ポケットサックスの吹き方 補足8
ザフーン・ポケットサックス(Xaphoon Pocket Sax)は手軽にサックス気分を楽しめる新しい楽器です。ポケットサックスの吹き方、補足その8。ポケットサックスは自分でピッチを合わせながら演奏します。
吹奏楽器のピッチは不安定
本物のサックス演奏者から「ポケットサックスのピッチは不安定」ということがよく指摘されます。たとえばドの音を吹いても正確なドの音が出ない、ということです。それは本当です。とはいえポケットサックスを擁護させてもらうなら、吹奏楽器はみんな多かれ少なかれ、そのようなところがあります。
吹奏楽器の指穴はスイッチではありません。正しく指穴を押さえたからぴったり440Hzの音が鳴る、というものでもないのです。どんな吹奏楽器でも多少は、演奏しながら自分の耳で聞いて、(…んっちょい低め?)という感じにどんどんピッチを修正しながら演奏するものです。オカリナやリコーダーなど、吹けば鳴る構造(フィップル構造)の笛は、息のふらつきがそのままピッチのふらつきになって現れますから、正しいピッチで演奏し続けることに神経を使います。腹式呼吸だとか腹筋がどうとか、うるさく躾られる道理です。
ポケットサックスはマウスピースをくわえる深さと、下唇で噛む強さによって、ピッチが大きく変化します。
- くわえる深さ
- 深くくわえると…ピッチが低くなる。きーきー鳴るがピッチは安定する。
浅くくわえると…ピッチが音が高くなる。曇った音になりピッチは不安定になる。 - 下唇で噛む強さ
- 下唇の力を抜くと…ピッチが低くなる
下唇で強く噛むと…ピッチが高くなる
下唇の力を抜いた状態からぐぐーっと強く噛むと、ぷぃぃぃぃーっというサックス独特のずり上がる音になります。だからこれは欠陥ではなく仕様なのですが。それでも用もないのにピッチふらふらするのは困ります。
深くくわえて強く噛めば多少は改善される
ポケットサックスのマウスピースを下唇でぎゅっと強く噛んだ状態で演奏すれば、ピッチは安定します。ソロで演奏するならこのまま、できるだけマウスピースを深くくわえると更にピッチは安定します。ただしやりすぎるとキーキー鳴るので加減は必要です。
他の楽器と演奏する場合は、くわえる深さを調節して相手の楽器とピッチを合わせます。
ポケットサックスの方が演奏しやすい
ポケットサックスは金型にABS樹脂を流しこんで作った量産機ですが、そのぶん高精度に仕上がっていて演奏しやすいです。一方の竹製のバンブーサックスは手作りなので、最初からピッチがずれていることがあります。(私のバンブーサックスはミの音が少し高い?です。)だから場合によっては、一時的に下唇の力を加減してピッチを調節することもあります。そのへんポケットサックスの方が気遣いが少ない。
とはいえゼロではありません。ポケットサックスもバンブーサックスも、演奏しながら耳で聞いてピッチを合わせることは必要です。
私はバンブーサックスの音色が好きなので、ならば少し使いにくくても自分でなんとかしよう。そういう判定でぎりぎりバンブーサックスに軍配があがります。飽きたらポケットサックスをぷーぷー吹きます。
楽器があればもっと楽しい毎日
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