-- DTM・パソコン音楽全般(1) --

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2024年11月16日

魔女の目覚め - ジェネレーティブミュージック

"Council of Nine"のようなかっちょいいドローンミュージックを目指していたのですが。 なぜか、70年代みたいなローファイな音になりました。…嫌いじゃないので、逆に、どうすればこの質感を作れるのか?判明するとよいのですけど。 Noatikl2とSonar2を使って製作。

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2014年11月03日

エフェクタやシンセサイザを自作する

自分の思いどおりのエフェクタやシンセサイザが見つからないときはFlowStoneで自作できますよ、という話です。

電子工作感覚でソフトウェア開発


» FlowStoneのメーカーサイト

FlowStoneはGUIベースのソフトウェア開発環境です。
ウィンドウアプリの開発はもちろん、ロボットなどハードウェアを制御するソフトウェアや、特に音響処理ソフトウェアの開発に向いています。ざっと見渡した感じ、今流行りのネットワークゲームも開発できそうですよ。

FlowStoneを起動して、表示された広い作業画面にパーツを配置し結線すれば、電子工作感覚で素早くソフトウェアを開発することができます。パーツには加減乗除演算や三角関数演算の素子など基本的なパーツから、画面描画、HDDアクセス、ネットワーク通信など高レベルのパーツまで、使い勝手の良さそうな物が一通り揃っています。

エフェクタやシンセサイザの開発環境として秀逸

今回の話題に関して言えば、FlowStoneはVSTソフトウェア・エフェクタや、VSTiソフトウェア・シンセサイザの開発にも特に力を入れています。ぱっと思いつく限りのパーツ――アンプ、リバーブ、ディレイ、フィルタ、ウェーブオシレータ、エンベロープジェネレータなどなど、が最初から揃っています。

既存のパーツの組み合わせでは表現できそうにない、特殊な処理がどうしても必要なときは、エディタを開いてスクリプトを書くこともできます。図形描画やキーボード・マウス入力など複雑な処理はRubyで、マイクロ秒のスピードを求められる処理は専用の簡易言語やアセンブラで書きます。

残念ながらFlowStoneは画面も操作マニュアルも英語です。
なので英語が読めないと使いこなすことは難しいでしょう。それでもMicrosoftのC++開発環境を立ち上げて、さて……と取りかかるよりも、結果的にはずっと素早く学習できて、短時間で自分の思いどおりのエフェクタやシンセサイザを開発することができるはずです。下は私が自分のミク専用に開発したエフェクタ。


実際の作業にはFL Studioを使う

FlowStoneで開発したエフェクタやシンセを動作確認するには、dllにコンパイル・ビルドして音楽ソフトに登録し、実際に動かしてみる必要があります。コンパイル・ビルドにかかる時間は一瞬ですから気にならないのですが……その度いちいち音楽ソフトを再起動してdllを登録しなければならないのは、あまりに面倒くさい。

だから実際の開発には、FL Studioという音楽ソフトを使います。
FL Studioは、ガレージバンド系の音楽ソフト――いろんな楽器の音の断片をタイルのように繋いで作品を製作する系の音楽ソフトです。そしてなぜかFlowStoneを搭載しています。


» FL Studioのメーカーサイト

FL StudioからFlowStoneを起動してパーツを配置したり結線を変えたりすると、リアルタイムにFL Studioの音が変化します。どんな音になるか、逐一耳で聞きながら開発できるのですごく便利です。

エフェクタやシンセサイザを開発するなら、FL Studioを使うのが現実的でしょう。FL StudioはProducer以上のグレードの製品が必要です。Producerで3万円くらいでしたか。

しかしながら、FL Studioだけだと自分が製作したエフェクタやシンセサイザを使えるのは、自分だけになります。dllにコンパイル・ビルドして、フリーウェアとして配布したり商品として販売するなら、本家のFlowStoneも別に購入する必要があります。こうなると総額で6万円を超える出費になります……そこまでして自作するの?という話になります。

ダウンロードするか買う方が安上がり

何というか……自分が思いつく程度のことは、誰かが思いついて既に実現しているものなのですよ。

エフェクタもシンセサイザも、今ではフリーウェアや製品版が山ほど出回っています。だから自作する前に自分の欲しい物がほんとうにないかどうか、今一度、真剣に探してみることをお勧めします。フリーウェアが見つかったらそれこそラッキーですし。
» フリーのエフェクタやシンセの総合サイト

たとえ製品版でも、自作するより買った方が結果的に安上がりです。
例えばコンプレッサを自作するのに6時間ほどかかったとします。もしあなたがサラリーマンで時給2,000円なら、そのコンプレッサには16,000円の原価がかかったことになります。16,000円……今時コンプレッサなんてフリーウェアが山ほど出回っていますし、多機能な製品版だってもうすこし安価ですよ。これならむしろ、ちょと会社で残業して、残業代で購入した方がお得です。

ホビーとして勉強として

何でも金で買える今の世の中、手作りってほんとうにお金がかかります。
エフェクタやシンセサイザを自作するのは、ほんとうにもう自作するしか手がない、というときの最後の手段です。もし既製品があるならそれを買った方が絶対に安上がりです。

ただ、ホビーとしてあるいはエフェクタの原理を勉強するために、FlowStoneで遊ぶのは大賛成です。結線を変えるたびにリアルタイムで音が変わるので、やっててすごく楽しいです。時間を忘れて取り組んでしまいます。

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2014年10月22日

杉浦綾乃の一人カラオケ-フレンズ-レベッカ

七森中学の生徒会副会長、杉浦綾乃さんの一人カラオケ。
初音ミクと同じ声優なので、VOCALOIDの初音ミクLIBRARYを使って表現しました。

私としては初音ミクというより杉浦綾乃

私が今更ながら初音ミクを始めたのと、ニコニコ動画で「ゆるゆり」★ を観たのは、ほぼ同時期でした。初音ミクと「ゆるゆり」の登場人物である杉浦綾乃さんは、同じ声優が声をあてています。そのため私の中で、初音ミクと杉浦綾乃さんは完全に混同して記憶されました。

初音ミクを操るPたちは私を含めてみんな、自分だけの初音ミクの歌声が聞こえます。しかし私の場合は、初音ミクというより杉浦綾乃さんなのです。杉浦綾乃さんが歌ってることになってる。友達とカラオケに行って目を白黒させがら一生懸命に歌う彼女の姿――アニメのワンシーンが目に焼きついています。

今までは技術的な問題で理想に遠く及ばず、私は自分のVOCALOID作品をずっと初音ミクの名義でリリースしてきましたが。そろそろ本当に人間が歌っているレベルになってきたので、良く出来た作品はこれから、杉浦綾乃さんの名義でリリースすることを考えています。

★ ゆるゆり
かわいい女の子が登場人物だったらみんな買うよね、というマーケティング優先の、数多あるくだらない漫画の一つです。とはいえ、くだらない漫画にだって良い悪いがあります。「ゆるゆり」はその中でも最高峰クラスの出来の作品。高いデッサン力に支えられた愛らしい描画と、鋭い人物観察を基にした緻密な登場人物の性格表現が素晴らしい。どれだけ褒めても足りません。

私はものすごい数の漫画を読んでは売り払っています。
売り払わないと部屋が漫画で埋めつくされてしまうので仕方ないのですが、それでも手元に残す作家が3人います。紺野キタさん、こがわみさきさん、森薫さんと、この「ゆるゆり」を書いているなもりさん…まさかのスペイン宗教裁判!

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2014年07月27日

MIDI音符データをJavascriptで加工する

JFilterはSONARやCubaseなどで使用できるmfxプラグインです。
ちょっと変わったプラグインでして、JFilter自体に固有の機能があるわけではなく、Javascript★1 で書いたプログラムを読み込ませると、プログラムに従ってMIDI音符データを加工します。

プログラム次第でどんなことでもできます。
音の高さや大きさ・長さを変更することはもちろん、要らない音を削除したり、まったく新しい音を追加することもできます。大がかりなプログラムを用意すれば自動作曲みたいなこともできるはずですが、それより(手作業でもできるけど量が多くてたいへん)といった面倒なルーチンワークをさっと片付けてくれるような、ちょっとした便利プログラムをたくさん用意すると重宝します。
» JFilterの開発サイト

バグパイプの演奏スタイルをプログラムする

民族音楽風の作品を製作したことがある人なら、バグパイプの音源を使ったことがあるかもしれません。バグパイプはあれは、もちろん音源がリアルだというのも重要なんですが、それ以上に演奏スタイルが重要です。

バグパイプの演奏ではグレースノートという装飾音を多用します。
つかバグパイプの演奏においてグレースノートは必須★2 であって、グレースノートなしにまともにバグパイプを演奏することはできません。ですから、グレースノートを伴わないメロディだけのMIDI音符データでバグパイプ音源を鳴らしても、バグパイプに聞こえません。

プログラムもまた自分の作品、自己表現

「私だったらバグパイプをこう演奏する」というところをプログラムに書いてMIDI音符データを加工してみました。


» 加工したMIDI音符データでバグパイプ音源を演奏

画像の上のトラックは元のMIDI音符データで、下のトラックはプログラムで加工したMIDI音符データです。試聴サンプルはこの加工済みのMIDI音符データでバグパイプ音源を鳴らしたものです。キュルッという非常に短い音がそこかしこに挿入されています。これがグレースノートです。

グレースノートは曲全体で何カ所使われているのでしょうか。
これを一つずつ手で書き加えたとしたら、どれほど大変なことか。確かにJavascriptのプログラムを書くことは、それなりに骨の折れる作業です。私はこのプログラムを二日かかって書きましたが。プログラムが完成してしまえばこっちのもの。ボタン一発でばかすかとバグパイプ用のMIDI音符データを量産できます。

「私だったらバグパイプをこう演奏する」というのを、プログラムでほぼ表現できたと思ってます。だからこのプログラムは私の作品であり、自己表現・アートです。そしてこのプログラムで加工したMIDI音符データは、それもやはり私の演奏そのものなのです。
» JFilterの開発サイト

★1 Javascript
プログラミング言語の一つ。もともとはウェブサイトを作るための言語で、例えば通販ショップでカートボタンを押したときの一連の動作をプログラミングするのに使われていたりする。利用者人口の多い非常に普及したプログラミング言語なわけで、JFilterがJavascriptを採用したのもそれ故でしょう。

★2 バグパイプの演奏においてグレースノートは必須
バグパイプはその仕組み上、普通の笛のように音を素早く区切ることができません。一旦鳴りだしたら曲の終わりまで鳴りっぱなしです。なので同じ音が続くときはグレースノートを挿入して音を区切ります。また装飾音もグレースノートで表現します。

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2014年05月28日

ドラムシンセで迫力を出すには 1

ドラムシンセで迫力を出すにはスネアの音を大きくするとよい、という話です。

炸裂するスネア

ロック調の音楽作品なら、やっぱり迫力が第一でしょう。
音楽作品で迫力を出すためには、各楽器の音量バランスを取ることが重要だと考えています。小さな音の中に大きな音が聞こえるからこそ、より強調されて迫力が出るのだと思います。

「ロックバンドの中で特に迫力を醸すのはどの楽器だ?」と問われれば、人によってはディストーション・ギターを挙げるかもしれません。私だったらドラムとベースを挙げます。

ドラムの…特にスネアの音が大きいと、迫力が出る気がします。
ドラム全体の音を大きくするのではありませんよ。そうではなくて、バスドラとかシンバルとかハイハットとか、いろいろ鳴っている中で、特にスネアの音が目立って大きいと、迫力が出る気がします。

最初にシンバル、次にスネア、ハイハットそしてその他

ドラムの中でいちばん大きな音は、シンバルだと思います。
フレーズの終わりで「ドコドコバシーン!」と叩くあのシンバルです。

だから私は自分の音楽作品においてドラムの音量を決めるときは、まず最初にドラムの中でシンバルだけ鳴らして、音量を調節します。★

シンバルの音量を、他のベースやギターやキーボードなどの音量と比較しながら、例えばハードロックなら、かち割らんばかりに叩いているような大音量にして、フォークやポップスならもっとクールにというか、控えめに叩いたような音量にします。

次にスネアの音量を調節します。
スネアの音量はとても重要です、スネアの音量でドラム全体の迫力が決まります。ハードロックなら大きめの音量にして、フォークやポップスなら控えめな音量にします。

その次にハイハットの「チキチキチキチキ…」という音量を決めます。
これは小さめの音量――(うーんあとちょっとだけ大きくしたいなあ)という音量にします。ハイハットの音が小さめだから、相対的にスネアの音が大きく迫って聞こえます。

それから後は、バスドラとかタムとかその他の音量を決めます。
バスドラはそんなに大きな音にしません。バスドラって低音なので、質の悪いスピーカーやイヤホンだとよく聞こえません。だから私は最初から捨てています。わざと質の悪いスピーカーでモニタリングして(何か鼓膜に障るな…)というくらいの音量です。タムは…スネアの音量に近いでしょうか。

★ シンバルだけ鳴らして音量を調節する
高性能なドラムシンセになると、バスドラ、スネア、ハイハット、シンバル…etcの各音量を個別に調整できます。私はSession Drammerという、SONAR X2にバンドルされているドラムシンセを使っています。

各楽器の音量を個別に調整できないドラムシンセを使っている場合は…MIDI音符データのベロシティを書き直せばよいでしょうか。それよりも、今後のあなたの音楽作品の品質を向上させるために、高性能でリアルなドラムシンセを購入することを勧めますよ。

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2014年01月16日

GCompのパラメータ説明

gvstのGCompのパラメータについてざっと説明します。★1
» gvstのウェブサイト

IN GAIN(イン・ゲイン)

入力の音量を調節できます。
私は0.0のまま動かしたことがないです。

THRESH(スレッショルド)

これで決めた音量を超えると、コンプレッサは音を小さく圧縮しようとします。
スレッショルドが今どんな状態なのかは図に表示されます。ツマミをぐるぐる弄っていれば感覚的に理解できるでしょう。

まずは右図の波形のいちばん幅の狭い箇所――いちばん音量の小さい箇所にスレッショルドを合わせて、そこから耳で聞きながら上下に微調整すればいいでしょう。

RATIO(レイシオ)

スレッショルドを越えた音量を小さく圧縮するとして、どのくらい強く圧縮するかを決めます。因みに2.0:1は1/2の意味です。スレッショルドより上を1/2に圧縮するという意味です。4.0:1なら1/4、8.0:1なら1/8に圧縮します。1/4だと素人が聞いて分かるほど圧縮がかかります。1/8はぎゅうぎゅうです。

レイシオが今どんな状態なのかは図に表示されます。ツマミをぐるぐる弄っていれば感覚的に理解できるでしょう。

LIMIT(リミット)

音量がリミットを越えると、越えた分を刈り取ります。
結論として、音量がどんなに大きくなってもリミットを越えることはありません。

しかしながら音量がリミットを越えるとバリバリと嫌なノイズが聞こえますから、音量がリミットを越えないように注意します。私は最大の0.0dBのまま動かしたことがありません。

SOFTNESS(ソフトネス)

ソフトネスが今どんな状態なのかは図に表示されます。
ツマミをぐるぐる弄っていれば言わんとすることが感覚的に理解できるでしょう。

音量がスレッショルドを超えると、コンプレッサは音を小さく圧縮しようとしますが、ソフトネスがかかっていると、スレッショルド付近では圧縮を手加減します。音量がスレッショルドを越えた途端いきなり圧縮がかかるよりも、少しはソフトネスをかけた方がやんわりして自然に聞こえるはずです。

RMS/PEAK(ピーク)★2

ピークというのは右図の波形に見える先端部分のことで、RMSは何かの略語でエネルギーのようなものです。

RMS/PEAKのツマミを左に全振りするとスレッショルドはRMSのみ着目します。右に全振りするとスレッショルドはピークのみ着目します。初期値は真ん中の50/50で、RMSとピークを半々に着目します。私は50/50のまま動かしたことがありません。

ATTACK(アタック)

スレッショルドを越えた音量を小さく圧縮するとして、アタックは圧縮がスイッチオンになるのにかかる時間を決めます。

0だと音量がスレッショルドを越えた瞬間に圧縮がスイッチオンになります。アタックが2.0msだと、音量がスレッショルドを越えてもすぐには圧縮がかかりません。だんだん圧縮がかかりはじめて…2.0ms後に本調子になります。

RELEASE(リリース)

音量がスレッショルドを下回ると圧縮が解除されますが、リリースは圧縮がスイッチオフになるのにかかる時間を決めます。

0だと音量がスレッショルドを下回った瞬間に圧縮がスイッチオフになります。リリースが0.5sだと、音量がスレッショルドを下回ってもすぐには圧縮は解除されません。だんだん圧縮が弱くなって…0.5s後に完全に圧縮が解除されます。

OUT GAIN(アウト・ゲイン)

出力の音量を調節できます。
入力の音量と出力の音量がぴったり同じになるようにアウト・ゲインを調節するとよいです。コンプレッサをONにしたりOFFにしたりして、その効果を耳で聞いて比較することができます。

LEFT/RIGHT LINK(レフト・ライト・リンク)

通常はONにしたままです。これをOFFにするとGCompは右耳の音と左耳の音を別々に処理しようとします。音が左右にぐらぐら揺れるような、ヘンな感じに聞こえます。

DTM初心者が学ぶのに最適なコンプレッサ

DTM(パソコン音楽)で曲を製作するなら、コンプレッサはぜひマスターしたいエフェクタです。しかしながら聞いても今一つ効果がよく分からない、初心者には敷居の高いエフェクタでもあります。

gvstのGCompはフリーウェアのコンプレッサですが、今どのくらい圧縮がかかっているのかリアルタイムに視認できるという優れものです。初心者にこそぜひ使ってほしいです。 » gvstのウェブサイト

★1 パラメータを説明
ここではコンプレッサの一般的な使い方については説明しません。コンプレッサの使い方は、それだけで何冊も本が出るほど奥が深いです。書店や楽器店で 「楽器別コンプの設定50例」みたいな本を買って勉強してください。

★2 RMS/PEAK
「音量がスレッショルドを超えると…」という件に関して「具体的にスレッショルドは音量の”何”に着目するのか」という議論があります。一つは右図の波形に見えるピークで、もう一つは音が持つエネルギー的なものです。

音が空気中を伝うのにはエネルギーが必要ですし、人間の鼓膜を揺さぶるのだってエネルギーが必要です。ですから人間の耳にどう聞こえるのか、と考えたなら、RMSに着目してスレッショルド判定するのが合理的でしょう。

一方で上述したように、音量が少しでもリミットを越えるとバリバリとノイズが入りますから、これを確実に回避することを考えたなら、ピークに着目してスレッショルド判定するのが合理的でしょう。

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2014年01月12日

DTM初心者にお勧めのコンプレッサ

gvstのVST(ソフトウェア・エフェクタ)はDTM(パソコン音楽)初心者におあつらえ向きです。特にGCompはコンプレッサの動作を学ぶのに最適です。
» gvstのウェブサイト

効果を目で見ることができるコンプレッサ

DTM(パソコン音楽)する上で、コンプレッサはぜひマスターしたいエフェクタです。しかし効果が分かりづらいエフェクタでもあります。

gvstのコンプレッサGCompはそのへんが素晴らしい。今どのくらい圧縮がかかっているか、リアルタイムで視認できます。

「なるほど、こんなパラメータにするとこんなふうに圧縮がかかるのだな」と一目瞭然です。これからコンプレッサの使い方を学ぶなら、gvstのGCompをぜひお勧めします。

超絶便利なGGainとGFader

gvstの目玉はなんだと問われたら、迷わず私は前述のGCompと、GGainとGFaderを挙げます。

GGainとGFaderは音量を調節するエフェクタです。
コントロールパネルにはボリュームツマミが一つあるだけ。GGainは音量を大きくしたり小さくしたりできます。GFaderは音量を小さくできます。

はあそうですか……という感想かもしれませんが。
超絶便利ですよ。私は今ではGCompは使っていませんが、GGainとGFaderは必ず使います。実はプロでも使っている人は多いのではありませんか。

GGainとGFaderは、複数のエフェクタを続けて使うときに、その間に挟んで使います。前のエフェクタの出力が大きすぎて音が割れてしまう、次のエフェクタでうまく処理できない、というときにGGainとGFaderで音量を調節します。

多くのエフェクタはそのへんを考慮して、出力音量を調整するボリュームツマミを用意しています。が、フリーウェアのエフェクタだと手抜きして出力調整ボリュームがなかったりとか、また諸事情からエフェクタの出力調整ボリュームを動かしたくない、というケースもあります。そんなときにGGainとGFaderが活躍します。

実際に作業してみれば、GGainとGFaderのありがたさが身にしみるでしょう。

補足としてGGainは音量のピークを表示します。あちこちに差して適切な音量になっているか確認するのに使えます。


gvstには基本的なエフェクタが一通り

gvstはフリーウェアVST(ソフトウェア・エフェクタ)のブランドです。
コンプレッサ、ディレイなど、DAW(統合音楽ソフト)で使う基本的なエフェクタが一通り揃っています。音痴を直すピッチコレクタまでありますから立派なものです。足りないのは…ぱっと見てイコライザ、リバーブ、ディストーション系ですか。これらは別に他のフリーウェアを探す必要があります。
» フリーウェア・プラグインの総合ライブラリ

gvstのVSTはどれもオーソドックスな機能です。
よく言えば実績のある枯れたアルゴリズムを採用していると言えますし、悪く言えば10年以上前の古いプログラムコードを未だに使っている★ とも言えるでしょう。

しかしながらオーソドックスな機能であるがゆえ、初心者がエフェクタの使い方を覚えるのに最適です。もちろんずっと使い続けてもいいし、足りなければそこで改めて多機能なエフェクタを入手すればいいでしょう。

ZIPファイルをダウンロードすると早い

gvstのVSTをウェブサイトから一つずつダウンロードしてもいいですが、ぜんぶまとめたZIPファイルをダウンロードすると早いです。ドキュメントのpdfファイルは、一つずつダウンロードしなければいけません。ちょっと面倒です。

ウェブサイトもドキュメントも、当たり前ですが英語です。
DTMをするなら今後、洋物のエフェクタを多用することになるでしょう。受験勉強どころでない熱心さで英文読解に慣れてください。
» gvstのウェブサイト

★ 10年以上前の古いプログラムコード
懸案事項はVSTの実体であるdllファイルが古すぎて、Windows8になったらきっと使えなくなる、ということでしたが。最近64Bit版にリビルドしたようです。これで一安心。

いや実際、私が昨年パソコンをWindows7にしたとき、64Bit版でなく32Bit版を選んだのはまさにこの、gvstが動かなくなるから、というのが理由でした。もうなにも恐くない!次回は心置きなく64Bit版に乗り換えます。

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2014年01月05日

ロックっぽくするエフェクタ

あなたの曲をCDで聴くロックのような引き締まった音にするVST(ソフトウェアエフェクタ)がありますよ、という話です。

ロックっぽくするエフェクタ

BitterSweetは簡単に言うと、曲をロックっぽくするエフェクタです。

もちろん、曲は予めしっかりとロックらしい音に作りこんでおく必要がありますよ。咆吼するベースに炸裂するスネア。

でも、なんか足りない。違うでしょ、ロックってもっとこう…こうでしょうっ!みたいな。

そんなとき最後にこのエフェクタをかけると「そうそうこれこれ!」という音になります。CDで聴くロックのような引き締まった音になります。

これは「トランシエント云々」★1 という類いのエフェクタです。
"トランシエント"、"Transient"というのがキーワードです。トランシエントというのは音量の瞬間的な変化のことで、「トランシエント云々」はこの音量の瞬間的な変化を強調します。顕著なのが弦楽器や打楽器で、ギターのシャンシャンした音はチャクチャクした音に、スネアのダンダンという音はダッダッという音に、ベースのボンボンという音はドッドッという音に変わります。

ダイヤルを回すだけの簡単なお仕事

BitterSweetはフリーウェアの「トランシエント云々」です。
初心者は真ん中の大きなダイヤルを右のBitter側に回すだけ。分かりやすいです。0だともちろん0なんですが、全振りの100%に設定しても、これはこれでリズムを踏み外すというかグダグダした感じになります。曲に応じて20%~80%のあたりの、いちばん効果が大きくなる箇所を見つけて設定する必要があります。

初心者向けなので効果はうっすらとしています。
とりあえずダイヤルを50%に合わせてしばらく聴いて、Bypassボタンを押して効果をOFFにして元の音を聞くと、確かに違っていることが分かるでしょう。
» FLUX社のウェブサイト

★1 「トランシエント云々」
トランシエッタ、トランシエント・シェイパー、トランシエント・ブースタなど、製品によって好き勝手な名前がついています。どんなエフェクタか分かるように”トランシエント”という発音が入っているのが共通です。

ここで説明したBitterSweetは初心者向けのおとなしいエフェクタですが、曲を破壊するほど強力な奴もあります。みなさんもいい感じのを探してみてください。

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2013年05月25日

ユニゾンの使い方 2

リバーブやディレイをかけて音を広げる以外に、他の音でユニゾンする方法もありますよ。

ユニゾンで音の広がりを強化

ユニゾンは音を重ねることによる性質の強化だと、私は解釈しています。
性質とはどんな性質のことでしょうか。どんな性質でもです。強さ、厚み、鮮やかさなど、音に関するすべての性質を、ユニゾンによって強化できると私は考えています。音の定位――広がりや奥行きを強化することもできます。

音を左右に広げて聞かせるには、リバーブやディレイをかけるのが定番ですが。
ユニゾンを使って音を広げることもできます。次の例を聞いてください↓
» ピアノの音を左右に広げる

特に冒頭が分かりやすいです。ピアノの音が左右にぽんぽんと飛んで音が広がります。これはふつうはテンポディレイを使ってピアノの音をタイミングよく左右に音を飛ばすのですが。ここではピアノとは別の音――ピアノに似ているが余韻のない短い音でユニゾンして、その音をテンポディレイで左右に飛ばしています。

ピアノそのものの音を左右に飛ばすよりも、別の音でユニゾンして左右に飛ばした方が、複雑で味わいのある音になります。ピアノのアタックを強調したいなら、アタックの鋭い音でユニゾンするといいです。ピアノの余韻を強調したいなら、ゆったりと音の伸びるパッド系の音でユニゾンするといいです。アタックの鋭い音でユニゾンして、さらにパッド系の音でユニゾンするなど、いくらでも欲張ってピアノの音を飾り立てることができます。

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2013年05月23日

ジェネレーティブ・ミュージック-Noatikl

環境音楽、アンビエント・ミュージックはNoatiklで製作できますよ。

ルールに従って延々と曲を演奏

下の動画はNoatiklという音楽ソフトで自動演奏したものです。
テーマはそうですねえ、アーティフィシャル・ライフ――コンピュータの中で息づく人工生命たちへの賛歌、とでもしておきましょうか。
» Noatiklのプロジェクトファイルです。参考にされてください。

Noatiklはちょっと変わった音楽ソフトです。
ふつうの音楽ソフトのように人が一つずつ音符を入力するのでなく、演奏のルールを入力してプレイボタンを押すと、ルールに従ってこんな感じの演奏をします。曲はNoatiklがルールに従って毎回新しく自動生成するため、プレイする度に少しずつ違います。

環境音楽、アンビエント・ミュージックという特殊な音楽ジャンルがあります。
きちんと聴くものではない、日常の中で聞き流すことを想定した……そういえば何か鳴ってたっけ?的な用途を想定した音楽です。はっきりした拍子やリズムがなかったり、曲によっては楽器の音が入ってなくて効果音だけだったり。もういっそ波の音や風鈴の音などを延々と録音したCDも出回ってたりします。

こういう音楽を製作するには、ふつうの音楽ソフトはちょっと不向きです。
Noatiklなど専用の音楽ソフトを使うと便利です。

NoatiklはKOANの後釜

ジェネレーティブ・ミュージック――演奏のルールやアルゴリズムによって音楽作品を自動生成しようという一連の試みとして、古今東西たくさんのコンピュータ・プログラムが書かれました。中には商品として販売されたソフトウェアもあります。

KOANは昔、ブライアン・イーノが使ったため脚光を浴びた、その筋では有名な音楽ソフトでしたが。残念ながら、2002年に会社が倒産?して絶版となりました。

Noatiklは、KOANの喪失を惜しんだ有志たちが新たに会社を立ち上げ、KOANの仕様をほぼ復元する形で完成させた音楽ソフトです。(NoatiklはKOANの古いプロジェクトファイルを読むことができます。)

まずはサンプル曲やパーツを聞いてみる

プレイボタンを押すだけでいくらでも曲を自動生成してくれるNoatiklですが。
音楽の知識や経験のない初心者には、いきなり使いこなすことは難しいでしょう。

音楽はなぜ音楽に聞こえるのか。でたらめな音の羅列ときちんとした曲の違いは何か。チンパンジーが鍵盤を叩いているのと名ピアニストの演奏はどこが違うのか。そういうことについて自分なりの解釈を持っていないと、Noatiklは徒にランダムな音を発生するだけでしょう。

ってもNoatiklには最初から半完成品パーツがたくさん用意されています。
それらを一つ一つ試聴するだけでも楽しめます。いくつか組み合わせるだけで、あっという間に自分の作品?が出来上がります。本腰を入れて演奏のルールをカスタマイズすれば、まさに自分だけのオリジナル作品を製作することができます。

Noatiklにはシンセサイザやエフェクタまで揃っています。使用説明書は英語です。一朝一夕にマスターできる音楽ソフトではありません。暇つぶしに半完成品パーツを突っつき回して、気がついたら作品が出来ていた……みたいなテンポでつきあうのが吉です。
» Noatiklのメーカーサイト

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