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BIABのオーディオコードウィザードのヒント 6

Band-in-a-Box(略してBIAB)は自動で楽器を伴奏してくれる便利なDAWです。楽器が弾けなくても打ちこみが苦手でも、音楽作品を作ることができます。オーディオコードウィザード(略してACW)はBIABの機能の一つです。mp3やwmaなど音楽ファイルを読みこんで、コード進行を逆算します。オリジナル曲の音さえあれば、コード進行を決めて伴奏をさせて、私だけのカバー曲を作ることができます。ここではACWの使い方について、そのヒントを挙げています。

小節の区切りはとても大切

ACWを呼びだし音楽ファイルを読みこませると「とりあえずこんな感じに解析できました」という結果を表示してくれます。が、まあ話にならないです。小節の区切りとかめちゃくちゃですからね。そのへんをユーザが一から十まで正しく修正してやって、なんとかやっと、もっともらしいコードを返してくれるようになります。

曲のコードはふつう小節毎に決まるものです。細かくなると小節の中の拍の区切りでコードが変わることもありますが、いくらなんでも「小節の頭から16分音符の11個目でCからAmに変化、さらに13個目でEmに変化」みたいなシビアな曲はありません。コード進行とはもっと大ざっぱなもので、せいぜい一小節の中で前半と後半のコードが別、みたいな。そのへんの状況は分かってますよね。

とにかく曲のコードを逆算するとき「この小節の範囲はここからここまです」ということをきちんと把握できていないと、正しくコードを逆算できない。さもないと隣りあったコードが混ざってうまく解析できないだろう、ということは想像できると思います。

ユーザが指定する「第一小節の先頭」は、ACWが小節の区切りを見つける出発点になります。第一小節の先頭といえばつまり、曲の頭の頭です。それと曲のテンポさえ分かれば後は小学校の算数レベルで、小節の区切りがどこにあるか見当をつけることができます。っても現実には人間の演奏した曲はメトロノームのように正確ではありませんから、ACWが計算で見当つけた小節の区切りはハズレまくります。結局は人間が一つ一つ手作業で小節の区切りを指定することになります……

第一小節の先頭を見つけるコツ

あなたはどんな曲でも聴きながら「1,2,3,4」「1,2,3,4」と拍子を取ることができますか。さすがにこれができないとACWは使えません。ですから、曲を聴けば拍子を取ることができる、ということを前提に話をします。

最近の曲の出だしは凝っています。だんだんと音が大きくなってボーカルが入るようなフェードインの出だしも、どこが第一小節の先頭なのか決めるのに悩みます。

しかしそのような曲でも、一旦、歌が始まってしまえば意外に「1,2,3,4」と拍子を取りやすいものです。だから「このへんの拍子は取れるんだけど」というところから前に遡って「だったら第一小節の先頭はここかな」と見当をつけてみてはどうでしょうか。

ボーカルが歌いだすタイミングは基本的に小節の頭です。だからそこから前に遡って第一小節の頭を決めるやり方は効果的です。とはいえ、ボーカルが半拍早く入ったり一拍遅れて歌いだしたりする曲もたくさんありますから、そこは惑わされないように。曲の拍子を取ることに自信のない人は、素直な曲――古いポピュラーソングのCDなどで練習してみてはいかがでしょうか。

第一小節の先頭に正解はない

「ここが第一小節の先頭です」という厳密な正解があるわけでもないです。だんだん音が大きくなっていつの間にか曲が始まるようなフェードインの出だしでは、第一小節の先頭なんて決めようがないです。

第一小節の先頭を決めてあげる意義は、先に説明したとおり、それが分かればACWが計算で小節の区切りを見当つけることができる、というところにあります。そしてそうしたところでACWが計算する小節の区切りは実質まったく使い物になりませんから。だから第一小節の先頭を決めてあげる意義は「ACWがあまりに的外れなことをしないように躾けるみたいな?」という、その程度です。あまり適当に決めてはACWが的外れになりすぎて困りものですが「頭はここかそれともここか」と何時間も悩むようなことでもないです。

BIABに返す計算結果は第一小節の先頭より後ろ

覚えておくべき重要な仕様があります。
ACWは第一小節の先頭より後ろだけを解析して結果をBIABに返す、ということです。第一小節の先頭より前の部分は、どんなに長くても切り捨ててしまいます。

だから「ここから後ろはきちんとコードを計算してBIABに返してほしい、という箇所を第一小節の先頭に決めつけてしまう」という判断は実用的だと思います。(私自身、いつもそうやって決めている気がします。)

逆に要らないと思えば、曲の頭をざっくり切り捨ててしまうのもアリです。拍子を取りやすい第二コーラスの頭を第一小節の頭に決めてしまって、前奏も第一コーラスもぜんぶ切り捨ててしまう。失われた部分は後でBIABで、第二コーラスをコピペして第一コーラスを作ったり、コードを手書きして伴奏を作ったりします。

だんだん音が大きくなっていつの間にか曲が始まるケースでは、第一小節の頭なんて決めようがありません。だから私はいつもそうしています。「このへんからきちんとコードを計算してほしい」という箇所を第一小節の先頭に設定して、失われた部分は……あの手この手で復活させたり、だめなら諦めたりごまかしたりしてます。

BIABやACWに頼っているという時点で、あなたの音楽スキルはそんなに高くないはずです。完全に思い通りにいかなくとも自分の作品を製作できるだけましだ、と納得してください。

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