-- 生活の音(6) --

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2010年10月12日

ドングリ拾い

多摩モノレールの玉川上水駅より徒歩約1分。玉川上水沿いのほそい道は、古い街路樹でうっそうとしています。

10月、路面が見えなくなるほど枯れ葉の散った道を急いでいると、なにかごろごろしたものを踏んだ感触と、バリバリと砕ける音がしました。見れば、まるまると太った大きなドングリがたくさん落ちていました。となりのトトロに出てきたような、りっぱなドングリでした。

若い母親につきそわれて、小さな女の子がしゃがみこんで遊んでいました。ちょうどメイと同じ年頃でしょうか。一生懸命にドングリを拾うほほえましい光景をあとにして、急ぐ私の後ろで、ついに女の子の誇らしげな声が聞こえたのでした。

「みつけたーっ」
そうそう。それがちょうどトトロがおみやげにくれた、
「クリーっ」
クリじゃねええええっ!!

私はつっこみをこらえましたが、保護者たる母親は聞き流すわけにはいかなかったようで、
「クリだよぅーっ、クリぃーっ!」
と頑なに主張する女の子の叫びが後ろに遠く聞こえていました……
人はこうして少しずつ現実を知っていくのですね。

帰り道で気づいたのですが、
少し離れたところにほんとうにクリの木が生えていました。道に捨てられたたくさんのイガイガはみんな三つに割られて、空っぽでした。中身は残さず道沿いの住人が取って帰ったのでしょう。

……ちょっと離れた場所でしたが、彼女はほんとうにクリの実を拾っていたのかもしれません。今となってはわかりません。
» 多摩モノレール玉川上水駅

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2010年09月27日

お客さんのハンドオルゴール演奏『遠い約束』

一年前にハンドオルゴールを買ってくれたお客さんからひょっこりメールが届きました。
自分でハンドオルゴールを演奏した動画をYouTubeに投函したとのこと。それがこれ。

ハンドオルゴールの名のとおり、大型のオルゴールが鳴っているような演奏です。ほんとうに美しい。単純に、聴いていて楽しいです。いやーすごい。

聞けば楽器演奏の経歴はギターをかじった程度で、のめりこんだ楽器はこのハンドオルゴールがはじめてのような話なのですが。謙遜でしょう、なんの素養もない人が一年でここまで上手になりますか?

私は一発で白旗です。もう、自分でハンドオルゴールを宣伝するのは諦めました。彼に頼んで、うちの店のウェブカタログに動画を載せる許可をいただきました。これ、いい宣伝になりますよ。

実は既に他に10曲ほど出来上がっています。随時アップしていくとのこと、彼のチャンネルから当分目がはなせません。

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2010年09月11日

木製の笛のケア

デュエットオカリナや木管フルートなど木製の笛の扱い方について、特にひび割れしないように注意すべきことについて、説明します。

購入してすぐ

  • 最初の2週間くらいは、演奏時間を1日30分~1時間にとどめてください。

日々のケア

  • 熱さないでください。炎天下に駐車した自動車の中に放置しないでください。ストーブやコンロの側に置かないでください。電気カーペットの上に置かないでください。
  • 乾燥させないでください。寒い乾燥した場所に置かないでください。
  • 水に浸けないでください。水洗いしないでください。
  • 毎日、少しでいいから息を吹きこんであげてください。
  • 連続使用は、午前中に数時間以内、午後に数時間以内、というペースを守ってください。半日ぶっ続けで吹いたりすると変形・ひび割れする恐れがあります。
  • 演奏し終わったら、管の中が濡れているようなら拭きとります。
  • 保管は、笛を布ケースや革ケースに入れて、人が普段生活している部屋に置いておきます。

ときどきのケア

  • 表面が乾燥してかさかさしてきたら少量の蜜蝋ワックスを擦りこみます。
  • 表面をウレタンなど強力な塗料でコーティングしている笛は、特に何もしなくていいです。

現実

ちなみに言った本人はこの扱いです。

「毎日、少しでいいから息を吹きこんであげてください。」なんて、ものすごい数あるのにムリムリ。それでも破損した笛は今まで一本もありません。だから私と同じようにして大丈夫、とは口が裂けても言いいませんが、こんな仕打ちをしても、笛は割れないときは割れないものです。

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2010年08月29日

お客さんの特注のアナサジフルート2

これは別のお客さんが特注したアナサジフルートです。

カーリーメイプル(巻き毛模様のカエデ)という高価で美しい木材を採用したほか意匠はふつう。ですがサイズが大きい、隣に並べた標準のlowG#管が二回りほど小さく見えます。
これはlowF#管です。

アナサジフルート奏者スコット・オーガストのYouTube動画 『Quiet Journey』 で、豊かな低音が鳴り響きます。これがlowF#管の音です。

件のお客さんはこの音に惚れて「どうしても演奏したい。吹けなくても買いとるから」★と私に誓約して特注しました。えらいっ、よく言ったっ!あんたの心意気しかと見届けちゃるっ。

…いざ現物が届いてみると、身長167cmの私でもいちばん低い音まで出せましたよ。大男の彼なら大丈夫でしょう、よかったよかった。実は私も 『Quiet Journey』 の音はちょっといいなーなんて思っていました。遅ればせ自分のも注文します(卑怯者です)。
ついでにてみる屋でもクレーム対象外で販売すると決めました。

★ 吹けなくても買いとる
楽器の音に惚れた、是が非でも自分で演奏してみたい。このように思ったとき、その楽器はその人にとってかけがえのないものになります。代わりなんてありえません。演奏できそうだとかできなさそうだとか、こっちの楽器の方が初心者に易しいとか、そんな逡巡になんの意味もありません。その楽器を買う、の一択です。人生を長く共にする楽器との出会いは、これこそが理想だと、演奏者としての私は考えます。

商売人としての私は、覚悟のない人もお客さんとして大切にします。商うとはそういうことだと理解しています。演奏家としての楽器との関わり方と商売人としてのそれとは、倫理が真逆の場合が多くあって、このへん自分の中で折りあいをつけるために日々苦労しています。

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お客さんの特注のアナサジフルート

お客さんが特注したアナサジフルートが先ほど入荷しました。

カーリーメイプル(巻き毛模様のカエデ)という高価な木材をベースに、孔雀石の象嵌★のリングが3カ所(1カ所はいちばん下端)と、精霊ココペリのエンブレムが入っています。

北米古代アナサジフルートは精霊ココペリの笛だと考えられています。精霊ココペリはこの笛を吹いて冬を追いはらい、春を呼ぶのでした。そう考えるとこのココペリのエンブレム入りのアナサジフルートは縁起物ですよ。五穀豊穣、子孫繁栄しますように。

★ 孔雀石の象嵌
象嵌とは、笛の表面を深彫りしたところに孔雀石の破片と硬化剤を練りあわせたものを詰めこんで、木地ごと削りだす装飾技法のことです。インディアンフルートを製作している工房はたいていどこも、このような特別な意匠に応じてくれます。ただし工房によって装飾技法の得意不得意があります。ペイントが上手だったり彫刻がすばらしかったり。アーストーン工房は線描と象嵌が上手です。

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2010年07月09日

イシバシ楽器がトイノーズフルートを販売開始

イシバシ楽器が楽天でトイノーズフルートを販売しているのを見かけました。つまり大手楽器店が利用できるトイノーズフルートの流通ルートが確立されたということです。それはつまり、日本中の楽器店がトイノーズフルートを自由に吊し売りできるようになったということです。

いつかトイノーズフルートはどこでも見かけるありふれた音玩具になるのか、依然としてマニアだけがネット購入するアイテムとしてとどまり続けるのか。

それを言うなら既に多くの雑貨屋・民族楽器店が販売しているベトナム製の木の鼻笛や、陶器の鼻笛・自作の鼻笛などの高品質な鼻笛の立ち位置はどうなっていくのか。

興味深く見守っていきたいところです。

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2010年05月15日

ひさしぶりにインディアンフルートを吹いたのでした

『上海のインディアン少年』という曲をここ1年ほど、思い出すたびにこねくり回していまして、さっき、最近めったに吹かなくなったカイオワラブフルートを吹いていたら、とつぜん形になりました。前半は昔聞いたピンポンパンの曲とさだまさしの曲から借りています。って白状しなければ分からないと思いますけど。後半のサビの部分だけは早くから思いついていました。
» 『上海のインディアン少年』の原案

近ごろ注文の対応に追われてぜんぜん楽器を触っていません。
たまには自分の好きな楽器で好きなように遊びたいです…

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2010年04月12日

今日ならきっとコンサートピッチ

お店のウェブカタログの記載事項でずっと気がかり…いや正直に告白しましょう、後ろめたい記述がありました。

「この楽器はコンサートピッチです」

もちろん工房で電子チューナーを使って正確に調律した楽器のことですよ。「これはコンサートピッチですか」と問われればもちろん「Yes」と答える品質です。なのに、お客さんから「ピアノといっしょに演奏するんですっ」と言われたとたん、「きちんと合奏できますように」と祈るような気持ちになるのはなぜなのか…

これらの楽器は私の中で、コンサートピッチだけれどコンサートピッチじゃない、みたいな?なんと表現すればいいのか分からない、正確に説明する言葉を知らないものでした。そしてそれをそのまま開店当時からずっと放置してきて、「詐欺だ返品だ」「おまえの店はまっとうな楽器屋じゃない」という事態にこじれてしまいました。もちろん放っておいた私が悪いですよ、反省しています。

これに懲りて真剣に考えて、どうもコンサートピッチには2つの解釈があって、私はそれを混同しているのではないかと思い当たりました。

  1. 一年の寒暖を通じてコンサートピッチで演奏できる楽器
  2. 工房で調律したときの気温・湿度に限りコンサートピッチで演奏できる楽器

銀色のコンサートフルートは調律機構を持っていて、少々の環境変化に関係なくコンサートピッチに補正して演奏できます。しかし竹に穴を開けただけの笛ではどうしようもない。気温の上下に合わせてピッチもだらしなく上下します。では、世界中のすべての竹笛はコンサートピッチでないのか?もちろんそんなことはなくて、電子チューナーを使って正確に調律した笛は、そのときの工房の気温・湿度であればまちがいなくコンサートピッチで演奏できるのです。

ここに来て、私はやっと理解しました。
取引先の多くの工房が同様に書いてある奇妙な言い回し、

「この楽器は電子チューナーを使い正確に調律しました」

なんて分かりにくい言い方をするんだ、品質に自信があるなら「この楽器はコンサートピッチです」と胸を張ってはっきり言えばいいのに、と思ってましたが。こういう言い方しかできないのですね。「コンサートピッチの楽器だ」と言い切ると「気温・湿度に関係なくコンサートピッチで演奏できる」とも受けとれるので。

そう、それが答えでした。
風邪を治してから、すぐにでもウェブカタログぜんぶを見直します。
今回のトラブルで賢くなりました、得した。

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2010年03月06日

マウンテンオカリナの販売を見送ります

マウンテンオカリナの販売を見送ることにしました。
私はマウンテンオカリナを初心者に売りこむつもりでしたが。初心者には向かない楽器だと判断しました、理由はすばらしい音を出すのがむつかしいから。

私は、初心者が手にする楽器は、たいした技術なしにすばらしい音色で鳴ってほしいと願います。「わあすごい!これが私の出した音?」「私って実はちょっとすごいっ?」…身の程知らずの勘違いなのですが。そうした「私にも出来るっ、もっと演奏したいっ!」という体験が、楽器演奏という長い道のりを踏み出すために必要なのだと実感しています。

そうしてみたとき、マウンテンオカリナの音色は強い魅力に欠けているのでした。

音色の良し悪しの物差し

「音色については好きずきなので…」とマウンテンオカリナのウェブサイトで説明していました。それはそうなんですが、どうなんでしょう。

オカリナを演奏したことがない人でも、オカリナの音色がどういうものかは知っているはずです。CDで聞いたりTV番組で演奏しているのを見たり。その、今まで見聞きして知っているオカリナの音色よりも魅力のない音色であれば、音が悪いと評価していいのではないか。…それこそ好きずきなのですが、案外十人十色というほど評価はちらばらない、白または黒とかなりはっきり断定されるような物差しではないかと直感しています。その直感に従うと、初めて吹いたときのマウンテンオカリナの音はみすぼらしく聞こえました。

下手が吹いてもきれいな音がすること

マウンテンオカリナの音色に関するもうひとつの擁護として「プロの演奏するオカリナの音色は別格だ。それと素人が初めて手に取って鳴らす音と比較されはたまらない。」というのを思いつきました。まったくそのとおりで、マウンテンオカリナだって上手に吹けばそれなりにきれいな音色で鳴ってくれます。YouTubeにアップされているマウンテンオカリナの演奏はみんな上手に吹いているので、きれいな音色です。でもそれは「下手が吹くと冴えない音だ」ということでしょう。やっぱり、初心者に一発で楽器が好きになるようなインパクトを与えられないことに違いはありません。「音色については好きずきなので…」というメーカーの説明は、私にはそのへん、どうにも言い訳臭く感じられます。そして私は私のお客さんに上手く言い訳できそうにないので、これは売れないなと。

私が写真を撮影したり試聴サンプルを録音したマウンテンオカリナは、7月のプレゼントキャンペーンに出品しますね。ただでゲットできるチャンスをお見逃しなく。

いやだからきちんと吹けばきちんと鳴る笛ですよ。
マウンテンオカリナで一曲仕上げてYouTubeにアップしても他の演奏動画と十分勝負できる。個人的にはその程度には評価しています。「初心者にはこんな楽器を持たせるべき」という私なりのこだわりがあって、マウンテンオカリナはそれに一致しなかった。それだけのことです。

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2010年03月02日

マウンテンオカリナを入手しました

マウンテンオカリナは北米マウンテンオカリナ社が製造しているオカリナです。その名のとおり山や海など、アウトドアで手軽に楽しむことを想定した大衆楽器で「安価な割には良い品」という格付けです。

マウンテンオカリナは縦に吹く独自の形状をしています。
キーはGとソプラノCの2種類。Cキーは指穴が一つ多いうえにいちばん高い音を強く吹くと更に一つ高い音が出ますから、単純性能だけで言えばCキーの方が上です。ただし低い音が好きな人もいるでしょうから、性能だけでは楽器は選べませんけど。写真はCキーのオカリナです。

» Cキーのマウンテンオカリナを吹いてみました

ふつうのオカリナが好きな人は、ノイズの多い荒削りな音色に辟易するかもしれません。

「音が大きい」というふれこみでしたが、けたたましい音色というか。ホイッスルのような音に聞こえるのは決して演奏スタイルのせいだけではありませんよ。オカリナと縦笛の中間?みたいな笛です。オカリナの弱点であるピッチの不安定さを逆手に取って、息を強く吹きこむと絶妙にピッチがスライドアップしてくれます。指による通常のスライド技と併せてこれがうまくキマるとなかなか気持ちいい。

ちなみにマウンテンオカリナの外観は黒い本体の指穴をグレイで縁取りした意匠に見えますが。実はグレイの部分が本体です。中に複雑に凹凸したグレイのオカリナが入っていて、外側を黒い化粧板で覆っているのです。どうしてこんな構造を思いついたものか。だからマウンテンオカリナのシリーズとして木製やアルミ製がありますけど、外側の化粧板が違うだけで中身はみんな同じグレイのプラスチックでできた笛です。

卸売りしていただけるものか、とりあえず交渉してみます。
私はマウンテンオカリナを「安価な割には良い品」と理解していますから、てみる屋で販売するか否かは卸値次第です。

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