-- ポケットサックス(1) --

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2015年12月04日

ポケットサックス-雨にぬれても

サックスみたいな音がする玩具の笛です。
映画『明日に向かって撃て』の挿入歌、『雨にぬれても(Raindrops Keep Falling On My Head)』を演奏しました。

日本ではハワイのザッフーンが有名

本物のサックスのリードを使う玩具の笛です。
木管に指穴を開けてリードを取りつけただけのシンプル構造ですが、なかなか本格的な音がしますよ。ときにサックスのような音がすることから”○○サックス”の名称で呼ばれています。

同様の楽器が世界中で製作されていて、有名なのはハワイのザッフーン(Xaphoon)ポケットサックスやバンブーサックスでしょう。中国製の粗悪な海賊版が出回るほど一部では知れ渡っています。日本でもヒチリコという竹製の笛が製作されています。

上の動画で演奏したのは、スイスのカメレオン・インストゥルメンツ社のウッドサックスです。ハワイのポケットサックスと並べて吹き比べてみると……気持ちだけ、よりサックスっぽい音がします。
»ウッドサックスのカタログページ

サックス向きの曲を吹こう

”サックス”と名前が付いていても所詮は玩具の笛ですからね。
演奏者が努力して精一杯サックスっぽく吹かないと、サックスのようには聞こえません。そういう意味では、曲自体にもサックス向きな曲と不向きな曲があります。この『雨にぬれても』はサックス向きの曲です。こういう、ぽんと跳ねあがるような動きをするメロディは、サックスっぽく吹きやすいです。

ジブリ映画だと、魔女の宅急便の『やさしさに包まれたなら』はサックス向きです。反対に千と千尋の神隠しの『いつも何度でも』のメロディは、サックスっぽく魅せる箇所に乏しいので苦労するでしょう。

(どうもぱっとしないな…)と感じる曲はある程度で見切りをつけて、他の吹きやすそうな曲を探すとよいと思います。

できるだけ薄いリードを使おう

この手の笛は本物のサックスのように、ビリビリとボディが振動するようなことがありません。笛の音のほとんどが、リードの音だと思った方がいいです。だから本物のサックスのように派手な音が欲しいなら、できるだけ派手な音がするリードを使用します。一般的に薄いリードほど華やかで金属的?な音がします。

今のところ私が知ってる中では、マーカ社の葦リード1.50がいちばんよい音です。そっと吹けば細く鳴ってくれるし、強く吹けば華やかな音だし。2オクターブ目の裏返った高音もきれいに鳴ってくれます。完璧です。

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2014年12月24日

ポケットサックス-クリスマス・イブ(山下達郎)

ポケットサックスで山下達郎のクリスマス・イブを演奏しました。

運指は動画を一旦停止して確認してください。
メロディの一部分しか掲載していませんが……繰りかえしの多い曲ですから、残りは耳コピーでなんとかしていただけると信じてます。

カラオケ音源を用意しました

ポケットサックス用のカラオケ音源を二コモンズに登録しました。
ダウンロードして使ってください↓
» クリスマス・イブのカラオケ音源

ポケットサックスの他にも、ソプラノリコーダやソプラノオカリナC管、アルトリコーダやアルトオカリナF管の伴奏として使えるでしょう。

尚、JASRACに著作権使用料を支払わなければならない関係から、このカラオケ音源をダウンロードするには、ニコニコ動画の有料会員になる必要があります。毎月400円くらいだったか。ニコニコ動画は日本のサブカルチャーを盛りたてるために本当にがんばっています。応援する意味でぜひ有料会員になってあげてください。

ハワイ生まれの玩具の笛

ポケットサックスは20世紀末にハワイで生まれた玩具の笛です。ともするとサックスみたいな音がするので”サックス”と名付けられましたが。実際はクラリネットに近いリード楽器です。

音は、本物のサックスと比べるとさすがにしょぼいですが。カラオケのエコーをかけるとかなりサックスっぽく?聞こえますよ。

それとできるだけ薄いリードを使うとよいです。私は今回はマーカ社の薄さ1.50の葦リードを使いました。これは同じ薄さの樹脂リードよりも更に派手な音がします。ただし雑に扱うとすぐに先割れしてダメになりますから、普段は樹脂リードで練習して本番の録音に葦リードを使う、みたいな運用をしています。

日本の景気回復に少しでも貢献できれば

この動画は当初は、てみる屋で販売しているスイスのウッドサックスを宣伝するために製作しました。

しかしながら今は不況の折。私だけが儲けるよりも日本全国のお店が儲かる方が日本の景気回復に貢献できるだろうと考えて、最終的にポケットサックスを宣伝することにしました。

Amazonや並行輸入業者など、ライバル店まで儲けさせてどうするんだ!?と呆れられそうですが。大丈夫、私も自分に呆れています。

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2012年05月13日

ポケットサックス『gdgd妖精s -エンディング-Eternal』

ポケットサックスはサックスみたいな音がする玩具の笛です。ポケットサックスでgdgd妖精sのエンディング『Etnernal』を演奏しました。運指は動画を一旦停止して確認してください。

ポケットサックスは本物のテナーサックスのリードを使います。ポケットサックスの音はほとんどがリードの音です。薄いリードほどサックスっぽいぎらぎらした音がします。ここで私が使ったリードは Legere の StudioCut 1.75 です。

ほんとうはいちばん薄い 1.50 を使いたかったのですが、練習中になんだか挙動がおかしくなりました。見れば先端が僅かに割れてるような…ずいぶん吹いたから、さすがに寿命なのかもです。虎の子のリードだったので、けっこう痛手です。あれだけ鳴るリードには、なかなか巡り会えないと思う。

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2011年11月12日

ポケットサックス運指『カーネーション』-nhk-椎名林檎

ポケットサックスは手軽にサックス気分を楽しめる笛です。ポケットサックスでNHK連続テレビ小説『カーネーション』のオープニング主題歌(作詞作曲は椎名林檎)を演奏してみました。


『カーネーション』について

『カーネーション』は2011年10月3日から放送しているNHKの朝ドラです。戦前から戦後日本のファッション界の草分けとなったデザイナー、小原糸子の物語。「うちはミシンが好きや!」という彼女の激白を聞くと(一生をかけて熱中できる事があるなんて素敵ねえ…)などと思うのかもしれませんが。これを「うちはワコムの液晶タブレットが好きや!」と言い換えると…どうです?とにかく糸子はこれから大成功するというストーリーなので、よかったよかった。

ポケットサックスについて

ポケットサックスは20世紀末にハワイで生まれた新しい楽器です。実態はプラスチックで出来た玩具の笛なのですが「サックスみたいな音がする?」と、近ごろ人気が高まってきました。マスコミの広告が行き過ぎて「吹けばすぐに本物のサックスの音がするらしい」という、ちょっとした誤解まで広まっているようですが。玩具の笛でさすがにそれはない。このショボい笛でいかにサックスっぽく真似をして吹くかという遊び方をするのだと、ご理解ください。

『カーネーション』の運指は演奏動画の中でスライドショーしています。一時停止して確認してください。

演奏動画について

数作前からHD(横長画面)の演奏動画を製作しています。
デジタルレコーダーと2台のハンディビデオカメラ(合計3台)を「いちにのさん」で同時に録音・録画して、後で一つにまとめます。最初の作品では、音と絵のタイミングを合わせるだけで何時間もかかりましたが。今回は新しい手順を思いついたことにより、ほとんど一瞬に合わることができました。今後いっそう演奏動画の製作速度を上げていきます。

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2011年11月06日

ポケットサックスをサックスっぽく吹くコツ

ポケットサックスは20世紀末にハワイで生まれた玩具の笛です。
ときおりサックスと聞き間違うような音色を奏でるので「小さなサックスみたいな笛?」という意味で ”ポケットサックス” と名づけられました。

ウェブを眺めていると、実際にポケットサックスを買った人の「ほんとうにサックスみたいな音!」という驚きの声と、一方で「ぜんぜんサックスに聞こえないんだけど…」というがっかりした感想を、半々くらい見かけます。ポケットサックスをサックスっぽく吹くコツは、ぱっと考えて3つほどあります。

  1. フニャフニャのリードを使う
  2. サックスの物真似をして吹く
  3. そこそこの出来で納得する

フニャフニャのリードを使う

実はポケットサックスの音は、ほとんどがリードの音です。ポケットサックスの音はリードが命です。火事に巻き込まれたら本体を見捨ててもリードを掴んで逃げる、というくらいリードが大切で、本体はどうでもいいです(本体は新しく買いなおせばいいです)。ふつうのサックスで使うリード(厚さ2.50以上)は、ポケットサックスには厚すぎます。サックスぽい音を追求するというだけなら、できるだけ薄いふにゃふにゃのリードほど有利です。Legereの樹脂製リード(厚さ1.50)とか。

薄いリードほど煌びやかで金属っぽい音色に聞こえます。反面、柔らかすぎて演奏しているとピッチが不安定になってしまう、2オクターブ目の高い音(ひっくり返った高い音)を出せないという難点があります。だから演奏する曲によっては、リードを取りかえる必要があります。

ポケットサックスには買った最初から葦のリード(厚さ2.50)が付いてきますが、あれは使い物にならないと思った方がいいです。本物のサックスでは、最高級品の葦のリードを一箱買っても使えるのは半数、プロ演奏者になると1,2本なのだそうですよ。無料でついてくる葦のリードの品質なんて推して知るべしです。

サックスの物真似をして吹く

そもそもサックスという楽器が、もともとあのような音ではありません。
例えばパソコンに楽譜を打ちこんで自動演奏させたサックスの音は、とてもサックスに聞こえません。TVやCDで聞くあのかっこいいサックスの音は、演奏者がかっこよく聞こえるように吹いているから、かっこよく聞こえるのです。

ポケットサックスにただ息を吹きこんで指を動かしたところで、サックスの音には聞こえません。「うっ、うっーっ」と腹筋に力を入れて息を吹きこみ音を炸裂させたり、唇でぐっとリードを咬んでピッチをずり上げたり。サックスの物真似をして吹いて、はじめてサックスっぽい音がします。このへんはお調子者な性格が有利です。友だちから「なにそれ?」と大笑いされるくらい、滑稽なくらいサックスの物真似をして吹くのが上等です。

そこそこの出来で納得する

たぶん本物のサックスの演奏者か、サックスが大好きでサックスの演奏をよく聞きこんでいる玄人だと思うのですよ。「ふ、ぜんぜんサックスの音に聞こえませんね。今すぐ "ポケットクラリネット" と改名するべきです。」などとドヤ顔でウェブにコメントしている人を見かけます。

いやいやいや。一万円そこらのプラスチックの玩具で何十万円もする本物のサックスと同じ音が出たら、それこそ大恐慌でしょう!?「ポケットサックスの音はサックスっぽい」というのは別に、世界中の名だたるサックス奏者たちが集まって「なるほど、これは確かにサックスの音といっていいだろうか?」などと協議しオーソライズしたものではありません。クラリネットとオーボエの区別もつかない★1 ようなふつうの人たちが「わーなんだかサックスみたい?」と無責任に指さしたのが始まりです。子どもたちが「キュウリにハチミツをかけたらメロンの味★2 」と喜んでいるようなものです。ここで「それはメロンとは違うよ。そうだねえ至高の夕張メロンの味というのは…」などと上から講釈たれるのは無粋、空気読めって言いたい。

ポケットサックスがサックスじゃないなんて、百も承知です。
「本来はサックスではないプラスチックの笛で、どれだけ上手にサックスっぽく真似をして吹けるか?」ポケットサックスはそのように遊ぶ玩具なのだと理解するべきです。

★1 クラリネットとオーボエの区別がつかない
私は子どもの頃、間違いなくクラリネットの音とオーボエの音の区別がついていませんでした。今はどうでしょう。聞きわける自信はありますが、絶対かと問われると…少し心配になります。楽器を演奏する人には信じられないでしょうが、ふつうの人の楽器を聞きわける耳は呆れるほど低レベルです。私の驚いたところでは、デュエットオカリナ―1人で合奏できるオカリナ―を吹いたとき、音が2つ鳴っていることに気がつかない人がいました。人前でデュエットオカリナを演奏してみせるときは「ほらほら、今から2つの音を出しますよーほらね。」と、はっきりと演出として見せてあげるのが肝心です。そうして見せて初めて「おおっ!?」となる。楽器を演奏する人には信じられないでしょうが、ふつうの人の楽器を聞きわける耳なんて呆れるほど低レベルです。だから、それに合わせてあげなければなりません。

★2 キュウリにハチミツをかけたらメロンの味
流行りましたねー懐かしい。ほかには「マグロに醤油とマヨネーズでトロの味」でしたっけ。結局、藤岡ハルヒさんは本物の上トロを食べることができたのでしょうか。

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2011年02月26日

ポケットサックス演奏 『やさしさに包まれたなら』

ポケットサックス (Xaphoon Pocket Sax, Bamboo Sax) はハワイで生まれた新しい楽器です。 なんだかサックスのような音がする?ので ”サックス” と名づけられましたが、サックスとは関係ありません。オーボエやクラリネットと同じ笛の仲間です。 ポケットサックスで『やさしさに包まれたなら』を吹いてみました。

ジブリ映画『魔女の宅急便』のエンディングバージョンです。
オリジナルもこのとおりなのか、もう少し長い曲のか…私はこれしか聞いたことがありません。作詞作曲は荒井由実の名義になっていて、世情に疎い私は「松任谷由実そっくり!?」などと寝ぼけたことを映画館で口走ってました。

【ポケットサックスの運指について】

『やさしさに包まれたなら』の運指は、上のYouTube動画の中でスライドショーしています。一旦停止しながらご確認ください。著作権料支払い義務を回避するためにこのような手段をとっています。

【曲について】

CDの曲をBAND-IN-A-BOXに読み込ませてコード進行を逆算し、自動演奏させた伴奏をMIDIファイルに出力して、録音したポケットサックスの音といっしょにSONAR8.5Producerでミックスダウンしました。録音したポケットサックスの音はiZotopeRXでほぼ完璧に環境ノイズ除去しています。BAND-IN-A-BOXとiZotopeRXは私の製作活動の要です。SONAR8.5Producerは必須ではありませんが、品質と作業効率が数倍に向上するので重宝しています。

これは60分くらい延々とポケットサックスを吹いて、きれいにできた箇所をつぎはぎして一曲を作りました。もっと上手に演奏できたらいいのですが。

今回は今までポケットサックスで出せなかった高音にチャレンジしました。ポケットサックスには9個の指穴があって、下から順に開けていくだけでほとんど1オクターブ半の音域を演奏できます。それより高い音は、低い音を出す運指のまま強く吹いて出します。これが難しくて上手にできませんでした。1オクターブ半の音域でも多くの曲が演奏できるので「必要になったら練習すればいいや」と放置していましたら、とうとう必要になったので練習しました。それでなんとかなりました。

日曜音楽家は投げださず続けることがいちばん大切です。
好きなら止めませんが…使うあてもないのに2オクターブの音階練習など、無理してやることでもないです。必要になったら練習すればいいです。

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2011年01月11日

ポケットサックスの吹き方 補足12

ザフーン・ポケットサックス(Xaphoon Pocket Sax)は手軽にサックス気分を楽しめる新しい楽器です。ポケットサックスの吹き方、補足その12。ポケットサックスの音にビブラートをかけるときれいに聞こえます。

» ポケットサックスを吹いてみました

ビブラートというのは笛など吹いているときに「ピー~~~~」と音を揺らす、あれのことです。ポケットサックスの音にビブラートをかけるときれいに聞こえて上手になったような気がします。

サックス式のビブラート

サックス式のビブラートのやり方はポケットサックス本体に付いてくる説明書に書いてあるとおりです。ポケットサックスをくわえている下唇をぎゅっと強く締めるとポケットサックスの音が高くなります。力を緩めると音が低くなります。ポケットサックスを吹きながら「ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ」と連続して強く締めたり弱めたりを繰りかえすと、音が高くなったり低くなったりしてヨヨヨヨと揺れます。

笛式のビブラート

ポケットサックスを強く吹くと大きな音がします。弱く吹くと小さな音がします。ポケットサックスを吹きながら「うふふふ」と笑うと音が大きくなったり小さくなったりしてビビビビと揺れます。

そのうち慣れる

二つのビブラート方式のうち、どちらか片方だけ使えればよいでしょう。ゼロから始めるなら、せっかくですからサックス式のビブラートを身につければいいと思います。ちなみに私は笛吹きなので、笛式のビブラートを使います。

どちらのやり方も最初は違和感があって苛ただしい思いをすると思います。でも癖みたいなもので、ずっと練習していれば、そのうち勝手にかかるようになります。

ポケットサックスを吹きながらビブラートを速くかけたりゆっくりかけたり、ちょっとだけかけたり思いっきり揺さぶったり。どんなのがかっこいいか、自分でいろいろ試してみてください。実際のサックス演奏を聴くのはとても参考になるはずです。あるいは演歌歌手の歌い方も参考になるかもしれません。

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2011年01月06日

ポケットサックスの吹き方 補足11

ザフーン・ポケットサックス(Xaphoon Pocket Sax)は手軽にサックス気分を楽しめる新しい楽器です。ポケットサックスの吹き方、補足その11。グロートーンはいかにもサックスっぽい音ですが使いどころが難しいです。

» ポケットサックスを吹いてみました

サックスの演奏を聴いていると、ここぞというところでびりびりと割れるような音を聴くことがあります。まるでサックスを壊さんばかりに力いっぱい吹いているような印象の音です。しかしポケットサックスを思いっきり強く吹いても――たしかに音は大きくなりますが――びりびり割れるような音になりません。あれはポケットサックスでは真似できないのでしょうか。

サックスを吹きながら声を出す

あれはグロートーンという技法で、サックスを吹きながら同時に声を出しているのです。サックスを吹きながら「うー」と唸る、それだけです。別にサックスのメロディーに合わせて歌わなくてもいいです。吹いているメロディーに関係なく、自分がふつうに話すときの声の高さでうーと言えばいいです。ポケットサックスも同じで、吹きながら「うー」と唸ると……万歳!びりびり割れた音になりました。

どこで使うかが肝心

グロートーンは「ものすごく力いっぱい吹いているぞ!」という音に聞こえます。音自体は濁った汚い音なので、一曲ぜんぶこれで吹くものではありません。ここぞというときに使ってこそ効果のある技法です。が……ここぞというのが、私にはどうもよく分かりません。

日本の演歌は分かりやすいです。素直にいちばん気分の盛りあがるところ。サビの部分で歌手がいちばん高く声を張りあげるところがポイントです。「それでもぉぉぉお、会いぃぃたぁぁぁくてぇぇぇぇ~~~~」みたいなところです。しかし、サックスはどうもそんな直球ど真ん中な表現をしない印象なのです。いちばん盛りあがるところをわざとはずすというか、いっそぜんぜん関係ないところでグロートーンを使うような印象があります。

申し訳ない、グロートーンをどこで使えばいいのか、私はアドバイスできません。
どこで使うとサックスっぽいか、みなさん自分で実際のサックス演奏を繰りかえし聴きながら研究してみてくださいまし。

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2010年12月29日

ポケットサックスの吹き方 補足10

ザフーン・ポケットサックス(Xaphoon Pocket Sax)は手軽にサックス気分を楽しめる新しい楽器です。ポケットサックスの吹き方、補足その10。出だしをウッ!と力んで吹くとサックスっぽく聞こえます。

» ポケットサックスを吹いてみました

ポケットサックスは笛です

サックスみたいな音がする?ところから”サックス”と名づけられていますが、ポケットサックスは笛です。「まるでサックスみたいっ」という驚嘆の声と同じくらい、「サックスの音に聞こえない、これはクラリネットだね」と揶揄する声もよく聞きます。それは仕方ない、材質や構造はむしろクラリネットに近いのですから。

ポケットサックスは20世紀末にハワイで生まれた新しい楽器です。もともとは子どもの玩具の笛でした。背負うべき伝統も守るべき作法もありません。どのように吹いてもOKです。もちろんクラリネットのように吹いてもOKなのです。とはいえ「俺は『サックスの音がする』と聞いたから買ったんだっ」という人もいるでしょうし、そういう人は仕方ない、自力でサックスっぽく吹くしかありません。

音の形で楽器の印象が決まる

ピアノはピアノの音、オルガンはオルガンの音、ラッパはラッパの音がします。聞き間違えようがない。なぜか。「音色が違う」と答えるのがふつうですが、厳密に言うと、人間は音色でなく”音の形”で聞き分けています。音の形というのは、時間が経つにつれて音の大きさがどのように変わっていくか、ということです。

身近な楽器の音の形を、大きく3種類に分けてみました。右の図をご覧ください。

一つはピアノやギター、太鼓などのタイプです。ここではA型と言っておきます。これらの楽器の音は、いきなりマックスまでガツンと音が出て、後は小さくなっていく一方です。図の見方は分かりますか。コンコンという短い音、ポーンという長い音。いろいろあるでしょうが、たしかにみんなこんな音の形の楽器です。

もう一つは笛やオルガンなど、ここでB型としたタイプです。ブーと鳴り始めてブゥと鳴り終わる。オルガンはまさにこんな感じの音です。リコーダーやオカリナもこんな感じでしょう。笛でも尺八などの音は、大きくなったり小さくなったり複雑な動きをするのですが、まあ同じタイプに含めます。

最後はラッパやサックスなど、ここでC型としたタイプです。先のAとBを合わせたような形です。出だしにパアンと大きな音が出て、後は少し小さな音がプーと続きます。少々単純に誇張して説明していますが、なかなかそれぞれの楽器のタイプを捉えていると思いませんか。

音の出だしをウッ!と力んで吹く

さて、サックスの音に聞こえたりクラリネットだったりのポケットサックスですが。音の形を見るとクラリネットはB型でサックスはC型です。ですからサックスっぽく聞こえてほしいなら、C型のように、いささか大げさに吹けばいいわけです。つまり音の出だしをパアンと大きくしてやる。「フー、フー、」とふつうの笛を吹くように一本調子に吹くのでなく「ウッ!、ウッ!フーッ」のように音の出だしを力んで吹くと、サックスっぽく聞こえます。

ぜんぶ「ウッ!、ウッ!」やると、それはそれでマンガチックでおかしいので、たとえば、フレーズの出だしだけウッ!と力んで吹きはじめて、あとはすらすらっと吹く。他には(ここもかな?)と思うところをウッ!っと力んで吹く。

私はそんな感じに吹いています。
そこそこ成功していると実感しています。私のポケットサックスの音を、楽器に疎いふつうの人が聴いたら「サックスじゃない?」と言んじゃないかな。もちろん実際に本物を演奏している人はだませませんよ、そんなこと最初から目的にしていません。

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2010年12月13日

ポケットサックス演奏 『FF4 愛のテーマ』

ザフーン・ポケットサックスでFF4の『愛のテーマ』を吹いてみました。

ザフーン・ポケットサックス (Xaphoon Pocket Sax) は20世紀末にハワイのマウイ島で生まれた新しい楽器です。もともとは竹で作られた子供の玩具でしたが、改良されて大人も楽しめる楽器になりました。 サックスみたい?な音がするので”サックス”と名づけられましたが、サックスではありません。クラリネットやオーボエと同じ、笛の仲間です。

愛のテーマについて

『愛のテーマ』はスーパーファミコンのゲームFF4(ファイナル・ファンタジー4)で使われたBGMです。2005年から小学校の音楽の教科書に採用されたので、比較的よく知られたゲーム音楽でしょう。

なお私がここで演奏したのは原曲―ゲームで実際に使われたBGM―ではなく、CD『ファイナルファンタジー ヴォーカルコレクションズⅠ―祈り―』に収められている版のアレンジ(タイトル:光の中へ)です。原曲よりもサビパートが8小節長くなっています。大木里紗が歌っている。

私はFFは6から始めたので、『愛のテーマ』はこちらを正として覚えていました。この試聴サンプルを作るため、念のためYouTubeの動画を確認したら「どの動画もサビパートが尻切れトンボ!?」だったので、驚いたです。

この試聴サンプルについて

いつもの手順です。CDを BAND-IN-A-BOX に読みこませてコード進行を逆算し、伴奏を自動演奏させてmidiファイルとして出力したものを、録音したポケットサックスの音といっしょに SONAR 8.5 PRODUCER でアレンジ、ミックスダウンしました。

まさか一発でこんなにきれいな演奏が取れるはずもなく、50分間くりかえし延々と吹きつづけた中から、きれいに演奏できた箇所を切りとり継ぎはぎして完成させました。上手な人が吹けばここまで出来ますよ、という宣伝なのですから、これでいいです。演奏の腕がなくても忍耐力があればそこそこの作品を完成させることができる。いい時代になりました。

著作権料支払義務を回避するため、動画にしてYouTubeに投函しました。
この曲の運指は動画の中でスライドショーしています。一旦停止しながらご確認ください。

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