-- 楽譜置き場・試聴室 --
初音ミクに中島みゆきの『地上の星』を歌わせました。
聴けば今でも血がたぎる
『地上の星』の説明はいらないでしょう。
2000年3月から5年間にわたって放送されたNHK特集『プロジェクトX~挑戦者たち~』のOPです。ドンドコと腹に響くパワフルなパーカッションからフェードインして、中島みゆきのしわがれ声が聞こえてくるともう、今でも血がたぎる、涙が出てくるというサラリーマンは多いようです。
なんというか……今も生き残っている大企業というのは、なにかしら大変な困難に行き当たり、それを乗り越えることができた企業ばかりなわけですよ。(乗り越えられなかった企業はとっくに倒産して忘れ去られてしまっているわけでして。)私はマキャベリズム的倫理観に基づいて、わりと政府や企業を信頼しています。だから近ごろ話題にのぼるワタミとかすき屋とかブラック企業は、ああ頭が悪いんだなと理解しています。
そういえば、初音ミクの開発も歴史に残るプロジェクトだと思うのですが。どうでしょう。
楽譜とMIDIファイルがあれば楽できる
私が製作する初音ミクの作品には、80年代~90年代のフォークやJ-POPが多いです。私が日本製の音楽をいちばん聴いていた年代だった、というのもありますが。
むしろ単純に、古い有名な曲って楽譜とMIDIファイルが用意されている、という理由が大きいです。CDやYouTubeの曲しか手元になくても、Band-in-a-Boxを駆使すればMIDIデータを製作できるのですが。それは6時間~半日かかる辛い作業になります。それを500円程度で無しにできるっていうのですから、支払わない手はありません。
最初は楽をしたいだけだった
『初音ミク』はクリプトン・フューチャー・メディア社が発売している、歌を歌うシンセサイザです。音符を打ちこみ歌詞を入力すると、そのとおりに初音ミクが歌います。
» 初音ミクの販売サイト
ただし単純に音符と歌詞を入力しただけだと、のっぺりした独特のボーカロイド声で歌います。
それをまるで人が歌っているように生き生きと歌わせるには、曲に合わせてミリ秒単位で変化するミクの声の強弱を、折れ線グラフで手描きしてやる必要があります。
オートメーションというこの作業は、たいへん根気の要る神経を使う重労働で、多くの人は耐えられず、挫折します。
私が実践しているのは、オートメーションに依らずミクを歌わせるもう一つの方法です。曲のテンポから電卓を叩いていくつかの基礎数値を算出し、エンベロープフォロワと2つのコンプレッサのツマミを調整して、リアルタイムにミクの歌声を制御します。
今回はずいぶん早く完成しました、6~7時間くらいでしょうか。
昼ご飯を食べ終えて「それでは」と始めて、外が暗くなる頃には完成していました。
とにかく楽をしたい。面倒な作業なしに早く作品を完成させたい。そんな一心で始めたプロジェクトです。当初はとにかく短時間でミクを歌わせることができるのが売りでしたが。最近では品質も相当なレベルに到達しているでしょう。そろそろほんとうに人が歌っているレベルだと思ってますけど。
楽器があればもっと楽しい毎日
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