-- カンテレ(2) --

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2016年02月19日

ミカさんのカンテレでプラウダ高校のカチューシャを弾くには

カンテレはフィンランドのお琴です。
カンテレでロシア民謡の『カチューシャ』を演奏しました。

ツィターで誰かが「プラウダから戦車分捕った時にミカさんが調子こいて弾く曲w」と評していました。プラウダ高校「いいからKV返せ」

ガルパンはいいぞ

ミカさんとかプラウダ高校とかいうのはガルパンネタなのですが。ここは知ってる前提で本題に進みます。

知らない方はぜひ映画『ガールズ&パンツァー劇場版』を御覧ください。っとこれだけは言っておきましょう。ガルパンはいいぞ、と。

チューニングについて

使用するカンテレは11弦以上です。
10弦では足りません。11弦カンテレを使用する場合はFキーにチューニングします。チューニング・スイッチ搭載モデルであれば、5つのスイッチを全部倒します。スイッチのない素朴なカンテレであれば、低い音から順に以下のようにチューニングします。

» A,Bb,C,D,E,F,G,A,Bb,C,D

左手を覚えるのが練習のほとんど

動画ではコード奏法を駆使して演奏しています。
コード奏法とは、例えばドレミの和音を弾くとき、不要なレファラシの弦を左手で押さえて鳴らないようにして、右手でその付近の弦をまとめてじゃらーんと弾きます。
この曲では以下の6つの和音を使います。

コード奏法では、弾いてはいけない弦を左手で押さえているので、右手のアタリ判定がものすごく広くなります。このへん?と見当つけて親指で弾いても、だいたい正しい音にヒットします。拳を握ってピアノの鍵盤を叩いて、それでまともに演奏できる感じですか。(なんでこれでメロディに聞こえるのだろう?)と、弾いてる自分でも不思議に思うことがあります。

コード奏法は左手が動くようになりさえすれば 、ふつうのハープのように弾くよりも、ギターよりもずっと早く簡単に曲をマスターできます。「弦楽器に憧れたがこの歳で始めるのはもう……」と断念しているおじさんおばさんにお勧めします。

左手をガイドにメロディを探す

左手の動きをマスターできたら、それだけでじゃんじゃん弾いて歌の伴奏ができます。まあいいや。

ここからメロディを付けていくのですが。基本的にメロディの音は、左手で押さえていない弦――空いてる弦の音を多く使います。ですからまずはその辺から音を探します。といっても状況からして候補の音は2つほどしか残っていませんから、簡単なお仕事ですよ。

この、左手で押さえていない空いてる弦は、右手で弾きます。
私は下手なので、まずは親指一本で弾くと決めてます。ただし親指だけに拘るとかえって難しい箇所が出てくるので、そこは人差指で弾いてみたり、更に中指も使ったりします。これはもう臨機応変というか、まずは親指だけで弾いてみて、問題があればその都度工夫する感じです。

一方でメロディの流れでは、左指で押さえてる弦も弾く必要があります。これは、押さえてる指で弾きます。動画を見ると、ときどき左手の指が弦を引っ掻くような動作をしています。

重要なテクニック『譲り』と『取り戻し』

希にですが、右手で左手の音を弾きたい、同時に左手で右手の音を弾きたい、という状況が発生します。例えば左手はCの弦を押さえていて隣のDの弦は空いているが、できればCの弦を右手で弾いて、左手でDの弦を弾きたい、という状況です。

このとき、左手で一時的にDの弦を押さえて、Cの弦を空けて右手に『譲り』、右手でCの弦を弾きます。そして直後に左手でDの弦を弾いてすぐにCの弦を押さえ直して『取り戻し』ます。右手と左手で担当している音を一時的に取り替えるような操作なんですけど、分かりますか。

カチューシャでは「君無き里にも春は忍び寄りぬ」の「無き」と「寄り」の2箇所でこの技法を使います。

動画を見ると、左手の指が横に動いて、直後に右手の親指が辺りの弦をかき鳴らし、再び左手の指が元の位置に戻るという動作をしています。左手の指が元の位置に戻るときにも弦を弾いているのですが……それは見えにくいかもしれません。

実際に演奏してみないとピンと来ないかもしれません。
「右手と左手の音を一時的に取り替える方法がある」と、それだけ覚えておいてください。必要になったとき思いだしてもらえたら幸いです。

付録)カラオケの伴奏を用意しました

私が動画で演奏しているカンテレの伴奏を、カラオケにしてニコモンズに登録しました。使ってください。これは…著作権フリーなので、有料会員でなくてもダウンロードできるはずです。
»カラオケ-プラウダ高校のカチューシャ

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2016年01月26日

ミカさんのカンテレで継続高校のテーマ-サッキヤルヴェン・ポルッカ

カンテレはフィンランドのお琴です。
サッキヤルヴェン・ポルッカを演奏してみました。

ミカさんのカンテレでも工夫次第で弾ける

カンテレという楽器が日本で知られるようになったのは「2015年にアニメ『ガールズ&パンツァー劇場版』にて登場人物のミカが演奏したことによる」と、歴史の教科書に載ることでしょうきっと。既にWikipediaはアップデートされていますよ。もはや周知の事実でありますが、ここは敢えて言わねばなりますまい。ガルパンはいいぞ、と。

さて本題。
残念ながらミカさんの使っていたカンテレでは、映画のサントラを演奏できません。サントラは途中で転調しますし、ミカさんのカンテレはチューニングスイッチのない11弦の、いちばんシンプルなモデルだからです。

しかしながらサントラのとおりでなくてもよいなら、カンテレを専用に調律することによって、ミカさんのカンテレでもサッキヤルヴェン・ポルッカを演奏することができます。方法の詳細は別記事にまとめています。そちらをご確認ください。
»ミカさんのカンテレでサッキヤルヴェンを弾くには

オケとヴォーカルの音量バランスはエフェクタにお任せ

MeldaProduction社のMAutoVolumeは、バックのオケと、リードを取っているヴォーカルや楽器との音量バランスを自動で調整するVSTエフェクタです。バックの音が小さくなるとヴォーカルの音量を下げて、バックの音が大きくなるとヴォーカルの音量も上げます。

ヴォーカルの音量はきめ細かく調整されるものです。
バックに埋もれてしまわないように、かといって目立ちすぎないように。刻々と変わっていく音量バランスを自動でやってくれる便利なエフェクタが、このMAutoVolumeです。

今回はカンテレの音に使ってみました。
え?効果がよくわからない?ふつうに聞こえる?そう、ふつうに聞こえるという、ただそれだけのために、結構めんどうな手間がかかるのです。
»MeldaProduction社

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2016年01月15日

ミカさんのカンテレでサッキヤルヴェンを弾くには

kz160115.jpg

さっさと本題に入りましょうか。タイトルを見てこの記事を読んでる人には、今さら概説なんて不要でしょう。知らなくて読んでる人のために簡単に説明すると、「ガルパンはいいぞ」ってことです。

まず前提として、映画のサントラに使用されたサッキヤルヴェン・ポルカは、ミカさんのカンテレでは絶対にそのままでは演奏できません。★ サントラのアレンジは途中で転調しますし、ミカさんのカンテレはチューニングスイッチのない11弦の、いちばんシンプルなタイプだからです。

しかしながら映画のサントラのとおりでなくてもよいなら、チューニングを工夫することによって、ミカさんのカンテレでもサッキヤルヴェン・ポルカを演奏することができます。

チューニング

写真をご覧ください。
チューニングスイッチが付いているタイプであれば簡単です。高い音から3つのチューニングスイッチを倒すだけです。そうではなくて、ミカさんのと同様のチューニングスイッチのないタイプであれば、低い音から順に以下のようにチューニングします。

» A,B,C#,D,E,F,G,A,Bb,C,D

Audio Player

これはサッキヤルヴェン・ポルカ専用のチューニングです。こうすると他の曲は弾けなくなります。

そいういう意味で、ぱっとチューニングを戻せるチューニングスイッチ付きはとっても実用的っ、ぜひぜひ当店でお求めください。
»フィンランドのカンテレのカタログはこちら

演奏

カンテレは自分から見て、高い音の弦が手前に、低い音の弦が遠くになるように、テーブルや膝の上に置きます。

速いだけで、中身は繰り返しの多い簡単な曲です。
耳コピーでもマスターできるはずです。最初はいちばん高い音から始まります。最後のフィニッシュは、上の写真の×の弦を左指で押さえて、そのあたりの弦をまとめてじゃらーんとかき鳴らします。ミカさんも映画の中で同じことをやってますよ。

とりあえず、サッキヤルヴェン・ポルカの出だしのフレーズとフィニッシュだけマスターすれば、ミカさんの真似ができます、じゃらーん。

付録1)カラオケの伴奏を用意しました

私が動画で演奏しているカンテレの伴奏を、カラオケにしてニコモンズに登録しました。使ってください。これは…著作権フリーなので、有料会員でなくてもダウンロードできるはずです。
»カラオケ-継続高校のテーマ-サッキヤルヴェン・ポルッカ

付録2)MIDIファイルを用意しました

私の演奏動画を含む16パターンのMIDIファイルを用意しました。使ってください。これらは素材です、このまま聞いてもあまり楽しいものではありません。お手持ちの音楽ソフトでリアル音源を鳴らしたりエフェクタをかけたりして、オリジナルの伴奏を製作してください。
»biab160206.zip(MIDIファイル一式)

付録3)WAVファイルを用意しました

ミカさんが劇中で弾いているサッキヤルヴェン・ポルッカの出だしと、じゃらーんをWAVファイルにしました。Windowsの起動音にしたり、自分の動画作品の素材に使ってください。
»kantele00-160203.wav(サッキヤルヴェン)
»kantele01-160203.wav(じゃらーん)

★ そのままでは映画のサントラは弾けない
ミカさんのと同じカンテレだけは、外付けの半音スイッチを裏技的に使うことによって、映画サントラ版の『サッキヤルヴェン・ポルッカ』を演奏できます。これは外付けの半音スイッチが重要なので、他のメーカーのカンテレでは真似できません。

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2014年12月06日

北欧のカンテレ-この道-北原白秋

北欧フィンランドのお琴カンテレで北原白秋の『この道』を演奏しました。
運指は動画を一時停止しながら確認してください。コード進行を把握してしまえばそれほど難しい曲ではありません。

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2013年08月17日

カンテレ-大きな古時計

カンテレは北欧フィンランドのお琴です。『大きな古時計』を演奏しました。

曲について

『大きな古時計』は北米の民謡です。
作曲者はHenry Clay Workで、原題は『My Grandfather's Clock』。メロディの著作権はとっくに失効していますが、「大きなのっぽの…」という日本語の歌詞の著作権はまだ有効ですから、人前で歌ったりネットにアップするときは気をつけてください。

楽器について

北欧フィンランドのお琴カンテレは、元はテーブルの上に置いてちまちまとフィンランドの民謡を伴奏する小さな民族楽器でした。私が演奏しているのはウィングカンテレという、20世紀末に現れた新しいカンテレです。肩から下げてギターのように弾きます。

カンテレはコード奏法という珍しい奏法で演奏します。
ふつうの弦楽器のように鳴らしたい弦を弾くのではなくて、鳴らしたくない弦を左手で抑えて、右手で何もかも一緒くたにじゃーんと弾きます。コード奏法は弦の本数が少ない原始的なハープに見られる、古い時代の奏法です。

コード奏法の他にも、カンテレはふつうのハープのようにも弾きます。現在ではそちらが主流のようです。

CurveEQとGlissEQ

CurveEQはVoxengo社のイコライザです。
プロの音楽作品の雰囲気を自分の音楽作品にコピーするという、強力な機能を持っています。

今回はエニグマのCD『グレゴリアン』の雰囲気をコピーしてみました。エニグマ独特の澄んだ空気感を真似できたと思っています。

総じてCurveEQの効果は強すぎるので、別のイコライザを後ろに差して、もこもこする低音やきんきんする高音を抑える必要があります。

私はGlissEQを好んで使っています。このイコライザは、フィルタの掛かり具合を自動的に調節する機能を持っています。例えばもこもこする低音を抑えていても、高音のシンバルがバシーンと鳴った瞬間に低音を少し大きくして、全体的なバランスを取ろうとします。

「低音を抑えたクリアでそれでいて決して軽くない…」みたいな美味しいとこ取りの音を作ることができます。
» CurveEQとGlissEQのメーカーサイト

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2013年06月07日

カンテレ-赤い河の谷間

カンテレは北欧フィンランドのお琴です。赤い河の谷間を演奏しました。

カンテレの記事にコメントが入っていたので、久しぶりに引っぱりだして弾きました。カンテレは今のところ私が演奏できる唯一の弦楽器です。

独特の動きをする左手が攣りそうですが……慣れるとギターやハープよりもずっと簡単に曲を覚え演奏することができます。少なくとも私はギターでこの曲をこのように弾くことはできません。2~8倍ほど簡単★ です。

楽器はハードウェアとソフトウェアで楽器です

カンテレは、楽器本体は板にドレミファソラシドの弦を張っただけの、世界中で見かけるありふれた設計の弦楽器です。独特で個性的なのは演奏スタイルです。

だから私はカンテレとは、楽器本体ではなく演奏スタイルの名称だと理解しています。本国フィンランドの人が聞くと「はあ?」ってな理屈でしょうが。そのように理解しないと、カンテレのカンテレらしさというものをはっきり認識することができません。

ゲシュタルト心理学に基づいた錯覚・空耳を積極的に利用するトリッキーな演奏スタイル。演奏している本人すら(なんでこれで曲になって聞こえるんだ?)と狐につままれたような気分になってしまう。そんな摩訶不思議さを広めていきたい。

★ 2~8倍ほど簡単
初心者の練習時間に換算してそんな印象です。
つまり、初心者がギターで8日かかってマスターするレベルの演奏を、カンテレだと1日でマスターできるという。初心者が、という条件が重要です。ベテランであればどんな弦楽器の演奏者であれ、赤い河の谷間くらい即興で演奏できるでしょうから。

カンテレに肩入れする気持ちは分かるが8倍は言いすぎだろう、
と思われるかもしれませんが。そもそもギターって発音効率が悪いです。原則として、1つの音を鳴らすのに左右の指を1本ずつ計2本の指を必要とします。ハープなら2本の指で2つの音を鳴らせます。カンテレもハープに準じますが、体感として、更にその倍の音が鳴っているように錯覚させます。他にもいくつか理由があって、だいたい8倍ほど簡単だという評価になります。

もちろんいいことばかりではありません。
この世は等価交換。カンテレは11個の音しか出せませんし半音も出せません。ギターよりも表現力が圧倒的に低いです、きっと1/8くらい。

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2011年10月08日

ウィングカンテレの弾き方、伴奏のコツ

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第16回、メロディーの音を聞きとりやすいように伴奏するとベターです。
» 最近は『故郷』を練習しています。


伴奏とメロディーが渾然一体となった演奏

ウィングカンテレの演奏スタイルは(私の場合は特に)、伴奏をじゃんじゃん鳴らしながらその間にメロディーの音を鳴らします★1 。だから他の弦楽器―ハープ、ギターetc―のように、伴奏とメロディーがきれいに分かれて聞こえません。ごちゃごちゃに混ざって聞こえます。

それでもなんとなく曲になって聞こえるのは、いろいろ鳴りひびく音の中から的確にメロディーの音を聞きとることができる、高度な人間の聴覚機能に因るものです。ゲシュタルト心理学を積極的に利用するウィングカンテレは、とても興味深い楽器です。

とはいえ、ずっと同じ調子でじゃんじゃん伴奏されるとさすがに聞きとりにくい。メロディーが聞こえないこともあります。初めてその曲を聞く人にとっては尚更でしょう。

メロディーの音を聞きとりやすいように伴奏する

右手でじゃーんと伴奏を弾くとき、できるだけメロディーの音のあたりを狙って弾くといいです。よりはっきりメロディーが聞とれるでしょう。そんなに神経質にならなくてもいいです。「このへん?」と見当つけてざっくり弾くだけでも効果があります。たとえば、

  • メロディーが高い音の時は、高い音の方に寄って伴奏する
  • メロディーが低い音の時は、低い音の方に寄って伴奏する

と、おおざっぱに弾きわけるだけでも、かなりメロディーは聞きとりやすくなるはずです。

きちんとメロディーを弾いてもいいし、弾かなくてもいい

当たり前ですけど、きちんとメロディーを弾けばきちんとメロディーの音が聞こえます。他のふつうの弦楽器―ハープ、ギターetc―はみんな、そのように弾きます。きちんと伴奏を弾いて、きちんとメロディーも弾きます。もちろんウィングカンテレでもそのように演奏していいし、そうすると、雑味のない澄みきった音色になる効用もあります。

しかしながらウィングカンテレの魅力は、アタリ判定がでかい★2 というか、おおざっぱに弾いてもそれなりに様になるところだと、私は思っています。私のような弦楽器初心者でも、早くからそれらしい形に仕上がるので、楽しく遊べます。

伴奏とメロディーが渾然一体となった独特の音も、他の弦楽器では聞きません。珍しいといえば珍しい。せっかく北欧の珍しい楽器を弾くのだから、珍しい音を奏でたいです。ハープのような音がほしいなら、ハープを弾けばいいと思うのです。

今はよちよち弾いていますが、長年やっていればそれなりに上手になるだろうと、私は楽観していますよ。ハープやギターのようにぽろぽろと澄みきった音色を奏でる練習は、将来の楽しみにしておきます。今はおおざっぱにじゃんじゃん鳴らしています。

★1 伴奏の間にメロディーの音を鳴らす
じゃんじゃん伴奏を鳴らす間に、合いの手を挟む感じでメロディーの音を鳴らします。つまり演奏者の自覚としては、メロディーは断片的にしか弾いていません。曲によっては半分くらいしかメロディーを弾かないこともあります。どうしてこんなできちんとメロディーが聞こえるのか、弾いている本人がいちばん不思議だったりする。

★2 アタリ判定がでかい
思いだしてほしいのですが。凡そウィングカンテレ以外のすべての楽器で、「このへん?」と見当つけておおざっぱに弾いて、それでOKという楽器があるでしょうか。たとえばピアノを弾くとき、(ドの音って…このへんだっけ?)と手のひらでばあんと鍵盤を叩くようなものです。ギターはどうでしょうか。ウィングカンテレはそれでも様になります。

ウィングカンテレをコード演奏するとき、一本の弦のアタリ判定は4.9cm幅まで広がります。つまり(ドの音って…このへんだっけ?)といったとき、ウィングカンテレでは4.9cm幅の誤差が許容されるということです。見当つけておおざっぱに弾ける理由です。ちなみに我が家の小型ギターでは、4.9cm幅の中に6本の弦がぜんぶ入ってしまいますから、どれだけおおざっぱか分かろうというもの。

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2011年09月28日

ウィングカンテレの弾き方、一つの曲の練習期間

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第15回、3日ほど弾いて気になるところを思いつかなければ完成です。
» 最近は『故郷』を練習しています。

気の早い話ですがウィングカンテレで何か曲を練習していたとして、
「よし。この曲は完成した、もう弾けるようになった。」というのは、なにを以てそのように判断すればいいのでしょうか。「間違えずに弾けるようになったら、じゃない?」というのも判定基準の一つですが、私としては、それはちょっと甘々な判定基準なのです。

私の場合(ここはこうした方がいいかな……)とチラとでも思ったら、そこを修正・改善します。そして一定期間(3日~1週間)たっても気になるところが見つからないようなら、それでひとまず完成したことにします。あるいは気になるところがあっても、今の自分ではどうしようもないようなら、やはりそれでひとまず完成したことにします。

たとえば新しい曲を覚えはじめた最初は、コードを押さえる順番すら分かりません。だからそれを覚えるのが課題です。コードを押さえる順番を覚えて伴奏が弾けるようになっても、まだメロディーが入っていません。だから伴奏の隙間にメロディーの音を埋めていくのが課題です。

伴奏もメロディーも出来たら、形としては一応完成ですけど。弾いていて気持ちいいか、ということが重要です。少なくとも弾いている自分自身が気持ちよくなければ、他の人に聞かせても芳しくありません。いやだってせっかく珍しいカンテレを独りぼっちで練習しているのですから、ぜひ人前で披露したいし、あわよくば拍手だって欲しいところです。

(盛りあがるところはもっと強く弾いた方がいいな)
(だったら逆にその直前は、わざと弱く弾いてみるか?)
(どうにも左薬指が遅れる…こりゃ特訓だな。)

チラとでも(こうした方がいい)と頭をかすめたなら、そのとおりに修正・改善します。最初は修正するところだらけですが、だんだん思いつかなくなり、最後には3日~1週間たってもどこが悪いか分からない、特に気になるところがない、という状況になります。そうなったらひとまず完成です。

あるいは気になるところはあるのだが…今の自分の技能ではどうしょうもない、それどころかどうすれば良くなるのかさえ分からない。という状況に陥るかもしれません。残念な結末ですが、これはこれで完成です。だって、今はもうどしようもないのでしょう?

数年後に突然(あいや考え方が逆だった、ここはむしろこう?)みたいに、気になるところが見つかることもあります。そしたらそのとおりに修正・改善します。バージョンアップです。結局、長い目でみるといつまでも未完成なのです。「今はこれで良し」という暫定的な完成があるだけです。

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2011年09月25日

ウィングカンテレの弾き方、コードの覚え方

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第14回、私はこうしてコードを覚えました。
» 最近は『故郷』を練習しています。

カンテレは6つのコードが弾けます。たった6つしかないので、特にコードを覚える練習しなくても、いくつか好きな曲を練習していれば、いつのまにか覚えてしまうでしょう。

「ほぼどんなコードの流れでも弾けるようになった……ここらで完璧に覚えてすっきりするか」という段になって、初めてコードを覚える練習をすればいいかなと思ってます。やり方は掛け算の九九みたいです。Ⅰのコードを弾いて、Ⅱを弾いてⅠを弾く。Ⅰを弾いて今度はⅢを弾いてⅠを弾く。「ジャーン、ジャーン、ジャーン」てな感じです。

Ⅰのコードの練習…
Ⅰを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅱのコードの練習…
Ⅱを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅲのコードの練習…
Ⅲを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅳのコードの練習…
Ⅳを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅴのコードの練習…
Ⅴを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅵのコードの練習…
Ⅵを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅵを弾く

カンテレで演奏できるコードは6つしかありませんから、いくつか好きな曲を練習していれば、あらかた覚えてしまいます。カンテレを始めて3ヶ月あたりで、それまでの総まとめ的な意味で、コードを覚える練習をすればいいかなと思います。

カンテレを始めたばかりでいきなりコードの特訓をして「カンテレなんてうんざり。見るのもイヤ!」という結末だけは避けてください。最初は「カンテレって……なんだかおもしろい?」と実感するのがいちばん大切です。我ながら下手くそなんだけど、でもカンテレの音はいいよね。これで自在に弾けたらきっと楽しいだろうなあ、みたいな。

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2011年09月23日

ウィングカンテレの弾き方、左手の弾き方

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第13回、左手は弦を引っぱるように弾きます。
» 最近は『故郷』を練習しています。

ウィングカンテレの演奏では、左手は弦を押さえる役目です。またジャンジャンと伴奏を鳴らす合間に弦をはじいたりもする、なかなか忙しいです。左手はふつうは不器用ですから、左手ではじいた音はどうしても弱々しくなってしまいます。

左手で弦をはじくときは、指の先端(ほとんど爪ぎりぎり)で弦を引っかけて、ぐいと垂直に引っぱります。汚い例ですが、肌のかさぶたを爪で引きはがす感じです。

私の場合、そうでもしないと左手で右手に負けない大きな音を出せないのです。コクレの名手ライマ嬢も、DVDを観るとそのような左手の動きをしています。だからそんなに間違ってはいないと思っています。

ほとんど爪で弦をひっかく感じなので、ギーンという音になります。もっと艶やかで、そして大きな音を出す弾き方があればいいのですが。

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