-- ネットショップのコツ(1) --

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2014年01月24日

ミュージシャンは他人の曲を売ってもいい

音楽や楽器演奏を自分のアイデンティティとして生きるなら、それを守るために、なおさら真剣に金儲けすることを考えるべきです、という話です。

レーベルなんぞ立ち上げてみる

ミュージシャンだったら、まずは自分のレーベルを立ち上げてみてはいかがでしょうか。曲のダウンロード販売をするショップサイトを運営してはどうでしょうか。

ポイントは、お客さんが曲を試聴して送金してダウンロードするまで、フルオートで完結するダウンロード販売サイトであること。それとあなたの曲以外にも、あなたが「これは人に聴いてほしい」と思えるような、知られていないミュージシャンの曲を発掘していっしょに販売することです。つか商売としてはそちらがメインです。

巷で見かけるような立派なショップサイトをどうすれば作れるのか、私にはアドバイスできませんが。とにかく一旦完成してしまえば、それは自動販売機のようなものです。あなたが楽器演奏を練習したり新曲を製作している間、勝手にあなたの銀行口座にお金を振り込んでくれます。

定期的に新しいミュージシャンを発掘したり、レビューを書いたりウェブカタログに登録したりという作業は発生するでしょう。でもサラリーマンになって音楽と無関係な仕事をするよりは、よっぽど楽しいのではありませんか。

もちろん、そのショップサイトであなたのオリジナル曲を販売してもよいのですよ。他人からはそうは見えないでしょうが、それこそが真の目的だったりします。

既に多くの人が実践している

私がこの記事を書く気になったのは、先日『CRYO CHAMBER』という、実に私好みのダウンロード販売のサイトを見つけたからです。こうして前例のあることから、ミュージシャンがレーベルを立ち上げて小銭を稼ぎつつ自分の曲を発表するという、一石二鳥なビジネスは、既に世界中で多くの人が実践しているのでしょうね。

だから労働から目を背けず、ビジネスの勉強をする必要があります。
今日日、万人向けのショップというのは逆に誰も利用しないショップです。ほんの一人握りの人でも、その人たちだったら絶対に私のショップを利用する、利用する以外にない。そいういう尖った商材選びが必要です。

…というのがビジネススタイルの一例としてありますよ、という話であります。
正反対の考え方のビジネススタイルもあります。どれがいちばん効果的か、というのはなくて、自分が自然体で実践できるビジネススタイルがいちばん強いです。書店のビジネス書を片っ端から読んで、自分に合ったビジネススタイルを見つけるのがよいです。

「自動販売機を作る」のが仕事です

金儲けという観点から仕事を選ぶなら、例えば物品の販売なら、

物を売ることそのものを仕事にするのではなく、
物を売る仕掛けを作ることを仕事にする。

という考え方が有効です。分かりやすく例えるなら、自動販売機を作るのが仕事だと思えばいいです。

楽器があればもっと楽しい毎日
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2013年11月14日

仲間内で注目される方法は、ある 3/3

仲間内で注目される方法はあります。あなたがいつもいつも「やりたくないなあ」と放置している事を実践すればいいです。

仲間内で注目されたいなら苦労するしかない

肝は「あなたが楽して簡単お手軽に実践できる事は、他の仲間も楽して簡単お手軽に実践できる」って事です。

仲間内で注目されるには、自分が仲間内で注目されるような特別な人間に成らないといけません。そしてその方法は、他の仲間には簡単に真似できない方法でなければなりません。あるいは真似しようとして、できないことはないが……とてもやる気にならないような事です。

もし本当にそんな方法があるとすれば……それは間違いなく、楽しくなくて辛くて苦労の多い面倒くさい方法であるはずです。それは仲間にとっても、あなたにとっても、きっとそうです。

面倒くさいことを片っ端からやるだけでいい

仲間内で注目される方法があるとすればそれは、誰もがとても実践する気にならないような、楽しくなくて辛くて苦労の多い面倒くさい方法です。分かった、ならば苦労を覚悟するからその具体的な方法を教えてくれ、という一線を踏み越えてしまった人へ。もう既にあなたはそれはを知っていますよ。あなたがいつもいつも「わー面倒くせーやりたくねー!」と思って放置している事、がそれです。

あなたがいつもいつも、面倒くさいと思って放置していることを実践するだけで、あなたは仲間から注目される存在になれる

証明が必要ですか?
もしそれがあなたにとって不要な事、あるいはむしろ害のある事なら、最初からあなたはそれを実践しようとは思わないし、そんな無駄な事を、いつまでも覚えていたりしないでしょう。

逆にもしそれがあなたにとって有益な事で、しかも楽して簡単お手軽に実践できる事なら、とっくの昔にあなたはそれを実践し終えているはずです。

つまりあなたがいつもいつも「わー面倒くせーやりたくねー!」と思っている事は、あなたにとって忘れるわけにはいかない、大切で有益な事――それはきっとあなたが特別な人間に成るために有益な事で、でも未着手のまま今までずっと放置してきた事であるはずです。

重要なのは、あなたがいつもいつも「わー面倒くせーやりたくねー!」と思って放置しているような事は、仲間にとってもそうであるということです。もしあなたがそれを成し遂げることができれば、仲間は簡単にはついてこれません。やり方は誰でも知っているが実践できない……これほど強力なブロックは存在しないでしょう。

別に今更、道徳めいたことを訓示たれたいわけでもないのですが……
いろいろ理屈をこねても、結論はありきたりなのでした。

楽器があればもっと楽しい毎日
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2013年10月21日

仲間内で注目される方法は、ある 2/3

仲間内で注目される方法はあります。ただしそれは楽な方法ではないはずだ、という話です。

楽して仲間内で注目される方法は存在しない

楽して簡単お手軽に仲間内で注目される方法は存在しません。
「そんな楽ばかり求めるのは人として恥ずかしいよ」などという倫理・道徳の話ではありません。そもそも論理的に存在できないのです。

あなたにできることは誰でもできる

仮に『楽して簡単お手軽にあっという間にスーパースターになれる方法』があったとします。 あなたはその方法を実践して、一夜にしてスーパースターになりました。世界中の人気者になりました。なんと素晴らしい謳歌すべきはラビアンローズ!

しかしですね、あなたが楽して簡単お手軽に実践できるってことは、他の人もみんな楽して簡単お手軽に実践できるってことですよ。そして楽して簡単お手軽にスーパースターになりたい人なんて、世界中にごまんといますから、みんながみんなその方法に飛びついてさっさとスーパースターになってしまうでしょう。ってことは……つまり結局、あなたは他の人となにも変わらない凡々人でしかないってことになります。
繰りかえします。

あなたが楽して簡単お手軽に実践できるってことは、
他の人もみんな楽して簡単お手軽に実践できるってことです。

誰も知ることができないからマル秘なわけで…

でもそれはその方法をみんなが知っていたからだ。
誰も知らないミラクルメソッドがこの世のどこかに隠されているのではないか?そんな方法を私だけが知ることができれば……確かに可能性としては否定できない話ですが。

確率はゼロに近いでしょう。
特別なマル秘情報をあなただけに……よく聞きますね。現実的にはそれって詐欺師の常套文句です。そもそも古今東西「ここだけの秘密の話」が秘密であったためしがない。もちろん詐欺師たちは「あなただけ」と大勢のみんなにささやくわけです。んで悲しいことに、あなたが期待に胸を膨らませて購入したその特別なマル秘情報ってのは、大抵は毒にも薬にもならない凡々な話★1であることが常です。

やり方を知ってても実践できないという方法がベスト

みんな多かれ少なかれ仲間内で注目されたいと望んでいますから、仲間内で注目される方法というのは、誰でも簡単に実践できるようではダメです。また「私だけが知っているマル秘情報」といった類いの話は、ほとんど現実的ではありません。

とすると、
仲間内で注目される方法とは、誰でもやり方を知っているが簡単には実践できない方法、ってことになります。確かにそんな気がします。みんな私の真似をすればいいんだけなんだけど簡単に真似できない、そんな方法……うん、完璧なブロックではありませんか。

★1 毒にも薬にもならない凡々な話
話が毒になる話――つまり嘘なら、それはもうマジもんの詐欺で警察沙汰です。かといって話が本当の話――ほんとうに一夜で金持ちやスーパースターになれる話なら、それを他人に教えるバカはいないでしょう。結局、巷のケチな詐欺師が持ち込む話というのは必ず、毒にも薬にもならない凡々な話です。曰く「座って待っているだけの副業が本業に!」「百発百中ナンパの極意!」みたいな。

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2013年10月18日

仲間内で注目される方法は、ある 1/3

仲間内で注目される方法はあります。序文として、誰でも本音は仲間内で注目されたいよね、という話です。

本音は仲間内で注目されたい

なんというか、
「現在の自分に出来るか出来ないか」で未来を選択していると、こぢんまりした凡々たる人生に甘んじることになりますよ。ってそれの何が悪い?多くの人が「私は今の自分に満足している」と、口では答えるでしょうけど。

でも一方でmixiやFacebook、ツィターなどのSNSが大流行していて、みんな我がちに身の回りの(どうでもいい)写真や日記などを矢継ぎ早に投函しています。その動機はつまり「みんなの仲間はずれは嫌だけど……でも仲間内に埋もれてしまうのも嫌」「自分は仲間内で注目されたい」★1 といった、そんなところでしょう。「私は凡々たる自分に満足している」なんて口では答えたって、それは自己欺瞞だってことです。

自己欺瞞する人はカモにされてしまう★2

こぢんまりした凡々たる人生に甘んじることの何が悪いか。
もちろん「私は凡々たる自分に満足している」と自己欺瞞するからです。

何であれ自分で自分を騙していいわけがない。
特にこのような心の奥深くにある衝動を、あたかも存在しないかのように自分を騙していると、嘘に対して覿面に耐性がなくなります。自分にとって都合の悪い真実から目をそらすために、心地よい嘘を積極的に信じるようになります。

まあ古き良き時代だったならそれでもよいでしょうが。
今の時代、すぐに詐欺ビジネスのいいカモにされますよ。

例えば、人によっては身を削ってまで熱心にFacebookやツィターに投稿していますが、それが正にそのいい例です。あなたはあなたの大切な時間と……もっとずっと大切な将来の可能性を棄てて、SNSの運営会社が肥え太るために、自ら進んでせっせと無償で貢献し続けているお人好しってわけです。

仲間内で注目されたい自分を認めよう

なんでも個人差や程度の差はありますが。
少なくとも現在進行形でmixiやFacebook、ツィターにどっぷりはまっていて、せっせと記事やつぶやきを投函している人は、「自分は仲間内で注目されたいタイプの人間なんだ」と自覚するべきです。

そう自覚しないと、あなたはあなたの人生をほんとうに自分の物にできないし、いつまでたってもほんとうに仲間内で(といわず世界から)注目される特別な人間になることはできません。

★1 仲間内で注目されたい
ヒトという種が生き延び子を成し寿命を全うするには、他の獣のように自然環境の脅威や外敵から身を守るだけでなく、お互い同士の競争――同じ社会集団に属しているヒトとヒト同士の競争に勝ち優位に立つ必要もありました。(進化論の社会選択の話です。)ヒトが社会集団を形成するほ乳類として進化して数百万年……ヒトが、同じ社会集団に属している他の個体よりも優位に立ちたいという衝動は、すでにDNAに組み込まれています。

平たく言うと、
仲間内の一人だけがオイシイ思いをしたり、注目されたり賞賛されたりすると「あ、いいな。私もっ……!」と誰でも心の奥底で無条件に反応してしまうってことです。どうしょうもなく血が叫ぶってことです。

もちろんそんな衝動をダイレクトに行動に表してしまうと――誰もがみんな本能のまま行動してしまうと、世の中は大変なことになりますから。その場はひとまず我慢しようとか、努力してゆくゆくは自分も同じ立場になってやるぞとか。そのような穏便な行動を採択するように行動のバランスを取るように、ヒトはそっち方向にも進化してきました。

「私は今の自分で満足している」と自分で自分を騙す――自己欺瞞もそうした穏便な適応の一つです。しかし適応のやり方としては、他人の足を引っ張るよりはましですが、最悪の部類に入ります。だって問題を棚上げするだけで、いつまでたっても解決しませんからね。

★2 自己欺瞞する人はカモにされてしまう
自分で自分を騙すこと――自己欺瞞はほんとうに危険な行為です。自己欺瞞する人が必ずしも同じ末路をたどるわけではありませんが、運が悪いと、最悪の地獄を味わい苦しみながら死ぬことになります。ってもそんな宗教めいた道徳めいたことを言っても今の人の心には響かないでしょうから。分かりやすく現金な損得の話で例えています。

でもほんとうに自己欺瞞はやめた方がいいです。

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2013年10月08日

中学時代は下積みの時代 2/2

中学時代は勉強が本分。どうせ今バイトしたって大して儲からないのだから、勉強していい企業に就職してお金持ちになりましょうという話です。

自由になっても先立つものがない

少なくとも私が中学生の頃は、勉強と義務で参加したクラブ活動が毎日のすべてでした。今の中学生も似たような境遇だと察します。他人から強制される毎日に嫌気が差して「自分の思うとおり自由に生きることができたらなあ」と空想するのも当然だと思います。私はそうでした。

かといって今いきなり「もう学校に来なくていい。好きにしていいよ」と言われたところで、何もできないでしょう?ここで「何かできる」というのは例えば私なら、

  • 週末にふと東京の友人宅までJALで遊びに行くとか
  • 面白そうな新しい楽器を試しに海外から取り寄せたりとか
  • Windows7への乗り換えにかこつけて高性能なパソコンに一新するとか

そのようなことです。
どうでしょう、学校に行かなくてよくなったら何がしたいですか。ディズニーランドで存分に遊びたいですか。それ、往復の旅費だけでいくらかかると思ってますか。

中学生は自由になったところで、大したことができません。
なにより先立つもの――お金がありません。大人から見て中学生って、あまりに貧乏すぎます。

では手始めにバイトをしましょうか?っても中学生では大して稼げませんよ。ものすごくがんばって一ヶ月に何万円稼げるでしょうか。因みにまっとうな職についた大人なら、一ヶ月に30万円くらいは無理なく稼ぎます。家族があれば別ですが、独身ならこれがぜんぶ自分の懐に入るわけです。もし自分が毎月お小遣いを30万円もらったらと想像してみてください。使い道に困るほどでしょう。大人と子どもでは、このくらい財力が違います。つまり、やりたいことを実現するパワーがまったく違います。

中学時代は勉強するのがいちばん得をする

中学生は貧乏ですしお金を稼ぐこともできませんから「自分の好きなことをしたい」と願ったところで、ほとんど何もできません。

ここはもう今の境遇を諦めて、おとなしく勉学に励むのが吉です。
勉強して良い学校に入って良い企業に就職しましょう。永久就職の神話が崩壊して久しいですが、だからといって派遣やコンビニのパートで妥協したら、それこそ詰みです。他人を肥らせるために朝から晩まで働いて、今日食べたら明日には何も残らない家畜人生ですよ。王道は常に王道なのです。

もう一度言います。
今、自由になったところで何もできないのだから、ここは諦めて勉強に励んで、未来の自分に賭けましょう。

「勉強だけしろ」という極端な話ではなくて、現状は自分の思うままに生きることのできる時期ではないと納得しろと、それだけといえばそれだけの話です。

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2013年10月05日

中学時代は下積みの時代 1/2

中学時代は学業が本分です。欲しい物は焦らなくてもいつか必ず手に入りますよ、という話です。

本当に欲しい物は必ず手に入る

もしあなたが”それ”を本当に欲しいと願っているなら――それこそ自分の人生と引き替えてでも欲しいと願っているなら、”それ”は必ずわりと早いうちに手に入るでしょう。

「楽器が欲しい」とか「庭付きマイホームが欲しい」とか「世界一周したい」とか。その程度のショボい願いなら、大人になってきちんと稼ぐようになれば、片手間で実現できます。いざ叶ってしまえば、自分の人生と引き替えるまでもなかったなあ……と、いささかあっけなく感じるかもしれません。(ほんとうに人生と引き替えるような願いというのは、もっと別物です。)

ともかく現状としては、欲しい物が手に入らなくて苦しい思いをしているでしょうが。いつか必ず手に入りますので、そこは心配ありません。

大人になって手に入れるのも一興

欲しい物は、いつ手に入れても遅いということはありません。
もちろんできれば早いうちに手に入れたいところですし、そうすれば人生の長い間それを楽むことができます。でも大人になって遅くなってから入手するのも、これはこれでよいものです。人生経験を積んで見聞が広がっていますから、子どもと取り組み方が違ってきます。

例えば昔、パソコンは理系少年にとって垂涎の宝物でした。
ある男は中学生のころに親からワンボードマイコン★を買ってもらいました。彼はパソコンマニアの少年がそのまま大人になったような奴で、とにかく最新ハードウェアのスペックに詳しくて、そういうことを話し出すともう目の輝きが違う。彼はシステム開発者として優秀でしたが、今は確かどこかの企業のネットワーク管理者をやってるはずです。

別の男は大学時代に初めてパソコンを触ってから、言語というものに異常な興味を持ち始め、NTTの研究所に勤めた後、今は未来検索ブラジルの取締役をやってます。

別の男は大学時代にゲームばかりやっていましたが、当時のスクェアソフトに入社してシナリオライターとして『ゼノギアス』の開発に携わりました。

欲しい物はすぐに手に入れられたなら、もちろん幸せです。
しかしながら大人になって遅くなってから入手しても、それはそれで、ひねりの加わったおもしろい人生を歩めるようです。いつか必ず手に入るのだから、今のすべてを犠牲にして手に入れるような無理はしないほうがいいです。焦らなくてもいいです。

★ ワンボードマイコン
パソコンのケースを開けると中に電子基板が入っていますが。昔はむき出しの電子基板だけが、堂々たる商品として――しかもかなりの高額で売られてました。マウスはもちろんキーボードもモニタもありません。付いているのは数字ボタンといくつかの8の字LEDとブザーだけ。プログラムはマシン語(単なる数字の羅列)を一つずつ、メモリに直接書き込んで実行させるものでした。これで何かできるわけではないし、役に立つわけでもない。ただコンピュータを動かしてみたい――理系少年の純粋な想いが結晶になったような製品でした。そういう時代でした。

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2012年08月07日

『人に読ませる技術-コラム・エッセイの王道』

世界楽器てみる屋のすだれです。
脱サラを予定しているお客さんからインタビューされました。このような話を個別に回答するのは無駄なので、記事として掲載しておきます。(私も世界楽器てみる屋みたいなお店を始めてみようか)と画策している人は参考にしてください。

『人に読ませる技術-コラム・エッセイの王道』

タイトルのとおり、読者に読んでもらえる文章を書くためのノウハウを説明した本です。

この本を読んだところでとても小説家にはなれそうにはありませんが、ちょっとした気の利いた文章を書くのには非常に参考になります。

読者に読んでもらうためにどんな文章を書けばよいのか。「読者の興味を引きそうな話題を楽しく提供する」ということはとうぜん重要ですが。それ以前に、読者に嫌われない文章を書く★1 ということが大前提だったりします。もちろんわざと嫌われるように書く人がいるはずもなく……ついついやらかしてしまうわけですが。これがけっこう多い。つか文章を書く勉強をきちんとしていない人は、まずやらかします。そしてそのことをはっきり指摘したノウハウ書もあまり見かけません。「人から嫌われる文章ってどんなのよ?」というところだけでも、この本は読んで損はないです。

それ以外にも「主題は一つに絞りこむこと」など、基本中の基本からいろいろ説明しています。
人に読ませるために文章を書かなければならない人は、ぜひこの本を読んでみてください。

ネットショップは文章が命

ネットショップは、最後の最後は文章が命なのですよ。
ネットショップはインターネットにウェブサイトを掲げて客を集めます。スタイリッシュなレイアウト★2 、大きくて見栄えのする美しい写真。そして楽器の販売なら説得力のある試聴サンプルなどを用意して、やってきたお客さんを魅了しショップに引きとめます。が、商品のどこが買いどころなのかきちんと説明するのは、最後の最後は文章です。「ギターなんてどこでも売ってる。もっと安売りしている店だってある。なのになんでわざわざあなたの店でギターを買わないといけないの?」「そもそも私はギターなんか興味ないんですけど。なのになんでわざわざあなたの店でギターを買わないといけないの?」★3 というところをきちんと説明できないと、商品は売れません。

楽器など趣味の商品を紹介するならやっぱり、わかりやすく楽しげな文章が似合っているでしょう。というと、いきなりおちゃらけた口調の文章を書いたりする人がいますが。そういうわけでもなくて。「えっそれってどういうこと?」と興味を引いたり、はっと気づかせるなどの仕掛けを使ったりします。このへんネットショップの文章は娯楽の読み物――コラム、エッセイ、小説、ライトノベルなどに極めて近いです。

★1 嫌われない文章
小手先の技術では専門用語を使わないとか。ここでネタをばらすともったいない、ぜひこの本を読んでみてください。「なるほどたしかに嫌らしい」という反例文がたくさん載っていて楽しめます。

★2 スタイリッシュなレイアウト
うちのウェブサイトのレイアウトはスタイリッシュではありません。私はそこは重要視していません。本質ではない、進化の可能性が閉ざされてしまう、フレーム表現やフラッシュ技術はgoogleが嫌う、独りよがりで鬱陶しい、など弊害が多いです。とはいえ客から見て、読みやすい使いやすいことは重要です。過去に一度、その手の仕事をしている友人のアドバイスを受けて、トップページのレイアウトを変更しました。

★3 なぜあなたの店で買わないといけないの?
これはネットショップに限らず販売店を営む上で最重要な課題です。他には「うちに楽器を買いに来る客は、本当は楽器を演奏したいわけじゃない」とか。

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2012年07月30日

ネットショップのコツについて 2

世界楽器てみる屋のすだれです。
脱サラを予定しているお客さんからインタビューされました。このような話を個別に回答するのは無駄なので、記事として掲載しておきます。(私も世界楽器てみる屋みたいなお店を始めてみようか)と画策している人は参考にしてください。

ビジネス書をたくさん読むべし

知識があって困ることはありません、暇さえあれば本を読むべきです。今から独りでビジネスを始めようというのですから、開業・開店の知識は絶対に必要です。たくさんのビジネス書を読むべきです。

自分のビジネススタイルを決めよう

たこ焼き屋台を開くにしろウェブページデザイナーになるにしろ、自分のビジネススタイルをはっきり決める必要があります。ビジネススタイル――私はこんな風に仕事をする、私のお店はここが大切、という方針です。たこ焼き屋なら例えば「豊富なバラエティーで圧倒するのだ」とか「ぐうの根も出ないおいしさを追求するぞ」とか「絶対に客を待たせず且つ出来たてのほやほやを提供します」とか。ちょっと変化球気味に「たこ焼きを食べながら今まで知らない者どうしだったお客さんたちが楽しく歓談できる。そんな憩いの場があればいい」とか。ここで「もちろん私は全部だ!」と言う人は失敗します。という事もいろんなビジネス書に書いてますから、読んで考えを改めてください。

ビジネススタイルはたくさんあります。まったく正反対のビジネススタイルもあります。曰く「お客さまは神さま、徹底的に媚びへつらって可愛がってもらいましょう」「客は無知な初心者だ。商品をとおして啓蒙・教育しなければならない」。どのビジネススタイルが優れている、というのはなくて、極めればどんなスタイルでも力を発揮するものです。自分に合ったビジネススタイル――自然体で実践できて、毎日どれだけがんばってもイヤにならないスタイルがいちばんです。本屋の棚に並ぶビジネス書に手当たり次第に目を通しましょう。たくさんありすぎるので、面白そうなタイトルで選んでもいいと思います。序章と第一章を読んでピンとくる本だけしっかり読むといいと思います。

『金持ち父さん貧乏父さん』は必読

『金持ち父さん貧乏父さん』は必読です。
日本の学校はサラリーマンを育てるために教育しているので、卒業した私たちにはいくつかの大切な知識が決定的に欠けています。

例えば、ふつうの人が思いつく仕事というのは、自分の手を動かす仕事ばかりです。この手の仕事の本質は「自分の人生の切り売り」であってどうしても儲かりません。(どれだけ高く売ったところで在庫に限りがありますからね。)この手の仕事のスターは個人経営の開業医ですが……それでもビル・ゲイツのような大富豪には絶対になれません。

私たちはサラリーマンになるように育てられましたから、他人に雇われ使用される以外の選択肢を思いつくことができません。強引に独立開業したところで失敗し……結局サラリーマンに戻ってしまう。そうなるように育てられています。

私たちには独立開業するための知識が決定的に欠けています。『金持ち父さん貧乏父さん』は必読です。

意外な本が役に立つ

他にどんな本を読めばよいか……それは業種によりますが、意外な本が役に立ちます。つかたいていの出版物は何らかの役に立つものです。風俗業の経営者にとっては、アダルト誌だって貴重な情報源ではありませんか。某ゲームメーカーの休憩室にはいつも最新刊の少年誌・少女誌が準備されていましたっけ。

私自身、ライトノベルを乱読していて、これらは「業務に関係あり」としてすべて経費にしています。いやマジな話、くだけた文章・読みやすい楽しい文章を書くために必要です。文章は読まないと下手になります。また精神年齢を下げておくという意味もあります。

だから私としては漫画もほんとうは経費にするべきだと考えていますが……いざ税務署から問われたときに強く押せない性格なので、諦めてます。

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2012年07月12日

世界楽器てみる屋のバイブル

世界楽器てみる屋のすだれです。
脱サラを予定しているお客さんからインタビューされました。このような話を個別に回答するのは無駄なので、記事として掲載しておきます。(私も世界楽器てみる屋みたいなお店を始めてみようか)と画策している人は参考にしてください。

【どうしたら世界楽器てみる屋のようなお店を作れるか】

どうしたら世界楽器てみる屋のようなお店を作れるか、という質問にはとても一言では答えられませんし、かりに細かな話をどこまで積み上げたところで、はたして他のお店に応用が利くものかどうか微妙なところです。それよりもこちらの本を読んでください。小阪裕司の『あなたにもできる「惚れるしくみ」がお店を変える!』です。

脱サラした私が(次は通信販売をしてはどうだろう?)と夢想していた時期、けっこうな数のビジネス書を読みあさって見つけました。小阪さんが提唱している”ワクワク系マーケティング”について説明した初期の一冊です。これを読んだ瞬間にてみる屋が誕生したといっていい。以来、彼の著書はてみる屋のバイブルであり、てみる屋は古今一貫して”ワクワク系マーケティング”に沿って運用されています。

これは小阪さんのほんとうに初期の本です。
”ワクワク系マーケティング”の着想は得たものの、具体的にどうすればいいか今一つわからない。わからないがこれは絶対にいける、いけるはず!と若い情熱と使命感?だけで書き綴った一冊です。読み物としては彼の著書の中ではいちばん走っていて面白い。ただしあまり実用的な内容ではないので、これを読んで「うんわかる、これならいける!」と共感した人は、彼の後続の本を読むといいです。同じ話をあちこちで繰り返していたりしますが…自分の理解を再確認できて良し、というくらいに受け止めてあげてください。この本に出会えなければてみる屋もありえなかったわけで、私にとってはプライスレスなのですよ。

ビジネススタイルにはいろいろあります★ 。
どのやり方がいちばん優れている…というのはなくて、やっぱり自分が自然体でがんばれるビジネススタイルがいちばん強いでしょう。

『あなたにもできる「惚れるしくみ」がお店を変える!』を読んでもピンとこなかった人、(なんだか面倒くさいなあ)と思ってしまった人には”ワクワク系マーケティング”は向きません。

別にそれはそれでもよくって、とにかくたくさんのビジネス書を読んで「私ならこれだ!」という一冊を見つけるといいです。

★ いろいろなビジネススタイル
それぞれのビジネススタイルに優劣はない、と私は原則的には考えていますが。とんでもないビジネス書もありますから気をつけて。

明らかにクレーマー体質の人が自分の傍若無人さを正当化するために書いたような本がありました。そのビジネススタイルは『徹底的に客に媚びへつらうこと』。本の冒頭で「私のセミナーに参加した店はみんな確実に顧客の数を増やしている!」と豪語していますが。そりゃそうでしょう、他の店で不当な扱いを受けた(と自分だけが信じている)クレーマーたちが喜んで集まりますからね。しかしそうやって集めたクレーマーたちの不平不満ばかりが飛び交うお店なんて…毎日が地獄だと思いますけど?

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ネットショップのコツについて

世界楽器てみる屋のすだれです。
脱サラを予定しているお客さんからインタビューされました。このような話を個別に回答するのは無駄なので、記事として掲載しておきます。(私も世界楽器てみる屋みたいなお店を始めてみようか)と画策している人は参考にしてください。

【ネットショップのコツについて】

私は脱サラしてから世界楽器てみる屋しかやったことがありません。だからコツは?と聞かれても、それが通信販売の全般的なコツなのか、うちの店に限定されるコツなのか、判然としないのです。とにかく私がてみる屋を運営する上で気をつけていること・心がけていることを説明します。

状況を常に観察し、変化にどう対処するか常に考える

今のご時世なのか私が属している市場の特性なのか、とにかくあらゆる状況・条件が変化していきます。てみる屋の年商を支えていた売れ筋の商品が、大資本の参入によりデタラメな価格競争に巻き込まれたり、工房が閉鎖してどうしょうもなく販売中止になったりしました。一方で、一年間まったく売れなかった商品が、あれよあれよというまに大人気の在庫切れの予約山積みになったりしたともありました。状況は良くもなるし悪くもなります、とにかくどんどん変化します。だからそれに振り落とされずついていく、できれば上手く利用してより大きく儲けることを狙います。

毎日が学ぶことと考えることの連続です。ですから学ぶこと・考えることが嫌いで億劫な人は…通信販売に手を染めても失敗するだろうと憶測します。少なくともてみる屋を運営することはできません。

ただしそれが辛いかというと…私に限ってはまったくそうでもありません。もともと頭を使うことが好きな性分ですし、そこはゲーム感覚★1 なのですよ。現実の日本マネーをかけて『モノポリー』をやってる感覚です。

自分が現場で働いてはならない

『状況を常に観察し、変化にどう対処するか常に考えること。』
この大原則から演繹すると、自分が現場で働いては駄目だということが分かります。自分は店長、お店でいちばん偉い人です。いちばん偉い人は頭を使って働くのが仕事です。現場で手を使って働いてはいけません。現場で働くサラリーマンがどれだけ毎日パンパンか、みなさん実感しているでしょう。なのに、そのうえ更に「今後、我が社は国内需要を拡大するべきかそれとも海外進出するべきか」なんて会社の戦略を考える暇なんてどこにもありません。

不幸にも(と、ここでは敢えて言いますが)手に価値を生み出すスキルを持っている人は、ついそれに頼ってしまいます。楽器を演奏できる人はコンサートを開いて食べていくことを夢見ますし、楽器を製作できる人は自作楽器の販売で生計を立てることを目論みます。このようについ、自分の手を使って働いてしまいますが…それはどちらかというと下策です。このやり方だと、状況の変化を観察しどう対処すべきか考える人がいない。いつか時代に取り残され廃業することになります。

「いや私は自分で手を動かすことが好きなのだ」という人は、それはもう仕方ありませんから、自分が現場で手を動かして働くとして。ただし必ず、自分の代わりに観察し考えてくれる人を用意します★2 。

商売の拡大に尽力する

自分のお店がより大きくなるように、より儲かるように、貪欲に努力します。バブルの時代とは違います。上を目指してがんばってやっと現状維持です。最初から現状維持なんて怠惰な目標を掲げていては、あっという間に失速して廃業です。

拝金しましょう。「お金なんて要りません」と口にしたとたん、お金は逃げていきます。「貧乏は嫌だ、もっともっとお金が欲しい」といつも口に出して唱えます。自分に言い聞かせます。「それって儲かるの?」というのが私の最近の口癖です。自分の今の行動はどのくらい金儲けに繋がっているのか?、と常に自分を監視します。遊ぶにしても、同じ遊ぶならお金が儲かる遊びをします。当然、まったくお金にならない行動もありますが…そのときは「私は今時間を無駄にしている」と自覚して行動するようにします。

★1 ゲーム感覚で商売する
ダニエル・ピンク著の『モチベーション3.0』によると、人間(やチンパンジー)は楽しんで作業するほど…極端に言うと遊び感覚で作業するほど、創造的な結果を生み出すそうです。それは私自身も実感しています。”遊ぶ”といってももちろん、TVを眺めたり遊園地に行ったりカラオケで騒いだりといった暇つぶしのことではありません。カードゲームやボードゲームのように、ありったけの知恵を振り絞り次の一手を差すような、頭脳型の遊びのことです。

★2 代わりに観察し考えてくれる人を用意する
『状況を常に観察し、変化にどう対処するか常に考える』というのが絶対に怠ることのできない作業です。ですからいちばん理想的なのは、自分は観察し考えることに徹して、現場で手を動かして働くのは他の人に任せることです。頭脳型ゲームの好きな人ならこの立ち位置でも十分に人生を楽しむことができるはず。ものっすごくおもしろいです。

しかし「どうしても自分の手を動かして働きたい」もいるでしょう。そういう人は、自分の代わりに観察し考えてくれる友だちとタッグを組みます。

たとえばギターを演奏して食べていきたい人は、自分の上にマネージャを立てます。理想なのは自分でレコード会社を設立して、社長を雇い、会社でたくさんのバンドを抱えます。自分はというと会社のオーナーなわけですが…同時に会社が抱えているバンドの一つになって、月に一度のペースでコンサートしたり、CDを発売したりする。これなら会社から金が入ってくるので日々の飯代を心配することもないし、だから存分にギターの演奏に専念することができます。

たとえばギターを製作して食べていきたい人は、自分の上に工房長を立てます。理想なのは楽器販売会社を設立して、社長を雇い、会社でたくさんの楽器メーカーや工房と取引します。自分はというと会社のオーナーなわけですが…同時に会社が取引している楽器工房の一つになって、毎日せっせとギターを製作し納品します。これなら会社から金が入ってくるので日々の飯代を心配することもないし、だから存分にギターの製作に専念することができます。

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