦楽器”に向いた演奏スタイルといえます。
大昔にはケルトのライアーやギリシアの竪琴が、おそらくこのスタイルで演奏されたと推測しますが、現存する弦楽器でこの演奏スタイルを踏襲しているのは、バルチック海域のカンテレなど★1 が唯一ではないでしょうか。
コード奏法でこう!
カンテレはハープ奏法とコード奏法の両方で演奏されます。が、2つの演奏スタイルの間でまったく互換性がありません。両手の指の配置が違いますし、そもそもカンテレの構え方が前後逆になります★2 。
最終的にはどちらの演奏スタイルもマスターしたいところですが、初心者のうちからすべてをマスターしようとすると、2倍覚えなければなりません。だから最初は、どちらか一方の演奏スタイルをj集中してマスターするのが早道だと判断しました。私は…コード奏法をマスターすることにしました。だからこのカンテレ弾き方教室も、コード奏法のことばかり説明していきます。
私は変わった楽器・珍しい楽器が好きです。
知らない楽器を手にしたら、その楽器でしか奏でられない音を期待します。カンテレをハープ奏法で弾くと、早い話、どこかで聞いたような音になるのですよ。ハープのような?それよりドイツのライアーに近いかも。とにかく珍しさが半減する、ということです。
なによりもコード奏法は人の錯覚や幻聴を利用して空耳メロディーを聞かせます。この世にこんなヘンな奏法があるなんて私は知りませんでした!是非マスターしたいところです。
★1 バルチック海域のカンテレなど
”カンテレ”というのはフィンランドの伝統楽器で、近隣国にもそっくりな楽器があります。それぞれの国でそれぞれの名で呼んでいます。下のYouTube動画はロシアのグースリ。彼はなかなか良いセンスをしていると思います。当面、私は彼の演奏を参考にしてカンテレを練習します。
★2 構え方が前後逆
コード演奏の場合、短い弦が手前(あるいは上側)に来るようにカンテレを構えます。ハープ奏法の場合は(必ずではありませんが)長い弦が手前に来るように構えます。演奏スタイルによって楽器の構え方がひっくり返るというのも、なかなか珍しい。
楽器があればもっと楽しい毎日
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