gvstのGCompのパラメータについてざっと説明します。★1
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IN GAIN(イン・ゲイン)
入力の音量を調節できます。
私は0.0のまま動かしたことがないです。
THRESH(スレッショルド)
これで決めた音量を超えると、コンプレッサは音を小さく圧縮しようとします。
スレッショルドが今どんな状態なのかは図に表示されます。ツマミをぐるぐる弄っていれば感覚的に理解できるでしょう。
まずは右図の波形のいちばん幅の狭い箇所――いちばん音量の小さい箇所にスレッショルドを合わせて、そこから耳で聞きながら上下に微調整すればいいでしょう。
RATIO(レイシオ)
スレッショルドを越えた音量を小さく圧縮するとして、どのくらい強く圧縮するかを決めます。因みに2.0:1は1/2の意味です。スレッショルドより上を1/2に圧縮するという意味です。4.0:1なら1/4、8.0:1なら1/8に圧縮します。1/4だと素人が聞いて分かるほど圧縮がかかります。1/8はぎゅうぎゅうです。
レイシオが今どんな状態なのかは図に表示されます。ツマミをぐるぐる弄っていれば感覚的に理解できるでしょう。
LIMIT(リミット)
音量がリミットを越えると、越えた分を刈り取ります。
結論として、音量がどんなに大きくなってもリミットを越えることはありません。
しかしながら音量がリミットを越えるとバリバリと嫌なノイズが聞こえますから、音量がリミットを越えないように注意します。私は最大の0.0dBのまま動かしたことがありません。
SOFTNESS(ソフトネス)
ソフトネスが今どんな状態なのかは図に表示されます。
ツマミをぐるぐる弄っていれば言わんとすることが感覚的に理解できるでしょう。
音量がスレッショルドを超えると、コンプレッサは音を小さく圧縮しようとしますが、ソフトネスがかかっていると、スレッショルド付近では圧縮を手加減します。音量がスレッショルドを越えた途端いきなり圧縮がかかるよりも、少しはソフトネスをかけた方がやんわりして自然に聞こえるはずです。
RMS/PEAK(ピーク)★2
ピークというのは右図の波形に見える先端部分のことで、RMSは何かの略語でエネルギーのようなものです。
RMS/PEAKのツマミを左に全振りするとスレッショルドはRMSのみ着目します。右に全振りするとスレッショルドはピークのみ着目します。初期値は真ん中の50/50で、RMSとピークを半々に着目します。私は50/50のまま動かしたことがありません。
ATTACK(アタック)
スレッショルドを越えた音量を小さく圧縮するとして、アタックは圧縮がスイッチオンになるのにかかる時間を決めます。
0だと音量がスレッショルドを越えた瞬間に圧縮がスイッチオンになります。アタックが2.0msだと、音量がスレッショルドを越えてもすぐには圧縮がかかりません。だんだん圧縮がかかりはじめて…2.0ms後に本調子になります。
RELEASE(リリース)
音量がスレッショルドを下回ると圧縮が解除されますが、リリースは圧縮がスイッチオフになるのにかかる時間を決めます。
0だと音量がスレッショルドを下回った瞬間に圧縮がスイッチオフになります。リリースが0.5sだと、音量がスレッショルドを下回ってもすぐには圧縮は解除されません。だんだん圧縮が弱くなって…0.5s後に完全に圧縮が解除されます。
OUT GAIN(アウト・ゲイン)
出力の音量を調節できます。
入力の音量と出力の音量がぴったり同じになるようにアウト・ゲインを調節するとよいです。コンプレッサをONにしたりOFFにしたりして、その効果を耳で聞いて比較することができます。
LEFT/RIGHT LINK(レフト・ライト・リンク)
通常はONにしたままです。これをOFFにするとGCompは右耳の音と左耳の音を別々に処理しようとします。音が左右にぐらぐら揺れるような、ヘンな感じに聞こえます。
DTM初心者が学ぶのに最適なコンプレッサ
DTM(パソコン音楽)で曲を製作するなら、コンプレッサはぜひマスターしたいエフェクタです。しかしながら聞いても今一つ効果がよく分からない、初心者には敷居の高いエフェクタでもあります。
gvstのGCompはフリーウェアのコンプレッサですが、今どのくらい圧縮がかかっているのかリアルタイムに視認できるという優れものです。初心者にこそぜひ使ってほしいです。 » gvstのウェブサイト
★1 パラメータを説明
ここではコンプレッサの一般的な使い方については説明しません。コンプレッサの使い方は、それだけで何冊も本が出るほど奥が深いです。書店や楽器店で 「楽器別コンプの設定50例」みたいな本を買って勉強してください。
★2 RMS/PEAK
「音量がスレッショルドを超えると…」という件に関して「具体的にスレッショルドは音量の”何”に着目するのか」という議論があります。一つは右図の波形に見えるピークで、もう一つは音が持つエネルギー的なものです。
音が空気中を伝うのにはエネルギーが必要ですし、人間の鼓膜を揺さぶるのだってエネルギーが必要です。ですから人間の耳にどう聞こえるのか、と考えたなら、RMSに着目してスレッショルド判定するのが合理的でしょう。
一方で上述したように、音量が少しでもリミットを越えるとバリバリとノイズが入りますから、これを確実に回避することを考えたなら、ピークに着目してスレッショルド判定するのが合理的でしょう。
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