-- カンテレ(4) --

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2011年05月28日

ウィングカンテレの弾き方、概説4

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第4回、ウィングカンテレの各部名称について。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました

各部名称

ウィングカンテレの各部名称についてインターネットで調べてみましたが、わりとありきたりな名前で呼んでいるようです。とりあえず、ふだんの演奏やメンテナンスで使いそうな名称だけ決めておきましょう。

  • 弦…細い鋼鉄のワイヤー。これを指で弾くと音が鳴る。
  • ペグ…弦を留めている金属製の支柱。ここで弦を調律する。
  • バー…弦を留めている反対側の支柱。
  • オーバートーンスポット…本体に描いてある、弦のちょうど中心を表す小さな点。
  • チューニングスイッチ…ピンの近傍にある小さな装置。移調に使う。
  • ウィング…左腕を支えるアームレスト。

弦の名称についてもう少し詳しく

  • カンテレの弦は、長い方から順に ”第1弦”、”第2弦”、…と呼びます。
  • 16弦カンテレにはふつうの弦の下に、4本の長い ”ベース弦” が張ってあります。
    ベース弦も長い方から順に ”第1ベース弦”、”第2ベース弦”、…です。

チューニングスイッチとは

ウィングカンテレの標準のキーはD(ニ長調)ですが、弦を半音高く調律したり低く調律したところで誰からも怒られたりしません。だから十分な時間があるなら、どんな曲でも、その曲が弾けるように調律して演奏すればいいです。

チューニングスイッチは、ライブステージなど時間に余裕のない場で、ぱちんとキーを切り替えるための装置です。

写真の小さな黒いレバーがチューニングスイッチです。チューニングスイッチが弦を曲げ圧迫しています。弦を圧迫しているシリンダーは偏芯していて、レバーを回すと弦の圧迫が弱まり…ピッチが半音下がる仕組みです。

チューニングスイッチを使って標準のDキー(ニ長調)とGキー(ト長調)を素早く切りかえて演奏できます。

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ウィングカンテレの弾き方、概説3

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第3回、ロビッカ社のウィングカンテレについて。
» ロビッカ社の16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました


よい楽器だと思ってます

世界楽器てみる屋ではロビッカ社のウィングカンテレを販売しています。他社の製品と比べて特に素晴らしい、というわけでもなくて、私がカンテレを探していて単に最初に見つけた、というだけのこと。もしもぱっとしない印象だったら他をあたったでしょうが、いい感じだったので、そのまま取引を始めました。

後でgoogleやYoutubeで探したら、ロビッカ社のカンテレをほとんど見かけません。丁寧に作られた美しいカンテレですから、なにか品質に問題があって人気がないのではなく、「無名の零細企業だから」だと信じていますよ。そういえばメールの相手はいつもペッカ・ロビッカ社長本人だし、取引を持ちかけたときも「ほんと?マジ、マジ歓迎するよっ!」と、握った手を絶対に離すまいとする意気ごみでしたっけ。まあ良い物を作ってくれさえすれば、いいです。

モダン16弦カンテレ

» ロビッカ社モダン16弦カンテレの音

「カンテレってなに?」という、ふつうの感覚の日本人向けです。
分かりやすく美しい音です。中音域から高音域まで豊かに残響します。正直、板に弦を張っただけでこんなきれいな音がするの?とびっくりするほどです。

いちばん長い4本の弦は、ベース弦です。ベース弦をボーンと弾いて、後は適当に弾いて、即興演奏を楽しむことができます。それでなにをする…というわけでもありませんが、初心者のうちはいろいろ思いどおりにいかなくてイヤになるときもあるでしょう。そんなときにポロンポロン弾いて心を慰めます。(私自身、よくポロンポロンと弾きます。)

4本のベース弦を除く、残りの12本がふつうのメロディー弦です。弦の数が12本だから鳴らせる音も12音。音階は「ソラシドレミファソラシドレ」です、これがなかなか当を得ています。人が歌う歌は、下のソから上のレまでに収まる事が多いのです。もちろん、それ以上の音域を使う曲はたくさんありますよ。だから弦の数は、多ければ多いほどいろんな曲を弾けるようになります。が、できるだけ弦の数を少なくしろ、と制限されたら、せめて12本欲しいというのが私の所感です。

欠点として、ふつうに演奏するときベース弦がかなりじゃまです。ジャンジャンかき鳴らすときに、間違って鳴らさないように気を遣います。全長が88cmと、けっこう大きいのも微妙に扱いづらい。値段も高いです。

16弦カンテレには2つのチューニングスイッチが付いています。
16弦カンテレはDキー(ニ長調)に調律されていて、チューニングスイッチをひねると4度上のGキー(ト長調)に移調します。2とおりの調の演奏に即時対応できます。その他の調で演奏したいときは、そのようにぜんぶの弦を調律し直せばいいです。あんまり強く弦を巻くと本体を痛めるのでほどほどにしてください。

モダン11弦カンテレ

» ロビッカ社モダン11弦カンテレの音

カンテレのことを知っていてカンテレが欲しい、という人向けです。
高音域が独特に残響する音色は、まさに「ああこれこそカンテレの音」です。冬のバルト海のように寒々とした音です。

よけいなベース弦がついていないので、なんの気兼ねもなくジャンジャンかき鳴らすことができます。弦の数が11本というのは、人間の指の数が5本であることを考えると、ベストの本数です。全長が73cmと小型なので引き回しやすい。純粋にウィングカンテレとしてなら、16弦よりも使い勝手よいです。値段もそこそこです。

欠点として、音の数が11音しかないので、ふつうの曲を演奏しようとすると音が足りない、ということになりがちです。曲に合わせて音階をいちいち調律すればいいですけど。

11弦カンテレはDキー(ニ長調)に調律されています。その他の調で演奏したいときは、ぜんぶの弦をそのように調律し直せばいいです。あんまり強く弦を巻くと本体を痛めるのでほどほどにしてください。

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ウィングカンテレの弾き方、概説2

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第2回、ウィングカンテレという楽器について。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました


カンテレは北欧フィンランドのお琴

カンテレは北欧フィンランドの伝統楽器です。木片をくりぬいて作った3角形の筺に数本の弦を張っただけの、原始的なお琴です。テーブルや膝に置いて、チャララーンと伴奏します。真冬のバルト海を思わせる寒々とした音色が特徴的です。

伝説では、フィンランドの英雄ワイナミョイネンが、大きなカマスの顎骨で竪琴を作ったのが始まりだとされています。

”5弦の琴を作ろう、永久の楽しみをもたらすものを”
”カマスの顎骨で胴を作ろう”
”カマスの歯で糸巻きを作ろう”
”馬のたてがみで弦を作ろう”

――叙事詩『カレワラ』の40章から――

ワイナミョイネンが竪琴を弾くと、そのあまりに美しい音色に、聴いていた人々はみんな涙を流したのでした。


新しいカンテレたち

数千年もの長い間、カンテレはフィンランドの民謡をこぢんまりと伴奏するだけのささやかな楽器でしたが、20世紀半ばから急激な変革を遂げました。

西欧のグランドハープやグランドピアノの影響を受けて、たくさんの弦を持つグランドカンテレが発明されました。

音域はほぼ5オクターブで、どんな調でも演奏できます。半音を鳴らすこともできます。グランドカンテレは大がかりなクラシック曲を独奏するのに使用されます…が、
本題ではないので、グランドカンテレの説明はこのへんで終わり。


サブカルチャーとしてのウィングカンテレ

一方で誰かがカンテレを肩から提げて、ギターのようにジャンジャンとかき鳴らすことを始めました。

おおかた、西欧のロックやポップスに憧れた貧乏な若者が、おじいちゃんの弾いていた古いカンテレを屋根裏部屋から引っぱりだして、ジャカジャカとギターの真似をしたに違いないのです。

カンテレの”ギター弾き”が定着するにつれ、カンテレ本体もそれに合わせて進化していきました。弦の数が10~11本に増えて★1 、左腕を支えるアームレスト(ウィング)が大きく張りだした形状になりました。エレキギターのようにピックアップの付いたタイプもあって、エフェクタを繋いでギュインギュイン鳴らせます。

若者のサブカルチャーから生まれた新しいカンテレは、『モダンカンテレ』 あるいはその形状から 『ウィングカンテレ』 と呼ばれるようになりました。(この連載記事ではウィングカンテレと表記しています。)ウィングカンテレは、カンテレの伝統的な演奏技法とギターの演奏技法が融合した、独特なスタイルで演奏されます。

★1 弦の数は10~11本
YouTubeの演奏動画で見かけるウィングカンテレ(およびその類の琴)は、10~11弦であることが多いです。人間の指の数が5本ですから、自在に扱える弦の最大本数はその倍の10本。コード奏法では西洋音階ドレミファソラシの半分の音を不要な音として左手で抑えるため。

YouTubeに見るウィングカンテレの演奏

カンテレの音に軽くディストーションをかけて、エレキギターのソロ演奏のような雰囲気を醸しています。演奏中にチューニングスイッチをひねってキュィィーンとチョーキングの真似をしています。


思いっきり歪めたヘビーメタルな音。ああもういっそエレキギター使えよって感じ。


これはフィンランドのカンテレではなくて、近隣国ラトビアのコクレ。不要な音を左手で抑えてギターのようにかき鳴らすコード奏法の妙技を堪能できます。五月雨に弾く左手の音が聴く人に空耳のメロディーを暗示する。ゲシュタルト心理学の錯覚を積極的に利用するこの奏法はちょっと珍しいです。

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ウィングカンテレの弾き方、概説1

ウィングカンテレは北欧フィンランドの新しい弦楽器です。
ウィングカンテレの弾き方教室第1回、この連載記事について。
» 16弦ウィングカンテレで即興演奏してみました


古くて新しいウイングカンテレ

カンテレは北欧フィンランドで数千年の長い歴史を持つ弦楽器です。20世紀末に、このフィンランドの伝統楽器から新しいウィングカンテレが生まれました。この連載ではウイングカンテレの弾き方について説明します。

自力でマスターするのが基本

ウィングカンテレは若者のサブカルチャーを母体として生まれた大衆楽器です。フォークギターやエレキギターと同じように、ベッドに腰かけ音楽雑誌のコード譜を目で追いながら、うんうんと自力でマスターするのがお似合いの楽器です。あるいはバンド仲間同士で教えたり教わったり。

オリジナルのカンテレは北欧フィンランドの伝統楽器ですが、出来たばかりのウィングカンテレには歴史がありません。守るべき伝統も作法もありません★1 。気楽です、なにをやってもOK。その代わり、自分の音はぜんぶ自分で責任を負わなければならない。そのような厳しい面もあります。

楽しく遊ぶヒントになれば

日本において、ウィングカンテレはまだまだ見かけない楽器★2 です。弾き方がわからなくて誰かに教わろうにも、教わりようのないのが実情です。基本、インターネットに散見される外国語のドキュメントを翻訳したり、それよりは、YouTubeの演奏動画を見よう見まねして練習することになるでしょう。

私は弦楽器の素人ですが、私なりにカンテレを触ってみて「こうしたら上手くいった」「こんなのはどうだ?」的なことを、記事に残していくつもりです。日曜音楽家たち――毎日の仕事や勉学に忙しくて、なかなか楽器を練習する暇のない人たち――が、このおよそ馴染みのない弦楽器で楽しく遊ぶためのヒントになれば…と思っています。

きちんとカンテレを習得したい人へ

そんなですから、この連載記事で説明することは、権威ある音楽大学でオーソライズされたようなりっぱな内容ではありません。きちんとカンテレを習得したい人は、きちんとしたところで教わるべきです。『日本カンテレ友の会』という団体が、不定期にワークショップを開催しています。
» 日本カンテレ友の会

次回はウィングカンテレという楽器について説明します。

★1 守るべき伝統も作法もない
ほんとうは、ウィングカンテレはオリジナルのカンテレの伝統奏法を受けついでいて、これがフォークギターやロックギターの奏法と融合して独特な演奏スタイルになっています。せっかくウィングカンテレを演奏するなら、その演奏スタイルをぜひマスターしたいもの。

しかしだからといって「是が非でもそのように演奏しなければならない」というものではありません。ポロンポロンジャラーンと弾いて、自分が楽しければそれでOKです。むしろそのような使い方こそ、積極的に模索されるべきだと思っています。

★2 まだまだ見かけない楽器
日本には北海道を中心として、全国にそこそこのカンテレ演奏人口があります。

しかしながら私は、ウィングカンテレにディストーションを繋いでギュインギュイン言わせるような、サブカルチックな演奏動画を見たことがありません。もちろんYouTubeなどで公開していないだけで、地元のライブハウスでギュインギュイン言わせているのかもしれませんが。ゴシックロックやダークウェイブといった、後ろめたい不健康な音楽ジャンルで、カンテレの寒々とした音色はギターよりも似合うはずだと予想しています。そっち方面の応用は、日本ではほんとうにまだまだこれからだという印象です。(2011/5/28現在)

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2011年02月01日

てみる屋で販売予定のカンテレ (既に販売してます)

気の早い話ですが、世界楽器てみる屋で販売する予定のカンテレついて説明します。既にロビッカ社のウィングカンテレを販売しています。北欧フィンランドからやって来た新しい楽器ウィングカンテレを始めてみませんか。
» ロビッカ社ウィングカンテレのウェブカタログはこちら

ウィングカンテレを販売します

フィンランドのお琴カンテレは、現在では次の3つのタイプが存在します。

  • 小さな3角形をした伝統的なタイプ
  • クラシック曲をばりばり演奏できるグランドカンテレ
  • 肩から提げてギターのようにかき鳴らすウィングカンテレ(モダンカンテレ)

このうち、てみる屋で販売するのはウィングカンテレです。
ウィングカンテレはギターのように抱えて演奏しやすいように、左腕用のアームレスト(ウィング)が大きく張りだしているのが特徴です。マグネットのピックアップを搭載して、エフェクタをつないでエレキギターのような音作りができるタイプもあります。

YouTubeの動画は(演奏は…アレですが)ウィングカンテレの特徴をよく表しています。懐かしいところでレッド・ツェッペリンとかカバーできそうですよ。私個人としてはこんなギュインギュインした音よりも、もっとちゃらちゃらしたイージーリスニングな曲を演奏してみたいのですが。とにかく、こういう使いかたをするカンテレを販売したいと考えています。

”エレキカンテレ”とは別物

「エレキギターのように演奏できるからエレキカンテレ」と呼んでしまいそうですが。既にグランドカンテレにピックアップを付けたものをエレキカンテレと呼び習わしているようです。混乱を避けるためにウィングカンテレ、モダンカンテレと呼ぶべきです。(あるいはエレキ・ウィングカンテレ、エレキ・モダンカンテレ、とか?)

写真はロビッカ社のエレキカンテレです。
すごいですねー。カッコいいなあ、ちょっと食指が動きますが…値段もきっとすごいです。てみる屋がグランドカンテレを扱わないのは財政的な理由もあります。こんなもの仕入れたら、他の楽器を仕入れることができなくなってしまいます…

ウィング11弦

てみる屋が販売する予定のその1。
ロビッカ社の11弦ウィングカンテレです。伝統的な5弦ではあまりにできることが少なすぎるが、かといって欲張るとグランドカンテレのように膨らんでしまう。そこそこ表現力があって扱いやすい、というベストなバランスがどうやら10弦~11弦のあたり★1 らしいです。YouTubeの素晴らしい演奏動画でも11弦をよく見かけます。おそらく演奏しやすいのでしょう。

筺に弦を張っただけのベーシックなタイプを 54,560円 で発売予定です。もともと生音で楽しむ楽器ですし、マイクで集音すればライブステージでも使えるでしょう。音階は下から ソラシドレミファソラシド?(正確に把握していません) で、演奏できる調はニ長調(Dキー)に限られます。他の調も演奏できるように弦のピッチを半音上げ下げする機構―チューニングスイッチ―と、エレキギターのピックアップを取りつけたフル装備を 108,560円 で発売予定です。(いずれもケース付)

ロビッカ社は、私がネット検索していて最初に引きあてたという、ただそれだけの選択です。
フィンランドのカンテレ工房の中では新参者のようですが、カンテレはきちんと作ればそれなりに鳴ってくれる楽器★2 なので心配していません。

カラーは青、赤、黄、無地(木肌)がありまして、私は無地を販売する予定です。
青、赤、黄はちょっと…ちょっと…。

ウィング16弦

てみる屋が販売する予定のその2。
ロビッカ社の16弦ウィングカンテレです。事実上は11弦に1本足した12弦です。いちばん長い4本の弦はべーんべーんと鳴らす低音伴奏弦です。

以前リトルミンストレルという小さな琴について調べていて、11弦だと、いろんな曲を弾くのにぎりぎり1つ音が足りない、といういうことがよくありました。

12弦の ソラシドレミファソラシドレ だと、演奏できる曲のレパートリーがぐんと増え★3 ます。私たち西洋音楽に慣れ親しんだ人にとっては、操作バランスの良い11弦よりも12弦の方が便利に使えるかもしれません。ベーシックタイプが 82,360円 。チューニングスイッチとピックアップを付けたフル装備が 145,460円 です。(いずれもケース付)

★1 10弦~11弦がベストバランス
カンテレはずらっと並んだ弦のうち鳴ってはいけない弦を左手で抑えてギターのようにかき鳴らします。このときドレミファソラシドのうち約半数の音を指で抑える必要がありまして、だから逆算すると、左手5本指で操作できる弦の最大本数は10本、ということになります。そういうことじゃないかと理解しています。

★2 自作してもそれなりに鳴ってくれる楽器
伝統的なカンテレの外観は直線で構成されています。つまりカンテレは平板を貼りあわせて製作することができます。また特に工夫しなくても、頑丈な筺や板に弦を強く張るだけでいい感じに鳴ってくれるものです。カンテレはきちんとした工具があれば自作できるはずですし、実際に自作したぜという自慢話をいろんなブログで見かけます。カンテレは自作したり村の大工に頼んで作ってもらったりする庶民の楽器だったと、私は推測しています。

★3 12弦だと演奏できる曲のレパートリーがぐんと増える
ふつうの人が歌えるように作曲された多くの曲が、低いソの音から高いレの音まで、という音域に収まります。もちろん低いファの音まで使う曲や高いミの音まで使う曲や、そもそも2オクターブ以上の音域を使う曲だっていくらでもありますが。欲しがったらきりがない、最後はグランドカンテレのような大がかりな装置になってしまいます。弦の数が少ないほど扱いやすいが、弦の数が多いほどいろんな曲が弾ける。そのバランスが私の感覚では、12弦なのです。ちなみに低いミの音まで使うという曲も一定数あるのですが、それはざっくり切り捨てて話しています。弦の本数が少ないのですから、なんでも演奏できるというわけにはいきません。
今回販売するカンテレに関しては、チューニングスイッチをひねって移調すれば演奏できるでしょう。

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