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2012年11月07日

ウッドサックス

木で出来たソプラノリコーダほどの大きさの笛です。リガチャとリードは本物のテナーサックスの物を流用していて、木管に指穴を開けただけというシンプルな構造ながら、まるでサックスのよう……に聞こえないこともない音色で鳴ります。
来年始にでも販売する腹づもりなのですが、うーん……

販売するのに気が進まない理由はずばり、これってどう見てもザッフーン・ポケットサックスのパチモンですよね。指穴の位置も運指もまったく同じですし、独特のマウスピース形状もそっくりそのままです。このようになんの独自性もないただ真似ただけのパチモンの存在は、どうにも許しがたいです。

それでも販売する理由は……これも分かりやすい理由でして、音がいいのです。オリジナルよりも派手で鮮やかな――つまりサックスっぽい音がします。自分の気持ちに正直になってみるなら、私は今後、音楽作品を製作するときはオリジナルではなくこのウッドサックスを使う★1 でしょう。まあだからウッドサックスそのものの品質は評価しています★2 。

それにもし私より先に他の店がこれを販売したなら、私はとても悔しいです。一番乗りを譲る気はさらさらありませんし、何の考えもなく馬鹿の一つ覚えに安売りしてほしくない。そんなことになったらほんとうに腹が立ちます。
そうですね……私はこのパチモンを気に入ったのですよ。

★1 オリジナルではなくウッドサックスを使う
私は楽器を宣伝するために音楽作品を製作しますから、オリジナルのポケットサックスを宣伝する必要に迫られたら、もちろん演奏します。そうでない場面では――暇つぶしに吹いて遊ぶとか、他の楽器演奏のバックにちょっと使うとかそんな場面では、もうオリジナルの出番はないな、という話です。

★2 品質は評価している
私が評価しているのは音に関してのみです。上述したようにウッドサックスの音色は派手で鮮やかで、ピッチも正確です。しかし造作は二流というか足りないというか。北米インディアンフルートの艶やかな仕上げと比べると、はっきり見劣りがします。私は手にとって少なからずがっかりしました。

しかしながらいい加減に仕事をしているという雰囲気でもなくて。どうも単に経験が浅くて木工の知識がない、木材をどう扱うべきか分かっていない、という印象です。あと何年かすれば、造作も美しいあらゆる点でオリジナルを超える製品を作ってくれるものと期待しています。
パチモンを作るならせめてそのくらいの気概はほしいところです。

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2012年11月06日

ドレミ音階のインディアンフルート

インディアンフルートは北米インディアンに伝わる笛です。男性が女性にプロポーズするとき歌を捧げるので、ラブフルートとロマンチックに呼ぶ人もいます。

誰でもすぐに即興演奏できる

インディアンフルートはおそらく世界でもっとも習得の易しい笛です。
誰がどう吹いてもいきなり素晴らしい音色★1 で鳴ってくれますし、でたらめに指を動かしてもなんとなく曲に聞こえてくれます★2 。小学校の音楽に挫折したという楽器音痴な人にもぜひお勧めできる笛です。

その代わりふつうに曲を吹こうとすると、他の笛よりも難儀します。音階がドレミファソラシドに並んでいませんし、音域がたったの1オクターブしかないので、そもそも音域が足りなくて吹けない曲がほとんどです。

インディアンフルートはフィーリングで自由に即興演奏するための笛です。ふつうに曲を吹きたいなら、リコーダやオカリナなど西洋の楽器を選択するのが正解です。餅は餅屋です。

ドレミ音階のインディアンフルート

それでもインディアンフルートでいろんな曲を演奏してみたい、という要望が少なからずありまして。そういえばプロのプレイヤーであるメアリー・ヤングブラッドもよく、ドレミ音階のインディアンフルートを演奏します。まあなんだ、ドレミ音階のインディアンフルートは、あまり見かけませんが……あることはあるのですよ。

以前から取引しているタヴェワ・ヤツァツィ工房のドレミフルートを入手してみました。

西洋6穴笛の運指で音色はインディアンフルートという、ハイブリッドな楽器です。ぶっちゃけ木で出来たホイッスルなのですが、大ざっぱに吹いてもきれいに響いてくれるあたり、さすがインディアンフルートです。あまり気を遣わずに演奏できます。なるほど……これは便利かも。

西洋6穴笛は基本より四度高い音階で演奏する頻度が多いので、笛カポを付けてみました。そうですね、これをうちが販売するときの標準装備にしましょう。ドレミ音階のインディアンフルートは12月初旬に販売開始する予定です。

★1 誰がどう吹いても素晴らしい音色
インディアンフルートはリコーダやオカリナと同様に、吹けば鳴ります。しかしこれらの笛はどれもピッチが不安定だという、構造上の難点を抱えています。初心者が吹くと音がヨロヨロしてとても聞けたものではありません。しかしインディアンフルートはなぜか、大ざっぱに息を吹きこんでもきれいな音色で鳴ってくれます。なぜなのか理由は知りませんが、とにかく「初心者にお勧め」の看板どおり、最初から気持ちよく演奏できる笛です。

★2 でたらめに指を動かしても曲に聞こえる
インディアンフルートの音階は西洋のドレミ音階ではなく、五音階という特殊な音階です。五音階はでたらめに演奏してもなんだか曲になって聞こえてくれるという、ありがたい音階です。インディアンフルートは大ざっぱに吹いてもきれいな音色で鳴るし、でたらめに指を動かしても曲に聞こえるという、まるで魔法のような笛です。

反面、ふつうに曲を吹こうとすると他の笛よりも苦労します。世の中は等価交換。あっちが立てばこっちが立たず。すべてにおいておいしい話なんてありません。

ならばドレミ音階のインディアンフルートなら最強じゃね?と思うかもしれませんが。残念、ドレミ音階の笛は、でたらめに指を動かすとめちゃくちゃな音になります。ドレミ音階の笛はきちんと練習して曲を覚えて、きちんと演奏しなければなりません。世の中はやっぱり等価交換。なにもかもおいしい話なんてないのですよ。

ふつうのインディアンフルートの吹き方についてはこちら。
» ウェブサイト 『インディアンフルートの吹き方』

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» インディアンフルートの販売は世界楽器てみる屋 ―日本に通じる音色―

2012年11月04日

11月のディジュリドゥ吹こう会

こんばんは米倉です。

11月になりめっきり寒くなりましたね。体調管理に気を付けてください。

さて今月の吹こう会のお知らせです。

メンバーのタケくんと一緒にイベントにも出演しますので、よかったら遊びに来てく
ださい!



●11月の福岡ディジュリドゥ吹こう会

日時 11/26(月)18:00〜21:00

場所 福岡市南市民センター音楽室(南区塩原2丁目8-2)

参加費 施設使用料1,700円を参加人数で割ります。



●まどかフェスティバル 国際交流フェスティバル

「オーストラリア先住民の音楽紹介・演奏」

日時 11/3(祝)15:30〜

場所 まどかぴあ周辺ゾーン(大野城市役所南玄関側 屋外ステージ)

外国料理屋台や様々なイベントがあります。入場無料です。遊びに来てください!

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今年も、鼻笛第九、やります!

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去年に引き続き、
今年も年末の「鼻笛第九」、やります!

日時は、去年と同じく、
12月28日の夜、開催。

現時点の予定では、
お昼過ぎからリハを兼ねて集まれる人は集合、
訪問してくれるかたがあれば
さみだれ的に鼻笛レッスンをしながら
夕方ごろ、人数がある程度そろってきたら
通しで本格リハ、8時にスタート、という運びになると思います。

また、前回はustream中継をしてもらいましたが、
今年も同様、何らかの配信がある予定です。

おこしくださるかたは、
このへんを、どうぞご了承くださいませ。


なお、あらためて申し上げておきますが、
参加に関する条件などは、とくにありません。
「みんなで楽しく鼻笛吹いてみたい」という
こころがあれば、上手下手など気にせず、ぜひお気軽に。

「へただっていいじゃない 鼻歌だもの」という
鼻笛スピリッツにのっとった上で、日本鼻笛協会、動いてます。

去年の参加者の感想をいくつか、ご紹介。

「とにかく吹いた!」
「なんとかなった!」
「楽しかった!」

……かように、鼻笛というのは
ゆるいものであります。


楽器がにがてでも、鼻笛はけっこうだいじょうぶ。
失敗をおそれるこころや、はじらいや、かっこうをつけたい気持ちなど
そのへんさえポイっと捨てることができれば、
はなうたがうたえるひとなら、誰でも吹ける楽器です。
うたより、ハードルは低いと思います。だって歌詞、覚えなくていいし。


ともあれともあれ、はじめてのかたでも大丈夫、
どうぞみなさんお誘い合わせのうえ、あそびにきてくださーい。

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メインの楽器で左右の音量バランスをとる

音楽作品は、左右の音量バランスがとれていること――左右の音量が揃っていることが望ましいです。左右どちらかの音が小さいと聞きとりにくいし、よく聞こえるようにとボリュームを上げると、今度は反対側の音が大きくなりすぎて耳が痛くなります。

ピアノやギターなどポンと鳴ってすっと減衰する音は、瞬間的な音量は大きいのですが、人間が聞いた印象としてはそれほどでもありません。逆にオルガンやバイオリンなどずっと鳴りつづける楽器は、比較的に小さな音量でもよく聞こえます。

前回の私の音楽作品で、左側に電気ハープの低音、右側にビオラ・ダ・ガンバ★ の低音を配置しました。耳で聞いてバランス良く調節したところ、レベルメータを確かめたら明らかにハープの側の音量が大きくなっていた。最初は(こんなアンバランスな作品もあるよね)でスルーするつもりでしたが……作業しているうちに自分の耳が痛くなってきました。「左右の音量は揃っていることが望ましい」というのは、自分の耳を守るためにまず重要なことなのでした。

さて作品の中で鳴っている音で、いちばん音量の大きい楽器はなんでしょうか。というのは考えるまでもなく、メインの楽器がいちばん大きいです。なのでメインの楽器の音――前回の音楽作品ではインディアンフルートの音を、すこし右に寄せて左右の音量が同じになるように調節しました。これで耳が痛くなるという現象はぴたりと治まりました。

メインの楽器の音をパンして簡単に左右の音量バランスをとることができます……主役の楽器がセンターにいない、という状況を良しとするかどうかですが。まずは自然な状態で左右の音量が揃うように工夫して、最後の手段としてメインの楽器の音をパンします。

★ ビオラ・ダ・ガンバ
チェロにギターのフレットをつけたような西洋の古楽器。博物館に標本された化石ではなく、今でも現役で活躍しているらしい。簡単に正確なピッチを鳴らせるのでチェロよりも初心者に優しい楽器だと思うのですが、どうでしょう。

ちなみに私が使用したのは本物ではなくて、ERA MEDIEVAL LEGENDS というVSTi(ソフトウェア・シンセサイザー)です。これはいろいろな中世古楽器の音源を収録しています。RPG系の音楽作品を製作するのに重宝します。

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回して鳴らす

ワイングラスのふちを指でこするときれいな音がします。音程の異なるグラスをそろえればメロディーを演奏することもできます。これをコンパクトな楽器にまとめたのがアルモニカです。

アルモニカの横長い筐体には太い心棒が横たわっていて、心棒にはガラス製のベルが大きいものから小さいものまで順序よくずらっと串刺しになっています。足踏みペダルを踏むと心棒がゆっくり回転し、それにつれてベルも回転します。回転するベルのふちに指を当てると…ワイングラスをこすったときの澄んだ音が響く仕組みです。
»こんな音

アルモニカを演奏する姿は足踏みオルガンを演奏する姿によく似ていました。音色は、あまりに純粋すぎて現実感がなく、今聴くとなんだか電子音のようです。

アルモニカは18世紀に西欧で大流行しましたが後に「神経に有害な音」との悪評が立ち、最後はピアノの台頭によって忘れ去られました。

アルモニカはベンジャミン・フランクリンが発明しました。
» アルモニカについて

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2012年11月03日

延々と聞いて、延々と修正する

今、ウッドゥン・ボーン工房のデュエットオカリナのための宣伝動画を製作中です。
エンヤの『Only If...』の伴奏が出来上がったところでして、mp3プレイヤーで延々と聞いています。私は伴奏が出来上がったタイミングと、音楽作品として仕上がったタイミングで、1~2日そればかり延々と聞きつづけます。

修正できなくなったら完成

ブログの原稿を書きながら、ネットニュースを眺めながら、買い物をしながら、あるいはファミレスでオーダの到着を待ちながら、出来上がったばかりの自分の音楽作品を延々と聞きます★1 。延々と聞いていると、どうにも気になるところが出てきます。(メインの笛の音をもっと大きく)(ここでガツーンとSEが入るべき)などなど。そうした気になるところはきちんと修正★2 します。そしてまた延々と聞きます。そうしてついに、いくら聞いても修正するべき箇所が見つからなくなったら、そこでその音楽作品は完成したと判断します。

あるいは良くない箇所は分かっているいるのだが、どう対処すればいいのか分からない、今の自分の持つ設備やスキルでは修正のしようがない。そのような場合も、残念な結末ですがもう自分では修正できないのだから、それはそれで音楽作品は完成したと判断します。

(本当はこうしたかった……)という未練は、忘れず抱えつづけます。できれば次回の作品に活かします。そんなすぐにはだめでも、何年かたてば解決の糸口が見つかることもあるでしょう。

まあそんなですから、私が音楽作品を製作するのは、どうしても長い時間がかかる★3 のです。

★1 自分の作品を延々と聞きつづける
自分が生んだ愛おしい作品であっても、延々と聞きつづけているとさすがに飽き飽きしてきます。それこそ狙いどおりです。飽き飽きした脳が少しでも楽しみを見いだそうと、苦し紛れにより注意深く曲を吟味しはじめるのですよ。

★2 きちんと修正する
っても無制限に手戻りを許すと最悪「これは捨てて最初からやり直し」みたいな判断になってしまって、いつまでも完成ません。アマチュアには〆切がないので、無限の修正ループに落ちこまないよう、自分で意識的に踏みとどまる必要があります。

作業しているそのときそのときで、不可逆地点を決めるべきです。どんな深刻な不具合が見つかってもこれより前には手戻りしない、という限界を定めるべきです。「楽器の種類は変更しない」「楽器演奏の録音し直しは無し」「全体のイコライザの調整は不可変」みたいな。そしてそれにかかる修正は、どんなに気になることでもスルーするべきです。そうして自分の作品に不具合を残すことになったとしても、今回は仕方ありません。深く反省して次回の作品に活かせばいいです。

ソフトウェアのバグは徹底的に修正する必要がありますが……聞いて楽しむだけの音楽作品ならこれは許されます。(所詮お金の絡まないアマチュアの作品ですし。)

★3 音楽作品の製作には長い時間がかかる
これは音楽の才能やスキルがなくても、凡人でも、根気と時間さえあれば音楽作品を完成させることができるという、素晴らしいことなのです。

例えば今作ろうとしている音楽作品のメロディが思いうかばない、とします。音楽の才能やスキルがあれば、無から有を生みだせるのでしょうが。残念、あなたにはそれがない。DAWがない昔は、メロディーを思いつかなければ、もうそれで終わりでした。どうしょうもないことでした。音楽作品を完成させるというのは、音楽の才能やスキルのある人だけが成しえる特別な行為でした。

今では――特にBIABのような音楽ソフトがある状況では、時間をかけさえすれば、才能もスキルもなくても、そこそこの音楽作品を完成させることができます。自分でメロディーを思いつけなくても、例えば目の前に1000のメロディーが用意されていて、きっとその中に答えがある、という状況ならどうでしょうか。(これなら良さそう)というメロディーを見つけだせるのではありませんか。確かに、1000のメロディーを聞きくらべるのは大変な作業ですよ。でもそれは、ただ、大変なだけです。根気よく時間をかけさえすれば誰でも成し遂げることができる、単純なタスクです。

たとえゼロから生みだす力がなくても、善し悪しの選別眼さえあればとりあえず形にできる。今はそんな恵まれた時代なのです。

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2012年11月02日

オカリナに眼鏡の曇り止め

オカリナを吹いていると、吹口のところに水が詰まって鳴らなくなってきます。特に冬場はひどいです。あれは唾ではありませんよ★1 、息に含まれる水分が結露しているのです。オカリナに限らずリコーダなど、同様の仕組み★2 の笛はみんな同じ悩みを抱えています。

眼鏡の曇り止めでアラ不思議!

オカリナ演奏者の間で知られているトリビアとして、オカリナの吹口に眼鏡の曇り止めをスプレーするとよいそうです。手順は以下のような感じです。

  1. 準備するもの:眼鏡の曇り止め、エアダスター★3 、ティッシュペーパー
  2. オカリナの吹口に曇り止めをスプレーする
  3. 曇り止めの滴が中で乾いて固まらないように、余分をエアダスターで吹きとばす
  4. べたべたになったオカリナをティッシュペーパーできれいに拭く
  5. 風通しのよい場所で陰干しする、乾かす(30分くらい?)

試してみると、確かに数時間吹きつづけても詰まりません。いつまでも快適に演奏できます。これはいい!と、私は片っ端から手持ちの笛に曇り止めをスプレーしたのでした。

プラスチックのオカリナにこそ

プラスチック製のオカリナは安価なことから、巷の楽器店は入門用として初心者によく勧めます。私がこれにまったく反対なのは、プラスチック製はすぐに水が詰まってまともに練習できないからです。何も知らない初心者を無用に挫折させるからです。

しかしながら眼鏡の曇り止めを使えば、プラスチック製の最悪の短所を打ち消すことができます。昨今のプラスチックのオカリナは、品質自体はきちんと製造された品もあります。眼鏡の曇り止めを使えば、高品質のオカリナを安価に手に入れることができます。なるほど、これからはオカリナ初心者には、プラスチックのオカリナに眼鏡の曇り止めでキマリです。

体にいいかどうかは知らん

しかし眼鏡の曇り止めって、口に入れてもいいのでしょうか。「身体にいいか悪いか」の二択で問うなら、よいものではないでしょうね。ってもオカリナはべろべろ舐めるものでもないし、ちゅうちゅう吸うものでもありません。私自身の吹き方を鑑みるに(そんなに口に入るものではない。あからさまな毒物でもなかろうし、まあ心配ないんじゃね?)という判断です。

オカリナやリコーダなど口でくわえる笛は気になるかもしれませんが。だったら鼻笛なら問題ないでしょう。鼻笛にも眼鏡の曇り止めは効果的です。

★1 吹口に詰まるのは唾ではない
実際問題として、吹口に唾を吹きこむとオカリナが痛みます。唾が糊のように乾いて吹口の狭い通路に張りつき、結露を促進します。最後には、一曲吹いていられないほど結露するようになります。オカリナが陶器という半永久的な素材で出来ているのに、寿命の短い消耗品であるのは、これが理由です。

とはいえ、眼鏡の曇り止めを使えば結露を防ぐことができるのでした。
結露がひどくなって使えなくなり押し入れの奥に眠らせた愛用のオカリナも、眼鏡の曇り止めで復活する可能性があります。これを使わない手はないでしょう。

★2 同様の仕組み
”フィップル構造”と言います。オカリナやリコーダなどフィップル構造を持つ笛は、吹けば誰でも鳴らせます。反面、音量の調整が困難、ピッチが不安定といった難点を共通して抱えていて、これらの難点を克服するために、演奏者は継続した鍛錬を要求されます。

春になると巷の楽器店がこぞって「誰でもすぐに鳴らせるオカリナを始めてみませんか」とキャンペーンを展開しますが。私はあれはほとんど詐欺だと思ってます。「音を鳴らせる」ということと「気持ちのよい演奏ができる」ということの間には大きな隔たりがあります。オカリナは音を鳴らすのは簡単ですが、気持ちよく演奏できるようになるには相当の練習が必要です。

そもそもオカリナがそんなに易しい楽器なら、日本の津々浦々でオカリナ教室が繁盛している道理がありません。

★3 エアダスター
パソコンのキーボードの隙間を掃除したりする、単に空気を吹きだすだけのスプレーです。電気屋やアマゾンでいくらでも売ってます。

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» デュエットオカリナの販売は世界楽器てみる屋 ―和音を奏でるオカリナ―

2012年11月01日

BIABの1小節に4つのコードを入れる

Band-in-a-Box(以降BIABと記述)はちょっと変わった音楽ソフトです。C,Am,Dm,G7などとコードを入力し、「ビートルズのイエスタディ風」などと伴奏スタイルを指定すると、ギターやピアノを使ってそれらしく自動演奏します。BIABがあれば、楽器を演奏できなくても音符の打ちこみが苦手でも、自分の音楽作品を完成させることができます。

小節にコードを入力するのはBIABで最も重要な操作です。
もちろんそのへんは直感的に使えるように設計されています。小節のセル(四角)を選んでAm,G7などとキー入力するだけ。1小節に2つのコードをほいほい入力することができます。もっともBIABとしては、1小節に最大4つまでコードを入力することができる仕様になっています。

1小節に4つのコードを入力する手順は以下のとおりりです。

  1. 小節のセルを選択する
  2. マウスの右ボタンを押す→右ボタンメニューが表示される
  3. 右ボタンメニューの「現行コードの設定」を選択する→ダイアログが表示される
  4. ダイアログいちばん左上「拍位置」のラジオボタンを選択して、1拍目,2拍目,3拍目,4拍目のコードを入力する

ふつうは1小節に4つもコードを詰めこむことはないでしょう、私はやったことがありません。フレーズの最後でベースを半音刻みにダンダンダンダンと歩かせるときとかに使うのかな。

Windowsで迷ったら右ボタン

BIABに限らずWindowsのすべてのアプリは、その場でできる操作は右ボタンメニューに用意されています。小節に対して何かしようと思ったら小節のセルを選んで右ボタン、音符をどうにかしようと思ったら音符を指して右ボタン。

「Windowsで迷ったらとにかく右ボタン」です。
BIABの1小節に何個コードが入るか、とかいうよりずっとずっと重要な知識です。

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2012年10月28日

マスタバスにコンプとEQを差しっぱなし 2

私はDAWで音楽作品を製作するとき、早い段階からマスタバスにコプレッサ★1 とイコライザを差して作業します。以前は「ミックスダウンしてmp3ファイルにすれば完成」という段になってから差していましたが、それだとせっかく調整した楽器の音量バランスが狂ってしまって、また一からやり直しになってしまうのでした。

コンプレッサも早い段階で差す

マスタバスにコンプレッサを差す理由はもちろん、出来上がった音楽作品の音をできるだけ大きく★2 聞かせるためです。そういう目的のために使う専用のエフェクタ(リミッタ)も使っていますが……私の使い方が間違っているのか、これは3dBも抑えこむとビリビリ音が割れるのですよ。まあそんなですから、私はまずはコンプレッサで音量の凸凹をある程度ならして、その後でリミッタで限界まで音を大きくするようにしています。

コプレッサは音の大きさを変化させるエフェクタです。
音が大きかろうと小さかろうと曲の中身に違いはないでしょうから、コンプレッサを差したからといって曲が別物になって聞こえるようなことはないはずなのですが……なぜかマスタバスにコンプレッサを差すと、楽器の音量バランスが変わって聞こえます。それもかなり許しがたいほど。

ミックスダウン直前になってマスタバスにコンプレッサを差して、そのせいで楽器の音量バランスが変わってしまい、もう一度調整する羽目になる。この手戻りがいやになって、私は音楽作品を製作する早い段階で、マスタバスにコンプレッサを差すようにしています。ベース、ドラム、ギターなど主要な楽器の音が揃った時点で、マスタバスにコンプレッサを差します。

ベストなセッティングは今も工夫中

私がマスタバスに差しているコンプレッサはSonitus:compressorという、SONARのオマケです。

プリセットのセッティングそのままで、圧縮量が6.0~7.0dBになるように、その都度スレッショルドだけ調整します。こんなに押し潰して大丈夫なの?という不安はありますが、今のところ私の耳では不自然に聞こえないのでOKにしています。まあ圧縮量が大きいほど最終的な作品の音――厳密には音圧が大きくなりますから、圧縮するに超したことはないです。

圧縮量が6.0~7.0dBというセッティングは、もともとは事故です。ほんとうはもっと控えめに圧縮していたのですが、何をどう間違えたのか、気がついたらこんな極端なセッティングになっていました。慌てて正そうと思いましたが……少なくともそれまで気がつかなかったくらいには自然に聞こえていたわけです。おもしろ半分にそのまま使ってみたら、これがなかなかいい感じなのでした。失敗は発明の母、という言葉を実感しました。

これだけ圧縮していると、メインの楽器が休止するとその隙間を埋めるように、すっと伴奏の楽器が大きくなって聞こえます。これは私にとって、願ったり叶ったりな効果です。(あーひょっとしてこれが原因ですか?コンプレッサを差すと楽器の音量バランスが変わって聞こえるのは。)

★1 コンプレッサ
コンプレッサは昔のラジオ・スタジオで生まれたエフェクタです。コンプレッサは音が急に大きくなるのを防ぎます。例えばラジオ番組でパーソナリティとゲストが談話していて、不意に大声で笑ったとします。そのままだと音量オーバーで音がバリバリと割れて、聞き苦しい番組になってしまいます。コンプレッサは入力された音を監視していて、不意に音が大きくなると自動的にボリュームを絞り、音量オーバーになるのを防ぎます。音が小さくなるとボリュームを元に戻して再びよく聞こえるようにします。

どのくらい音が大きくなったら、どのくらいボリュームを絞るか。などというのは4つほど付いているツマミを回して調節するわけですが。誰が思いついたのか、極端なセッティングにするといろいろ予想外の効果が生まれるのでした。ピアノやギターの音がまるでオルガンのように聞こえたり、ドオォオオオオンと間延びしたドラムの音がドッ、ドッと鋭くタイトになったり。コンプレッサはセッティング次第でまるで正反対の効果さえ起こすような、応用範囲の広いカメレオンみたいなエフェクタです。

★2 音をできるだけ大きくする
音楽作品の音はできるだけ大きい方がいいです。単純にそっちの方がはっきり聞こえますし、大きい音ほど迫力がありますし。ならばと、上限ぎりぎりまで音を大きくしてmp3ファイルを作ったとしますよ。しかしながら、そうして作った自分の作品よりも、CDで聞くプロの作品は何倍も大きな音に聞こえるでしょう。念を押しますが、どちらも音量は最大です。これ以上、音を大きくすることはできません。無理に大きくするとバリバリと割れてしまいます。

プロの作品は音量が大きい、というより厳密には音圧が大きいのです。
分かりやすいイメージとして、静かなピアノ曲で、最後にガーンと一発だけものすごく大きな音が鳴るとします。これを録音して、最大まで音を大きくして音楽作品に仕上げたとしたらどうでしょうか。いちばん音の大きなところは?もちろん最後のガーンというところです。しかし最大音量の部分はたったのそこだけで、他の大部分は静かな小さな音の演奏です。どうにもよく聞こえない。かといって、これでもう最大まで音を大きくしているわけですから、これ以上音を大きくすることはできません。無理に大きくすると最後のガーンがバリバリと割れてしまいます。

これは言わば、最後に鳴る大きな音が邪魔になって全体の音を大きくできない、という状況です。コンプレッサはこの、邪魔になっている大きな音だけを選択的に小さくします。ほかの音はそのままにして邪魔になる大きな音だけを小さくする。そうやって全体的に小粒に揃えた(圧縮した)ところで、改めて最大まで音を大きくしたらどうでしょうか。なるほど、本来よりもずっと大きな音に聞こえるでしょう。その代わり相対的に、最後のガーンという音にインパクトがなくなってしまいますが……

音圧を上げるというのは、曲のメリハリやインパクトを犠牲にして音を大きく聞かせる技です。小さすぎて聞こえにくいのは論外ですが、まったくメリハリのない一本調子も困りもの。どのくらいメリハリを残してどこまで音圧を上げるか。このへんの話はそれだけで一冊の本になります。音圧を上げる技は知ってて損はない……いやDAWで音楽作品を製作するなら必須の知識です。ぜひぜひマスターしてください。
» 永野光浩『音を大きくする本』

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