-- カンテレ --
ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第11回、カンテレでコードを鳴らす方法。
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おさらい
ウィングカンテレでコードを鳴らす方法を説明する前に、ざっとおさらいしましょう。「西洋音階は1つ飛ばしに3つの音を鳴らすと必ずハモる」というルールでした。西洋音階はド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7つの音で出来ていますから、ドから始めて ”ドミソ”、レから始めて ”レファラ” のように、7つのコードが使えます。カンテレも西洋音階に調律されているので、同じ理屈で7つのコードを演奏することができます。
カンテレの演奏スタイルには2とおりありました。1つはふつうのハープやお琴と同じように弾くハープ奏法、そしてもう1つはコード奏法です。このカンテレ弾き方教室ではコード奏法について説明します。コード奏法はハープ奏法と考え方が真反対で、たとえば ”ドミソ” のコードを弾きたいときはド・ミ・ソの弦をはじくのではなく、鳴ってはいけないレ・ファ・ラ・シの弦を左手で鳴らないように押さえて、全部の弦をまとめてジャーンをかき鳴らすのでした。
カンテレで演奏できる6つのコード
カンテレで演奏できる6つのコードの押さえ方を下の図に示します。
これは11弦カンテレの例ですが、16弦カンテレ(実質は12弦カンテレ)も考え方は同じです。いちばん下の弦がいちばん低い音で、上にいくほど高い音になります。○を付けた弦を左手の5本の指で押さえて、右手の親指で全部の弦をまとめてジャーンと弾くとコードが鳴ります。
» カンテレの6つのコードをⅠから順に弾いてみた
上の方の高い音の弦は、ほんとうは押さえないといけないのですが…指の数が足りなくて押さえることができません。できるだけ弾かないようにしてください。私は気にせず弾きますけどねっ。
ちなみに『グリーン・スリーブス』は Ⅵ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ、Ⅵ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ→Ⅵ、Ⅰ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ、Ⅰ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ→Ⅵ です。ほんとうはもっと凝ったコード進行なのですが、6つのコードだけで弾くとこんな感じ?ジャーンジャーンの合間に右手の人差指や左手でポロポロ弾くといい感じです。
7番目のコードは使わない
「あれ、コードは7つあったはずでは?」と疑問に思いましたか。7番目のコード(Ⅶのコード)は使いません。ニンジンでもホウレン草でも端っこは切って捨てるでしょう。いちばん端っこのⅦのコードは壊れて使い物にならない★1 、とでも理解しておいてください。実際、Ⅰ~Ⅵの6つのコードを鳴らせるようになれば、ひととおりの曲を伴奏できるようになります。覚えることが1つ減ってよかった。
★1 Ⅶのコードは壊れて使い物にならない
学問的にはⅠ~Ⅵの6つのコードのうち、Ⅰ・Ⅳ・Ⅴのコードは仲間でみんな同じ構造をしています。どれもはっきりした明るい雰囲気です。また残りのⅡ・Ⅲ・Ⅵのコードも仲間でみんな同じ構造をしています。どれもはっりしない暗い雰囲気です。このようにコードは2つのグループ(メジャーとマイナー)にきれいに分かれます。なのに、Ⅶのコードだけがどっちともつかない特殊な構造をしている。ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シのいちばん端っこなので無理が生じるというか、期待どおりにいきません。音楽学校ではⅦのコードも含めていろいろと難しい説明をするのですが、日常生活では「Ⅶのコードは使い物にならない」と捨てるのが吉です。
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