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2011年07月06日

ウィングカンテレの弾き方、コードについて

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第10回、コードについてちょっとだけお勉強。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました

1つ飛ばしの3つの音は必ずハモる

きれいにハモって鳴り響く音の組みあわせことを和音(コード)といいます。
ここではコードと呼ぶことにします。”ドミソ” とか ”シレソ” とか、聞いたことだけはありますよね。西洋の音階は知ってのとおり ”ドレミファソラシド” なわけですが、その ”ドレミファソラシド” の音を使ってコードを作る―きれいにハモって響かせる―いちばん基本的なルールがあります。

1つ飛ばしの3つの音は必ずハモる★1

試しにカンテレを手に取って、どこでもいいから3本の弦を選んで同時にはじいてみてください。聞こえる印象はいろいろですが、確かに、どこをはじいてもハモって聞こえます。

たまたま偶然ではありませんし「音楽って不思議だね?」という話でもありません。1つ飛ばしに3つの音を鳴らすと必ずハモるように、大昔の人が知恵を絞って ”ドレミファソラシド” を発明したのです。よくこんなことを思いつきます。

ドレミファソラシドで7つのコード

さて、それではその ”ドレミファソラシド” を使って、最大いくつのコードを作ることができるでしょうか。あまり難しく考える必要はありません。ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7つの音で出来ていますから、7つのコードです。ちなみに高い音で弾いても低い音で弾いても、ドミソはドミソですよ。

  1. ドから始めて… ”ドミソ”
  2. レから始めて… ”レファラ”
  3. ミから始めて… ”ミソシ”
  4. ファから始めて… ”ファラド”
  5. ソから始めて… ”ソシレ”
  6. ラから始めて… ”ラドミ”
  7. シから始めて… ”シレファ”

カンテレは7つのコードを鳴らせる

カンテレの音階は西洋音階ですから★2 、上の説明のとおり、カンテレはぜんぶで7つのコードを鳴らすことができます。試しにカンテレを手に取って、いちばん低い音から3本ずつ順にはじいてみてください。ちなみにカンテレは低いソの音から始まりますから、コードは低い方からⅤ・Ⅵ・Ⅶ・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの並び順になります。
» カンテレの7つのコードを順に弾いてみた。

たった7つ…ちょっと心許ないですか?最近のJ-POPやアニソンなどは、もっとすごい複雑なコードをばんばん使いますが、たった7つの基本的なコードだけでも民謡、唱歌、昭和時代のフォークなど伴奏できます。J-POPやアニソンなどハイカラな曲だって、むりやり7つのコードを当てはめて伴奏できないこともないです。ちょっと野暮ったい感じになりますけど。

★1 1つ飛ばしの3つの音は必ずハモる
これは西洋音階 ”ドレミファソラシド” に限っての話です。他の国の音階(たとえば日本の音階)で同じことをしても上手くいきません。「だから西洋音楽が世界でいちばん優れているんだね?」という話ではなくて、ハモるのが大好きな西洋人が考えたから、そうなっただけです。独りで唄って小節をまわしたり唸ったりするのが大好きな国(日本もそう)は、そういう技が映える音階を生みだしました。「朝はトーストにミルク」「いやご飯に味噌汁だろ」という、それだけの話。

★2 カンテレの音階は西洋音階
細かいことを言うと11弦カンテレの場合、低い方から ”ソラシ ドレミファソラシド” と並んでいます。またニ長調に調律されているので、ふつうのハ長調の ”ドレミファソラシド” よりも1音高い ”ドレミファソラシド” です。「なんでそんな中途半端な?」と思うかもしれませんが、逆に、ハ長調の曲って少ないです。ハ長調は歌いづらいのですよ。女性には低すぎるし、男性には高すぎるし。ニ長調といえば、アイルランドの音楽―アイリッシュ・ミュージック―がニ長調をよく使います。

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2011年07月05日

ウィングカンテレの弾き方、演奏スタイル

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第9回、カンテレは2とおりのスタイルで演奏されます。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました

カンテレには大きく分けて2とおりの演奏スタイルがあります。

ハープ奏法

いわゆるハープや日本のお琴の弾き方です。鳴らしたい音を一つ一つ、指ではじいて鳴らします。複数の音―和音―を鳴らすときも、たとえばドミソなら三本の指でド・ミ・ソの弦を同時にはじいて鳴らします。世界中のほとんどのハープ族の弦楽器が、このスタイルで演奏されます。

コード奏法

複数の音―和音―を鳴らすときの発想が、ハープ奏法と反対です。たとえばドミソなら、鳴らしてはいけないレ・ファ・ラ・シの音を鳴らないように指で抑えて、ぜんぶの弦をまとめてかき鳴らします。人間の指の数が5本なので、操作できる弦の本数に限りがある。弦の数が10本前後のときに最も効果を発揮する…つまり、”小型の素朴な弦楽器”に向いた演奏スタイルといえます。

大昔にはケルトのライアーやギリシアの竪琴が、おそらくこのスタイルで演奏されたと推測しますが、現存する弦楽器でこの演奏スタイルを踏襲しているのは、バルチック海域のカンテレなど★1 が唯一ではないでしょうか。

コード奏法でこう!

カンテレはハープ奏法とコード奏法の両方で演奏されます。が、2つの演奏スタイルの間でまったく互換性がありません。両手の指の配置が違いますし、そもそもカンテレの構え方が前後逆になります★2 。

最終的にはどちらの演奏スタイルもマスターしたいところですが、初心者のうちからすべてをマスターしようとすると、2倍覚えなければなりません。だから最初は、どちらか一方の演奏スタイルをj集中してマスターするのが早道だと判断しました。私は…コード奏法をマスターすることにしました。だからこのカンテレ弾き方教室も、コード奏法のことばかり説明していきます。

私は変わった楽器・珍しい楽器が好きです。
知らない楽器を手にしたら、その楽器でしか奏でられない音を期待します。カンテレをハープ奏法で弾くと、早い話、どこかで聞いたような音になるのですよ。ハープのような?それよりドイツのライアーに近いかも。とにかく珍しさが半減する、ということです。

なによりもコード奏法は人の錯覚や幻聴を利用して空耳メロディーを聞かせます。この世にこんなヘンな奏法があるなんて私は知りませんでした!是非マスターしたいところです。

★1 バルチック海域のカンテレなど
”カンテレ”というのはフィンランドの伝統楽器で、近隣国にもそっくりな楽器があります。それぞれの国でそれぞれの名で呼んでいます。下のYouTube動画はロシアのグースリ。彼はなかなか良いセンスをしていると思います。当面、私は彼の演奏を参考にしてカンテレを練習します。

★2 構え方が前後逆
コード演奏の場合、短い弦が手前(あるいは上側)に来るようにカンテレを構えます。ハープ奏法の場合は(必ずではありませんが)長い弦が手前に来るように構えます。演奏スタイルによって楽器の構え方がひっくり返るというのも、なかなか珍しい。

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2011年07月04日

エアコン取りつけ中

Nexyzの詐欺まがいの勧誘にまんまと騙されてしまい…そんなこんなで居間のエアコンを新調することにしました。作業する足場を準備するために、壁際に積みあげた荷物(主に私物の楽器)をぜんぶどけると、一階も二階の倉庫も歩けない状態になりました。仕事ができないので、こうして工事人が到着するのを漫然と待ちつづけています。(思いつきで記念撮影したりしました。)

一階の居間のエアコンは、四~五年前に動かなくなりました。脱サラした次の年でしたか。
最初のうちは買いかえる資金がありませんでしたし★1 、生活に余裕ができたころには、既に壁際にすごい量の荷物(主に私物の楽器)が積みあがってしまって、取りかえ工事ができる雰囲気ではなくなりました。積みあがった荷物を片付ける覚悟が決まらないうち、春が過ぎ夏が過ぎ一年が終わって…今までエアコンなしで暮らしてきました。

西日の当たる一階の居間は、夏になるとふつうに気温30℃以上、湿度70%以上になります。ウツボカズラを余裕で室内栽培できる熱帯雨林気候です。うだる空気を扇風機でかき回し、パンツ一丁でだらだら汗を流しながら、キーボードを叩いてお客さんの注文を確認します。クロネコ伝票をびしょびしょにしないように、しきりにタオルで両腕の汗をぬぐいながら送り先住所を書きこみます。

もちろんこれが満ちたりた日々であるはずがない。いやいやです。叶うなら「うぅちょっと冷房を効かせすぎたか?」などとぼやきながらセーターを着こんで熱いコーヒーをすすり、パチパチと金勘定したいものです★2 。

★1 買いかえる資金がない
資金はあったのですが…もと会社の同僚に懇願されて、なけなしの50万円をあげたのでした。彼は借金で首が回らなくなっていた。サラリーマンが無職に金を工面しないでほしい。

★2 セーターを着こんで熱いコーヒーをすする
貧乏人が夢見る成金生活を誇張して表現してみました。冗談です。とはいえ、バブル時期に建築された家屋は「暑かったら当然エアコンを取りつけるよね」という感性で設計されています。「最近の若者は幼い頃からエアコンのある生活に慣れきっているから…」などと言いますが、それよりも今の都市は、エアコンを使うことを前提にして出来上がっています。安普請のアパートに住んでいる貧乏人がエアコンなしで夏を乗りきろうとするのは、状況によっては危険でさえある。

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2011年07月03日

デュエットオカリナ

投稿者:カナメさん

はじめまして。つい最近こちらのサイトを見つ
けて日参しています。いろんな楽器がたくさん
並んでて楽しいです。

で、オカリナ暦2年ちょっと、楽譜は読めるが
転調は出来ないワタシが目をつけたのはデュエッ
トオカリナなんですが、どっちがいいか物凄く
迷っています。

どちらの音も捨てがたく、難易度もほぼ同じ。
あえて言うなら、NWCは情報が比較的多そうで
とっつきやすそうな感じで、CHは基本スペック
が高くちょっとマニアックで玄人受け(笑)しそ
うな感じがします。その辺りどう違いがあるか
よく分かりません。

どうしたらいいでしょうか?お手数をおかけし
ますがアドバイス宜しくお願いします。


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2011年07月01日

夏の風物詩風鈴

どしゃ降りで蒸し暑かった昨日とうってかわって、風が気持ちいい7月1日です。
ああもう今年も半分終わっちゃったよ…今日まで何してたっけ。

「さて今日はどうすべ?」と考えて、
まずは押しいれから風鈴を探しだし、窓辺に吊しました。これは江戸のガラス風鈴です。金魚鉢のような涼しげな外観で、風が吹くとカラコロと氷がグラスに当たるような音をたてます。
» 江戸ガラス風鈴の音を録音してみました

うう、カルピスが飲みたくなってきた。
子ども時代の刷りこみですね。TVのCM効果、恐るべし。

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2011年06月28日

リトル ミンルトレル

投稿者:高橋 雅子さん

上達してきましたので、
shepherd's songbook
の販売を再開していただけませんでしょうか?


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2011年06月27日

サムファンカリンバについて

投稿者:歌の本さん

このサイトに載ってからインターネットをつかってサムファンカリンバについ
ていろいろ調べてみたのですが情報がほとんどありません。取り扱う商品の詳
細がもう決まっているようでしたら情報をアップしていただきたいのですが。
よろしくお願いします。


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2011年06月20日

バンブーサックス

投稿者:るるべさん

バンブーサックスの音色が気に入り、購入を考えているのですが、楽器初心者
です。
プラスチック製のリードとバンブーサックスの組み合わせでは、どんな感じの
音になるのでしょうか?


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2011年06月19日

サム・ファン・カリンバ

» サム・ファン・カリンバを弾いてみました

私は、カリンバなら日本製に限る、と思っています。
吉田ケンゴさん、BUNちゃん、夢弦工房さんに暁天さん…みんなそれぞれに、世界に出して恥ずかしくないカリンバを製作します。

そもそもカリンバという楽器は、材料を吟味してきちんと作りさえすれば、取りあえずいい感じに鳴る物が出来てしまいます。(夏休みの工作課題として子どもたちが作ってしまうくらいです。)だから世界中で「取りあえずいい感じに鳴りますよ」という子どもの工作みたいなカリンバが、たくさん作られています。しかし手に取って思わず弾きたくなるようなカリンバは、なかなかない。まあ、いい感じに鳴るなら楽器としてはもう十分なわけで、その一線を更に超えようとするのは、やっぱり日本人の感覚なのでしょうね。

しかし私のような楽器店にとって残念なのは、カリンバに限らず、日本の小さな工房で製作している楽器は押し並べて卸値が高い、ということです。だから安価に仕入れることのできるカリンバがないか、定期的にネットで調べていました。何年も。

サム・ファン・カリンバは北米オレゴン州にある新参のカリンバ工房です。
この工房が製作するカリンバは、ヒョウタンで作ったメロンパンのようなボディーと、ジグゾーでくり抜いたポップなサウンドホールがトレードマークです。ぱっと見た感じは珍しくない、ネットでよく見かける造作ですが、出来がぜんぜん違う。「なるほど確かに丁寧に作られているな…」というのは写真を見て分かるとおりですが、ふつうの人は気がつかない(つか気にとめない)ようなところまで、気を配って設計してあります。彼らには美学がある。「カリンバとはこうでなければならない」という理想を持って製作している、ということです。

外国産のカリンバで、私が販売したいと思った第一号です。
さっそく卸売りしていただけるよう交渉します。
あ、音質はそこそこです、可もなく不可もなく。

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2011年06月17日

ウィングカンテレの弾き方、弦の押さえ方と弾き方

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第8回、弦の押さえ方と弾き方について。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました

左指で押さえて右指で弾く

ウィングカンテレは左手の指で弦を押さえて、右手の指で弦を弾きます。左手は5本の指をぜんぶ使います。右手は、上手な人はやっぱり5本ぜんぶ使って演奏していますが、当面は親指と人差指があれば足りるみたいです。写真の人は、ギターのピックを持って弾いているみたいです。こういうのもありです。

左手は大きな夏みかんを鷲づかみにしたような形にして、弦を押さえます。実は、左手は弦を押さえるほかに、弦を弾きもします。(だから右手よりも左手の方がだんぜん忙しいです。)単純に弦を押さえるだけなら、べたっと押さえればいいのですが、同時に弦を弾くとなると…。指を動かしやすいように、少し立てるというか、写真のように少し指を曲げて弦を押さえます。

試しに左手の5本の指を適当に弦の上に置いてみてください。
そのまま、今、指で触っている弦をそのまま弾いてみてください。できますか。最終的に、これを親指から小指までぜんぶの指で行うわけです…まあ、のんびりいきましょう。

右手は、指先の肉で弦を引っかけて、弾きます。弾いたとき、弦がわずかに爪に掠る感じです。まったく爪に掠らせないように弾くことは難しいですし、そうやってしまうとモワモワした音になるでしょう。かといって、本気で爪に引っかけて弾くとギーンというすごい音がします。指で弦を弾いたときチリッと爪先に掠る感じ。考えるよりも慣れる方が早いです。すぐに慣れます。
ああだから、左手で弾くときも同じですよ。

試しにほんのちょっとだけ

図のとおりに、左手でウィングカンテレの弦を押さえてみてください。いちばん下を開けて、二本を押さえて、あとは一つ飛ばしに弦を押さえていきます。

この状態で、右手の親指でぜんぶの弦をまとめて上から下にがーっと撫でおろします。どうです、ジャーンといい感じで鳴りましたか。これが『Ⅰのコード』です。ドミソの和音、と言ったほうが分かりやすいですか。
» ウィングカンテレでⅠのコードを鳴らしてみた

ウィングカンテレには西洋音階ドレミファソラシドのぜんぶの弦があります。これをそのままぜんぶ鳴らすと、ごちゃごちゃになってわけが分かりません。しかし、たとえばドミソの和音を鳴らしたいとき、ドミソに関係のない音―レファラシの音―が鳴らないように左手で押さえて止めてやる。こうしておいて右手でぜんぶの弦をまとめて弾くと、ジャーンとドミソの和音が鳴る理屈です。左手で違った弦を押さえると、違った和音が鳴ります。

さらにちょっとだけ

せっかくですから、ドミソの和音を「ジャーン、ジャーン、ジャーン、…」と続けて鳴らしてみてください。そして「ジャーン」と「ジャーン」の合間に、左手で弦を弾いてみてください。ジャーン→親指→ジャーン→人差指→ジャーン→中指、ジャーン→親指→ジャーン→人差指→ジャーン→中指、…という感じです。「ジャーン」のときは、左手は忘れずきちんと弦を押さえてくださいね。なかなか忙しいです。
» ウィングカンテレでⅠのコードを鳴らしてみた(左手も参加)

できましたか?これがウィングカンテレのコード奏法です。

空耳メロディーを奏でる楽器

それにしても上の試聴サンプルを聴いていると、なんだか「ソラソファミレドー、ソラソファミレドー」のようにメロディーが聞こえてきませんか。人によっては別に聞こえるかもしれませんが、とにかく、ジャーンジャーンという伴奏といっしょにメロディーを弾いているように聞こえます。

これは人間の耳がそうなっています。
人間は、耳に音が入ってきたとき、ばらばらな音をそのまま「ばらばらでデタラメな音だ」とは捉えません。何か意味のある…たとえば何かのメロディーの断片的な部分だけが聞こえたのだ!と捉えます。そして、じゃあ元々のメロディーはどんなだったのだろう?…とばらばらな音を組みあわせて―足りない音は適当に補完までして―それらしいメロディーを作りあげます。これを一瞬に無意識のフルオートで行います。音が心に届くときにはもう、ほんとうにメロディーを聞いたことになっている。

小さな子どもでさえ、雑踏の中でちらりと聞こえた大好きなアンパンマンの歌を聞きのがさない。この驚嘆すべき認識力は、まさにこの高速フルオート処理に依っているのですが…今回ばかりは間違いです。だって左手が弾いているのは、ほんとうにばらばらな音なのですから。だから、みなさんが聞いているメロディーは幻聴、錯覚です。

ウィングカンテレは、ゲシュタルト心理学に基づく人間の錯覚を積極的に利用する、一風変わった弦楽器です。ね、ちょっと興味あるでしょう。

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