ウィングカンテレの弾き方、コードについて
ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第10回、コードについてちょっとだけお勉強。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました
1つ飛ばしの3つの音は必ずハモる
きれいにハモって鳴り響く音の組みあわせことを和音(コード)といいます。
ここではコードと呼ぶことにします。”ドミソ” とか ”シレソ” とか、聞いたことだけはありますよね。西洋の音階は知ってのとおり ”ドレミファソラシド” なわけですが、その ”ドレミファソラシド” の音を使ってコードを作る―きれいにハモって響かせる―いちばん基本的なルールがあります。
1つ飛ばしの3つの音は必ずハモる★1
試しにカンテレを手に取って、どこでもいいから3本の弦を選んで同時にはじいてみてください。聞こえる印象はいろいろですが、確かに、どこをはじいてもハモって聞こえます。
たまたま偶然ではありませんし「音楽って不思議だね?」という話でもありません。1つ飛ばしに3つの音を鳴らすと必ずハモるように、大昔の人が知恵を絞って ”ドレミファソラシド” を発明したのです。よくこんなことを思いつきます。
ドレミファソラシドで7つのコード
さて、それではその ”ドレミファソラシド” を使って、最大いくつのコードを作ることができるでしょうか。あまり難しく考える必要はありません。ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7つの音で出来ていますから、7つのコードです。ちなみに高い音で弾いても低い音で弾いても、ドミソはドミソですよ。
- ドから始めて… ”ドミソ”
- レから始めて… ”レファラ”
- ミから始めて… ”ミソシ”
- ファから始めて… ”ファラド”
- ソから始めて… ”ソシレ”
- ラから始めて… ”ラドミ”
- シから始めて… ”シレファ”
カンテレは7つのコードを鳴らせる
カンテレの音階は西洋音階ですから★2 、上の説明のとおり、カンテレはぜんぶで7つのコードを鳴らすことができます。試しにカンテレを手に取って、いちばん低い音から3本ずつ順にはじいてみてください。ちなみにカンテレは低いソの音から始まりますから、コードは低い方からⅤ・Ⅵ・Ⅶ・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの並び順になります。
» カンテレの7つのコードを順に弾いてみた。
たった7つ…ちょっと心許ないですか?最近のJ-POPやアニソンなどは、もっとすごい複雑なコードをばんばん使いますが、たった7つの基本的なコードだけでも民謡、唱歌、昭和時代のフォークなど伴奏できます。J-POPやアニソンなどハイカラな曲だって、むりやり7つのコードを当てはめて伴奏できないこともないです。ちょっと野暮ったい感じになりますけど。
★1 1つ飛ばしの3つの音は必ずハモる
これは西洋音階 ”ドレミファソラシド” に限っての話です。他の国の音階(たとえば日本の音階)で同じことをしても上手くいきません。「だから西洋音楽が世界でいちばん優れているんだね?」という話ではなくて、ハモるのが大好きな西洋人が考えたから、そうなっただけです。独りで唄って小節をまわしたり唸ったりするのが大好きな国(日本もそう)は、そういう技が映える音階を生みだしました。「朝はトーストにミルク」「いやご飯に味噌汁だろ」という、それだけの話。
★2 カンテレの音階は西洋音階
細かいことを言うと11弦カンテレの場合、低い方から ”ソラシ ドレミファソラシド” と並んでいます。またニ長調に調律されているので、ふつうのハ長調の ”ドレミファソラシド” よりも1音高い ”ドレミファソラシド” です。「なんでそんな中途半端な?」と思うかもしれませんが、逆に、ハ長調の曲って少ないです。ハ長調は歌いづらいのですよ。女性には低すぎるし、男性には高すぎるし。ニ長調といえば、アイルランドの音楽―アイリッシュ・ミュージック―がニ長調をよく使います。
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