ポケットサックスの吹き方 補足9
ザフーン・ポケットサックス(Xaphoon Pocket Sax)は手軽にサックス気分を楽しめる新しい楽器です。ポケットサックスの吹き方、補足その9。リードはすこしくらい曲がっている方が演奏しやすいです。
リードが曲がるという現象
ポケットサックスにプラスチックリードを付けっぱなしにしていると、だんだんリードが曲がってきます。これはどうもポケットサックス特有の現象のようです。
Legereのプラスチックリードは数年前から発売されていて、ユーザーはもちろん、本物のサックスの演奏者が大多数でしょうが。「リードが曲がった」という話はとんと聞きません。一方で、一人のポケットサックス演奏者が「曲がった」とブログに書いていました。私もポケットサックスに付けたリードを2本曲げました。なんだかポケットサックスを吹いている人ばかりです。
なぜ曲がる?
だんだんリードが曲がってくるのは、ポケットサックスの形状に原因があるかもしれません。ポケットサックスのマウスピースの形状は、サックスのそれよりも大きく曲がっているのです。下唇でぎゅうぎゅう押さえつけながら演奏すれば、リードに無理な力が加わって、次第に曲がってしまうのかもしれません。
あるいは唇でくわえる位置が悪いのかもしれません。マウスピースを思いきり深くくわえれば――あまり曲がっていない部分をくわえれば――リードを曲げてしまうこともないでしょう。(でもそれだと、キーキー鳴って演奏できないのですが……)
あるいは一度に長い時間吹きすぎたのでしょうか。あんまり長い時間続けて吹きつづけると、さすがのプラリードもくたびれて、弱くなってしまうかもしれません。そこをぐいぐい唇で締めつけると曲がってしまうのかもしれません。だから、ある程度の時間吹いたら、別のリードに取りかえて休ませるとよいのかもしれません。
すこしくらい曲がっている方が演奏しやすい
リードが曲がってしまうのは一概に悪いこととも言えません。リードが曲がるにつれて、だんだん鳴らしやすくなり艶やかな音色になってきます。だから私は、リードはすこし曲がっている方が好きです。こなれた感じというか。
どんどんリードが曲がるほど、どんどん鳴らしやすくなり艶やかな音色になっていきますが……度を超すと最後にはマウスピースにぴったり貼りついて鳴らなくなってしまいます。
絶好のポイントがどこかにあります。
リードケースに収めて曲がりを戻す?
新しいリードは硬くて息がすっぽ抜けます。だから最初はわざと、ポケットサックスに付けっぱなしにしたままにします。吹いているうち、だんだんリードが曲がって吹きやすくなってきます。「最近なんだかすごくいい音!?」と思ったら、ストップ。以降はポケットサックスを吹かないときは、リードを取りはずしてリードケースに収めるようにしてみてはいかがでしょうか。
リードケースは平たいので、曲がったリードをまっすぐに戻すような負荷をかけます。つまり、それ以上曲がるのを防止する効果があります。曲がりすぎてダメになったリードでも、リードケースに数日収めておくと、ある程度は元に戻ることが確認されています。
このへん、私も今、実践している最中でして。だからこれで上手くいくのかどうか分かりません。結局、最後には使い物にならなくなるまで曲がってしまうのかもしれません……
そうでないことを祈りながら。
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