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BIABのオーディオコードウィザードのヒント 5

Band-in-a-Box(略してBIAB)は自動で楽器を伴奏してくれる便利なDAWです。楽器が弾けなくても打ちこみが苦手でも、音楽作品を作ることができます。オーディオコードウィザード(略してACW)はBIABの機能の一つです。mp3やwmaなど音楽ファイルを読みこんで、コード進行を逆算します。オリジナル曲の音さえあれば、コード進行を決めて伴奏をさせて、私だけのカバー曲を作ることができます。ここではACWの使い方について、そのヒントを挙げています。

拍子を設定する

ACWで曲を解析する最初の手順として、曲の拍子を設定します。解析する曲が3拍子なら”3拍子”を設定します。4拍子なら”4拍子”を設定します。そうですね、4拍子の曲ばかり解析するなら、このレベルの理解で不都合ないでしょう。

え、3拍子はだめなの?……微妙です。7拍子の曲を解析したいのだが?そういう人もいますよね。これから難しい話をする前に思いだしてほしいのですが。BIABで4拍子の演奏スタイルを選択すると4拍子で演奏しますし、3拍子の演奏スタイルだと3拍子で演奏します。そう、ACWで”何拍子”と設定することと、BIABで何拍子で演奏するかはぜんぜん関係ない話なのです。「何を当たり前なことを?」と思う人はほんとうにBIABのことをよく理解しています。「あれ?なんでだろう?」とこんがらがってきた人は、ぜひ疑問を抱えたまま話につきあってください。

ACWはBIABに拍子の情報を渡さない

大事なことなので繰りかえします。ACWで設定する”拍子”とBIABで演奏するときの拍子は無関係です。正確に言うと、ACWで解析したオリジナル曲の拍子がなんだったかということと、BIABで何拍子で演奏するかは無関係です。だからこそ4拍子のオリジナル曲をマウスの1クリックでワルツアレンジできるわけでして。

ACWを使いこなすために、絶対に理解しておくべき仕様があります。それは、

ACWはBIABに拍子の情報を渡さない。
一つの小節が何拍で出来ているという情報を渡さない。

ACWが曲を解析した結果としてBIABに渡すのは、ある小節のコードがなんだった、という情報だけです。この曲は何拍子で演奏すべきだとか、ある小節を何拍で演奏すべきだとか、それはBIABの方で責任もってなんとかするという約束です。

だから4拍子のオリジナル曲をいとも簡単にワルツアレンジできるわけですし、一方で、途中で3拍子から4拍子に変わる曲を解析したのにBIABはそれをぜんぶ3拍子で演奏しやがったとか、サビの前の一小節だけ一拍長く演奏するはずなのにBIABが無視してふつうに演奏てくれたとか、一見、不思議な誤動作?を引き起こします。

BIABはオリジナル曲の拍子や一小節を構成する拍数について知りません。そのへんはすべてユーザが手作業でBIABに指示しなければなりません。途中で拍子を変えたいなら、途中で拍子の違う演奏スタイルに切り替えます。(他の方法もあります。)特定の一小節だけ拍数を変えたいなら、その小節の拍数を増減します。(ちょっとコツがあります。)

オリジナル曲のイレギュラーな拍子や拍数の変化は、ACWで作業しながら必ず紙にメモして残しておいてください。あなたが忘れると取りかえしがつきません。

一小節を何分割して解析するか

7拍子などの曲を解析させるにはどうするか、という話が冒頭に出ました。試しに”4拍子”を設定して解析してみてください。本当は7拍であるところをわざと4で割ります。これうまくいくケースも多いです。(少なくとも、BIABの側はそのへんまったく気にしません。7拍子の演奏スタイルを指定されたら7拍子で演奏するだけです。)

同じ要領で、4拍子の曲を解析するのに”3拍子”と設定したり、3拍子の曲に”4拍子”と設定しても、うまく解析できるケースが多いです。

ACWで設定する”何拍子”は、ほんとうは拍子ではなくて、次のようなものです。

オリジナル曲を解析するとき「一小節を何分割して詳細に解析するか」を決定する。
”3拍子”を設定すると一小節を3分割して詳細に解析する。
”4拍子”を設定すると一小節を4分割して詳細に解析する。

簡単な作りの曲では、一小節を一つのコードで演奏します。 |C---|Am---|F---|G7---| みたいな感じです、分かりますか。このような曲を解析するときは、ほんとうは”何拍子”を設定してもいいのです。”3拍子”でも”4拍子”でも結果は変わりません。正しく解析できます。7拍子の曲に”4拍子”を指定して解析したら?というのもこのへんの理由です。

問題なのは、一小節の中に複数のコードがある場合です。 |C---|Am---|F---|Dm-G7-| みたいな感じです、分かりますか。最後の4小節目にはDmとG7の二つのコードがありますから、そこはきちんと詳細に解析してほしいところです。ACWにて設定する”何拍子”は、ここに効いてきます。”4拍子”を設定するとACWは一小節を4分割して詳細に解析します。結果として一小節の中に最大で4つのコードが出来上がります。”3拍子”を設定すると3分割して詳細に解析します。”2拍子”なら2分割、”1拍子”なんて常識ではナンセンスですが……要は一小節を分割せず1かたまりとして解析します。

ACWに設定する”何拍子”は、オリジナルの曲が何拍子であるかということと、厳密には関係ありません。オリジナルの曲が何拍子であれ、ACWはとにかく設定されたとおりに”一小節を何分割かにして解析”します。っても4拍子の曲なら4分割して解析するのが間違いないし、3拍子の曲なら3分割すると正確に解析できるでしょう。だから結局、4拍子の曲を解析するときは”4拍子”を設定するし、3拍子の曲を解析するときは”3拍子”を設定することになります。まさにマニュアルにちょろっと簡単に書いてあるとおりです。

通常はここまでの知識は必要ないでしょう。どつぼにはまって何が何だか訳が分からない、という状況で思いだしてください。

そういえば、
7拍子などの曲で一小節の中に複数のコードがある場合はどうすればいいのでしょう。7は4でも3でも割れませんよ。私もやったことがないのですが、仕方ないから、4分割と3分割のどちらか、より近似として正確に解析してくれるっぽい方を設定してみてはどうでしょう。

BIABに渡るコードはせいぜい2つ

今まで説明してきたように、ACWは最大で一小節を4分割してコード解析できます。最大で一小節の中に4つのコードが出来るわけです。なのですが私の勘違いでなければ、それはBIABには渡らないっぽいです。せいぜい「前半分のコードと後ろ半分のコード」のように2つのコードしか渡らないっぽいです。ACWできちんと詳細にコード解析できていたのに、BIABに渡したらコードが減っておかしな事になってた、という経験をよくします。

こういうときは仕方ないから、紙にメモしてあとでBIABで手作業でコードを加筆とか?いっそおおざっぱなコード進行のまま良しとするとか。

テクニックを駆使するなら、わざと一小節のサイズを半分にして解析するとか?もちろんそんなことをするとBIABではテンポがおかしくなりますから、テンポを調節したり、極端なテンポできれいに聞こえる特殊な伴奏スタイルを使ってみたり、2つの小節を1つの小節にまとめる処置を施したり。
私はいつもほどほどの出来上がりで良しとしてます。

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