ダブルオカリナに首紐が要らない理由
オカリナに付いている首紐は、演奏中に首にかけておきます。
オカリナは陶器でできているので、とり落とすと割ってしまうからです。しかしながらSTLの入門用ダブルオカリナに限定して、首紐がなくてもそれほど困らないんじゃないかと考えました。
STL入門用ダブルオカリナは「まあ問題なく演奏できるよね」というレベルの量産品です。ある意味、品質は揃っていて「私のオカリナは特別」のような当たり外れがありません。
割ってしまったら次も同じものを買えばいいです。本体価格が8,500円程度ですから…めったにない事故なら、目をつぶることができる出費でしょう。
そもそもダブルオカリナは、演奏中にとり落とすことがありません。
逆になぜ、ふつうのオカリナを演奏中にとり落とすかというと、いちばん高い音を鳴らすときに指穴をぜんぶあけて両手放しになるからです。オカリナを落とさないように両手の平で挟んだり、右手の小指で先っぽを掴んだりするのですが、これに失敗します。
一方のダブルオカリナを演奏してみればわかりますが、右手か左手か、どちらかの手が必ずオカリナをしっかり掴んでいます。そういうふうになります。ふつうのオカリナのように落として割ってしまうという事故は、そうそう起こらないのです。
演奏していてもめったに落として割ることはないし、万が一割れても次を買えばいい。そのような理由から、STL入門用ダブルオカリナに限定して、首紐はなくても困らないなと考えました。少なくとも私にとっては、煩わしい首紐を切って捨ててしまう程度には、困りません。
「あんた、それでほんとうにお店やってるの?」
実はここからが本題。
昨日、一人のお客さんが電話をかけてきて、人の話に耳を貸さず、しまいに「あんた、それでほんとうにお店やってるの?」などとド失礼なことをほざきやがったので、10Holes★1 を紹介してさっさと追いはらいました。
争点は、件の入門用オカリナにはどれも必ず首紐が付いているか否か(最悪、首紐を通す穴が用意されているか否か)というところで、私は回答は「分からない」でした。製造している工場では少なくとも2つのタイプの粘土型★2 を使っていて、そのどちらにも首紐を通す穴が開いていたか…私は覚えていないのです。だとしても上で説明したとおり、私にとってSTL入門用オカリナの首紐の有無は些末なオプションだという認識です。とても「そこが購入するかどうかのいちばん重要なポイントなんだ!」といったものには思えません。譲れない持論があるのは分かりますが、少しは店主の説得にも耳を貸してほしい。
★1 10Holes
10Holesはオカリナの専門店で、紳士的なお店だという評判です。
きちんと優しく彼に応対してくれるでしょう。
» 10Holes・・・ハーモニカ・オカリナ・ケーナ・パンフルートetc.の専門店
★2 2つのタイプの粘土型
今までお店に入荷したSTL入門用ダブルオカリナには、2つのタイプが混在していました。(明らかに形が違っていました。)1つはオクターブチューニングがばっちり取れているが、大小のオカリナの音の継ぎ目が少し目立つタイプ。もう一つは音の継ぎ目は比較的目立たないが、いちばん低いラ、シの音がかなり上ずるタイプ。
首紐の有無に関しては、今回入荷したオカリナを見て(あれ、首紐が付いてる?)と思った記憶がありますから、過去に入荷した分には、首紐は付いていたりいなかったりしていたと思います。…私は首紐の有無を重要視しないので、そんな認識です。プロ演奏家のお客さんやYouTubeの動画を観ても、首紐のない人は大勢いますから、私の認識がそれほど世間から外れているとは思えません。
長年オカリナを演奏してきたというベテランが、首紐の有無を理由にプロ用オカリナではなく入門用オカリナを選択する。その理由に興味があるといえばあります。
楽器があればもっと楽しい毎日
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