-- カンテレ(2) --

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2011年10月08日

ウィングカンテレの弾き方、伴奏のコツ

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第16回、メロディーの音を聞きとりやすいように伴奏するとベターです。
» 最近は『故郷』を練習しています。


伴奏とメロディーが渾然一体となった演奏

ウィングカンテレの演奏スタイルは(私の場合は特に)、伴奏をじゃんじゃん鳴らしながらその間にメロディーの音を鳴らします★1 。だから他の弦楽器―ハープ、ギターetc―のように、伴奏とメロディーがきれいに分かれて聞こえません。ごちゃごちゃに混ざって聞こえます。

それでもなんとなく曲になって聞こえるのは、いろいろ鳴りひびく音の中から的確にメロディーの音を聞きとることができる、高度な人間の聴覚機能に因るものです。ゲシュタルト心理学を積極的に利用するウィングカンテレは、とても興味深い楽器です。

とはいえ、ずっと同じ調子でじゃんじゃん伴奏されるとさすがに聞きとりにくい。メロディーが聞こえないこともあります。初めてその曲を聞く人にとっては尚更でしょう。

メロディーの音を聞きとりやすいように伴奏する

右手でじゃーんと伴奏を弾くとき、できるだけメロディーの音のあたりを狙って弾くといいです。よりはっきりメロディーが聞とれるでしょう。そんなに神経質にならなくてもいいです。「このへん?」と見当つけてざっくり弾くだけでも効果があります。たとえば、

  • メロディーが高い音の時は、高い音の方に寄って伴奏する
  • メロディーが低い音の時は、低い音の方に寄って伴奏する

と、おおざっぱに弾きわけるだけでも、かなりメロディーは聞きとりやすくなるはずです。

きちんとメロディーを弾いてもいいし、弾かなくてもいい

当たり前ですけど、きちんとメロディーを弾けばきちんとメロディーの音が聞こえます。他のふつうの弦楽器―ハープ、ギターetc―はみんな、そのように弾きます。きちんと伴奏を弾いて、きちんとメロディーも弾きます。もちろんウィングカンテレでもそのように演奏していいし、そうすると、雑味のない澄みきった音色になる効用もあります。

しかしながらウィングカンテレの魅力は、アタリ判定がでかい★2 というか、おおざっぱに弾いてもそれなりに様になるところだと、私は思っています。私のような弦楽器初心者でも、早くからそれらしい形に仕上がるので、楽しく遊べます。

伴奏とメロディーが渾然一体となった独特の音も、他の弦楽器では聞きません。珍しいといえば珍しい。せっかく北欧の珍しい楽器を弾くのだから、珍しい音を奏でたいです。ハープのような音がほしいなら、ハープを弾けばいいと思うのです。

今はよちよち弾いていますが、長年やっていればそれなりに上手になるだろうと、私は楽観していますよ。ハープやギターのようにぽろぽろと澄みきった音色を奏でる練習は、将来の楽しみにしておきます。今はおおざっぱにじゃんじゃん鳴らしています。

★1 伴奏の間にメロディーの音を鳴らす
じゃんじゃん伴奏を鳴らす間に、合いの手を挟む感じでメロディーの音を鳴らします。つまり演奏者の自覚としては、メロディーは断片的にしか弾いていません。曲によっては半分くらいしかメロディーを弾かないこともあります。どうしてこんなできちんとメロディーが聞こえるのか、弾いている本人がいちばん不思議だったりする。

★2 アタリ判定がでかい
思いだしてほしいのですが。凡そウィングカンテレ以外のすべての楽器で、「このへん?」と見当つけておおざっぱに弾いて、それでOKという楽器があるでしょうか。たとえばピアノを弾くとき、(ドの音って…このへんだっけ?)と手のひらでばあんと鍵盤を叩くようなものです。ギターはどうでしょうか。ウィングカンテレはそれでも様になります。

ウィングカンテレをコード演奏するとき、一本の弦のアタリ判定は4.9cm幅まで広がります。つまり(ドの音って…このへんだっけ?)といったとき、ウィングカンテレでは4.9cm幅の誤差が許容されるということです。見当つけておおざっぱに弾ける理由です。ちなみに我が家の小型ギターでは、4.9cm幅の中に6本の弦がぜんぶ入ってしまいますから、どれだけおおざっぱか分かろうというもの。

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2011年09月28日

ウィングカンテレの弾き方、一つの曲の練習期間

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第15回、3日ほど弾いて気になるところを思いつかなければ完成です。
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気の早い話ですがウィングカンテレで何か曲を練習していたとして、
「よし。この曲は完成した、もう弾けるようになった。」というのは、なにを以てそのように判断すればいいのでしょうか。「間違えずに弾けるようになったら、じゃない?」というのも判定基準の一つですが、私としては、それはちょっと甘々な判定基準なのです。

私の場合(ここはこうした方がいいかな……)とチラとでも思ったら、そこを修正・改善します。そして一定期間(3日~1週間)たっても気になるところが見つからないようなら、それでひとまず完成したことにします。あるいは気になるところがあっても、今の自分ではどうしようもないようなら、やはりそれでひとまず完成したことにします。

たとえば新しい曲を覚えはじめた最初は、コードを押さえる順番すら分かりません。だからそれを覚えるのが課題です。コードを押さえる順番を覚えて伴奏が弾けるようになっても、まだメロディーが入っていません。だから伴奏の隙間にメロディーの音を埋めていくのが課題です。

伴奏もメロディーも出来たら、形としては一応完成ですけど。弾いていて気持ちいいか、ということが重要です。少なくとも弾いている自分自身が気持ちよくなければ、他の人に聞かせても芳しくありません。いやだってせっかく珍しいカンテレを独りぼっちで練習しているのですから、ぜひ人前で披露したいし、あわよくば拍手だって欲しいところです。

(盛りあがるところはもっと強く弾いた方がいいな)
(だったら逆にその直前は、わざと弱く弾いてみるか?)
(どうにも左薬指が遅れる…こりゃ特訓だな。)

チラとでも(こうした方がいい)と頭をかすめたなら、そのとおりに修正・改善します。最初は修正するところだらけですが、だんだん思いつかなくなり、最後には3日~1週間たってもどこが悪いか分からない、特に気になるところがない、という状況になります。そうなったらひとまず完成です。

あるいは気になるところはあるのだが…今の自分の技能ではどうしょうもない、それどころかどうすれば良くなるのかさえ分からない。という状況に陥るかもしれません。残念な結末ですが、これはこれで完成です。だって、今はもうどしようもないのでしょう?

数年後に突然(あいや考え方が逆だった、ここはむしろこう?)みたいに、気になるところが見つかることもあります。そしたらそのとおりに修正・改善します。バージョンアップです。結局、長い目でみるといつまでも未完成なのです。「今はこれで良し」という暫定的な完成があるだけです。

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2011年09月25日

ウィングカンテレの弾き方、コードの覚え方

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第14回、私はこうしてコードを覚えました。
» 最近は『故郷』を練習しています。

カンテレは6つのコードが弾けます。たった6つしかないので、特にコードを覚える練習しなくても、いくつか好きな曲を練習していれば、いつのまにか覚えてしまうでしょう。

「ほぼどんなコードの流れでも弾けるようになった……ここらで完璧に覚えてすっきりするか」という段になって、初めてコードを覚える練習をすればいいかなと思ってます。やり方は掛け算の九九みたいです。Ⅰのコードを弾いて、Ⅱを弾いてⅠを弾く。Ⅰを弾いて今度はⅢを弾いてⅠを弾く。「ジャーン、ジャーン、ジャーン」てな感じです。

Ⅰのコードの練習…
Ⅰを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅰを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅰを弾く
Ⅱのコードの練習…
Ⅱを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅱを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅱを弾く
Ⅲのコードの練習…
Ⅲを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅲを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅲを弾く
Ⅳのコードの練習…
Ⅳを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅳを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅳを弾く
Ⅴのコードの練習…
Ⅴを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅴを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅴを弾く
Ⅵのコードの練習…
Ⅵを弾いて→Ⅰを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅱを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅲを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅳを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅴを弾いて→Ⅵを弾く
Ⅵを弾いて→Ⅵを弾いて→Ⅵを弾く

カンテレで演奏できるコードは6つしかありませんから、いくつか好きな曲を練習していれば、あらかた覚えてしまいます。カンテレを始めて3ヶ月あたりで、それまでの総まとめ的な意味で、コードを覚える練習をすればいいかなと思います。

カンテレを始めたばかりでいきなりコードの特訓をして「カンテレなんてうんざり。見るのもイヤ!」という結末だけは避けてください。最初は「カンテレって……なんだかおもしろい?」と実感するのがいちばん大切です。我ながら下手くそなんだけど、でもカンテレの音はいいよね。これで自在に弾けたらきっと楽しいだろうなあ、みたいな。

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2011年09月23日

ウィングカンテレの弾き方、左手の弾き方

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第13回、左手は弦を引っぱるように弾きます。
» 最近は『故郷』を練習しています。

ウィングカンテレの演奏では、左手は弦を押さえる役目です。またジャンジャンと伴奏を鳴らす合間に弦をはじいたりもする、なかなか忙しいです。左手はふつうは不器用ですから、左手ではじいた音はどうしても弱々しくなってしまいます。

左手で弦をはじくときは、指の先端(ほとんど爪ぎりぎり)で弦を引っかけて、ぐいと垂直に引っぱります。汚い例ですが、肌のかさぶたを爪で引きはがす感じです。

私の場合、そうでもしないと左手で右手に負けない大きな音を出せないのです。コクレの名手ライマ嬢も、DVDを観るとそのような左手の動きをしています。だからそんなに間違ってはいないと思っています。

ほとんど爪で弦をひっかく感じなので、ギーンという音になります。もっと艶やかで、そして大きな音を出す弾き方があればいいのですが。

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2011年08月26日

ウィングカンテレの弾き方、メンテナンス

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第12回、カンテレのメンテナンス(金属まわり)について。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました
» 練習を始めて3ヶ月目の『アメイジング・グレイス』

カンテレの金属部品は錆びます。
ペグと弦はそれほどでもない★1 のですが、バーが錆びます。蒸し暑い夏場はハードケースに収めていても真っ赤になります。

ネットで調べた感触として、涼しく乾燥したフィンランドでは、カンテレはそれほど錆びないようです。「鉄で出来ているんだから少しくらい錆びるでしょう」と、のどかなものです。もともとヨーロッパの人にとって、アジアの錆害は想像を超えているところがあります★2 。だからこの件は、私たち自身でなんとかするしかありません。

バーは太い鉄の棒で出来ています。だからこれの表面が錆びたからといって、すぐにカンテレがだめになるとは考えられません。しかし見た目は最悪だし、このまま錆が進むと…と想像すると気持ちのいいものではありません。一度錆を落として、表面保護剤でコーティングしておくといいでしょう。


用意するもの

錆落とし剤
ここで使用したのはギター用の『FERNANDES SCRATCH MENDER 946』
表面保護剤
ここで使用したのはギター用の『FERNANDES SURFACE PROTECTOR 956』
水糸
ここでは7号を使ったけど、もう少し細い方がよかったかも。
ハサミ、爪楊枝、ティッシュペーパー
ハサミは水糸を切るのに使う。爪楊枝は細かい作業用

バーの磨き方

  1. 水糸を1mくらい切る
  2. 切った水糸をバーにくるっと巻きつける
  3. 爪楊枝の先で錆落とし剤をすくいバーにこすりつける
  4. 水糸を両手で持ってバーをごしごし磨く
  5. 水糸の錆落とし剤の付いていない部分で更に磨く
  6. 水糸を新しいのに取りかえる
  7. 爪楊枝の先で表面保護剤をすくいバーにこすりつける
  8. 水糸でバーをごしごし磨く
  9. 水糸の表面保護剤の付いていない部分で更に磨く

弦の磨き方

せっかくの機会ですから、いっしょに弦も磨いておくといいでしょう。

  1. ティッシュペーパーを小さくちぎって錆落とし剤をつける
  2. 錆落とし剤をつけたティッシュで弦をごしごし磨く
  3. 新しいティッシュをちぎって、更に弦をごしごし磨く
  4. ティッシュペーパーを小さくちぎって表面保護剤をつける
  5. 表面保護剤をつけたティッシュで弦をごしごし磨く
  6. 新しいティッシュをちぎって、更に弦をごしごし磨く

★1 ペグと弦はそれほど錆びない
程度の問題でやっぱり錆びます。一度磨いて表面保護剤でコーティングしておくとしばらく錆びません。

★2 ヨーロッパの人はアジアの錆害を想像できない
そのような逸話はいくらでもあります。うちで販売しているドイツのカイサドラムも、初代バージョンは錆びました。

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2011年08月16日

カンテレの運指 『ほかほか十字パン』

『ほかほか十字パン』 はマザーグースに納められた歌の1つです。
英国では、磔にされたキリストの復活を祝う祭―イースター祭―の朝に、十字の入ったパンを食べるのが習わしです。

ほかほか十字パン、ほかほか十字パン
1つ1ペニー、いや2つで1ペニーだ
お嬢さんがいないなら息子さんに買っておあげ
ほかほかの十字パンだよ!

こんな歌を歌いながら十字パンを売り歩く商人の姿が、祭の朝の風物詩でした。今はスーパーで買った冷凍パンをレンジでチンして食べるとか。

ほかほか十字パン

ソーファーミー    ソーファーミー
ソファミレ ドレミファ    ソーソードー
レレレレ レードー    レドシラソー
ソファミレ ドレミファ    ソーソードー

かんたんな曲ですし、メロディーだけ弾けばいいのかなと思ってます。
それだけだと寂しいので、ときどきジャラーンと伴奏を入れます。

念のため左手は伴奏コードを押さえておきます。いつでも気が向いたらジャラーンと伴奏を入れられるように。それと、コードを押さえた左手が目印になって、弦を弾き間違えないという利点もあります。

伴奏はほとんどⅠ(ドミソ)のコードで、一部だけⅤ(ソシレ)のコードを使っています。これは楽勝でしょう。初心者が左手の練習をするのにちょうどいいです。私もカンテレを持ったら指慣らしにこの曲を弾きます。

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2011年08月09日

カンテレの運指 『アメイジング・グレイス』

11弦ウィングカンテレで 『アメイジング・グレイス』 を弾いてみました。
指の動きがよく分かるように、後半ゆっくり弾きました。(ゆーっくり弾くというのも意外に難しいものです。)

このアメイジング・グレイスの弾き方(の考え方)は、他にも応用が利きます。みなさんも自分で「はとぽっぽはどうなるんだろう」「ビートルズのレット・イット・ビーはいけるかな」みたいに、ああでもないこうでもないと遊んでください。

このへん私としては、雑誌の後ろに付いているクロスワードやナンバーズを解くのと同じ感覚だと認識しています。クロスワードやナンバーズと違うのは、完成したら人前で演奏してみせることができるということ。年末の隠し芸が今から楽しみですよ。

参考資料がアメイジング・グレイスだけではさすがに心許ないですから、これからもこんな感じでいろいろアップしていきますね。

伴奏について

伴奏は右手の親指で「ジャーン、ジャンジャーン」の繰りかえしです。使うコードはⅠ(ドミソ)のコードだけ、これ以上は簡単になりません。逆に、ほんとうはもっといろんなコードを使うといいです。もし余裕があれば「ここはⅤのコードを使った方がよくないか?」などと、いろいろ工夫してみてください。

メロディーについて

伴奏が「ジャーン、ジャンジャーン」と鳴っている隙間に、メロディーの音を埋めこんでいきます。このへん作業がほんとうにパズルっぽい。アメイジング・グレイスのメロディーは次のとおりです。

ソードー ミレドミー レードーラーソー
ソードー ミレドミー レミソー
ミーソー ミレドミー レードーラーソ
ソードー ミレドミー レードー

たいていの場合、伴奏をジャーンと鳴らした瞬間、伴奏の音の中にメロディーの音が既に含まれているものです。ここはもうOK。メロディーを弾いちゃったことにして、そのまま何もする必要はありません。

後は、伴奏と伴奏の合間・隙間に、メロディーとして足りていない音を埋めこんできます。
もしそれが左手の指で押さえている音なら…その、押さえている指ではじきます。薬指が地獄ですが、4ヶ月も遊んでいれば慣れますよ。私もだいぶ慣れました。

そうではなくて、左手の指で押さえていない音なら…右手の人差指ではじきます。
場合によっては、右手の親指や他の指ではじいてもいいです。でも、そうとう速い曲でも人差指1本でなんとかなることが分かっています。だから「右手も5本指ぜんぶで弾けるようにならなければ」みたいにヘンに気負う必要はありません。

”譲る” と ”取りもどす”

問題なのは、伴奏をジャーンと鳴らした瞬間、伴奏の音の中にメロディーの音が含まれない場合です。つまりメロディーの音を左手の指で押さえてしまっている、ということです。しかしそもそも左手の指で押さえているのは、今、鳴っては困る音のはずでした。「それっておかしいじゃん!?」という話なのですが…わりとよく発生する現象です。

この場合、問題の左手の指を弦から離して、左右どちらかの隣の弦を代わりに押さえます。つまり、左手の指で押さえていた音を、右手に ”譲る” のです。この状態でジャーンと伴奏を鳴らせばいいです。

しかし、 いつまでも右手に譲ったままジャンジャンと伴奏を鳴らしつづけると、これはこれでめちゃくちゃになってしまいます。だから用が済んだらすぐに元のとおり、左手の指で本来の弦を押さえなおします。つまり、右手に譲っていた音を ”取りもどす” のです。

上のYouTubeの演奏でも、この ”譲る” と ”取りもどす” は、何カ所か出てきます。ある所は ”譲る”→”はじく”→”取りもどす” なんてことをしています。慣れるとなかなか楽しいですよ、指の体操みたいで。

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2011年07月09日

ウィングカンテレの弾き方、コードの鳴らし方

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第11回、カンテレでコードを鳴らす方法。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました
» 練習を始めて3ヶ月目の『アメイジング・グレイス』

おさらい

ウィングカンテレでコードを鳴らす方法を説明する前に、ざっとおさらいしましょう。「西洋音階は1つ飛ばしに3つの音を鳴らすと必ずハモる」というルールでした。西洋音階はド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7つの音で出来ていますから、ドから始めて ”ドミソ”、レから始めて ”レファラ” のように、7つのコードが使えます。カンテレも西洋音階に調律されているので、同じ理屈で7つのコードを演奏することができます。

カンテレの演奏スタイルには2とおりありました。1つはふつうのハープやお琴と同じように弾くハープ奏法、そしてもう1つはコード奏法です。このカンテレ弾き方教室ではコード奏法について説明します。コード奏法はハープ奏法と考え方が真反対で、たとえば ”ドミソ” のコードを弾きたいときはド・ミ・ソの弦をはじくのではなく、鳴ってはいけないレ・ファ・ラ・シの弦を左手で鳴らないように押さえて、全部の弦をまとめてジャーンをかき鳴らすのでした。

カンテレで演奏できる6つのコード

カンテレで演奏できる6つのコードの押さえ方を下の図に示します。
これは11弦カンテレの例ですが、16弦カンテレ(実質は12弦カンテレ)も考え方は同じです。いちばん下の弦がいちばん低い音で、上にいくほど高い音になります。○を付けた弦を左手の5本の指で押さえて、右手の親指で全部の弦をまとめてジャーンと弾くとコードが鳴ります。

» カンテレの6つのコードをⅠから順に弾いてみた

上の方の高い音の弦は、ほんとうは押さえないといけないのですが…指の数が足りなくて押さえることができません。できるだけ弾かないようにしてください。私は気にせず弾きますけどねっ。

ちなみに『グリーン・スリーブス』は Ⅵ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ、Ⅵ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ→Ⅵ、Ⅰ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ、Ⅰ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅲ→Ⅵ です。ほんとうはもっと凝ったコード進行なのですが、6つのコードだけで弾くとこんな感じ?ジャーンジャーンの合間に右手の人差指や左手でポロポロ弾くといい感じです。

7番目のコードは使わない

「あれ、コードは7つあったはずでは?」と疑問に思いましたか。7番目のコード(Ⅶのコード)は使いません。ニンジンでもホウレン草でも端っこは切って捨てるでしょう。いちばん端っこのⅦのコードは壊れて使い物にならない★1 、とでも理解しておいてください。実際、Ⅰ~Ⅵの6つのコードを鳴らせるようになれば、ひととおりの曲を伴奏できるようになります。覚えることが1つ減ってよかった。

★1 Ⅶのコードは壊れて使い物にならない
学問的にはⅠ~Ⅵの6つのコードのうち、Ⅰ・Ⅳ・Ⅴのコードは仲間でみんな同じ構造をしています。どれもはっきりした明るい雰囲気です。また残りのⅡ・Ⅲ・Ⅵのコードも仲間でみんな同じ構造をしています。どれもはっりしない暗い雰囲気です。このようにコードは2つのグループ(メジャーとマイナー)にきれいに分かれます。なのに、Ⅶのコードだけがどっちともつかない特殊な構造をしている。ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シのいちばん端っこなので無理が生じるというか、期待どおりにいきません。音楽学校ではⅦのコードも含めていろいろと難しい説明をするのですが、日常生活では「Ⅶのコードは使い物にならない」と捨てるのが吉です。

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2011年07月06日

ウィングカンテレの弾き方、コードについて

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第10回、コードについてちょっとだけお勉強。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました

1つ飛ばしの3つの音は必ずハモる

きれいにハモって鳴り響く音の組みあわせことを和音(コード)といいます。
ここではコードと呼ぶことにします。”ドミソ” とか ”シレソ” とか、聞いたことだけはありますよね。西洋の音階は知ってのとおり ”ドレミファソラシド” なわけですが、その ”ドレミファソラシド” の音を使ってコードを作る―きれいにハモって響かせる―いちばん基本的なルールがあります。

1つ飛ばしの3つの音は必ずハモる★1

試しにカンテレを手に取って、どこでもいいから3本の弦を選んで同時にはじいてみてください。聞こえる印象はいろいろですが、確かに、どこをはじいてもハモって聞こえます。

たまたま偶然ではありませんし「音楽って不思議だね?」という話でもありません。1つ飛ばしに3つの音を鳴らすと必ずハモるように、大昔の人が知恵を絞って ”ドレミファソラシド” を発明したのです。よくこんなことを思いつきます。

ドレミファソラシドで7つのコード

さて、それではその ”ドレミファソラシド” を使って、最大いくつのコードを作ることができるでしょうか。あまり難しく考える必要はありません。ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7つの音で出来ていますから、7つのコードです。ちなみに高い音で弾いても低い音で弾いても、ドミソはドミソですよ。

  1. ドから始めて… ”ドミソ”
  2. レから始めて… ”レファラ”
  3. ミから始めて… ”ミソシ”
  4. ファから始めて… ”ファラド”
  5. ソから始めて… ”ソシレ”
  6. ラから始めて… ”ラドミ”
  7. シから始めて… ”シレファ”

カンテレは7つのコードを鳴らせる

カンテレの音階は西洋音階ですから★2 、上の説明のとおり、カンテレはぜんぶで7つのコードを鳴らすことができます。試しにカンテレを手に取って、いちばん低い音から3本ずつ順にはじいてみてください。ちなみにカンテレは低いソの音から始まりますから、コードは低い方からⅤ・Ⅵ・Ⅶ・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの並び順になります。
» カンテレの7つのコードを順に弾いてみた。

たった7つ…ちょっと心許ないですか?最近のJ-POPやアニソンなどは、もっとすごい複雑なコードをばんばん使いますが、たった7つの基本的なコードだけでも民謡、唱歌、昭和時代のフォークなど伴奏できます。J-POPやアニソンなどハイカラな曲だって、むりやり7つのコードを当てはめて伴奏できないこともないです。ちょっと野暮ったい感じになりますけど。

★1 1つ飛ばしの3つの音は必ずハモる
これは西洋音階 ”ドレミファソラシド” に限っての話です。他の国の音階(たとえば日本の音階)で同じことをしても上手くいきません。「だから西洋音楽が世界でいちばん優れているんだね?」という話ではなくて、ハモるのが大好きな西洋人が考えたから、そうなっただけです。独りで唄って小節をまわしたり唸ったりするのが大好きな国(日本もそう)は、そういう技が映える音階を生みだしました。「朝はトーストにミルク」「いやご飯に味噌汁だろ」という、それだけの話。

★2 カンテレの音階は西洋音階
細かいことを言うと11弦カンテレの場合、低い方から ”ソラシ ドレミファソラシド” と並んでいます。またニ長調に調律されているので、ふつうのハ長調の ”ドレミファソラシド” よりも1音高い ”ドレミファソラシド” です。「なんでそんな中途半端な?」と思うかもしれませんが、逆に、ハ長調の曲って少ないです。ハ長調は歌いづらいのですよ。女性には低すぎるし、男性には高すぎるし。ニ長調といえば、アイルランドの音楽―アイリッシュ・ミュージック―がニ長調をよく使います。

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2011年07月05日

ウィングカンテレの弾き方、演奏スタイル

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第9回、カンテレは2とおりのスタイルで演奏されます。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました

カンテレには大きく分けて2とおりの演奏スタイルがあります。

ハープ奏法

いわゆるハープや日本のお琴の弾き方です。鳴らしたい音を一つ一つ、指ではじいて鳴らします。複数の音―和音―を鳴らすときも、たとえばドミソなら三本の指でド・ミ・ソの弦を同時にはじいて鳴らします。世界中のほとんどのハープ族の弦楽器が、このスタイルで演奏されます。

コード奏法

複数の音―和音―を鳴らすときの発想が、ハープ奏法と反対です。たとえばドミソなら、鳴らしてはいけないレ・ファ・ラ・シの音を鳴らないように指で抑えて、ぜんぶの弦をまとめてかき鳴らします。人間の指の数が5本なので、操作できる弦の本数に限りがある。弦の数が10本前後のときに最も効果を発揮する…つまり、”小型の素朴な弦楽器”に向いた演奏スタイルといえます。

大昔にはケルトのライアーやギリシアの竪琴が、おそらくこのスタイルで演奏されたと推測しますが、現存する弦楽器でこの演奏スタイルを踏襲しているのは、バルチック海域のカンテレなど★1 が唯一ではないでしょうか。

コード奏法でこう!

カンテレはハープ奏法とコード奏法の両方で演奏されます。が、2つの演奏スタイルの間でまったく互換性がありません。両手の指の配置が違いますし、そもそもカンテレの構え方が前後逆になります★2 。

最終的にはどちらの演奏スタイルもマスターしたいところですが、初心者のうちからすべてをマスターしようとすると、2倍覚えなければなりません。だから最初は、どちらか一方の演奏スタイルをj集中してマスターするのが早道だと判断しました。私は…コード奏法をマスターすることにしました。だからこのカンテレ弾き方教室も、コード奏法のことばかり説明していきます。

私は変わった楽器・珍しい楽器が好きです。
知らない楽器を手にしたら、その楽器でしか奏でられない音を期待します。カンテレをハープ奏法で弾くと、早い話、どこかで聞いたような音になるのですよ。ハープのような?それよりドイツのライアーに近いかも。とにかく珍しさが半減する、ということです。

なによりもコード奏法は人の錯覚や幻聴を利用して空耳メロディーを聞かせます。この世にこんなヘンな奏法があるなんて私は知りませんでした!是非マスターしたいところです。

★1 バルチック海域のカンテレなど
”カンテレ”というのはフィンランドの伝統楽器で、近隣国にもそっくりな楽器があります。それぞれの国でそれぞれの名で呼んでいます。下のYouTube動画はロシアのグースリ。彼はなかなか良いセンスをしていると思います。当面、私は彼の演奏を参考にしてカンテレを練習します。

★2 構え方が前後逆
コード演奏の場合、短い弦が手前(あるいは上側)に来るようにカンテレを構えます。ハープ奏法の場合は(必ずではありませんが)長い弦が手前に来るように構えます。演奏スタイルによって楽器の構え方がひっくり返るというのも、なかなか珍しい。

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