-- カンテレ(2) --

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2011年09月25日

ウィングカンテレの弾き方、コードの覚え方

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第14回、私はこうしてコードを覚えました。
» 最近は『故郷』を練習しています。

カンテレは6つのコードが弾けます。たった6つしかないので、特にコードを覚える練習しなくても、いくつか好きな曲を練習していれば、いつのまにか覚えてしまうでしょう。

「ほぼどんなコードの流れでも弾けるようになった……ここらで完璧に覚えてすっきりするか」という段になって、初めてコードを覚える練習をすればいいかなと思ってます。やり方は掛け算の九九みたいです。Ⅰのコードを弾いて、Ⅱを弾いてⅠを弾く。Ⅰを弾いて今度はⅢを弾いてⅠを弾く。「ジャーン、ジャーン、ジャーン」てな感じです。

Ⅰのコードの練習…
Ⅰを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅱのコードの練習…
Ⅱを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅲのコードの練習…
Ⅲを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅳのコードの練習…
Ⅳを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅴのコードの練習…
Ⅴを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅵのコードの練習…
Ⅵを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅵを弾く

カンテレで演奏できるコードは6つしかありませんから、いくつか好きな曲を練習していれば、あらかた覚えてしまいます。カンテレを始めて3ヶ月あたりで、それまでの総まとめ的な意味で、コードを覚える練習をすればいいかなと思います。

カンテレを始めたばかりでいきなりコードの特訓をして「カンテレなんてうんざり。見るのもイヤ!」という結末だけは避けてください。最初は「カンテレって……なんだかおもしろい?」と実感するのがいちばん大切です。我ながら下手くそなんだけど、でもカンテレの音はいいよね。これで自在に弾けたらきっと楽しいだろうなあ、みたいな。

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2011年09月23日

ウィングカンテレの弾き方、左手の弾き方

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第13回、左手は弦を引っぱるように弾きます。
» 最近は『故郷』を練習しています。

ウィングカンテレの演奏では、左手は弦を押さえる役目です。またジャンジャンと伴奏を鳴らす合間に弦をはじいたりもする、なかなか忙しいです。左手はふつうは不器用ですから、左手ではじいた音はどうしても弱々しくなってしまいます。

左手で弦をはじくときは、指の先端(ほとんど爪ぎりぎり)で弦を引っかけて、ぐいと垂直に引っぱります。汚い例ですが、肌のかさぶたを爪で引きはがす感じです。

私の場合、そうでもしないと左手で右手に負けない大きな音を出せないのです。コクレの名手ライマ嬢も、DVDを観るとそのような左手の動きをしています。だからそんなに間違ってはいないと思っています。

ほとんど爪で弦をひっかく感じなので、ギーンという音になります。もっと艶やかで、そして大きな音を出す弾き方があればいいのですが。

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2011年08月26日

ウィングカンテレの弾き方、メンテナンス

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第12回、カンテレのメンテナンス(金属まわり)について。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました
» 練習を始めて3ヶ月目の『アメイジング・グレイス』

カンテレの金属部品は錆びます。
ペグと弦はそれほどでもない★1 のですが、バーが錆びます。蒸し暑い夏場はハードケースに収めていても真っ赤になります。

ネットで調べた感触として、涼しく乾燥したフィンランドでは、カンテレはそれほど錆びないようです。「鉄で出来ているんだから少しくらい錆びるでしょう」と、のどかなものです。もともとヨーロッパの人にとって、アジアの錆害は想像を超えているところがあります★2 。だからこの件は、私たち自身でなんとかするしかありません。

バーは太い鉄の棒で出来ています。だからこれの表面が錆びたからといって、すぐにカンテレがだめになるとは考えられません。しかし見た目は最悪だし、このまま錆が進むと…と想像すると気持ちのいいものではありません。一度錆を落として、表面保護剤でコーティングしておくといいでしょう。


用意するもの

錆落とし剤
ここで使用したのはギター用の『FERNANDES SCRATCH MENDER 946』
表面保護剤
ここで使用したのはギター用の『FERNANDES SURFACE PROTECTOR 956』
水糸
ここでは7号を使ったけど、もう少し細い方がよかったかも。
ハサミ、爪楊枝、ティッシュペーパー
ハサミは水糸を切るのに使う。爪楊枝は細かい作業用

バーの磨き方

  1. 水糸を1mくらい切る
  2. 切った水糸をバーにくるっと巻きつける
  3. 爪楊枝の先で錆落とし剤をすくいバーにこすりつける
  4. 水糸を両手で持ってバーをごしごし磨く
  5. 水糸の錆落とし剤の付いていない部分で更に磨く
  6. 水糸を新しいのに取りかえる
  7. 爪楊枝の先で表面保護剤をすくいバーにこすりつける
  8. 水糸でバーをごしごし磨く
  9. 水糸の表面保護剤の付いていない部分で更に磨く

弦の磨き方

せっかくの機会ですから、いっしょに弦も磨いておくといいでしょう。

  1. ティッシュペーパーを小さくちぎって錆落とし剤をつける
  2. 錆落とし剤をつけたティッシュで弦をごしごし磨く
  3. 新しいティッシュをちぎって、更に弦をごしごし磨く
  4. ティッシュペーパーを小さくちぎって表面保護剤をつける
  5. 表面保護剤をつけたティッシュで弦をごしごし磨く
  6. 新しいティッシュをちぎって、更に弦をごしごし磨く

★1 ペグと弦はそれほど錆びない
程度の問題でやっぱり錆びます。一度磨いて表面保護剤でコーティングしておくとしばらく錆びません。

★2 ヨーロッパの人はアジアの錆害を想像できない
そのような逸話はいくらでもあります。うちで販売しているドイツのカイサドラムも、初代バージョンは錆びました。

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2011年08月16日

カンテレの運指 『ほかほか十字パン』

『ほかほか十字パン』 はマザーグースに納められた歌の1つです。
英国では、磔にされたキリストの復活を祝う祭―イースター祭―の朝に、十字の入ったパンを食べるのが習わしです。

ほかほか十字パン、ほかほか十字パン
1つ1ペニー、いや2つで1ペニーだ
お嬢さんがいないなら息子さんに買っておあげ
ほかほかの十字パンだよ!

こんな歌を歌いながら十字パンを売り歩く商人の姿が、祭の朝の風物詩でした。今はスーパーで買った冷凍パンをレンジでチンして食べるとか。

ほかほか十字パン

ソーファーミー    ソーファーミー
ソファミレ ドレミファ    ソーソードー
レレレレ レードー    レドシラソー
ソファミレ ドレミファ    ソーソードー

かんたんな曲ですし、メロディーだけ弾けばいいのかなと思ってます。
それだけだと寂しいので、ときどきジャラーンと伴奏を入れます。

念のため左手は伴奏コードを押さえておきます。いつでも気が向いたらジャラーンと伴奏を入れられるように。それと、コードを押さえた左手が目印になって、弦を弾き間違えないという利点もあります。

伴奏はほとんどⅠ(ドミソ)のコードで、一部だけⅤ(ソシレ)のコードを使っています。これは楽勝でしょう。初心者が左手の練習をするのにちょうどいいです。私もカンテレを持ったら指慣らしにこの曲を弾きます。

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2011年08月09日

カンテレの運指 『アメイジング・グレイス』

11弦ウィングカンテレで 『アメイジング・グレイス』 を弾いてみました。
指の動きがよく分かるように、後半ゆっくり弾きました。(ゆーっくり弾くというのも意外に難しいものです。)

このアメイジング・グレイスの弾き方(の考え方)は、他にも応用が利きます。みなさんも自分で「はとぽっぽはどうなるんだろう」「ビートルズのレット・イット・ビーはいけるかな」みたいに、ああでもないこうでもないと遊んでください。

このへん私としては、雑誌の後ろに付いているクロスワードやナンバーズを解くのと同じ感覚だと認識しています。クロスワードやナンバーズと違うのは、完成したら人前で演奏してみせることができるということ。年末の隠し芸が今から楽しみですよ。

参考資料がアメイジング・グレイスだけではさすがに心許ないですから、これからもこんな感じでいろいろアップしていきますね。

伴奏について

伴奏は右手の親指で「ジャーン、ジャンジャーン」の繰りかえしです。使うコードはⅠ(ドミソ)のコードだけ、これ以上は簡単になりません。逆に、ほんとうはもっといろんなコードを使うといいです。もし余裕があれば「ここはⅤのコードを使った方がよくないか?」などと、いろいろ工夫してみてください。

メロディーについて

伴奏が「ジャーン、ジャンジャーン」と鳴っている隙間に、メロディーの音を埋めこんでいきます。このへん作業がほんとうにパズルっぽい。アメイジング・グレイスのメロディーは次のとおりです。

ソードー ミレドミー レードーラーソー
ソードー ミレドミー レミソー
ミーソー ミレドミー レードーラーソ
ソードー ミレドミー レードー

たいていの場合、伴奏をジャーンと鳴らした瞬間、伴奏の音の中にメロディーの音が既に含まれているものです。ここはもうOK。メロディーを弾いちゃったことにして、そのまま何もする必要はありません。

後は、伴奏と伴奏の合間・隙間に、メロディーとして足りていない音を埋めこんできます。
もしそれが左手の指で押さえている音なら…その、押さえている指ではじきます。薬指が地獄ですが、4ヶ月も遊んでいれば慣れますよ。私もだいぶ慣れました。

そうではなくて、左手の指で押さえていない音なら…右手の人差指ではじきます。
場合によっては、右手の親指や他の指ではじいてもいいです。でも、そうとう速い曲でも人差指1本でなんとかなることが分かっています。だから「右手も5本指ぜんぶで弾けるようにならなければ」みたいにヘンに気負う必要はありません。

”譲る” と ”取りもどす”

問題なのは、伴奏をジャーンと鳴らした瞬間、伴奏の音の中にメロディーの音が含まれない場合です。つまりメロディーの音を左手の指で押さえてしまっている、ということです。しかしそもそも左手の指で押さえているのは、今、鳴っては困る音のはずでした。「それっておかしいじゃん!?」という話なのですが…わりとよく発生する現象です。

この場合、問題の左手の指を弦から離して、左右どちらかの隣の弦を代わりに押さえます。つまり、左手の指で押さえていた音を、右手に ”譲る” のです。この状態でジャーンと伴奏を鳴らせばいいです。

しかし、 いつまでも右手に譲ったままジャンジャンと伴奏を鳴らしつづけると、これはこれでめちゃくちゃになってしまいます。だから用が済んだらすぐに元のとおり、左手の指で本来の弦を押さえなおします。つまり、右手に譲っていた音を ”取りもどす” のです。

上のYouTubeの演奏でも、この ”譲る” と ”取りもどす” は、何カ所か出てきます。ある所は ”譲る”→”はじく”→”取りもどす” なんてことをしています。慣れるとなかなか楽しいですよ、指の体操みたいで。

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2011年07月09日

ウィングカンテレの弾き方、コードの鳴らし方

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第11回、カンテレでコードを鳴らす方法。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました
» 練習を始めて3ヶ月目の『アメイジング・グレイス』

おさらい

ウィングカンテレでコードを鳴らす方法を説明する前に、ざっとおさらいしましょう。「西洋音階は1つ飛ばしに3つの音を鳴らすと必ずハモる」というルールでした。西洋音階はド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7つの音で出来ていますから、ドから始めて ”ドミソ”、レから始めて ”レファラ” のように、7つのコードが使えます。カンテレも西洋音階に調律されているので、同じ理屈で7つのコードを演奏することができます。

カンテレの演奏スタイルには2とおりありました。1つはふつうのハープやお琴と同じように弾くハープ奏法、そしてもう1つはコード奏法です。このカンテレ弾き方教室ではコード奏法について説明します。コード奏法はハープ奏法と考え方が真反対で、たとえば ”ドミソ” のコードを弾きたいときはド・ミ・ソの弦をはじくのではなく、鳴ってはいけないレ・ファ・ラ・シの弦を左手で鳴らないように押さえて、全部の弦をまとめてジャーンをかき鳴らすのでした。

カンテレで演奏できる6つのコード

カンテレで演奏できる6つのコードの押さえ方を下の図に示します。
これは11弦カンテレの例ですが、16弦カンテレ(実質は12弦カンテレ)も考え方は同じです。いちばん下の弦がいちばん低い音で、上にいくほど高い音になります。○を付けた弦を左手の5本の指で押さえて、右手の親指で全部の弦をまとめてジャーンと弾くとコードが鳴ります。

» カンテレの6つのコードをⅠから順に弾いてみた

上の方の高い音の弦は、ほんとうは押さえないといけないのですが…指の数が足りなくて押さえることができません。できるだけ弾かないようにしてください。私は気にせず弾きますけどねっ。

ちなみに『グリーン・スリーブス』は Ⅵ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ、Ⅵ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ→Ⅵ、Ⅰ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ、Ⅰ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ→Ⅵ です。ほんとうはもっと凝ったコード進行なのですが、6つのコードだけで弾くとこんな感じ?ジャーンジャーンの合間に右手の人差指や左手でポロポロ弾くといい感じです。

7番目のコードは使わない

「あれ、コードは7つあったはずでは?」と疑問に思いましたか。7番目のコード(Ⅶのコード)は使いません。ニンジンでもホウレン草でも端っこは切って捨てるでしょう。いちばん端っこのⅦのコードは壊れて使い物にならない★1 、とでも理解しておいてください。実際、Ⅰ~Ⅵの6つのコードを鳴らせるようになれば、ひととおりの曲を伴奏できるようになります。覚えることが1つ減ってよかった。

★1 Ⅶのコードは壊れて使い物にならない
学問的にはⅠ~Ⅵの6つのコードのうち、Ⅰ・Ⅳ・Ⅴのコードは仲間でみんな同じ構造をしています。どれもはっきりした明るい雰囲気です。また残りのⅡ・Ⅲ・Ⅵのコードも仲間でみんな同じ構造をしています。どれもはっりしない暗い雰囲気です。このようにコードは2つのグループ(メジャーとマイナー)にきれいに分かれます。なのに、Ⅶのコードだけがどっちともつかない特殊な構造をしている。ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シのいちばん端っこなので無理が生じるというか、期待どおりにいきません。音楽学校ではⅦのコードも含めていろいろと難しい説明をするのですが、日常生活では「Ⅶのコードは使い物にならない」と捨てるのが吉です。

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2011年07月06日

ウィングカンテレの弾き方、コードについて

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第10回、コードについてちょっとだけお勉強。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました

1つ飛ばしの3つの音は必ずハモる

きれいにハモって鳴り響く音の組みあわせことを和音(コード)といいます。
ここではコードと呼ぶことにします。”ドミソ” とか ”シレソ” とか、聞いたことだけはありますよね。西洋の音階は知ってのとおり ”ドレミファソラシド” なわけですが、その ”ドレミファソラシド” の音を使ってコードを作る―きれいにハモって響かせる―いちばん基本的なルールがあります。

1つ飛ばしの3つの音は必ずハモる★1

試しにカンテレを手に取って、どこでもいいから3本の弦を選んで同時にはじいてみてください。聞こえる印象はいろいろですが、確かに、どこをはじいてもハモって聞こえます。

たまたま偶然ではありませんし「音楽って不思議だね?」という話でもありません。1つ飛ばしに3つの音を鳴らすと必ずハモるように、大昔の人が知恵を絞って ”ドレミファソラシド” を発明したのです。よくこんなことを思いつきます。

ドレミファソラシドで7つのコード

さて、それではその ”ドレミファソラシド” を使って、最大いくつのコードを作ることができるでしょうか。あまり難しく考える必要はありません。ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7つの音で出来ていますから、7つのコードです。ちなみに高い音で弾いても低い音で弾いても、ドミソはドミソですよ。

  1. ドから始めて… ”ドミソ”
  2. レから始めて… ”レファラ”
  3. ミから始めて… ”ミソシ”
  4. ファから始めて… ”ファラド”
  5. ソから始めて… ”ソシレ”
  6. ラから始めて… ”ラドミ”
  7. シから始めて… ”シレファ”

カンテレは7つのコードを鳴らせる

カンテレの音階は西洋音階ですから★2 、上の説明のとおり、カンテレはぜんぶで7つのコードを鳴らすことができます。試しにカンテレを手に取って、いちばん低い音から3本ずつ順にはじいてみてください。ちなみにカンテレは低いソの音から始まりますから、コードは低い方からⅤ・Ⅵ・Ⅶ・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの並び順になります。
» カンテレの7つのコードを順に弾いてみた。

たった7つ…ちょっと心許ないですか?最近のJ-POPやアニソンなどは、もっとすごい複雑なコードをばんばん使いますが、たった7つの基本的なコードだけでも民謡、唱歌、昭和時代のフォークなど伴奏できます。J-POPやアニソンなどハイカラな曲だって、むりやり7つのコードを当てはめて伴奏できないこともないです。ちょっと野暮ったい感じになりますけど。

★1 1つ飛ばしの3つの音は必ずハモる
これは西洋音階 ”ドレミファソラシド” に限っての話です。他の国の音階(たとえば日本の音階)で同じことをしても上手くいきません。「だから西洋音楽が世界でいちばん優れているんだね?」という話ではなくて、ハモるのが大好きな西洋人が考えたから、そうなっただけです。独りで唄って小節をまわしたり唸ったりするのが大好きな国(日本もそう)は、そういう技が映える音階を生みだしました。「朝はトーストにミルク」「いやご飯に味噌汁だろ」という、それだけの話。

★2 カンテレの音階は西洋音階
細かいことを言うと11弦カンテレの場合、低い方から ”ソラシ ドレミファソラシド” と並んでいます。またニ長調に調律されているので、ふつうのハ長調の ”ドレミファソラシド” よりも1音高い ”ドレミファソラシド” です。「なんでそんな中途半端な?」と思うかもしれませんが、逆に、ハ長調の曲って少ないです。ハ長調は歌いづらいのですよ。女性には低すぎるし、男性には高すぎるし。ニ長調といえば、アイルランドの音楽―アイリッシュ・ミュージック―がニ長調をよく使います。

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2011年07月05日

ウィングカンテレの弾き方、演奏スタイル

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第9回、カンテレは2とおりのスタイルで演奏されます。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました

カンテレには大きく分けて2とおりの演奏スタイルがあります。

ハープ奏法

いわゆるハープや日本のお琴の弾き方です。鳴らしたい音を一つ一つ、指ではじいて鳴らします。複数の音―和音―を鳴らすときも、たとえばドミソなら三本の指でド・ミ・ソの弦を同時にはじいて鳴らします。世界中のほとんどのハープ族の弦楽器が、このスタイルで演奏されます。

コード奏法

複数の音―和音―を鳴らすときの発想が、ハープ奏法と反対です。たとえばドミソなら、鳴らしてはいけないレ・ファ・ラ・シの音を鳴らないように指で抑えて、ぜんぶの弦をまとめてかき鳴らします。人間の指の数が5本なので、操作できる弦の本数に限りがある。弦の数が10本前後のときに最も効果を発揮する…つまり、”小型の素朴な弦楽器”に向いた演奏スタイルといえます。

大昔にはケルトのライアーやギリシアの竪琴が、おそらくこのスタイルで演奏されたと推測しますが、現存する弦楽器でこの演奏スタイルを踏襲しているのは、バルチック海域のカンテレなど★1 が唯一ではないでしょうか。

コード奏法でこう!

カンテレはハープ奏法とコード奏法の両方で演奏されます。が、2つの演奏スタイルの間でまったく互換性がありません。両手の指の配置が違いますし、そもそもカンテレの構え方が前後逆になります★2 。

最終的にはどちらの演奏スタイルもマスターしたいところですが、初心者のうちからすべてをマスターしようとすると、2倍覚えなければなりません。だから最初は、どちらか一方の演奏スタイルをj集中してマスターするのが早道だと判断しました。私は…コード奏法をマスターすることにしました。だからこのカンテレ弾き方教室も、コード奏法のことばかり説明していきます。

私は変わった楽器・珍しい楽器が好きです。
知らない楽器を手にしたら、その楽器でしか奏でられない音を期待します。カンテレをハープ奏法で弾くと、早い話、どこかで聞いたような音になるのですよ。ハープのような?それよりドイツのライアーに近いかも。とにかく珍しさが半減する、ということです。

なによりもコード奏法は人の錯覚や幻聴を利用して空耳メロディーを聞かせます。この世にこんなヘンな奏法があるなんて私は知りませんでした!是非マスターしたいところです。

★1 バルチック海域のカンテレなど
”カンテレ”というのはフィンランドの伝統楽器で、近隣国にもそっくりな楽器があります。それぞれの国でそれぞれの名で呼んでいます。下のYouTube動画はロシアのグースリ。彼はなかなか良いセンスをしていると思います。当面、私は彼の演奏を参考にしてカンテレを練習します。

★2 構え方が前後逆
コード演奏の場合、短い弦が手前(あるいは上側)に来るようにカンテレを構えます。ハープ奏法の場合は(必ずではありませんが)長い弦が手前に来るように構えます。演奏スタイルによって楽器の構え方がひっくり返るというのも、なかなか珍しい。

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2011年06月17日

ウィングカンテレの弾き方、弦の押さえ方と弾き方

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第8回、弦の押さえ方と弾き方について。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました

左指で押さえて右指で弾く

ウィングカンテレは左手の指で弦を押さえて、右手の指で弦を弾きます。左手は5本の指をぜんぶ使います。右手は、上手な人はやっぱり5本ぜんぶ使って演奏していますが、当面は親指と人差指があれば足りるみたいです。写真の人は、ギターのピックを持って弾いているみたいです。こういうのもありです。

左手は大きな夏みかんを鷲づかみにしたような形にして、弦を押さえます。実は、左手は弦を押さえるほかに、弦を弾きもします。(だから右手よりも左手の方がだんぜん忙しいです。)単純に弦を押さえるだけなら、べたっと押さえればいいのですが、同時に弦を弾くとなると…。指を動かしやすいように、少し立てるというか、写真のように少し指を曲げて弦を押さえます。

試しに左手の5本の指を適当に弦の上に置いてみてください。
そのまま、今、指で触っている弦をそのまま弾いてみてください。できますか。最終的に、これを親指から小指までぜんぶの指で行うわけです…まあ、のんびりいきましょう。

右手は、指先の肉で弦を引っかけて、弾きます。弾いたとき、弦がわずかに爪に掠る感じです。まったく爪に掠らせないように弾くことは難しいですし、そうやってしまうとモワモワした音になるでしょう。かといって、本気で爪に引っかけて弾くとギーンというすごい音がします。指で弦を弾いたときチリッと爪先に掠る感じ。考えるよりも慣れる方が早いです。すぐに慣れます。
ああだから、左手で弾くときも同じですよ。

試しにほんのちょっとだけ

図のとおりに、左手でウィングカンテレの弦を押さえてみてください。いちばん下を開けて、二本を押さえて、あとは一つ飛ばしに弦を押さえていきます。

この状態で、右手の親指でぜんぶの弦をまとめて上から下にがーっと撫でおろします。どうです、ジャーンといい感じで鳴りましたか。これが『Ⅰのコード』です。ドミソの和音、と言ったほうが分かりやすいですか。
» ウィングカンテレでⅠのコードを鳴らしてみた

ウィングカンテレには西洋音階ドレミファソラシドのぜんぶの弦があります。これをそのままぜんぶ鳴らすと、ごちゃごちゃになってわけが分かりません。しかし、たとえばドミソの和音を鳴らしたいとき、ドミソに関係のない音―レファラシの音―が鳴らないように左手で押さえて止めてやる。こうしておいて右手でぜんぶの弦をまとめて弾くと、ジャーンとドミソの和音が鳴る理屈です。左手で違った弦を押さえると、違った和音が鳴ります。

さらにちょっとだけ

せっかくですから、ドミソの和音を「ジャーン、ジャーン、ジャーン、…」と続けて鳴らしてみてください。そして「ジャーン」と「ジャーン」の合間に、左手で弦を弾いてみてください。ジャーン→親指→ジャーン→人差指→ジャーン→中指、ジャーン→親指→ジャーン→人差指→ジャーン→中指、…という感じです。「ジャーン」のときは、左手は忘れずきちんと弦を押さえてくださいね。なかなか忙しいです。
» ウィングカンテレでⅠのコードを鳴らしてみた(左手も参加)

できましたか?これがウィングカンテレのコード奏法です。

空耳メロディーを奏でる楽器

それにしても上の試聴サンプルを聴いていると、なんだか「ソラソファミレドー、ソラソファミレドー」のようにメロディーが聞こえてきませんか。人によっては別に聞こえるかもしれませんが、とにかく、ジャーンジャーンという伴奏といっしょにメロディーを弾いているように聞こえます。

これは人間の耳がそうなっています。
人間は、耳に音が入ってきたとき、ばらばらな音をそのまま「ばらばらでデタラメな音だ」とは捉えません。何か意味のある…たとえば何かのメロディーの断片的な部分だけが聞こえたのだ!と捉えます。そして、じゃあ元々のメロディーはどんなだったのだろう?…とばらばらな音を組みあわせて―足りない音は適当に補完までして―それらしいメロディーを作りあげます。これを一瞬に無意識のフルオートで行います。音が心に届くときにはもう、ほんとうにメロディーを聞いたことになっている。

小さな子どもでさえ、雑踏の中でちらりと聞こえた大好きなアンパンマンの歌を聞きのがさない。この驚嘆すべき認識力は、まさにこの高速フルオート処理に依っているのですが…今回ばかりは間違いです。だって左手が弾いているのは、ほんとうにばらばらな音なのですから。だから、みなさんが聞いているメロディーは幻聴、錯覚です。

ウィングカンテレは、ゲシュタルト心理学に基づく人間の錯覚を積極的に利用する、一風変わった弦楽器です。ね、ちょっと興味あるでしょう。

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ウィングカンテレの弾き方、構え方

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第7回、カンテレの構え方について。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました

長い弦が下、短い弦が上

ウィングカンテレの構え方は、写真のような感じです。椅子かベッドか床の上に座って、ウィングカンテレを抱きかかえます。このとき、長い弦が下側になるように、短い弦が上側になるようにします。

伝統的には、机や膝の上にカンテレを水平に置きます。そうするといかにもお琴な雰囲気です。ぱっと弦が見やすいので、特に最初の頃は練習しやすいでしょう。でも、ジャンジャンとギターのようにかき鳴らすのには都合が悪いです。できるだけカンテレを立てて構えてください。とは言え、完全にカンテレを立ててしまうと今度は弦が見ないので…斜めくらい?それこそ写真のような感じです。

あまり神経質にならなくてもいいです。姿勢なんかにこだわっているのは最初のうちだけ。だんだん横着になって、ベッドに寝そべってラッコのようにお腹の上にカンテレを乗せて弾いたりする★1 ようになります。無理のない楽な姿勢というか、弾いていて首や肩が痛くなったりしなければいいです。

左手で押さえて右手で弾く

ウィングカンテレは、左手で弦を押さえて、右手で弦を弾いて演奏します。
右手、左手の位置は図のような感じです。

★1 寝そべってラッコのように弾く
らくちんなので長時間弾いていられる、夜眠れないときに弾く、という理由のほかに、目をつぶって弦を見ないで弾く練習もしています。指先の位置を体で覚えるのは、きっと重要です。

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