ミクをオートメーションなしで調教する 1
オートメーションを手描きせずにミクを調教するプロジェクト。
「オートメーションしなくていいなら私だってミクの歌を作れるさ!」という根気と時間のない野心家のための、一発逆転の物語です。
まずはオートメーションなしでどんなふうにミクが歌うのか聴いてください。(2016/01/09現在の品質です)
一切オートメーションはしていません。
調教にかかった時間はトータルで9時間ぐらいですか。夜中から始めて、みんなが朝ご飯の頃には完成していました。
「そうなんだ?でも私の方がずっと早くミクを調教できるし、よっぽど生き生きと歌わせることができるもんね。」という素晴らしい調教師のみなさんには、この記事は無価値です。ぜひぜひ素晴らしい作品を作り続けてください。応援していますよ。
ミクばかりに時間をかけられない
ミクを生き生きと歌わせるために必要な作業――パラメータのオートメーションは、神経質で根気を要求される膨大な手作業です。ミクの調教は、ふつうの人の神経では耐えられません。たいていの人が途中で投げだしてしまいます。私も説明書に載っていたチュートリアル『シャボン玉とんだ』を実践している段階で早々と挫折しました。
そして調教には十分な時間も必要です。
仕事や勉学に追われて時間のない人は、もうそれだけでミクを歌わせることはできません。私もその一人です。
私が音楽動画を製作してインターネットにアップするのは、仕事の一環です。私のお店や、お店で売ってる楽器を宣伝するためです。ですからミクにばかり時間を使うわけにはいきません。むしろミクの方がオマケで、他の仕事をして余った時間でミクを歌わせる感じです。
時間も根気もない凡人の私がミクを歌わせたければ、短時間でミクを調教できることが必要です。そのためにはオートメーションしないことが大前提になります。オートメーションせずにミクを生き生きと歌わせる方法が、私には必要です。
初音ミクについて
『初音ミク』はクリプトン・フューチャー・メディア社が発売している、歌を歌うシンセサイザです。音符を打ちこみ歌詞を入力すると、そのとおりに初音ミクが歌います。
» 初音ミクの販売サイト
ただし、単純にミクに音符と歌詞を入力しただけでは、のっぺりした独特のロボット声で歌います。
これを心がこもっているように生き生きと歌わせるには、声に抑揚・強弱をつけたり、一瞬だけ声の質感を変化させるなど、細かな調整が必要になります。(この作業を”調教”と言います。)
例えば声に抑揚・強弱をつける場合、やり方自体は簡単です。DYNAMIC(DYN)と呼ばれるパラメータにオートメーション――山谷グラフを描いてやります。グラフが山の箇所ではミクは声を張りあげ、谷の箇所では静かに歌います。オートメーションを描くのはお絵かきソフトのように、(こんな感じ…)とマウスで手描きします。
楽器があればもっと楽しい毎日
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