ジェネレーティブ・ミュージック-Noatikl
環境音楽、アンビエント・ミュージックはNoatiklで製作できますよ。
ルールに従って延々と曲を演奏
下の動画はNoatiklという音楽ソフトで自動演奏したものです。
テーマはそうですねえ、アーティフィシャル・ライフ――コンピュータの中で息づく人工生命たちへの賛歌、とでもしておきましょうか。
» Noatiklのプロジェクトファイルです。参考にされてください。
Noatiklはちょっと変わった音楽ソフトです。
ふつうの音楽ソフトのように人が一つずつ音符を入力するのでなく、演奏のルールを入力してプレイボタンを押すと、ルールに従ってこんな感じの演奏をします。曲はNoatiklがルールに従って毎回新しく自動生成するため、プレイする度に少しずつ違います。
環境音楽、アンビエント・ミュージックという特殊な音楽ジャンルがあります。
きちんと聴くものではない、日常の中で聞き流すことを想定した……そういえば何か鳴ってたっけ?的な用途を想定した音楽です。はっきりした拍子やリズムがなかったり、曲によっては楽器の音が入ってなくて効果音だけだったり。もういっそ波の音や風鈴の音などを延々と録音したCDも出回ってたりします。
こういう音楽を製作するには、ふつうの音楽ソフトはちょっと不向きです。
Noatiklなど専用の音楽ソフトを使うと便利です。
NoatiklはKOANの後釜
ジェネレーティブ・ミュージック――演奏のルールやアルゴリズムによって音楽作品を自動生成しようという一連の試みとして、古今東西たくさんのコンピュータ・プログラムが書かれました。中には商品として販売されたソフトウェアもあります。
KOANは昔、ブライアン・イーノが使ったため脚光を浴びた、その筋では有名な音楽ソフトでしたが。残念ながら、2002年に会社が倒産?して絶版となりました。
Noatiklは、KOANの喪失を惜しんだ有志たちが新たに会社を立ち上げ、KOANの仕様をほぼ復元する形で完成させた音楽ソフトです。(NoatiklはKOANの古いプロジェクトファイルを読むことができます。)
まずはサンプル曲やパーツを聞いてみる
プレイボタンを押すだけでいくらでも曲を自動生成してくれるNoatiklですが。
音楽の知識や経験のない初心者には、いきなり使いこなすことは難しいでしょう。
音楽はなぜ音楽に聞こえるのか。でたらめな音の羅列ときちんとした曲の違いは何か。チンパンジーが鍵盤を叩いているのと名ピアニストの演奏はどこが違うのか。そういうことについて自分なりの解釈を持っていないと、Noatiklは徒にランダムな音を発生するだけでしょう。
ってもNoatiklには最初から半完成品パーツがたくさん用意されています。
それらを一つ一つ試聴するだけでも楽しめます。いくつか組み合わせるだけで、あっという間に自分の作品?が出来上がります。本腰を入れて演奏のルールをカスタマイズすれば、まさに自分だけのオリジナル作品を製作することができます。
Noatiklにはシンセサイザやエフェクタまで揃っています。使用説明書は英語です。一朝一夕にマスターできる音楽ソフトではありません。暇つぶしに半完成品パーツを突っつき回して、気がついたら作品が出来ていた……みたいなテンポでつきあうのが吉です。
» Noatiklのメーカーサイト
楽器があればもっと楽しい毎日
» 変わった楽器、珍しい楽器の販売は世界楽器てみる屋
コメント
1,楽譜変換につきまして、出力された音階は、例えばG管ですとその音穴の音階に合わせますのでしょうか、あるいは筒音(最低音)をドとして、吹けばよいのでしょうか?
2,アベマリア(グノー)、アメージンググレイズ、ロンドンデリーの唄、ジュピター、タイタニックテーマソング、などを吹いてみたいのですが、楽譜などはありますでしょうか?
それではよろしくお願いします。
かしこ
投稿者: 猫翁 | 2013年11月18日 11:40
> 1,楽譜変換につきまして、
申し訳ない、意味が分かりません。
おそらく猫翁さんには言わずもがなの自明の前提があって、それを省いて最小限の質問をされているのだと解釈します。が。私はその前提を知らないため、全体の意味を把握できません。もう少し詳しくお話しできますか?
> 2,アベマリア(グノー)、アメージンググレイズ
そのへんの古い曲、有名どころの曲なら、楽器屋に楽譜が売ってあるでしょう。またインターネットを探せば有料・無料のpdfファイルのダウンロードがたくさん見つかるはずです。
"アメージンググレイズ 楽譜"などといったワードで検索すれば、簡単に見つかることでしょう。
投稿者: すだれ | 2013年11月18日 18:03
はじめまして、動画を見て来ました。
去年の記事へのコメントで申し訳ありません。
まだまだわからないことだらけですが、このツールは面白いですね。
アンビエントな素材郡がプレイステーションのDepthというソフトを思い出しました、あれにはアルゴリズムでの生成機能はありませんでしたが。
とても面白いツールを紹介していただけました、ありがとうございます。
ところでこちらで質問させていただくのは場違いなのかもしれませんが、専用のプロジェクトファイル以外での出力はどういった形で可能なのでしょうか。
まだインターフェイスに慣れていないので把握しきれていないだけかもしれないのですが・・・。
投稿者: kumadori | 2014年09月21日 10:34
> プロジェクトファイル以外での出力
メニューのTools>>MIDI File Cooker機能を使ってNoatikl2の自動演奏の結果をMIDIファイルに書き出す事が出来ます。
あるいはメイン画面上部のMIDI Ountput:欄にて適切なMIDI出力先を選択して、一方でSONARやPro ToolsなどのDAW(統合音楽ソフト)にて適切なMIDI入力先を選択すれば、Noatikl2に自動演奏させつつ、DAWでVSTiソフトウェアシンセを鳴らすこともできます。これだと、リアルタイムでNoatikl2の調節やシンセの調節ができるので、私は専らこのやり方です。
パソコン上でNoatikl2とDAWをMIDI接続するには「仮想midiケーブル」というソフトウェア(ドライバ)が必要です。これはフリーウェアを探せばいいでしょう。ということもNoatikl2のマニュアルの冒頭で説明しています。
投稿者: すだれ | 2014年09月21日 21:19
なるほど、勉強になります。
親切にありがとうございました。
投稿者: kumadori | 2014年09月22日 00:21