-- 生活の音(4) --

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2013年06月18日

楽器は値切って買うと値切った音がするそうですよ

「楽器は値切って買うと値切った音がする」というのは、
私のいとこが、中学のときに彼のブラスバンドの顧問から教わった話です。

それはきっと心意気の問題。
その人のライフスタイルとかポリシーとか、生き様の問題だと、私は解釈しています。「楽器を値切って買う」という、その一点だけの話ではなくて、一事が万事。そういうのがもう、その人の人生そのものに滲んでいる。もちろん、その人の楽器演奏や芸風などにも、そういうのが滲んで表れる。そういうのが客に伝わってしまう。そういう話だと私は解釈しています。ふつうの人にはどうでもいい話だし浪費癖を肯定しているわけでもない。ただ、プロの音楽家――楽器を演奏してみんなを朗らかな気持ちにするのが仕事の人は、もっとこう……バーンとしたところがないとだめだ、みたいな話だと私は解釈しています。

そもそも職人も商人も、まっとうな感覚の人なら、
限界ぎりぎりまで値下げして売っているものなのですよ。客観的にどうだというのは置いといて、少なくとも当人の主観としてはですね。だから品物を値切るという行為は、職人に対しては「あなたの作品は値段分の価値がない」という侮辱になりますし、商人に対しては「あなたには商品を価値を正しく見積もる目がない」という侮辱になります……少なくとも当人の主観としてはですね。

そんなですから、中学のときにその話を聞いて以来、
私は凡そ物を値切って買ったことがありません。特に脱サラして個人事業主になってからは、「値切って買うよりは言い値で買って(商売に結びつけて)取り返す」というスタンスを心がけています。

もちろん、言い値で買って「ええっこの値段でこれはないだろう!」という品物を掴んだことは、何度もありますよ。そのときは「ああ私の目が利かなかった、修行不足だった。とにかく、ここはこんな商品を売っているのか……次回の取引はないな。よい社会勉強をした」と、納得する★ ことにしています。
大人の勉強は、とにかくお金がかかるものです。

★ よい社会勉強をしたと納得する
ここで損失を少しでも取り返そうとして叩き売りするのは、かっこわるいし、なによりも不正直です。私はそれを売れないと判断した。だったら売っちゃいけないです。自分の物にするか、要らないなら捨てるか。

捨てるよりは、欲しがる人にプレゼントするのがいいでしょう。
そんなふうに掴んでしまった商材に向かない品々を一年分まとめて、毎年の夏にキャンペーンと称してお客さんにプレゼントしています。お客さんは喜んでくれますし、もちろん、これが新しい楽器を買ってくれるきっかけになったりします。

これが私流の「(商売に結びつけて)取り返す」ということです。
これからは「かっこいい」というのがブランドになるそうですね。私にとって、かっこいいとは、そんな認識です。

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2013年05月18日

SONAR X2にバージョンアップして正解

SONAR 8.5からSONAR X2にバージョンアップしました。
結果はたいへん満足できるものでした。

パソコンのハードもソフトも総入れ替え

Windows XPのサポートが来年4月までということで、さすがに覚悟を決めてWindows 7にバージョンアップしました。せっかくのついでに、いい加減古くなったパソコン本体も最新スペックのものに買い換えました。

SONAR 8.5は分散処理が苦手らしい

私はDAW(パソコンソフト)にCakewalkのSONAR 8.5 Producerを使っています。
そろそろ古いソフトではありますが……一応、Windows 7でも動作するということですから、試しに新しいパソコンにインストールして動作確認してみました。

が、よくないです。むしろ悪くなったくらいです。
タスクマネージャで確認するとCPU負荷はほとんど一桁――つまりCPUをぜんぜん使っていないのに、処理落ちしてバチバチとノイズを立てます。要は古いソフトなので、分散処理が苦手なのでしょうね。まあ何年もがんばってくれたソフトです、これもそろそろ買い換え時なのでしょう。

また最近に発売されたVSTi(ソフトウェアシンセサイザ)には、もはやWindows XPでは動作しないものがあります。知らずに買って使えずがっかりしたVSTiをいくつか抱えていました。
なのでDAWもSONAR X2にバージョンアップしました。

たくさんの音を鳴らしてもびくともしない

試しにVSTiを一つだけ積んで鳴らしてみるという最小限のテストケースでは、SONAR 8.5との違いはそれほどありませんでした。

しかしながらVSTiを増やしていったときに、まったく処理落ちしないのはさすがと言えましょう。
以前の作業環境だったら計算が間に合わなくなり間違いなく動作停止している、という状況で、軽々と演奏を続けます。タスクマネージャを確認すると、きちんと分散処理もできているようで、まだまだ存分に余力を残しています。これならもう何の気兼ねもなくVSTiやVSTを使いたいだけ使えそうですよ。

Windows XPでは動かなかったVSTiもちゃんと鳴るようになりました。なるほどさすが、ハードもソフトも最新にした甲斐がありました。
» SONAR X2のメーカーサイト

管理者で実行する必要がある

手持ちのいくつかのVST(ソフトウェアエフェクタ)が、SONAR X2を管理者権限で実行しないと動作しませんでした。SONAR X2自体が「64ビット版は管理者権限で実行してくれ」という話です。そのへんはそういうものみたいですね。SONAR X2は64ビット版であれ32ビット版であれ、管理者で実行するのが間違いないようです。

私は別のHDDを用意してSONAR X2だけをインストールして、デュアルブート環境で使っています。なのでSONAR X2を使う環境は、最初からユーザ権限の管理をOFFにしています。セキュリティ的に褒められるやり方ではありませんけど。

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2013年04月24日

レッドパイプのクラシックを買いました

レッドパイプはドイツのレッドパイプ社が製作しているエレクトリック・バグパイプ(電子バグパイプ)です。革バッグの中には空気の代わりに電子部品が詰まっていて、エレキギターやキーボードのようにアンプ・スピーカに繋いで鳴らします。

レッドパイプの”クラシック”というモデルを注文していたお客さんがキャンセルしました。
このクラシックは近いうちに、世界楽器てみる屋の在庫として抱えるつもりだったので好都合、そのまま店頭販売してもよかったのですが。数日悩んだ末、私の物にしました。

私は既に一台”メタル”という大型のモデルを持っていますが、狭いごちゃごちゃ散らかった部屋で演奏するには、長い立派なドローンがじゃまになります。また「ちょっと演奏するか」と思いたったとき、いちいち組みたてなければならないのも微妙に面倒くさいです。

メタルもクラシックも中身は一緒、些細な使い勝手のよさを求めて同様の物を二台も所有するのはどうかと悩みましたが。物欲に負けて買ってしまいました。そういうことができるようになりたい、というのが楽器屋を始めた動機★1 でもありますし。

演奏を楽しみたいだけならぜひお勧め

クラシックを使ってみたところ、これがなかなか便利です。
レッドパイプの他のモデルと比べて、クラシックはかなり小型です。長いドローン管はなくて、チャンター管の長さもソプラノリコーダほどしかありません。小脇にちょこんと抱えて、作業机の椅子に座ったりベッドに寝転んだり、場所を選ばず気軽に演奏できます。これは楽ちんです。

楽ちんといえば、レッドパイプには鳴りっぱなしモードという、バッグを絞めつづけなくても演奏★2 できるという使い方ができます。これは正にクラシックにぴったりです。何の力も要らず運指の練習に専念することができます。これはほんとうに楽ちんです。

なかなか見栄えもよい

クラシックはウェブカタログの写真だとなんともダサい外観ですが。
実際に手に取ってみるとそうでもありません。オレンジとブラックという配色と、これ見よがしに作り物っぽい意匠が、むしろ「これは電子バグパイプですよ」と積極的にアピールします。

まったくプライベートの練習用に買ったのですが、これでも演奏動画を作ってみようかと考えました。

★ 楽器屋を始めた動機
楽器屋を営んでいれば、楽器や音楽に関する買い物はすべて経費にすることができます。また同じ買うにしても、メーカーから直接、卸値でずっと安く買うことができます。自分の趣味(楽器や音楽)に好きなだけお金をつぎ込むことができるように、私は楽器屋になりました。

★2 バッグを絞めつづけなくても演奏できる
これは他のエレクトリック・バグパイプ(電子バグパイプ)を持っている人には、意味のよく分からない話かもしれません。レッドパイプは電気仕掛けのシンセサイザではありますが、演奏するときは本物のバグパイプと同じように、革バッグに息を吹き込んで、バッグを締め付けて鳴らします。上手に息継ぎして鳴らさないと、本物と同じように音がよろけたり音が止まったりします。

鳴りっぱなしモードというのは、そういうリアルな操作性をOFFにして、巷のエレクトリック・バグパイプと同じように、スイッチオンでずっと音を鳴らしつづけるというモードです。単に運指の練習をしたい場合に便利です。

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2013年04月04日

空耳を演奏する-グリーンスリーブス

リトルミンストレルは11本の弦を張った小さなハープです。
ふと、こんな弾き方はできるかな…と試しにやってみたら、できました

伴奏をじゃらんと鳴らしながらメロディを弾いているように聞こえますか?
違います、私はメロディを弾いていません。不完全なメロディの断片をぽつぽつと五月雨式に弾いているだけで、それを聞いた人間の脳が、足りない音を補完して完全なメロディとして聞いているのです。

ゲシュタルト心理学に基づいた人間の空耳・錯覚を積極的に利用するこの奏法は、北欧バルト海沿岸の国で見られるかなり珍しい奇妙な奏法です。

ちなみにリトルミンストレル(Little Minstrel)は、北米のハープ工房が製作している小学校の音楽教材です。花びらのような可愛らしい形と意外に大きく美しい音色で、予約山積みの大人気です。

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2013年03月25日

考えるな、思い出せ!

音楽作品を製作していて、どうしてよいか分からず困ったときの対処です。
例えば「いいイントロが思いつかないどうしよう…」というような場合です。
こんなときいくら考えてもダメです、答えは出てきません。こんなときは考えるのではなく、思い出すのが正しいです。

どうすればいいか”考える”のではなく、どうすればよかったか”思い出す”

具体的には、過去に聞いたいろんな作品で、イントロはどんなだったかを一生懸命に思い出します。今製作している音楽作品によく似た作品はどんなのがありましたか。そのイントロはどんなでしたか。あるいは最近聞いた曲のイントロはどうだったでしょうか。こうやって思い出していると、案外そのうち「ああ、あれが使えそうだ」というイントロが見つかります。★1

参考資料をたくさん集める

しかしいきなり思い出せと言われても、またこれがなかなか思い出せるものでもありません。
なので予め参考になりそうな資料をたくさん集めておきます。YouTubeで参考になりそうな動画作品をたくさん集めて、再生リストに登録しておきます。

例えば私は最近、中世古楽っぽい作品を主に作っていますから、することがない暇な時間にぶらぶらとYouTubeを眺めて、気に入った中世古楽の動画を再生リストにまとめています。★2 そして客さんのメールに返事を書いたり仕事しながら、ずっと聞き流しています。そうすると「ハープってこんな使い方もするのか…」などといろいろ勉強になります。「っとこのイントロいただき!」という、まさにピンポイントな発見をしたりもします。

もしまだ再生リストを用意していないなら、今からでも用意するといいです。
それこそ、動画を集めているうちに良いイントロがひらめくかもですよ。

★1 思い出していると答えが見つかる
右脳の得意なパターンマッチングによる問題解決法です。パターンマッチングは素早く確実に答えを得ることができます。ただし欠点もあって、得た答えはどれもありふれた――どこかで見聞きした答えばかりです。そりゃそうでしょう。

他人から正気を疑われるようなユニークな答えは、左脳による論理的な熟考によってのみ手にすることができます。

★2 気に入った動画を再生リストにまとめる
ここで「この動画はどうしょうかな…」などと厳選しなくてもよいですよ。「お!」と思ったらとりあえず登録すればいいです。あとで再生リストを繰り返し聞いているうち「何回聞いてもこの曲は嫌い」というのが出てきます。そしたらそれを再生リストから削除すればよいだけの話です。

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2013年03月23日

絶対にお客さんは気がついてます

音楽作品を製作していて(あ、ここ不味いな…)と思うことがよくあります。
それは楽器の演奏の細かい所だったり、曲の構成といった大きな所だったりしますが。そいういう所って、絶対にお客さんは気がつきます。作品を聞いて口では何も批評しなくても、絶対に気がついてます。私が気がつく程度のことは誰だって気がつく、ってことです。

だから音楽作品を製作するときの前提というか心構えとして、
私が自分で気づいた不味いところは、極力修正するようにしています。「今はこれが精一杯」というレベルまで修正した作品は、それで他人から酷評されてもそれほどダメージはありません。だってもう、指摘されたところでどうしょうもないレベルですから。(ってもYouTubeやニコニコ動画では、滅多に他人から酷評されるようなことはありませんが。)逆に不味い所を残したまま作品として完成させて、他人からそこを指摘されると、自分の怠け心を見透かされたようでものすごく恥ずかしいです。だから私は恥ずかしい思いをしたくないという、かなりネガティブな動機で音楽作品の製作に取り組んでいます。

あるいは不味いのは分かっているが、今の私ではどうしょうもない、
という場合もあります。どうにも演奏技術が足りないとか、エフェクタの調整方法が分からないとか、あと一回リテイクする気力がまったく残っていないとか。残念な結末ですが、それも完成したと見なします。アマチュアには〆切がありませんから、どこかで作品を完成させないと、いつまでたっても完成しません。アマチュアの目標の第一は、とにもかくにも作品を完成させる、というところにあります。

残した後悔は、次の作品を製作する上での課題とします。
演奏の特訓をしたり、エフェクタの使い方を勉強したりして、次の作品の製作に臨みます。

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2013年03月09日

楽器演奏は技能だと理解しています

私はシステムエンジニアです、音楽家でも演奏家でもありません。
そんな私は「楽器演奏は技能だ」と理解しています。

技能は使えてなんぼ。
それは例えば英会話のようなものです。英会話教室で数年も勉強すれば、いくら何でも英語を話せるようになるでしょう。ネイティブのように流暢でなくても、伝えたいことを伝えられるし、相手の言ってることを理解できるようになるでしょう。

楽器なら「自分の演奏したい曲を自力で演奏できる」ということです。
私は楽器演奏とは、まずそこが最初の完成形だと考えています。素晴らしい演奏ができるようになる前に、完璧な演奏ができるようになる前にまず――どんなに拙くても、誰の手も借りず、一人だけで曲を覚えて、一人だけで練習して、一人だけで演奏できるようにならなければならないと考えます。

私は、私のその姿が他人から見て不格好であったとしても滑稽であったとしても、自分の飛びたい空を自分が飛びたいだけ自由に飛べることを良しとします。逆にどんなに素晴らしく完璧に空を舞っていたとしても、それが一々先生から指示されないとできないのであれば、それは飛んでいるのではなくて、紐に繋がれた凧です。

多くの楽器は、まじめに練習すれば、3年で一つの節目に到達するはずです。
その道の先達からするとまだまだひよっ子ですが、素人から見ればもう立派な演奏家です。だから、楽器を練習し始めて3年目の人はそろそろ、自分の今の演奏でも喜んでくれる人を見つけて、公の場で演奏するべきです。
もちろん、観客の拍手に慢心することなく精進し続けることを前提として。

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2013年01月29日

パソコンを復旧していました

週末から今まで延々とパソコンの復旧作業をしていました。
注文メールも商品配送もほったらかしです。パソコンが動かないと何一つ分かりませんし、一切の事務処理ができませんから、仕方ありません。

クラッシュは突然にやってきます。
いつもと同じようにパソコンの電源を落として……そしてもう、二度と立ち上がることはありませんでした。ハードディスクのブート領域が破損したらしいことは、黒い起動画面に無情に光るエラーメッセージで分かるのですが。残念、私の力量では、OSを再インストールするしかありません。ハードディスクが全体的に傷んでいる可能性もあるので、新品と交換です。

前日までのデータがきれいに残っているのが救いでした。
仕事で使うパソコンですから、毎日自動でバックアップ★1 するように、スケジュールしておいたのでした。クラッシュして初めて分かるバックアップの有り難み。みなさんもパソコンのデータは頻繁にバックアップしましょうね。

パソコンの復旧は一日作業になります。
とはいえ長年の感覚で(深夜過ぎには再びお客さんのメールに返事できるだろう)と楽観していましたが。月曜日の夜になってもまだソフトウェアのインストールが終わないのでした。

それらは主に音楽関連のソフトウェアでした。リアル音源のソフトウェアシンセサイザはギガバイト単位のサンプリングデータを抱えているので、インストールするの時間がかかります。更にその後のアクティベート手続きも「ほんとうにユーザに使ってもらう気があるのか」と疑うほど煩雑で、途中で躓き何度も試行錯誤ました。結局、1つをインストールするのにそれぞれ小一時間かかったのでした。

RAID0に初挑戦

図らずパソコンのオーバーホールをすることになったので、新しいハードディスクを2台購入してRAID0★ を組んでみることにしました。挑戦する、というほど大げさなことではありませんが、RAID0を組むのは、20年以上のパソコンを使ってきて初めての経験です。途中で2度ほど「説明書のとおりになってねぇ!?」という場面がありましたが、概ねつつがなく作業は完了しました。

音楽ソフトもビデオ編集ソフトも、ハードディスクから大量データを高速に連続して読みだす性能が要求されます。RAID0を導入したことにより、宣伝動画の製作作業が少しは快適になるはずと期待しています。

★1 自動でバックアップ
定期的なデータのバックアップは、実はWindowsには昔から標準で用意されている機能です。一度スケジュールを組んでしまえば、三日坊主にならずデータをバックアップすることができます。みなさんもパソコンのデータをバックアップしましょう。

★2 RAID0(レイドゼロ)
複数台のハードディスクに対して同時に読み書きする仕掛け。データを切り分けてそれぞれのハードディスクに同時に読み書きするので、理屈では、用意したハードディスクの数だけ読み書きが速くなります。

音楽ソフトやビデオ編集ソフトは、ハードディスクから大量データを高速に連続して読みだしながら音楽を演奏したり動画を表示したりします。なのでハードディスクの読み書きが速くなるだけで、ソフトウェアの性能はかなり向上します。

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2013年01月06日

楽器演奏は拍手の数だけ上達する

ひろさんが、鼻笛を施設で披露したら喜んでもらえた!という記事を投稿しました。
年始めにとても良い記事を投稿してくれてありがとう。これはとても重要な事を示唆していますので、コメントでなく、新たな記事にしてご返事します。

楽器演奏は誉めてもらってこそ上達する

楽器の演奏が上手になるために、人から拍手をもらうことがすごく重要です。演奏を聴いた人から「よかった」「感動しましたっ」「ぜひもう一曲聴かせてください!」と誉めてもらうことが重要です。

否定的な意見が多いだろうことを承知で言いますと、それは……ほんとうは楽器演奏に限らず、人が生きる上で重要なことなのです。人が善く生きるためには、他人から誉めてもらうこと、他人から認めてもらうことが重要です。逆に、他人からあまり誉めてもらう機会のない人、(自分は他人から認めてもらえていない)と感じている人は、無意味な虚勢を張ったり突飛な言動で人目を引こうとするなど、様々な不適合な行動をします。

楽器演奏のことに話を戻して、
楽器の演奏が上手になるためには、他人から拍手をもらい誉めてもらうことが重要です。そしてそれって、ひろさんが示唆しているように、実はそんなに難しいことではありません。そんなに高いハードルではありません。

みなさんは「人に演奏を聴いてもらえるようになるには、きちんとした音楽教室の生徒になって、長く練習しなければならない」と思っていますか。それはメーカーや販売店が仕掛けたキャンペーンによる洗脳です。「他人に楽器演奏を聴かせることができるのは一流の演奏家だけだ」とみなさんが信じ込んでくれるからこそ、日本津々浦々の音楽教室は今日も繁盛しているわけです。

客はほんとうは演奏を聴きたいわけじゃない

マーケティングの観点から言及すると、あなたの楽器演奏を聴きに集まってくれた人は、ほんとうは楽器演奏を聴きたいわけじゃないです。単純に楽しいひとときを過ごしたいだけなのです。ひどい言い方をすると、いい暇つぶしになればいいくらいに思っています。極端には演奏そっちのけで、初デートに誘った隣の彼女といい雰囲気になることばかり画策していたりします。なので、他人に聴かせるのに一流の演奏は必須ではありません。例えば幼稚園でオカリナの演奏をするなら、何十年も修行を積んだ巨匠が素晴らしいクラシックの名曲を演奏するよりも、保母さんがたどたどしくポニョを吹いてみせた方が、子どもは大喜びだったりします。

自分の演奏を喜ぶ客を集めるのが秘訣

「相手を見て説法をしろ」と言いますが。
逆もまた真なりで、要は、自分の演奏レベルに応じたお客さんを集めればいいのです。とてもとても重要なことですから繰り返します。

!!! 自分の演奏を聴いて喜んでくれるお客さんの前で演奏すればいいのです !!!

なんて簡単な話。これがみなさんが知らなかったことです。そしてこの考え方は、そんなに突飛でも奇策でもない。ビジネスの世界では当たり前の考え方なんですけどね。なぜか楽器演奏を志す人の耳には届かないようになっています。まあね、ちょっと上手になったレベルの日曜音楽家たちがいろんな場所で勝手にコンサートを始めたら、プロの演奏家や音楽教室は大打撃ですものね。

まとめに入ります。
まったくの初心者は論外ですが、楽器を3年も練習していればある程度は聴けるレベルに到達します。そしたら次は、そのレベルの演奏で十分に喜んでくれるお客さんを探して、ぜひその人たちの前で演奏してください。老人ホームや介護施設、幼稚園や小学校や学童保育、忘年会や新年会、友人の結婚披露宴、町内のお祭りのイベントステージなど。「一流の演奏でなくていい、お金は出せないがちょっと演奏してほしい」という需要は、みなさんが知らないだけで、実は探せばたくさんあります。そして拍手をもらえたら嬉しくて自信がつきますし、誉めてもらえたら気分よくなって練習の励みにもなります。そうして練習を続けて上手になれば、もっともっといろんな人に演奏を聴いてもらえるようになるでしょう。それの繰り返しです。

もう3年ほど楽器を練習をしている人へ。
ちょっと練習する手を止めて、我が身を振りかえってください。もうそろそろ人前で演奏できるはずですよ。楽器演奏はもらった拍手の数だけ上達します。今のあなたの演奏レベルで喜んで聴いてくれるお客さんを探して、できるだけ早く人前で演奏する経験を積んでください。

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2012年12月25日

それでも中世バグパイプを買うのはどんな人か?

今年はバグパイプで始まりバグパイプで終わる一年でした。
新春早々からバグパイプの商品ラインナップを次々に増やしていき、最後に受注生産という不完全な形にしろレッドパイプを発売したのは、我ながらよくがんばったと思ってます。

客のニーズに応じた商品をいろいろ揃えました

てみる屋にとって、”バグパイプ”という商品ジャンルの売り上げは、昨年まではゼロでした。
商品ラインナップとして中世バグパイプしかなかったので、それに心が傾かなければお客さんは何も買わずに帰ってしまっていました。

一言で「バグパイプが欲しいな」と言ってもいろいろあるでしょう。
バグパイプを欲しがるお客さんはどんな人で、どんな理由でどんなバグパイプを欲しがるだろうか。徹底的にプロファイリングして★1 タイプ分けし、そのタイプ毎にお勧めのバグパイプをいろいろ用意する――というのが今年一年かけて延々とやったことです。例えば、大して本気ではないちょっと触ってみたい人向けにビニール製の廉価なPSパイプ。バンドで演奏したいという人向けにシンセサイザのレッドパイプ。珍し物好きのキワモノ趣味としてテクノパイプ(これは本来の用途である練習用としては実に秀逸な品ですよ)。

そうやってお客さんのニーズに合った商品をいろいろ揃えた結果、”バグパイプ”という商品ジャンルは、うちの店のちょっとした柱になるまで売り上げるようになりました。

それでも中世バグパイプを買うのはどんな人か?

中世バグパイプはここ数年まったく売れません。
不良在庫と言っていいでしょう。
それでも私が見捨てないのは「中世バグパイプは買ってもらえる商品だ」と揺るぎなく信じているからですし、それよりも「中世バグパイプはてみる屋が販売するに相応しい商品」だと考えているからです。

中世バグパイプはてみる屋にとって、ある種のシンボリックな商品★2 です。バグパイプの新商品を次々と発売しながらも、私はいつもどこか中世バグパイプを意識していました。お客さんのニーズに合わせたバグパイプを次々に用意するという行為は、そのまま、中世バグパイプを欲しがる人を減算方式にプロファイリングする行為でもありました。

今や状況は正常に成りました。
今や中世バグパイプを購入する人は、ほんとうに中世バグパイプが欲しい人だけになったはずです。それはいったいどんな人か?来年始の雑務を片付け次第、プロファイリングに取りかかります。今からわくわくしています。

★1 客をプロファイリングする
『プロファイル・マーケティング』でしたか、そんなマーケティング手法があります。ある商品を欲しがるお客さんはどんな人か?性別は?年齢は?どんな学校に通ってる?どんな会社に勤めている?お友だちはどんな人?趣味は?他に興味のあることは?何て言われると嬉しい?何て言われると腹が立つ?などなど。映画の登場人物を決めるかのように詳細な人物像を作り上げて、その人がいちばん共感するだろう言葉で商品を宣伝します。

このとき、厳密にはそのお客さん以外のお客さんは、誰もその商品を買ってくれない計算になります。それでもいい。そもそも嗜好の多様化した現代において万人が欲しがる商品なんてありえない。「みなさん買ってください」と訴求して誰も買ってくれない最悪な状況よりも、「あなた買ってください」と言って買ってもらえることを良しとするという。昭和のマス・マーケティングのアンチとして現れた手法です。

★2 中世バグパイプはシンボリックな商品
中世バグパイプは私にとって、”本物のバグパイプ”の象徴です。本物とはつまり、工房で職人が手作りした、木と皮で出来た、高価なバグパイプのことです。「それでも中世バグパイプを買うのはどんな人か?」という問いを、私はもっと普遍的に「それでも本物のバグパイプを買うのはどんな人か?」という問いとして捉えています。

デカルトが「我思う、故に我在り。」と言ったのは、確かに実在する物事から演繹して、最終的に神が実在すること証明したかったのだとか。そんな大それたことではありませんが、私が今年ずっとやってきたことは、そんな類いのことです。

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