-- リトルミンストレル(3) --

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2010年07月30日

今日から吟遊詩人 補足2

花びらの形の愛らしいハープ、リトルミンストレルで好きな曲を伴奏つきで演奏しましょう。
» リトルミンストレルを弾いてみた

リトルミンストレルの弾き方教室第13回、ファの音の伴奏について補足します。

リトルミンストレルには伴奏のルールがあって、ルールに従って弾けば、知っている曲に伴奏をつけて演奏できます。既にひととおりの説明が終わって、みなさんは知っている曲に伴奏をつけて演奏することができるようになったでしょう。前回から今回にかけて補足というか、知らなくても困らないが、知っているともっといい感じに演奏できるよ、という話をしています。

ラ・ド・ファ

» ラ・ド・ファの音

メロディーがファの音を奏でているときに、伴奏でラとドの音を弾きます。非常に明るい雰囲気に聞こえます。長調で伴奏していてメロディーが「ファーーー」と鳴っているとき、積極的に使ってみるといいです。

シ・レ・ファ

» シ・レ・ファの音

メロディーがファの音を奏でているときに、伴奏でシとレの音を弾きます。中途半端な雰囲気です。先のラ・ド・ファのようにどーんと聞かせるような使い方はしません。曲の途中にちょっとだけ挟むように入れます。「ファーレーミー」「ファーレードー」のように、メロディーがファとレを続けて弾くような場所で(ひょっとして…)と思い出してみてください。よく納まることがあります。

リトルミンストレルの弾き方教室はこれで終わり

リトルミンストレルの弾き方について、私が説明できることはぜんぶ説明したつもりです。あとは気がついたときに記事を追加していますね。

最後に種明かしするとこの伴奏のルールというのは、メジャーコードとマイナーコードと呼ばれるいちばん基本的なコード(和音)を、理屈が分からなくても誰でも使えるようにできないか…と工夫したものです。もちろん、素朴な民謡やフォークであればこれで十分実用になります。

しかしながら現代の曲の構造はもっともっと複雑ですし、すごい数のコードが存在します。ロックや途中で転調する曲などは、残念ながら伴奏のルールで演奏することはできません。そもそもリトルミンストレルは子どもの音楽教材で弦が11本しかありませんし半音もありませんし…

リトルミンストレルの演奏を足がかりに、音楽の奥深さと面白さを知っていただけたらと願っています。長らくおつきあいいただきありがとうございました。ではではまた。

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2010年07月23日

今日から吟遊詩人 補足1

花びらの形の愛らしいハープ、リトルミンストレルで好きな曲を伴奏つきで演奏しましょう。
» リトルミンストレルを弾いてみた

リトルミンストレルの弾き方教室第12回、低い音に伴奏をつける方法を説明します。

低いメロディーには高い音で伴奏をつける

リトルミンストレルには伴奏のルールがあって、ルールに従って弾けば、知っている曲に伴奏をつけて演奏できます。前回までずっと伴奏のルールについて説明して、ひととおりの説明が終わりました。おつかれさま。今回からは補足というか、知っていると得する話をいくつかします。

さて、伴奏は基本的にメロディーよりも低い音を鳴らします。これはメロディーが低い音―左手で弾いているあたりの音―を奏でるときに困ったことになります。メロディーよりも低い音がないので、伴奏ができません。

「是が非でも伴奏しなければならない」ということでもないので、メロディーが低い音を奏でているときには、伴奏を諦めるのも一つの解決策です。しかしメロディーの中に低い音が出てくるのは、だいたい曲の終わりが多いです。「ラーーー」で終わったり「ドーーー」で終わったり。この最後の締めの部分に伴奏がないのは、どうにもさびしい。

メロディーよりも低い音がないなら仕方ありません。メロディーよりも高い音で伴奏します。

低いドに伴奏をつける

メロディーが低いドの音を奏でているときに伴奏をつける方法です。右手と左手の役割を交代します。

  • 左手人差指で低いドの音を鳴らします
  • 右手人差指でソの音、中指でドの音を鳴らします

このとき3つの音を同時に「「「ポーン」」」と鳴らすよりも、「ポ」「ロ」「ロン」とずらして鳴らした方がハープっぽく聞こえます。
» 低いドの音に伴奏をつけてみた

低いラに伴奏をつける

メロディーが低いラの音を奏でているときに伴奏をつける方法です。右手と左手の役割を交代します。

  • 左手人差指で低いラの音を鳴らします
  • 右手人差指でミの音、中指でラの音を鳴らします

このとき3つの音を同時に「「「ポーン」」」と鳴らすよりも、「ポ」「ロ」「ロン」とずらして鳴らした方がハープっぽく聞こえます。
» 低いラの音に伴奏をつけてみた

低いシに伴奏をつけることはあんまりない

低いシの音にどうしても伴奏をつけなければならない、という状況はないと思ます。
「ドレミファソラシド」はすべての音が等価値ではなく、重要度や使い方が決まっています。「シーーー」で曲が終わることはありません。たいていシの後は「ドーーー」あるいは「ラーーー」に落ちつきます。
シの音はそういう、途中に現れる音です。

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2010年06月28日

今日から吟遊詩人 右手も伴奏に参加する2

花びらの形の愛らしいハープ、リトルミンストレルで好きな曲を伴奏つきで演奏しましょう。
» リトルミンストレルを弾いてみた

リトルミンストレルの弾き方教室第11回、印象がひっくり返って聞こえる伴奏を正しくする方法を説明します。

長調と短調がひっくり返って聞こえる現象

前回に左手の伴奏に加えて右手も伴奏に参加する方法を説明しました。右手が伴奏に参加することによって3本の弦が響きあい、いかにもハープらしい演奏になることが分かりました。同時に、長調で伴奏しているつもりなのに暗く聞こえる、逆に短調で伴奏しているのに明るく聞こえるという、長調と短調がひっくり返って聞こえる現象が起こることも分かりました。伴奏としてはそれも間違いではないのですが、自分の意図したとおりに伴奏できていないのが不満です。

右手も伴奏に参加して例題を演奏したときの問題箇所を見てみましょう。

» 右手も伴奏に参加して例題を弾いてみた

楽譜の?(1)の箇所は長調で伴奏しているつもりなのに暗く聞こえます。よく考えてみると、ドの音を伴奏するために1つ飛ばし隣の音―ラの音―を鳴らしている…こんなことをすればそりゃ短調で伴奏しているように聞こえるでしょう。

楽譜の?(2)の箇所は短調で伴奏しているつもりなのに、私には明るく聞こえます…うーんどうでしょう、これは人によってはそう聞こえないかもしれませんけど。私は気になります。

右手で伴奏しない、あるいは2つとばしの弦を弾く

伴奏の長調と短調がひっくり返って聞こえる現象について、対処法は2つです。

1つは、その問題箇所だけ右手で伴奏するのを止めること。
そうでしょう。右手で伴奏したらおかしくなったのだから、右手で伴奏しなければいいです。楽譜の?(1)の箇所はまさにそれです。なにもしなければいいのに、わざわざ右手で1つとばし隣のラの音を弾くから、長調のつもりが短調になって聞こえるのです。

2つは、その問題箇所だけ右手人差指で2つとばし隣の弦を弾きます。

「1つとばし、2つとばしで隣合う弦は響きあう」というルールを思い出してください。第1候補がだめなら第2候補を試します。ふつうは右手人差指はメロディーの1つとばし隣の弦を弾きますが、長調と短調がひっくり返って聞こえるときは、ここだけ2つとばし隣の弦を弾きます。これでまずなんとかなります。

右手も伴奏に参加して例題を演奏(改良版)

» 右手も伴奏に参加して例題を弾いてみた(改良版)

以上をふまえて例題を弾いてみました。どうでしょうか。私としては思ったとおりの印象にできあがったつもりです。

楽譜の(1)の箇所については、そこだけよけいな右手の伴奏を止めればOKです。でもそうするとメロディーのドの音しか鳴らないことになって、さびしいです。なので私はこのときだけ左右交代。左手でメロディーのドを弾いて、右手で高い音で伴奏をぽろんと入れました。こうすると華やかな感じになります。この方法は次回に説明します。

楽譜の(2)の箇所については、そこだけ右手人差指で2つとばし隣の弦を弾いて解決しました。さっきと違いは分かりますか。私としては、こっちの方が意図したとおりの印象です。

ああでもないこうでもないと試行錯誤する

ここで厳しくもあり楽しくもあるのが、どのように伴奏しても間違いではない、ということです。答えは無数にありますから先生から「このとおりに演奏すれば安心です」といった保証をもらうことができません。今まで説明した私の伴奏も「私だったらこれがいい」というだけのことです。

逆に、どのように伴奏するかというところにその人の個性が表れます。例題についても「もっときめ細かく長調と短調を弾き分けた方が好き」という人もいるでしょうし「まるごと長調だけでばーんと演奏するのがかっこいい」という人もいるでしょう。

ヒントは長く時間をかけることです。
1つの曲を繰り返し演奏します。そうするとそのうち「ここが気になる?」という箇所が出てきます。そうしたらそこを修正します。何ヶ月も演奏しても気になるところが見つからなくなったら、それはまぎれもなくあなたの伴奏だと、胸を張って言っていいです。

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2010年06月23日

今日から吟遊詩人 右手も伴奏に参加する1

花びらの形の愛らしいハープ、リトルミンストレルで好きな曲を伴奏つきで演奏しましょう。
» リトルミンストレルを弾いてみた

リトルミンストレルの弾き方教室第10回、左手の伴奏に右手も参加するといかにもハープな音になります。

右手も伴奏に参加する

前回まで左手で伴奏しながらリトルミンストレルを演奏する方法を説明してきました。

  • 左手の人差指1本で伴奏する
  • リトルミンストレルのいちばん低いラ、シ、ドの音だけ使う
  • 伴奏には「長調で伴奏する」と「短調で伴奏する」の2とおりがある
  • 1曲の中で長調と短調の交互に伴奏するといい感じ

ただ正直な感想としては、効果はいまいち?といった印象です。それも仕方ない、メロディー1音と伴奏1音の合計2音だけでは、どうしたって表現が限られます。もう1音増えて合計3音になると効果がはっきりします。右手は中指1本でメロディーを担当していました。まだ4本の指が余っていますから右手も伴奏に参加しましょう。っても無理せず伴奏に参加するのは人差指だけです。

ここで「1つとばし、2つとばしで隣合う弦は響きあう」というルールを思い出してください。今、右手の中指でメロディーを弾いていますから、だからその1とばし隣の弦を人差指で弾けば、それだけで伴奏になります。

左手がぽーんぽーんと伴奏するタイミングで、右手の人差指もいっしょにぽーんぽーんと弦を弾きます。右手の人差指が弾くのはいつも、右手の中指が弾いている弦の1とばし隣の弦です。これでほぼいい感じに決まります。

» 右手も伴奏に参加して例題を弾いてみた

ハープらしく伴奏するコツ

伴奏するとき「「「ぽーん」」」とメロディーと同時に弾くよりも、「ぽ」「ろ」「ろん」とばらばらばらっと散らせて弾くと、いかにもハープっぽく聞こえますよ。

長調と短調が逆に聞こえることがある

「とにかく伴奏つきで弾けたらいい」というのであれば、ここで説明はひとまず終わりです。このままでも、きちんと演奏できるように練習すれば、パーティーの余興や宴会の隠し芸として人前で披露して拍手をもらえるでしょう。

でも私には気になるところがあります。
楽譜の?(1)のところ。私は「長調で伴奏」しているつもりです。なのになんだか暗い…ここだけまるで「短調で演奏」しているように聞こえます。そして?(2)のところは「短調で伴奏」しているのに妙に明るく聞こえて仕方ないのです。

「このままでも拍手がもらえる」というのは、お客さんが、私がどのように演奏しているつもりなのか分からないからです。伴奏としては間違ってはいませんから、(そういうアレンジなんだ?)とよい方向に解釈してくれるからです。

右手の人差指が伴奏に参加することによって、「長調で伴奏」しているのに暗く聞こえる、逆に「短調で伴奏」しているのに明るく聞こえる、という現象がときどき発生します。伴奏としては間違っていませんから、このままでもいいのですが。私は私の意図したとおりに伴奏したい。
次回に、このひっくり返って聞こえるのを正しくする方法を説明します。

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2010年06月14日

今日から吟遊詩人 左手で伴奏する3

花びらの形の愛らしいハープ、リトルミンストレルで好きな曲を伴奏つきで演奏しましょう。
» リトルミンストレルを弾いてみた

リトルミンストレルの弾き方教室第9回、1つの曲の中で長調で伴奏したり短調で伴奏したりします。

長調で伴奏したり短調で伴奏したり

前々回から左手で伴奏する方法について説明しています。
いちばん手前の低いラ、シ、ドの弦だけ使うこと。左手の人差指だけでゆっくりポーンポーンと弾くこと。弾き方には「長調で伴奏する」と「短調で伴奏する」の2とおりがあることを説明しました。

さて実際には、1曲ぜんぶを長調だけで伴奏したり、短調だけで伴奏したりすることは稀です。曲の中のここは長調あそこは短調と、交互に伴奏することが一般的です。曲のどの部分をどちらで伴奏すればいいのか。答えは無数にあって、理屈としてはどのように伴奏しても間違いではありません。だから曲のどの部分をどう伴奏するか、という判断に演奏者の個性が発揮されます。

曲の中のどこを長調で伴奏してどこを短調で伴奏すればよいか。
私は次のような手順で決めることが多いです。

  1. まず曲全体として、主に長調で伴奏するかそれとも主に短調で伴奏するか、方針を決める。なんどもメロディーを弾きながら「強いて言えば長調っぽいな」のように決める。
  2. 主に長調で伴奏すると決めた中でも「ここは絶対に長調」という部分を決める。あるいは主に短調で伴奏すると決めた中でも「ここは絶対に短調」という部分を決める。なんどもメロディーを弾きながら「他の部分を逆に伴奏したとしても、ここだけは絶対に長調だ(短調だ)」という部分を決める。
  3. その箇所の前の部分を逆に伴奏すればいいです。直前まで短調で伴奏しておいて、ここぞというところで長調で伴奏するとぱあっと明るく聞こえます。逆に直前まで長調で伴奏しておいて、短調に変化すると曲がぐっと引き締まります。

例題を長調と短調で伴奏する

私の考えたこと。
全体としては主に長調で明るく伴奏すればいいなと思いました。面倒くさいので、いっそ丸ごとぜんぶ長調で伴奏してもいいとさえと思いました。しかしぜんぶ長調で伴奏してしまうと、塩を入れ忘れたお汁粉のように締まりがなくなるだろうなとも思いました。一般的な話、1部分だけでも逆に伴奏するのがいいです。で、真ん中の部分を丸ごと短調で伴奏することにしました。
» 例題を長調と短調で交互に伴奏してみた

どうでしょう
あんまり深く考えていません。真ん中の部分だけ印象が違いますから、そこを逆に伴奏したらいいんじゃないかと考えただけです。もっときめ細かく、あちこちを長調で伴奏したり短調で伴奏したりするともっときれいになるかもしれませんが。面倒くさいです。みなさんも(自分ならこうするな)と、いろいろ試してみてください。CDやTVできちんとした演奏を聴いたことがあるなら、それを思い出しながら弾いてみるのもいいと思います。

ぱっとしない伴奏

前々回から「長調で明るく伴奏」「短調で暗く伴奏」と説明されていて、そう言われればそうかもしれないと思うが、ほんとうはぜんぜんピンとこない。と思っている人もいると思います。メロディー1音、伴奏1音の合計2音では、どうしても音が足りないです。音が3つになるとはっきり効果が現れます。次回は右手も伴奏に参加します。

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2010年06月06日

今日から吟遊詩人 左手で伴奏する2

花びらの形の愛らしいハープ、リトルミンストレルで好きな曲を伴奏つきで演奏しましょう。
» リトルミンストレルを弾いてみた

リトルミンストレルの弾き方教室第8回、前回に引き続き左手で伴奏する方法を説明します。

左手で弾く2つの伴奏方法

前回から、左手で伴奏しながらリトルミンストレルを弾く方法を説明しています。
左手はいちばん手前の低いラ、シ、ドの音しか鳴らさないのでした。そしてリトルミンストレルには「長調で伴奏する」「短調で伴奏する」という2つの伴奏方法があるのでした。

  • 長調で伴奏する…曲が明るく楽しい雰囲気になるように伴奏しよう、ということです
  • 短調で伴奏する…曲が暗くしんみりした雰囲気になるように伴奏しよう、ということです

2つの伴奏方法のうち「長調で伴奏する」は前回に説明しました。基本的にドの音ばかりで伴奏して、それでまずいところだけ代わりにシの音で伴奏するのでした。
» 長調の伴奏でドレミファソラシド

短調で伴奏する=ラの音で伴奏する

「短調で伴奏する」もそれとよく似ています。
短調で伴奏するには同じように、今度はラの音ばかりで伴奏します。しかし「隣どうしの弦をいっしょに弾いてはならない」というルールがありますから、右手がソとシの音(つまりラの両隣の音)を弾くときは、左手でラの音を弾くことができません。仕方がないからそのときだけ左手はシの音を弾きます。

  • 基本的に左手はラの音だけ弾く
  • 右手がソの音、あるいはシの音を弾いたときだけ、左手はシの音を弾く

» 短調の伴奏でドレミファソラシド

試しに例題を短調で伴奏してみる

例題を短調で伴奏しながら弾くとどうなるか。まずは聴いてください。
» 短調で伴奏しながら例題を弾いてみた

左手はいつもラの音ばかり弾きますが、ときどきはシの音も弾きます。左手は右手のように忙しく弾きません。ポーーーンポーーーンとえっちらおっちら弾きます。どうでしょう。長調で伴奏した場合よりも暗いしんみりした雰囲気がしませんか。
» 長調で伴奏するとこんな雰囲気でした

次回は1つの曲の中で長調で伴奏したり短調で伴奏したりします。

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2010年05月30日

今日から吟遊詩人 左手で伴奏する1

花びらの形の愛らしいハープ、リトルミンストレルで好きな曲を伴奏つきで演奏しましょう。
» リトルミンストレルを弾いてみた

リトルミンストレルの弾き方教室第7回、左手で伴奏する方法を説明します。

左手で弾くのはラ、シ、ドだけ

リトルミンストレルは右手でメロディーを弾きながら左手で伴奏します。左手は人差指一本で、いちばん手前のラ、シ、ドの3本の弦を弾きます。他の弦は弾きません、左手で弾くのはこの3本だけです。つまり、どんなメロディーのどんな音でもラ、シ、ドのうちのどれかで必ず伴奏できるということです、ほんとうです。

2つの伴奏方法

ではそのラ、シ、ドをどのように弾けばいいのか。それを説明するよりも、リトルミンストレルの2つの伴奏方法について説明したほうが分かりやすいでしょう。リトルミンストレルには伴奏の方法が2つあります。たったの2つだけですよ、「長調で伴奏する」か「短調で伴奏する」か。

長調とか短調とか、言葉は聞いたことがあるでしょう。交響曲第9番ニ短調とか。あるいは小学校の音楽の時間に「最後がドで終わる曲は長調です。長調の曲は明るい感じの曲です」「最後がラで終わる曲は短調です。短調の曲は悲しい感じの曲です」と習ったことを思い出しましたか。それがリトルミンストレルの2つの伴奏方法を概ね言い表しています。

  • 長調で伴奏する…曲が明るく楽しい雰囲気になるように伴奏しよう、ということです
  • 短調で伴奏する…曲が暗くしんみりした雰囲気になるように伴奏しよう、ということです

心配しなくても、2つの伴奏方法にはそれぞれかんたんなルールが決まっています。ルールどおりに弦を弾けば、それだけで伴奏したことになります。

長調で伴奏する=ドの音で伴奏する

長調で伴奏する、ということはつまり曲が明るい楽しい雰囲気になるように伴奏しよう、ということなのですが。これはどうすればよいかというと、一言で言うと「ドの音で伴奏します」ということになります。言葉どおりの意味です。左手で弾くのはドの音だけです。右手でメロディーを弾きながら、左手はひたすらドの音だけを弾きます。

とにかくやってみましょう。
右手でドレミファソラシドを弾きながら、いっしょに左手でドの音を弾きます。
» 長調の伴奏でドレミファソラシド(ひたすらドの音だけ弾く)

どうでしょう。なるほどこんな伴奏もありかなという気がしますし、なんだかおかしな所もあるような。「左手で弾くのはドの音だけ」と説明したが、一つ、大変な間違いがあります。「隣どうしの弦をいっしょに弾いてはならない」というルールを覚えていますか。これを無視していました。ドの音の両隣はシとレの音。だからつまり右手がシとレの音を弾くときは、左手でドの音を弾くことができないのです。

どうするのか。
仕方がないからそのときだけ左手はシの音を弾きます。これで長調で伴奏するルールは完璧になりました。

  • 基本的に左手はドの音だけ弾く
  • 右手がシの音、あるいはレの音を弾いたときだけ、左手はシの音を弾く

» 長調の伴奏でドレミファソラシド(完璧なルール)

試しに例題を長調で伴奏してみる

例題を長調で伴奏しながら弾くとどうなるか。まずは聴いてください。
» 長調で伴奏しながら例題を弾いてみた

右手のメロディーはもう大丈夫でしょうか。左手はいつもドの音ばかり弾きますが、ときどきはシの音も弾きます。左手は右手のように忙しく弾きません。ポーーーンポーーーンとえっちらおっちら弾きます。どうでしょう。なるほどこんなものかという気もしますし、これが明るく楽しい雰囲気か?という気もしますし。まだまだルールの説明の途中だからそうなのです。間違ってはいませんが、完全ではありません。

次回はリトルミンストレルの伴奏方法のもう1つ「短調で伴奏する」を説明します。一言で言うと「ラの音で伴奏します」ということです。

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2010年05月22日

今日から吟遊詩人 基本ルール

花びらの形の愛らしいハープ、リトルミンストレルで好きな曲を伴奏つきで演奏しましょう。
» リトルミンストレルを弾いてみた

リトルミンストレルの弾き方教室第6回。リトルミンストレルの伴奏ルールを説明するにあたり、まずは覚えておいてほしい基本ルールを説明します。2つあります。1つ目は、

隣どうしの弦をいっしょに弾いてはならない

実際に試してみましょう。どこでもいいですから、隣どうしの2本の弦をいっしょに弾いてみてください。ギーンと鳴ってとても美しい音には聞こえません。
» 隣の音をいっしょに鳴らしながらドレミファソラシド

これはつまりどいういうことかというと、曲を演奏しているとき、メロディーの音と伴奏の音が隣どうしになるような状況は極力避ける、ということです。メロディーがつらつらと、一瞬、伴奏と隣りあうのは問題ないのですが「ラ、ラ、ラーーーーッ」と長く伸ばすような状況で隣りあうと、汚さが目立つので避けるようにします。

1つとばし、2つとばしの弦をいっしょに弾く

2つ目のルールは逆です。隣どうしを避けた1つとばし、2つとばしの2本の弦をいっしょに弾くときれいな和音になります。

実際に試してみましょう。どこでもいいですから、1つとばし、あるいは2つばしの2本の弦をいっしょに弾いてみてください。きれいな和音に聞こえるでしょう。だから、メロディーと伴奏がこのような関係になる状況を積極的に作っていこう、ということです。
» 1つとばし低い音といっしょにドレミファソラシド
» 2つとばし低い音といっしょにドレミファソラシド

試しに例題を弾いてみる

まず、例題のメロディーを右手中指だけで弾いてみてください。次に今度は同じように中指でメロディーを弾きながら、いっしょに人差指で1つとばしの弦も弾いてみてください。このとき、ぜんぶの音でそれをやってしまうとごちゃごちゃになります。要所だけ…たとえば「ドレミーレドレーミソラーソー」の赤いところだけ「ポーン、ポーン…」と2本の弦で弾くといい感じになります。
» 1つとばし低い音を伴奏に例題を弾いてみた

ね、これだけでもうなんだか伴奏らしく聞こえます。というか西洋音楽がもともとそうなるようにできています。他の知っている曲でもいろいろ試してみましょう。

なんの計画もなく場当たり式にハモっているので今ひとつ統一感がありませんが… これに更にルールを追加していけば、立派な演奏になります。
次回は「明るく伴奏すること」と「暗く伴奏すること」を覚えます。

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2010年05月12日

リトルミンストレルが生産中止

リトルミンストレルは花びらの形を模したかわいらしいハープです。
北米の小学校の音楽教材なのですが、大人も楽しめる立派な楽器で、プロ・アマ問わずハープ奏者やライアー奏者から高い評価を受けています。

» リトルミンストレルを弾いてみた

これを製作しているラファエル・ワイズマンはもう老齢で、ついに今年2010年の7月に工房をたたむことを決意しました。今、リトルミンストレルを製作してくれる跡継ぎを探しているそうですが、期待は薄いようです。てみる屋も7月までにできるだけ在庫を抱えますが、限度があります。リトルミンストレルをほしい人は早々に購入しておいてください。それと「購入しておいてください」と言っておいてなんですが、7月以降は壊しても修理できる人がいません。既に購入されたお客さんも、ぜひリトルミンストレルを大切に扱ってください。

リトルミンストレルは元々は五音階に調律して、フィーリングで好きに弾いて楽しむ楽器です。
最近になって方向転換して、ドレミ音階に調律して知っている曲を弾くことをアピールするようにしてから、売り上げが少しずつ伸びてきていたところでした。またこれのためにブログにリトルミンストレルの弾き方教室を連載開始したのですが。販売中止する楽器のために延々と弾き方教室を連載するのは、なんとも割の合わない話です。とはいえ既に購入してくれたお客さんに対する責任がありますから、連載中止するわけにもいきません…
辛い展開になりました。

私自身、弾き方教室を完成させたい気持ちはあります。
リトルミンストレルを弾いていて私が見つけたのは、伴奏のルールでした。リトルミンストレルで伴奏するためのいくつかのルールがあって、それを覚えるとどんな曲でも自由に伴奏をつけて弾けるようになります。これはなんとしても書き残しておきたい。

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2010年05月10日

今日から吟遊詩人 例題

花びらの形の愛らしいハープ、リトルミンストレルで好きな曲を伴奏つきで演奏しましょう。
» リトルミンストレルを弾いてみた

リトルミンストレルの弾き方教室第5回、例題曲について。これからリトルミンストレルで伴奏するときのルールを説明しますが。理屈だけごろんと説明されてもよく分からないでしょう。例題曲を使って伴奏ルールを説明します。

例題曲は『Down By The Salley Gardens』

» プリントアウト用楽譜(pdfファイル)
» 『Down By The Salley Gardens』を聴いてみる

例題曲としてアイルランド民謡の『Down By The Salley Gardens』を使いましょう。これは知っている人も多いと思います。

知らない人は覚えてください。上の楽譜は読めなくてもいいです。試聴サンプルを聞いてメロディーを覚えてください。メロディーを覚えたら、あとはドレミのとおりにリトルミンストレルの弦を弾けばいいです。右手の中指1本でぽちぽち弾くことができたら、最終的にはこれに伴奏をつけてりっぱな演奏になります。
» リトルミンストレルで『Down By The Salley Gardens』を弾いてみた

弦の位置の覚えかた

どの弦がドの音だったか、どれがレの音だったか…一本一本覚えようとすると混乱します。まずドとソの弦だけしっかり覚えるのがいいです。そして他の弦は、ドとソとの位置関係で覚えます。「ミはドとソの真ん中」「ラはソのとなり」みたいに。

ドの位置はわりと覚えやすいです。実際、弾いていても間違いにくいです。

  • 手前から3本目
  • 奥から2本目

ソの弦は、サウンドホール(ハート形、クローバ型)との位置関係で覚えるといいです。どうしても見失いそうなら、マジックインキで弦に色を塗ってもいいかなと思います。ハープやライアーの弦はすごい数なので、所々に色のついた弦が張ってあります。

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