-- DTM-VST, VSTi(1) --

1

2015年07月07日

中低域のモヤモヤをすっきり。プロのような音に

»tmryCrossCompをダウンロード(Windows7,32bit)

素人臭い音は中低域のモヤつきが原因

ベースとピアノ・ギターの低音は同じような音の高さです。
中低域――100Hz~300Hzに集中しています。

これらを何の工夫もなくミキシングすると、お互いの音が衝突しあって、モヤモヤした聞きとりにくい音になります。素人の音楽作品の品質が悪いのは、ほぼこれが原因です。

中低域のモヤつきをなくしてCDのような鮮明な作品に仕上げるには、衝突している楽器のうち比較的に高い音の楽器――この場合はピアノやギターの低音域をカットして、ベースとの衝突を避けるようにします。

中低域を賢くすっきり

ベースとギターのセッションを例に説明します。

Audio Player

最初は何もせず単純にベースとギターをミキシングした例。
ギターだけ鳴っているときは問題ないのですが……ベースが参加するとお互いの音が衝突して、モヤモヤと聞きとりにくい感じになります。ベースが参加した途端、急に録音が悪くなったようにも感じます。

次はギターにtmryCrossCompをかけた例。
ギターだけのときは先ほどと同じ聞こえ方ですが、ベースが参加すると、tmryCrossCompがギターの低音域をカットして衝突を避けます。結果としてモヤつかず、ベースもギターもはっきり聞こえます。理想的な聞こえ方です。こちらを聴いた後に先の単純にミキシングした例を聴くと、改めて音の悪いことがよく分かります。

tmryCrossCompが賢いのは、ベースが消音すると、ギターの低音域が元に戻るってことです。そうではなくてイコライザやフィルタでギターの低音域をざっくりカットしてしまうと、ベースとセッションしているときはよいのですが、ギターだけのときは逆に、スカスカした痩せた音に聞こえてしまうでしょう。

tmryCrossCompは状況に応じて賢く中低域をすっきりさせます。

インストール方法

tmryCrossCompはVSTです。
インストールは簡単です。zipファイルをダウンロードして解凍して、tmryCrossComp.dllをお手持ちのDAWのVSTプラグインを収めているフォルダに入れるだけです。

tmryCrossComp.dllはWindows7の32ビット版でビルドしました。
だからそういう環境で動作します。
»tmryCrossCompをダウンロード(Windows7,32bit)

サイドチェインについて

tmryCrossCompは、”ベースの音”で”ギターの低音域”を抑えるコンプレッサです。ですからtmryCrossCompは2つの入力――通常の入力とサイドチェイン入力を持っています。通常の入力には、この場合はギターの音を入力します。サイドチェイン入力にはベースの音を入力します。

サイドチェインのやり方はお手持ちのDAWのマニュアルを参照してください。

»tmryCrossCompをダウンロード(Windows7,32bit)

各部の説明-INPUT

INPUTは入力した音を確認し微調整するところです。
①のレベルメータには、通常の入力に入力した音――この場合はギターの音が表示されます。必要に応じてGainを回して音量を調節してください。

②レベルメータには、サイドチェイン入力に入力した音――この場合はベースの音が表示されます。必要に応じてGainを回して音量を調節してください。

③は、サイドチェイン入力を有効にするために、ONにしておいてください。これをOFFにすると、tmryCrossCompはギターの音をギターの音で圧縮する、普通のコンプレッサになります。tmryCrossCompを普通のコンプレッサとして使っても構いませんが……もっとよいコンプレッサを持ってるのではありませんか。

各部の説明-SPLIT LOW-HI

tmryCrossCompは低音域のみを圧縮するコンプレッサです。
④のツマミを回して、ギターの音を低音域と低音域に切りわけます。ツマミを右に回すほど切りわける周波数が高くなり、結果として圧縮する範囲が広くなります。

各部の説明-COMPRESS

⑤はコンプレッサのスレッショルドです。
ベースの音がこの音量を超えるとtmryCrossCompはギターの低音域を圧縮します。ツマミを左に回すほど強く圧縮します。右に全回するとまったく圧縮しません。

ベースが鳴っている状況でも、ギターの低音域がまったく聞こえないのは不自然です。ギターの低音域はしっかり聞こえているが、それでいてベースもがっつり自己主張している、そんな絶妙なポイントに設定するべきです。

⑥はコンプレッサのリリースタイムです。
ベースの音が途切れたときに、どのくらい素早く圧縮を止めるかを設定します。ツマミの値が小さいほど、ベースの音が途切れた途端にすぐに圧縮を止めます。値が大きくなると、ベースの音が途切れてもいつまでも圧縮したままです。

ベースの音にあまりに過敏に反応して神経質に圧縮をON/OFFするのは耳障りですし、かといって常に圧縮したままというのも無意味です。ベースの音が途切れて16分音符くらいの長さで圧縮が止まるのを標準に考えます。16分音符の長さ(秒数)は、曲のテンポによって次の計算式で決まります。

16分音符の秒数 = 60*4/曲のテンポ/16

各部の説明-REDUCTION

tmryCrossCompがギターを音を圧縮した結果がここに表示されます。低音域と高音域を分けて処理するのですから、それぞれに分かれて表示されます。ここで重要なのはもちろん、低音域LOWの方の圧縮結果です。高音域HIはそもそも圧縮しない約束でした。

⑦をONにすると、低音域が完全に聞こえなくなります。
これは作業用です。⑦をONにして低音域を聞こえないようにして、④を調節してギターの音がベースの音と衝突しないようにします。最高にいい感じに聞こえる……よりも少しだけキツめにツマミを調節してから、⑦をOFFにして、⑤を右全回から少しずつ左に回して、改めてギターの低音域を圧縮する量を決めていきます。

ギターの低音域を圧縮しすぎると、すっきりしますがスカスカした感じになります。ギターの低音域はしっかり聞こえているが、それでいてベースもがっつり自己主張している、そんな絶妙なポイントに設定するべきです。

⑧をONにすると、tmryCrossCompはギターの高音域を圧縮しません。これこそ正にtmryCrossCompに求められる機能です。⑧は普通はONにします。⑧をOFFにすると、tmryCrossCompはギターの低音域も高音域も圧縮します。つまり普通のコンプレッサとして働きます。tmryCrossCompを普通のコンプレッサとして使っても構いませんが……もっとよいコンプレッサを持ってるのではありませんか。

各部の説明-OUTPUT

⑨は出力するギターの音の音量調整です。
tmryCrossCompを使っているときとバイパスしたときで、ギターの音量が同じように聞こえるように調節すると、効果を比較しやすく作業しやすいでしょう。

各部の説明-残り

⑩はコンプレッサの圧縮率です。
普通のコンプレッサの圧縮率と表現が違っていて、0.0で無圧縮、0.5で半分圧縮、1.0で全圧縮です。tmryCrossCompの使い方からして、⑩は1.0の全圧縮固定でいいでしょう。

⑪はコンプレッサのアタックタイムです。
tmryCrossCompの使い方からして、⑪は最小の最速固定でいいでしょう。

ピアノやギターとボーカルの衝突回避にも

ここまでベースとギターの衝突を例に説明してきましたが。
音域の近い楽器同士はお互いにそこら中で衝突します。キックドラムとベースは200Hzあたりで衝突しますし、ピアノやギターとボーカルは1KHzあたりで衝突します。そしてそこら中でモヤモヤした状況を作りだします。

tmryCrossCompはそのような状況をすべて解決します。
tmryCrossCompでモヤモヤをなくし、すっきりしたCDのような音質の作品に仕上げてください。

参考文献

プロ臭いCDのような音を製作するための教則本。自己流ではどうしても行き詰まるので、一から勉強し直すのにお勧めです。

tmryCrossCompの着想はこの本を基にしています。

本書では、誰でも簡単に入手できるローカットフィルタで低音域をカットすることを教えています。理論上はそれでOKなのですが、前述したように臨機応変さを求められる場面もあって、tmryCrossCompを開発しました。私もベースが始終鳴っているような曲では、ローカットフィルタでピアノやギターの低音域を一律にカットしていますよ。その方がきれいですもん。

楽器があればもっと楽しい毎日
» 変わった楽器、珍しい楽器の販売は世界楽器てみる屋

2014年10月06日

シネマチックな音作りに!音の定位を決めるエフェクタ

tmryLocaterPlusは音の定位★1 を決めるVSTエフェクタです。
音の定位というのは、音楽を聴いているとき楽器の音がどこで鳴っているように聞こえるか、ということです。

奥行きと広がりのあるシネマチックな音楽作品を製作するのに、楽器の定位を細かく決めることができるtmryLocaterPlusは重宝することでしょう。

» tmryLocaterPlusをダウンロードする (2014/11/30 Windows7 32bit ver.1.00)


Stereo Type1

tmryLocaterPlusの各ツマミについて、左から順に説明します。
Stereo Type1とStereo Type2はどちらも音を左右に広げます。これは特にシンセサイザのモノラルな音だと、効果がはっきり分かります。頭の中で鳴っていた音がぱっと左右に広がって聞こえます。

Stereo Type1とStereo Type2を、両方同時に使うことはないでしょう。
どちらかのツマミは0にして、もう片方だけ使います。

Stereo Type1は、低い音は左側に聞こえて高い音は右側に聞こえる、みたいな奇妙な音の広がり方をします。ツマミを1目盛り回すと、ごろっと聞こえ方が変わるので、慎重に回します。★2 ピアノ音源の低音を中心に配置し高音を左右に広げる、みたいな特殊用途に使います。キマると効果抜群ですが……Stereo Type1はあまり出番がないでしょうね。

Stereo Type2

音を左右に広げるなら、専らStereo Type2を使うことになるでしょう。
ツマミの中心が0で、右に回しても左に回してもきれいに音が左右に広がります。

ツマミの回し具合で聞こえ方が大きく違ってきます。
ツマミを大きく回すと、音が左右に広がるというより、左右で別々の音が鳴っているように聞こえます。これは例えばサイドギターで、左右で二人のギタリストが別々に同じフレーズを弾いてますよ的な雰囲気を演出するのに使えます。こんな場合、プロは本当に二人のギタリストを用意したり、同じフレーズをわざわざ2回録音して左右に配置するのですが。作品によっては、こんな安っぽい解決法が似合っている場合もあります。

Wideness

音が左右に広がる幅を調整します。
ツマミを右に回すほど音は左右に広がって聞こえます。左に回すほど音の聞こえる幅が狭くなって、0だとモノラルに戻ってしまいます。

パッドのように世界中に響いているように聞かせたい音は、左右いっぱいに広げます。ボーカルの補佐を務めるコーラスやブラスなどは、もうすこし幅を狭くして、どこで演奏しているか位置を感じとれるようにします。

Pan

音を左右に移動します。
ツマミを大きく回すほど音は左右に大きく移動します。知ってますよね。

Distance

ツマミが0で至近距離、右に回すほど音が遠ざかります。
Ambienceをスイッチオンすると、より距離感がはっきり分かるかもです。Ambienceはテスト用の大ざっぱなオマケ機能ですが。「これでもいい感じじゃん!」と思ったらそのまま使ってください。私も安っぽい音楽作品ではAmbienceをオンにして使ってます。

Output gain

あればなにかと便利な音量調整。
音を大きくしたり小さくしたりできます。

ワンランク上の使い方 - Stereo効果を他のエフェクタで

tmryLocaterPlusが一つあれば自由に音の定位を決めることができますが。
他の高品質のエフェクタを併用することで、より豊かな音のランドスケープ(景観)を作ることができるでしょう。

例えばStereoについて。
音を左右に広げる方法はいろいろあります。tmryLocaterPlusでは左右の片側に短いディレイをかけて音を広げていますが。他にもコーラスやリバーブを使うとか、楽器の生演奏を録音するならステレオマイクを使うとか、いろいろ方法があります。予め他の高品質のエフェクタで音を左右に広げておいて、敢えてStereoを使わず――ツマミを中心の0に設定して、tmryLocaterPlusを使う方法もお勧めできます。

ワンランク上の使い方 - Ambience効果を他のエフェクタで

Ambienceには粗末なリバーブプログラムを使っています。
代わりに他の高品質のリバーブを使った方が絶対によいです。

ここで「遠い音」について説明しておきましょう。
遠くで鳴っている音、というのは物理的には「環境音の強い曇った音」です。音が曇るほど環境音が強くなるほど、遠くで鳴っているように聞こえます。

tmryLocaterPlusでは、曇った音というのを表現するために、ローパスフィルタで高音を削っています。これはこれで不都合ないでしょう。

環境音はリバーブで表現するのが定石ですが……tmryLocaterPlusが搭載しているのは粗末なリバーブプログラムです。Ambienceはスイッチオフにして、tmryLocaterPlusから出てきた音を他の高品質のリバーブに通した方が、よりリアルな距離感を得ることができるはずです。リバーブを強くするほど音は遠ざかって聞こえます。

★1 音の定位
音楽を聴いているとき楽器の音がどこで鳴っているように聞こえるか、ということを音の定位と言います。音楽ソフトのほとんどが搭載しているパン――音を左右に移動するツマミも音の定位の一つですが、それだけではありません。音の定位には、左右、距離、幅があります。

左右
音が正面で鳴っているか、左側で鳴っているか、右側で鳴っているか、ということです。パンで表現します。
距離
音がすぐ目の前で鳴っているか、数メートル離れて鳴っているか、はるか遠くで鳴っているか、ということです。これはローパスフィルタとリバーブで表現できます。ローパスフィルタで高音を削ってリバーブを強くかけるほど、音は遠で鳴っているように聞こえます。
鉛筆を床に落としたときの音は、見ていなくても(ここに落ちたな)と分かるほど明確に位置が分かります。一方で部屋の中で聞く雷の音は、ものすごく大きな音なのに、どこで鳴っているのかよく分かりません。
この音の位置感というかフォーカス感というか……とにかくこれを音の幅と言っているわけですが、音の幅はいろんなエフェクタで表現できます。コーラスやリバーブ、実はグラフィックイコライザでも音を広げる技があります。そもそも楽器の生演奏をステレオマイクで録音すれば、自然な音の広がりや位置感を得ることができますし。

★2 ツマミを慎重に回す
tmryLocaterPlusでは、Shiftキーを押しながらツマミを回すと、通常よりも細かく数値を設定することが出来ます。またツマミをダブルクリックするとデフォルト値に戻ります。

楽器があればもっと楽しい毎日
» 変わった楽器、珍しい楽器の販売は世界楽器てみる屋

1

みんなの掲示板

ご質問・お知らせなどがございましたら遠慮なくご投稿ください。

ユーティリティ

 

最近のトラックバック