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ネットショップのコツについて

世界楽器てみる屋のすだれです。
脱サラを予定しているお客さんからインタビューされました。このような話を個別に回答するのは無駄なので、記事として掲載しておきます。(私も世界楽器てみる屋みたいなお店を始めてみようか)と画策している人は参考にしてください。

【ネットショップのコツについて】

私は脱サラしてから世界楽器てみる屋しかやったことがありません。だからコツは?と聞かれても、それが通信販売の全般的なコツなのか、うちの店に限定されるコツなのか、判然としないのです。とにかく私がてみる屋を運営する上で気をつけていること・心がけていることを説明します。

状況を常に観察し、変化にどう対処するか常に考える

今のご時世なのか私が属している市場の特性なのか、とにかくあらゆる状況・条件が変化していきます。てみる屋の年商を支えていた売れ筋の商品が、大資本の参入によりデタラメな価格競争に巻き込まれたり、工房が閉鎖してどうしょうもなく販売中止になったりしました。一方で、一年間まったく売れなかった商品が、あれよあれよというまに大人気の在庫切れの予約山積みになったりしたともありました。状況は良くもなるし悪くもなります、とにかくどんどん変化します。だからそれに振り落とされずついていく、できれば上手く利用してより大きく儲けることを狙います。

毎日が学ぶことと考えることの連続です。ですから学ぶこと・考えることが嫌いで億劫な人は…通信販売に手を染めても失敗するだろうと憶測します。少なくともてみる屋を運営することはできません。

ただしそれが辛いかというと…私に限ってはまったくそうでもありません。もともと頭を使うことが好きな性分ですし、そこはゲーム感覚★1 なのですよ。現実の日本マネーをかけて『モノポリー』をやってる感覚です。

自分が現場で働いてはならない

『状況を常に観察し、変化にどう対処するか常に考えること。』
この大原則から演繹すると、自分が現場で働いては駄目だということが分かります。自分は店長、お店でいちばん偉い人です。いちばん偉い人は頭を使って働くのが仕事です。現場で手を使って働いてはいけません。現場で働くサラリーマンがどれだけ毎日パンパンか、みなさん実感しているでしょう。なのに、そのうえ更に「今後、我が社は国内需要を拡大するべきかそれとも海外進出するべきか」なんて会社の戦略を考える暇なんてどこにもありません。

不幸にも(と、ここでは敢えて言いますが)手に価値を生み出すスキルを持っている人は、ついそれに頼ってしまいます。楽器を演奏できる人はコンサートを開いて食べていくことを夢見ますし、楽器を製作できる人は自作楽器の販売で生計を立てることを目論みます。このようについ、自分の手を使って働いてしまいますが…それはどちらかというと下策です。このやり方だと、状況の変化を観察しどう対処すべきか考える人がいない。いつか時代に取り残され廃業することになります。

「いや私は自分で手を動かすことが好きなのだ」という人は、それはもう仕方ありませんから、自分が現場で手を動かして働くとして。ただし必ず、自分の代わりに観察し考えてくれる人を用意します★2 。

商売の拡大に尽力する

自分のお店がより大きくなるように、より儲かるように、貪欲に努力します。バブルの時代とは違います。上を目指してがんばってやっと現状維持です。最初から現状維持なんて怠惰な目標を掲げていては、あっという間に失速して廃業です。

拝金しましょう。「お金なんて要りません」と口にしたとたん、お金は逃げていきます。「貧乏は嫌だ、もっともっとお金が欲しい」といつも口に出して唱えます。自分に言い聞かせます。「それって儲かるの?」というのが私の最近の口癖です。自分の今の行動はどのくらい金儲けに繋がっているのか?、と常に自分を監視します。遊ぶにしても、同じ遊ぶならお金が儲かる遊びをします。当然、まったくお金にならない行動もありますが…そのときは「私は今時間を無駄にしている」と自覚して行動するようにします。

★1 ゲーム感覚で商売する
ダニエル・ピンク著の『モチベーション3.0』によると、人間(やチンパンジー)は楽しんで作業するほど…極端に言うと遊び感覚で作業するほど、創造的な結果を生み出すそうです。それは私自身も実感しています。”遊ぶ”といってももちろん、TVを眺めたり遊園地に行ったりカラオケで騒いだりといった暇つぶしのことではありません。カードゲームやボードゲームのように、ありったけの知恵を振り絞り次の一手を差すような、頭脳型の遊びのことです。

★2 代わりに観察し考えてくれる人を用意する
『状況を常に観察し、変化にどう対処するか常に考える』というのが絶対に怠ることのできない作業です。ですからいちばん理想的なのは、自分は観察し考えることに徹して、現場で手を動かして働くのは他の人に任せることです。頭脳型ゲームの好きな人ならこの立ち位置でも十分に人生を楽しむことができるはず。ものっすごくおもしろいです。

しかし「どうしても自分の手を動かして働きたい」もいるでしょう。そういう人は、自分の代わりに観察し考えてくれる友だちとタッグを組みます。

たとえばギターを演奏して食べていきたい人は、自分の上にマネージャを立てます。理想なのは自分でレコード会社を設立して、社長を雇い、会社でたくさんのバンドを抱えます。自分はというと会社のオーナーなわけですが…同時に会社が抱えているバンドの一つになって、月に一度のペースでコンサートしたり、CDを発売したりする。これなら会社から金が入ってくるので日々の飯代を心配することもないし、だから存分にギターの演奏に専念することができます。

たとえばギターを製作して食べていきたい人は、自分の上に工房長を立てます。理想なのは楽器販売会社を設立して、社長を雇い、会社でたくさんの楽器メーカーや工房と取引します。自分はというと会社のオーナーなわけですが…同時に会社が取引している楽器工房の一つになって、毎日せっせとギターを製作し納品します。これなら会社から金が入ってくるので日々の飯代を心配することもないし、だから存分にギターの製作に専念することができます。

楽器があればもっと楽しい毎日
» 変わった楽器、珍しい楽器の販売は世界楽器てみる屋

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コメント

この記事の中の話でいちばん軽視され無視されがちなのは、
『自分が現場で働いてはならない』というルールでしょうか。

現場で働くと考える時間がなくなります。状況の変化に対応することができなくなり、問題を解決することができなくなります。『自分が現場で働いてはならない』というルールに違反し潰れていったお店の話はいくらでも耳にしますし、私自身も見てきました。実際まさに今、潰れていこうとしている人を見ています…なぜか頑なに自分のスタイルを守り他人の話に耳を貸さないので、どうしょうもない。世の無常に感じ入るばかりです。

で私はというと、
たった一人でてみる屋を運営しているわけですから…もうばりばり現場で働いてますさ。
もちろん非常に危険な状態ですよ。そしてそのことが分かってますから、日常業務に忙殺される時間と未来の事を考える時間が当配分になるように工夫しています。今のところなんとか持ちこたえています。

でも注文が増えてきてそろそろ限界です。
人を雇う必要があります。こうしててみる屋は少しずつ形を変えていきます。

いざ書いてみるといかにもありきたりな教科書的な話になりました。が結局、それが王道というか。基本に忠実に、というのがやっぱり大切なのですよ。

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