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何はなくともソニーのMDR-CD900ST

「オーディオ業界の標準」と称されるヘッドホンがあります。

MDR-CD900STというソニーの製品でして、自社のエンジニアのために開発した、という曰くつきのモニタリング用ヘッドホンです。

「実は低音域が若干足りない」など、アマゾンにコメントされてたりしますが、今さらそんな議論は無意味。オーディオ業界で働く人の大多数が「このヘッドホンで聞く音が標準だと認めた」という事実こそ重要です。

私も数作品ほど前からこのヘッドホン――MDR-CD900STを使って演奏動画を製作していて、確かな効果を実感しています。

業界標準の音に仕上がる

MDR-CD900STを使って製作した音楽作品は、いわば業界標準の音に仕上がります。
重大なメリットとして、どんなスピーカやイヤホンでもそれなりに聞ける音になります。

私の例を話しますと、
私の以前の音楽作品は、(ほんとうに何度も聞きなおして音のバランスをしっかり調整したのですが)安物のスピーカやイヤホンで再生すると、聞いていられないほど音が劣化しました。あるスピーカだと低音がモワモワになって、別のイヤホンだと高音がキンキンしました。プロの作品――CDの音ももちろん、安物のスピーカやイヤホンで聞けばみすぼらしい音になります。それでも耳からイヤホンを引きはがすほどひどくは歪まない。この違いはいったいなんなのか?なにが悪いのか?

これは私の数年来のミステリーでしたが、MDR-CD900STを使用するようになってから、すっぱりと症状が軽減しました。もちろん腕が悪ければ、どんなよい道具を使ったところで高はしれています。それでもMDR-CD900STを使うかぎり、どこまでも私の努力に見合った品質の作品を作れそうな手応えです。

リスニング環境も併用

”モニタリング用”とはつまり”監視用”という意味です。
MDR-CD900STはモニタリング用ヘッドホンです。MDR-CD900STは「音が良いか悪いか」「正しいか間違っているか」を聞きわけるのに適しています。

反面、「音が気持ちいいか不快か」を、今ひとつ感じとることができません。
私たちの最終目標は、お客さんが聞いて気持ちよく感じる音楽作品を製作することです。つまり音楽作品を製作するためには、モニタリング用のMDR-CD900STだけでは足りなくて、他にリスニング環境(鑑賞環境)が必要です。

理想は専用のリスニングルームを用意して、自分で「これ!」と認めたアンプスピーカを設置することですが。

私にはそんな場所も金もありません。リスニング用に別のヘッドホンを用意して使っています。私のリスニング用のヘッドホンはオーディオテクニカのATH-M50です。

もともとこれもモニタリング用途の製品でして、非常にフラットな周波数特性です。奥行き表現★ がなんとも気持ちいいので、「むしろリスニング用にお勧め」というアマゾンコメントを見かけます。

この”奥行き”というのが、MDR-CD900STではよく感じとれません。
そもそも音には、”奥行き”なんて物理的な情報は存在しません。音を聞いた人が(ギターは近くで鳴っている)(ドラムは遠くで鳴ってる)と感じる、大げさに言えば錯覚・幻想です。だから奥行きは、いくら耳をそばだててモニタリングしても聞こえない。リスニングしないと感じとれないのです。

感じて、聞いて、最後に感じる

現在の私は、作業の最初はATH-M50を使って、近い楽器の音(ギターやピアノ)と遠い楽器の音(ドラム)の位置を決めます。その後の作業はMDR-CD900STを使って、良い音・正しい音に仕上げることを心がけます。最後にまたATH-M50を使って、気持ちよい音に出来上がったかどうかを確認します。

★ 音の奥行き
ある音がどこで鳴っているか、というのを「定位置」と呼ぶらしいです。音の定位置は3つの要素――左右・距離(奥行き)・フォーカスで決まります。距離とは、例えば目の前に落ちたコインの音は近くに聞こえますし、雷の音は遠くに聞こえます。これは目隠しをしていても分かります。

私の場合、楽器の音の定位置をどのように決めるかは、音楽作品を製作する上できわめて重要です。音の定位置については、別の記事で詳しく説明します。

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2012年09月19日

ブログを開設しました

こんにちは、以前cresc.の名前で質問等をさせていただいた者です。
今後は千代紙このかと名乗らさせていただきます。

楽器が好きで好きで仕方がなく、このたびいつかやってみたいと考えていた民族楽器の情報をまとめるブログを

作成いたしました。
主に2chの民族楽器関係や同人音楽関係をまとめております。
民族楽器をやってみたい!でもマイナーだから情報が少ない...
そんな方たちのお役に立てればと思います。

もしよろしければ、相互リンクをお願いしてもよろしいでしょうか。

生まれて間もないまだまだ未熟なサイトですが、相互していただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。

サイト名 屋根裏部屋の音楽祭

URL: http://yaneurafolksong.blog.fc2.com/
RSS:http://yaneurafolksong.blog.fc2.com/?xml


また、この投稿をご覧になったみなさんもぜひ遊びにいらしてください。
こんな楽器を知ったんだけど右も左もわからない!などの声を寄せていただければ
喜んで編集させていただきます。



...正直、マイナーなのですぐにネタ切れしてしまうのですが、頑張ります。

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BIABのオーディオコードウィザードのヒント 7

Band-in-a-Box(略してBIAB)は自動で楽器を伴奏してくれる便利なDAWです。楽器が弾けなくても打ちこみが苦手でも、音楽作品を作ることができます。オーディオコードウィザード(略してACW)はBIABの機能の一つです。mp3やwmaなど音楽ファイルを読みこんで、コード進行を逆算します。オリジナル曲の音さえあれば、コード進行を決めて伴奏をさせて、私だけのカバー曲を作ることができます。ここではACWの使い方について、そのヒントを挙げています。

小節の区切りはチョー重要

ACWは小節毎にコードを解析します。ですから小節の区切りがいい加減だと、隣りあった小節のコードが混ざりあってしまって正しく解析できません。小節を正確に区切ることは、ACWを利用する上での最重要事項だと言えます。

一応ACWも努力します。「第一小節の先頭」と「曲のテンポ」を基に小節を自動的に区切ります。が、まったく使い物になりません。これはすべてACWが悪いというわけでもない。人間の演奏はメトロノームのように正確ではありませんし、曲の演出として一部をわざとゆっくり演奏したりしますから、全体のテンポを単純に割り算するような荒っぽいやり方では、曲の小節を区切ることはできないのです。

始めの方から順に少しずつ

曲の小節を正確に区切るのは人間にしかできない作業です。区切り線をマウスで前後に動かして正しくなるように修正します。一つ一つ手作業で修正します。最悪、全部の区切り線を修正する羽目になることを覚悟してください。ってけっこう大きな曲で300小節くらいあるんですけど?はい、300カ所の区切り線を修正してください。

区切りのずれは後になるほどひどくなっていきますから、曲の始めから一つずつ順々に修正していきます。「最悪、全部の区切り線を修正することになる」と言いましたが、実際にそこまでひどいことも滅多にないです。区切り線がずれた?ように見えても、次の区切り線が再び正しい位置を指すなら見逃します。どこまで行っても区切り線がずれっぱなし、それどころかだんだんひどくなってる!と分かったら修正します。そこから前に遡って、まだあまり区切り線のずれていないあたりから修正します。そこを修正すると、後ろはぴたっと合うことが多いです。またずっと曲を見ていって、区切り線がずれっぱなしで正しい位置を指す気配がなくなったら、また前に遡って修正します。

これは大変な作業です。ACWを使う上でいちばん面倒くさい作業です。
自分の耳でコードをコピーする方が早いか、それとも全部の区切り線を手作業で修正する方が早いか……ここがACWを利用する/しないの分岐点になるでしょう。こんなでも、私の場合はACWを利用する方がまだ効率よいのですよ……

イレギュラーな箇所は慎重に対処

曲の演出として一部をわざとゆっくり演奏することがあります。(リタルダンドでしたっけ?)そこは踏みはずさないように、思いきって小節の長さを大きく取ります。

サビの前の一小節だけ一拍多く数える、といったトリッキーな曲もあります。この場合はその小節を二つに分解したり拍数を変えたりします。これはさすがにACWのマニュアルにやり方が詳しく説明されていますから、そちらを今一度ご確認ください。

忘れてならないことは「小節のテンポが違う、小節の拍数が違う、といった情報はBIABには伝わらない」ということです。BIABはどんな小節も同じく扱います。ですからそのようなイレギュラーな箇所は、絶対に忘れないように紙にメモして残しておく必要があります。そして後でBIABで、手作業で指定していきます。「この小節はテンポをチェンジ」「この小節は1拍マイナス」みたいに。

私の場合は最終的に、BIABに出力させたMIDIファイルをSONARに持ってきてアレンジ・ミックスダウンします。ですからいっそSONARでMIDIデータを切り貼りし、テンポ変更することもよくします。要は作品として完成すればいいので。

とにかくACWを使うときは紙と鉛筆を用意しておいてください。必ず使いますよ。

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”演奏に心はこもらない”の補足

私が書いた記事に関して、カナメさんがわざわざ彼女のブログにコメントを書いてくれました。

「楽器の演奏には心がこもると思う」という内容だと理解しました。
はい、そういうアンチな感想があって当然の記事だったと思ってます。私自身、むしろカナメさんの書いた内容の方が一般的な感覚からいって当たり前の常識だと分かってます。

そこを敢えてあのようなことを書いたのは、一つの理由は、みんながみんな異口同音にそっちサイドの話ばかりする。他の方向から見て話す人が誰もいないから、それではと私が他の人のしない話をしてみせた、というところです。

それともう一つの理由は、そっちサイドの話は、いくら聞いても役に立たないのですよ。気持ちのよい音色で笛を演奏するのに、なんの役にも立たないです。この”役に立たない”というのは、私にとって重要な判断基準です。

”演奏に心がこもる”という絶望

渡米して数年間、ネイティブアメリカンの集落で私は彼らと生活を共にした。電気もない泥だらけの日々。彼らと苦楽を共にする中で、私は彼らの考え方や生き方、とりわけネイティブアメリカンの世界観を深く学ぶことができたと思う。そして私の魂の旅の締めくくりとして、私は聖地セドナを巡礼した。穏やかなスピリッツに満ちた岩砂漠の地平に昇る鮮やかな朝日を見たとき、私の中の何かが変わったことを確かに感じた。私がほんとうの意味でインディアンフルートを吹けるようになったのは、この瞬間だったと思う。まさにこの瞬間、私は生まれ変わったのだった。

……いかにもインディアンフルートの演奏家や講師が語りそうな自分史です。ウェブサイトのプロフィールに掲げていたり、ワークショップすると冒頭でたいてい、このような経験談を聞かされます。どうでしょうか。ワークショップの冒頭でそんな話を聞かされたら、

私なら絶望します。

現地でネイティブアメリカンの世界観を学び、聖地セドナで心洗われる体験をしなければ彼のような素晴らしい演奏ができないなら、製鐵の町に生まれ、日々を乱雑に散らかった仕事部屋の机にしがみついて過ごし、日本語しか話せず、生まれて一度も日本の外へ出たことがない私では、彼のような素晴らしい演奏はきっと一生かかってもできないだろう……と、私なら絶望します。

それよりも「音は空気の振動にすぎない。プロの音もあなたの音も単なる空気の振動だ。もしプロの素晴らしい演奏とまったく同じように空気を振動させることができたなら――プロとまったく同じ息使いと指使いで演奏することができたなら、あなたもプロとまったく同じように聞く人を感動させることができるだろう。」と言われた方が、よっぽど希望が持てると思いませんか。

事実なので何度でも主張します。
確かに私は真剣に笛を演奏しますが、心をこめて演奏しているわけではありません★1 。一心不乱に正確に息を使い指を動かしているだけです。ここに私の心は無関係です、まったく完璧に技術の問題です。ロボットがプログラムに従って自動車を組みたてるのと同じこと。正しく息を使い、正しく指を動かしさえすれば、誰でも同じ演奏を再現できます。
と言われたら、「ロボットにでもできるなら、私にもできる……の?」という気になりませんか。

少しでも早く新人を独りだちさせる現場主義

工学は効率を第一に考えます。
私のいちばんの気がかりは、経験のない初心者をできるだけ短期間でいっぱしの演奏家★2 に仕立てあげることです。そのためならなんだってする。常識を否定するなんて最初から織りこみずみです。自分の心を否定することで少しでも早く初心者が上達するなら、ためらいもなく自分の心を否定します。

この一切の容赦ない姿勢が、他の分野の人――とりわけ純粋な音楽家や演奏家にとっては脅威に感じられるかもですが。どうしても理解する気になれないなら「赤い眼鏡をかけていると何でも赤く見えるのですね」くらいに思ってください。(そしてそれは世界の真理です。)

★1 心をこめて演奏しているわけではない
ぶっちゃけ私程度の腕では、フルートが発する音を完璧に制御するために――息使いと指使いを完璧に制御するために、頭はフル回転のぱんぱんです。とても心をこめてる余裕なんてありません。

本当はカナメさんが言うとおり、演奏に心がこもることは、あります。
でもそれは達人の話です。達人はフルートが自分の身体の一部になっていますから(雨上がりの空のように澄みきった真っ青な…)と思った瞬間にそれが音に反映されます。

でも初心者がそれを真似て(雨上がりの空のように澄みきった真っ青な…)といくら念じたところで、後で「途中でぼんやりしてたけどメロディーを忘れたの?」と訝しがられるのがオチです。初心者レベルではせめて、聞く人が(まるで雨上がりの空のように澄みきった真っ青な音だ…)感じてくれるようにと、そのように聞こえてくれるようにと、せっせと息を使い指を使って演奏してみせるのが関の山です。
私はそういうことを言ってます。
だから私が言ってることって基本的にど素人の演奏家向けですよ。

★2 いっぱしの演奏家
日曜音楽家、という言い方を私はします。一流のプロになることは望めないが、せめて自分で吹いていて「今のいい感じじゃない?」と自惚れる程度。家族や友だちから「いいね!もっと他の曲は吹けないの?」と催促してもらえる程度。

その程度に上手になるだけでも、いつもの生活がずいぶん楽しくなると思ってます。ちょぴり誇らしい人生を送れると思ってます

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Re: 世界楽器てみる屋:ポケットサックスの注文ありがとう

ポケットサックスを注文したばかりの愛知県在住、西江と申します。


皆さんはニックネームでの投稿ですが、私は、名前を隠すMixiよりも
実名利用のfacebook派ですから、あえて本名で投稿させていただきます。


facebookでは、一流プロを初めとする200名以上の音楽仲間がおりますが、
てるみ屋さんとは、ポケットサックスのおかげで今回初めてご縁をいただきました。


皆様、どうぞよろしくお願い致します。


さて、てるみ屋さんから、たいへんうれしいお話をいただきました。


「人前で演奏して拍手をもらう方法」
「伴奏を作る方法」
「演奏動画を作る方法」


などをご教授いただけるとのこと。


★ぜひ早々にブログにその項目ができることを楽しみにしております。
  益々、てみる屋ファンが増えることでしょう 。


今回初めてポケットサックスを知り、たいへん興味をいだきました。


まだ届いておりませんが、いただきしだいさっそく練習してみようと思います。


現在はウクレレを楽しんでおりますが、これもど素人。
ウクレレを初めて手にしてから、7ヶ月程度の強烈な低レベルです。


なのに、恥も外聞もなく...生まれて初めてウクレレを持ってから、
無謀にも20日後にはユーチューブに2曲アップしてしまいました。


こうして恥をかくことで自らを練習漬けに追い込むという魂胆です。
自分で自分を崖っぷちに追い込んだわけです。


おかげで、現在は毎日20曲~40曲程度演奏してから就寝する習慣ですが、
唱歌や童謡を中心にクラシックもちょっぴりかじる程度ですから、総演奏時間は長くはありません。

この演奏画像見ると恥ずかしくて...
ポケットサックスを生まれて初めて手にして20日後に投稿できるかどうか?


「人前で演奏して拍手をもらう方法」をマスターしてからにしましょうか。

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リトルミンストレルの楽譜集について

はじめまして。
リトルミンストレル・ハープの購入を検討しています。
付属の楽譜集(14曲)の中に「アメイジンググレイス」は入っていますか?
その他どんな曲が入っているのか知りたくてメールさせていただきました。
よろしくお願い致します。

ポノポノより

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2012年09月17日

インディアンフルート『モヒカン族の最後』

北米インディアンの笛で映画『The last of the Mohicans』(モヒカン族の最後)のメインテーマを演奏しました。

私は音楽家でなくてエンジニアです

私は自分のことをエンジニア(技師)だと思っています。
私は音楽家ではないし楽器の演奏家でもありません。私の仕事の内容は新商品の発掘と調査、販売企画と実施、使い方をブログで説明したりと、これは音楽家や演奏家の仕事ではないでしょう。私の体感としては、今やってることはコンピュータ会社に勤めていた頃の業務と大差ないです。これはエンジニアの仕事です。

インディアンフルートはそれを取りまく文化の影響で、スピリチュアルな感性と相性がよいです。実際、そういうお客さんが多いです。しかしながら私はその手の話ができないので、いつも申し訳ない応対をしています。あるいはインディアンフルートの縁起として伝えられるロマンチックな逸話があって、なんと絵本になってますけど。ぜんぜん興味ありません、なので読まないし話の詳細も知りません。「演奏が上手になるわけでもないのに、なんでそんなことを知りたいの?」というのが私の率直な感想です。

私の世界は物理的です。
私は楽しんで楽器を演奏しますが、楽器は音にしか興味がないし演奏にしか興味がありません。私にとって楽器はポータブルゲームマシンと同様のモノです。なるほど初音ミクのProject DIVAなど音ゲーは、パーカッションを叩くのとよく似た楽しさを味わえます。またレーシングゲームの楽しさは笛を吹く楽しさに通じるものがあります。

私は楽器を真剣に演奏しますが、心を込めて演奏はしません★ 。
そのような心のこもっていない演奏でも、こうして動画にしてみると、我ながらそこそこ聞けるではありませんか。そのことはむしろ救いだと思うのですよ。「演奏の善し悪しはすべて技術で説明できる」という立場だからこそ、どんな人でも習得しさえすれば楽器を演奏できるようになると、救いの手をさしのべることができると思うのです。

★ 心を込めて演奏しない
そもそも認知学やコミュニケーション論の立場からすると、楽器の演奏――楽器の奏でる音に心をこめることは不可能です。音に心はこもりません。だから音楽教室の講師が生徒に対して「もっと心をこめて演奏して」といった類いのアドバイスするのは、月謝をもらって食ってる身分にしては、あまりに不勉強で横着な態度だと、私は思います。

厳密には「心を込めて演奏する」ではなくて「心のこもった演奏に聞こえるように演奏する」が正しいです。確かにこちらなら、具体的なやり方さえ学べば実践可能でしょう?単なる言い回しの違いにしか聞こえない?、違いがよくわからない?、という人もいると思いますが……これらの二つは天と地ほども違います。

「心のこもった演奏に聞こえるように演奏する」は、楽器演奏の奥義の一つです。これから楽器演奏を始める初心者にぜひ理解させたい事柄です。

ふつうのインディアンフルートの吹き方についてはこちら。
» ウェブサイト 『インディアンフルートの吹き方』

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» インディアンフルートの販売は世界楽器てみる屋 ―日本に通じる音色―

2012年09月16日

BIABのオーディオコードウィザードのヒント 6

Band-in-a-Box(略してBIAB)は自動で楽器を伴奏してくれる便利なDAWです。楽器が弾けなくても打ちこみが苦手でも、音楽作品を作ることができます。オーディオコードウィザード(略してACW)はBIABの機能の一つです。mp3やwmaなど音楽ファイルを読みこんで、コード進行を逆算します。オリジナル曲の音さえあれば、コード進行を決めて伴奏をさせて、私だけのカバー曲を作ることができます。ここではACWの使い方について、そのヒントを挙げています。

小節の区切りはとても大切

ACWを呼びだし音楽ファイルを読みこませると「とりあえずこんな感じに解析できました」という結果を表示してくれます。が、まあ話にならないです。小節の区切りとかめちゃくちゃですからね。そのへんをユーザが一から十まで正しく修正してやって、なんとかやっと、もっともらしいコードを返してくれるようになります。

曲のコードはふつう小節毎に決まるものです。細かくなると小節の中の拍の区切りでコードが変わることもありますが、いくらなんでも「小節の頭から16分音符の11個目でCからAmに変化、さらに13個目でEmに変化」みたいなシビアな曲はありません。コード進行とはもっと大ざっぱなもので、せいぜい一小節の中で前半と後半のコードが別、みたいな。そのへんの状況は分かってますよね。

とにかく曲のコードを逆算するとき「この小節の範囲はここからここまです」ということをきちんと把握できていないと、正しくコードを逆算できない。さもないと隣りあったコードが混ざってうまく解析できないだろう、ということは想像できると思います。

ユーザが指定する「第一小節の先頭」は、ACWが小節の区切りを見つける出発点になります。第一小節の先頭といえばつまり、曲の頭の頭です。それと曲のテンポさえ分かれば後は小学校の算数レベルで、小節の区切りがどこにあるか見当をつけることができます。っても現実には人間の演奏した曲はメトロノームのように正確ではありませんから、ACWが計算で見当つけた小節の区切りはハズレまくります。結局は人間が一つ一つ手作業で小節の区切りを指定することになります……

第一小節の先頭を見つけるコツ

あなたはどんな曲でも聴きながら「1,2,3,4」「1,2,3,4」と拍子を取ることができますか。さすがにこれができないとACWは使えません。ですから、曲を聴けば拍子を取ることができる、ということを前提に話をします。

最近の曲の出だしは凝っています。だんだんと音が大きくなってボーカルが入るようなフェードインの出だしも、どこが第一小節の先頭なのか決めるのに悩みます。

しかしそのような曲でも、一旦、歌が始まってしまえば意外に「1,2,3,4」と拍子を取りやすいものです。だから「このへんの拍子は取れるんだけど」というところから前に遡って「だったら第一小節の先頭はここかな」と見当をつけてみてはどうでしょうか。

ボーカルが歌いだすタイミングは基本的に小節の頭です。だからそこから前に遡って第一小節の頭を決めるやり方は効果的です。とはいえ、ボーカルが半拍早く入ったり一拍遅れて歌いだしたりする曲もたくさんありますから、そこは惑わされないように。曲の拍子を取ることに自信のない人は、素直な曲――古いポピュラーソングのCDなどで練習してみてはいかがでしょうか。

第一小節の先頭に正解はない

「ここが第一小節の先頭です」という厳密な正解があるわけでもないです。だんだん音が大きくなっていつの間にか曲が始まるようなフェードインの出だしでは、第一小節の先頭なんて決めようがないです。

第一小節の先頭を決めてあげる意義は、先に説明したとおり、それが分かればACWが計算で小節の区切りを見当つけることができる、というところにあります。そしてそうしたところでACWが計算する小節の区切りは実質まったく使い物になりませんから。だから第一小節の先頭を決めてあげる意義は「ACWがあまりに的外れなことをしないように躾けるみたいな?」という、その程度です。あまり適当に決めてはACWが的外れになりすぎて困りものですが「頭はここかそれともここか」と何時間も悩むようなことでもないです。

BIABに返す計算結果は第一小節の先頭より後ろ

覚えておくべき重要な仕様があります。
ACWは第一小節の先頭より後ろだけを解析して結果をBIABに返す、ということです。第一小節の先頭より前の部分は、どんなに長くても切り捨ててしまいます。

だから「ここから後ろはきちんとコードを計算してBIABに返してほしい、という箇所を第一小節の先頭に決めつけてしまう」という判断は実用的だと思います。(私自身、いつもそうやって決めている気がします。)

逆に要らないと思えば、曲の頭をざっくり切り捨ててしまうのもアリです。拍子を取りやすい第二コーラスの頭を第一小節の頭に決めてしまって、前奏も第一コーラスもぜんぶ切り捨ててしまう。失われた部分は後でBIABで、第二コーラスをコピペして第一コーラスを作ったり、コードを手書きして伴奏を作ったりします。

だんだん音が大きくなっていつの間にか曲が始まるケースでは、第一小節の頭なんて決めようがありません。だから私はいつもそうしています。「このへんからきちんとコードを計算してほしい」という箇所を第一小節の先頭に設定して、失われた部分は……あの手この手で復活させたり、だめなら諦めたりごまかしたりしてます。

BIABやACWに頼っているという時点で、あなたの音楽スキルはそんなに高くないはずです。完全に思い通りにいかなくとも自分の作品を製作できるだけましだ、と納得してください。

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2012年09月13日

上級用トリプルオカリナについて


品番STCOC402

上級用、茶縞 のオカリナはまだ在庫があるでしょうか?




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BIABのオーディオコードウィザードのヒント 5

Band-in-a-Box(略してBIAB)は自動で楽器を伴奏してくれる便利なDAWです。楽器が弾けなくても打ちこみが苦手でも、音楽作品を作ることができます。オーディオコードウィザード(略してACW)はBIABの機能の一つです。mp3やwmaなど音楽ファイルを読みこんで、コード進行を逆算します。オリジナル曲の音さえあれば、コード進行を決めて伴奏をさせて、私だけのカバー曲を作ることができます。ここではACWの使い方について、そのヒントを挙げています。

拍子を設定する

ACWで曲を解析する最初の手順として、曲の拍子を設定します。解析する曲が3拍子なら”3拍子”を設定します。4拍子なら”4拍子”を設定します。そうですね、4拍子の曲ばかり解析するなら、このレベルの理解で不都合ないでしょう。

え、3拍子はだめなの?……微妙です。7拍子の曲を解析したいのだが?そういう人もいますよね。これから難しい話をする前に思いだしてほしいのですが。BIABで4拍子の演奏スタイルを選択すると4拍子で演奏しますし、3拍子の演奏スタイルだと3拍子で演奏します。そう、ACWで”何拍子”と設定することと、BIABで何拍子で演奏するかはぜんぜん関係ない話なのです。「何を当たり前なことを?」と思う人はほんとうにBIABのことをよく理解しています。「あれ?なんでだろう?」とこんがらがってきた人は、ぜひ疑問を抱えたまま話につきあってください。

ACWはBIABに拍子の情報を渡さない

大事なことなので繰りかえします。ACWで設定する”拍子”とBIABで演奏するときの拍子は無関係です。正確に言うと、ACWで解析したオリジナル曲の拍子がなんだったかということと、BIABで何拍子で演奏するかは無関係です。だからこそ4拍子のオリジナル曲をマウスの1クリックでワルツアレンジできるわけでして。

ACWを使いこなすために、絶対に理解しておくべき仕様があります。それは、

ACWはBIABに拍子の情報を渡さない。
一つの小節が何拍で出来ているという情報を渡さない。

ACWが曲を解析した結果としてBIABに渡すのは、ある小節のコードがなんだった、という情報だけです。この曲は何拍子で演奏すべきだとか、ある小節を何拍で演奏すべきだとか、それはBIABの方で責任もってなんとかするという約束です。

だから4拍子のオリジナル曲をいとも簡単にワルツアレンジできるわけですし、一方で、途中で3拍子から4拍子に変わる曲を解析したのにBIABはそれをぜんぶ3拍子で演奏しやがったとか、サビの前の一小節だけ一拍長く演奏するはずなのにBIABが無視してふつうに演奏てくれたとか、一見、不思議な誤動作?を引き起こします。

BIABはオリジナル曲の拍子や一小節を構成する拍数について知りません。そのへんはすべてユーザが手作業でBIABに指示しなければなりません。途中で拍子を変えたいなら、途中で拍子の違う演奏スタイルに切り替えます。(他の方法もあります。)特定の一小節だけ拍数を変えたいなら、その小節の拍数を増減します。(ちょっとコツがあります。)

オリジナル曲のイレギュラーな拍子や拍数の変化は、ACWで作業しながら必ず紙にメモして残しておいてください。あなたが忘れると取りかえしがつきません。

一小節を何分割して解析するか

7拍子などの曲を解析させるにはどうするか、という話が冒頭に出ました。試しに”4拍子”を設定して解析してみてください。本当は7拍であるところをわざと4で割ります。これうまくいくケースも多いです。(少なくとも、BIABの側はそのへんまったく気にしません。7拍子の演奏スタイルを指定されたら7拍子で演奏するだけです。)

同じ要領で、4拍子の曲を解析するのに”3拍子”と設定したり、3拍子の曲に”4拍子”と設定しても、うまく解析できるケースが多いです。

ACWで設定する”何拍子”は、ほんとうは拍子ではなくて、次のようなものです。

オリジナル曲を解析するとき「一小節を何分割して詳細に解析するか」を決定する。
”3拍子”を設定すると一小節を3分割して詳細に解析する。
”4拍子”を設定すると一小節を4分割して詳細に解析する。

簡単な作りの曲では、一小節を一つのコードで演奏します。 |C---|Am---|F---|G7---| みたいな感じです、分かりますか。このような曲を解析するときは、ほんとうは”何拍子”を設定してもいいのです。”3拍子”でも”4拍子”でも結果は変わりません。正しく解析できます。7拍子の曲に”4拍子”を指定して解析したら?というのもこのへんの理由です。

問題なのは、一小節の中に複数のコードがある場合です。 |C---|Am---|F---|Dm-G7-| みたいな感じです、分かりますか。最後の4小節目にはDmとG7の二つのコードがありますから、そこはきちんと詳細に解析してほしいところです。ACWにて設定する”何拍子”は、ここに効いてきます。”4拍子”を設定するとACWは一小節を4分割して詳細に解析します。結果として一小節の中に最大で4つのコードが出来上がります。”3拍子”を設定すると3分割して詳細に解析します。”2拍子”なら2分割、”1拍子”なんて常識ではナンセンスですが……要は一小節を分割せず1かたまりとして解析します。

ACWに設定する”何拍子”は、オリジナルの曲が何拍子であるかということと、厳密には関係ありません。オリジナルの曲が何拍子であれ、ACWはとにかく設定されたとおりに”一小節を何分割かにして解析”します。っても4拍子の曲なら4分割して解析するのが間違いないし、3拍子の曲なら3分割すると正確に解析できるでしょう。だから結局、4拍子の曲を解析するときは”4拍子”を設定するし、3拍子の曲を解析するときは”3拍子”を設定することになります。まさにマニュアルにちょろっと簡単に書いてあるとおりです。

通常はここまでの知識は必要ないでしょう。どつぼにはまって何が何だか訳が分からない、という状況で思いだしてください。

そういえば、
7拍子などの曲で一小節の中に複数のコードがある場合はどうすればいいのでしょう。7は4でも3でも割れませんよ。私もやったことがないのですが、仕方ないから、4分割と3分割のどちらか、より近似として正確に解析してくれるっぽい方を設定してみてはどうでしょう。

BIABに渡るコードはせいぜい2つ

今まで説明してきたように、ACWは最大で一小節を4分割してコード解析できます。最大で一小節の中に4つのコードが出来るわけです。なのですが私の勘違いでなければ、それはBIABには渡らないっぽいです。せいぜい「前半分のコードと後ろ半分のコード」のように2つのコードしか渡らないっぽいです。ACWできちんと詳細にコード解析できていたのに、BIABに渡したらコードが減っておかしな事になってた、という経験をよくします。

こういうときは仕方ないから、紙にメモしてあとでBIABで手作業でコードを加筆とか?いっそおおざっぱなコード進行のまま良しとするとか。

テクニックを駆使するなら、わざと一小節のサイズを半分にして解析するとか?もちろんそんなことをするとBIABではテンポがおかしくなりますから、テンポを調節したり、極端なテンポできれいに聞こえる特殊な伴奏スタイルを使ってみたり、2つの小節を1つの小節にまとめる処置を施したり。
私はいつもほどほどの出来上がりで良しとしてます。

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