-- テクノパイプ --
テクノパイプはスエーデン・フェイガーシュトロム社の電気バグパイプです。
練習用ですが、パソコンに繋いで鳴らせば、本物のような存在感のある音で演奏できます。
» テクノパイプをパソコン に繋いで鳴らしてみた(シンセサイザーは Universal Piper)
お勧めは Universal Piper
Universal Piper はバグパイプのソフトウェア・シンセサイザーです。
ソフトウェアなので、Ma cや Windows といったパソコンにインストールして使います。私が見つけたバグパイプのシンセサイザーはぜんぶで3つありまして、その中でまず Universal Piper をお勧めするのは、いちばん動かしやすくて、それなりにリアルな音だからです。
» Universal Piper の入手先
動くということは素晴らしいこと
Universal Piper はスタンドアロンで動作します。
Universal Piper をパソコンにインストールすれば、それだけでバグパイプの演奏ができます。当たり前のことを言っているようですが、他の2つのシンセサイザーは、それだけをインストールしても使えません。別に本体のソフトウェア― Pro Tools や SONAR といった音楽ソフト―が必要でして、本体の音楽ソフトに追加部品のように組みこんで使います。
テクノパイプをパソコンに繋いで演奏できるようにするためには、たくさんの手順がかかります。それらのどこか一手順でもミスすると、正しく演奏できません。だから手順は少ない方がいい。インストールするだけで鳴るという Universal Piper は、失敗の少ないソフトウェアなのです。
またUniversal Piper には VSTi プラグイン★1 も同封されています。音楽ソフトに組みこんで使うこともできます。
一音一音の違いをリアルに表現
Universal Piper の音は、本物のバグパイプを録音したリアルな音です。
それだけでなく一音一音の違いまでリアルに再現しています。なんというか、バグパイプは原始的な楽器なので、一つ一つの音の質がばらばらです。たとえばドの音は大きくて華やかな音ですが、レ・ミの音は小さくて曇った音、といった具合です。ドレミファソラシドも平均律ではありません。そしてそのようなワイルドさ?が、バグパイプの独特の味でもあります。
とはいえ、これでは他の楽器と合奏しづらいので、Universal Piper はボタン一発で平均律にピッチを揃えることもできます。ソロ演奏のときと合奏のときで、上手に使いわけるといいです。
使い方のヒント
Universal Piper の使い方の詳細は英語のマニュアルを読んでもらうとして。
私が実際に使ってみて気づいたことをいくつか。
Universal Piper をスタンドアロンで使うなら、audio device type を ASIO★2 に設定することが必須です。ウィンドウ左上の FILE >> Audio/MIDI Setup を選択して、設定ダイアログを表示することができます。
「使用する MIDI コントローラはなにか?」を Universal Piper に理解させる必要があります。
Setup ボタンをクリックすると、ウィンドウの下に設定画面が表示されます。Controler のリストの中から、使用する MIDI コントローラを選択します。今回はテクノパイプを選べばいいのですが…残念、テクノパイプを選んでもうまく動きません★3 。
しかたがないので代わりに Generic MIDI chanter を選びます。そしてすぐ右端の Learn ボタンを押して、「それならドの音はどれか?」というのを Universal Piper に教えてあげます。このへんは英語のマニュアルを読んでください。私は少し試行錯誤しましたが、最終的にうまくいきました。
テクノパイプで音を ON/OFF することにより Universal Piper の音を ON/OFF することができますが。
音を ON にするときは、ドローンの音だけ先に手動で ON するといいです。ギュイィィーーーという、あの独特の立ちあがり音が鳴ってカッコイイです。いかにも本物っぽい。 OFF はふつうに OFF にします。
また複数のドローンを鳴らすときは、それぞれのピッチをほんの(ほんとうにほんの)わずかにずらすと、音が厚く自然な感じになります。やりすぎるとただの音痴になります。
» Universal Piper の入手先
★1 VSTi プラグイン
音楽ソフトですごい曲を製作するならやっぱり、それなりに説得力あるシンセサイザー音源を使ったり、強烈な効果のエフェクタを繋いだりしたいところです。 VSTi プラグインは、本体の音楽ソフトに組みこんで使う、追加部品のようなソフトウェアです。「音楽ソフトに組みこむ」ってどうするの?という話はありますが、とにかく例えばインターネットからピアノのソフトウェア・シンセサイザーをダウンロードして、「音楽ソフトに組みこむ」と、あなたが入力した音符どおりにピアノの音を鳴らすことができるようになります。
VSTi のシンセサイザーやエフェクタは製品としても販売されていますが、ものすごい数のフリーウェアが出回ってます。一昔前だったら楽器店で何万円もした機材が無料で無尽蔵に手に入ります。性能は製品版に劣りませんし、中には「なにに使うの?」という珍しい物もあります。(ひたすら扇風機の回る音のするシンセサイザーとか。)
一例として下の URL を見てみた方がイメージを掴みやすいでしょう。とにかくすごい数のシンセサイザーとエフェクタです。眺めているうち(私もパソコン音楽を始めようかな…)という気になりませんか?
» VST LINK (VSTi プラグインのデータベース)
» GERSIC.COM (VSTi プラグインのデータベース)
★2 audio device type を ASIO に設定
ソフトウェア・シンセサイザーの音がパソコンの中をぐるぐる回ってスピーカーから出てくるまでに、若干の時間がかかります。これは音符を入力して演奏させているときには気になりませんが、テクノパイプなど MIDI コントローラを繋いで演奏するときに問題になります。指をパタパタ動かすと…ワンテンポ遅れて音が聞こえてくる。これではとても演奏できません。
ASIO というのは本来の音の通り道を大幅にショートカットして、演奏に遅れることなくスピーカーを鳴らします。テクノパイプをパソコンに繋いで演奏するなら、ASIO が必須になります。別の機会に概説しますが、詳細はネットで調べるといいです。
★3 テクノパイプを選んでもうまく動かない
これは Windows の場合です。 Mac だと問題なく動く可能性があります。例えばテクノパイプのドの音は、MIDI 信号でいうと「72番の音」になります。なのですが、この「72番の音」に2通りの解釈があるらしい(ヤマハ式とローランド式)。どちらか一方に統一してくれという話なのですが、とにかく現状ではテクノパイプの音は、Windows の Universal Piper では本来よりも1オクターブ高い音として解釈されます。バグパイプはそんな高い音は出ませんから…つまり鳴らない。
Controler に Generic MIDI chanter を選ぶと、「それならドの音はどれですか?」というのを Universal Piper に教えることができます。それで本当は1オクターブ高い音なのですが、 Universal Piper がそこを上手いこと合わせてくれて、めでたくバグパイプ演奏することができるのです。
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