-- てみる屋業務日誌(9) --

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2009年09月05日

13穴2オクターブのオカリナ

このところデュエットオカリナの特集記事を書きためています。
私はもともとオカリナの音が好きではありません。吹かないし苦手な笛でしたが、連日吹いているうち(これはこれでいいかも?)と思えてきました。好きな楽器が増えてラッキー。

さて、オカリナはもちろん誰でも知ってる超ポピュラーな楽器です。どんな田舎の楽器屋だって一つは売ってるでしょう。変わった楽器・珍しい楽器を販売する世界楽器てみる屋としては、店主が売る気になったから、よい楽器だから、という理由だけでは販売することができません。街の楽器屋ではあまり見かけないオカリナ…粗悪品はさすがに販売できませんが、デザイン重視のプレゼント用とか?そんなのを探して販売するしかないかなと考えてます。
(まったくめんどくさい店です。)

写真は13穴で2オクターブ出せるオカリナです。
通常のオカリナの音域は1オクターブ+5音なのだそうで、これはそれに二つ音が増えて2オクターブの音域を完全にカバーします。ソプラノC調で下のソの音から「ソラシドレミファソラシドレミファソ」。メーカーの得意げな解説によると、左手人差指にサブホールを一つ追加したことで、いちばん低いソの音といちばん高いソの音を出すことが可能になったのだとか。

地元のオカリナ教室の先生に尋ねたところ「初耳だ」とのことでしたので、これは珍しいということでいいのかな?卸売りしていただけるようメーカーと交渉してみます。
うまくいけば9月注に新発売できるでしょう。

2オクターブオカリナを吹いてみての所感

もう手放せません。パソコンを操作しながらさっきからずっと吹いてます。
オカリナってこんなにおもしろかったのかー。私の子どものころの記憶ではオカリナは、音がぼんやりと不明瞭で妙に聞きとりにくい、ピッチがふらふらして何を吹いているのか分からない、という笛だったのですが。それなりに値の張るオカリナであれば、かちっとした音でピッチも安定しているのですね。これは失敗、認識を改めました。

しかしそれは、この2オクターブオカリナが特にすばらしい、ということでもないのだろうと判断しています。ナイトオカリナですか?世間に出回っているきちんとしたオカリナはきっとみんな気持ちよく演奏できるのでしょう。

私がこの形のオカリナをまともにを吹いたのはこれが初めてです。
だからふつうのオカリナよりも上下に二つ音が多い、ということのありがたみがピンときません。低いソの音を使う曲はたくさんありますから、低いソが出ないと困るだろうとは思います。ってもそれも四度高く移調して吹けばいいわけで…どうなんでしょう。

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2009年08月25日

フヤラを販売する予定です

細長い笛を強く吹くと音が裏がえって高い音が出ます。倍音です。
強く吹くほど音がどんどん裏がえって、それは音階のようになります。これが指穴が一つもないのにメロディーを演奏することができるオーバートーンフルートの原理です。
» オーバートーンフルートを吹いてみました

フヤラはスロバキアにある世界最大のオーバートーンフルートです。

全長は170cmで、私の背丈より大きいくらい。指穴が3つありますが、これは倍音列を切りかえるために使います。一つの指穴で「ドドソドミソシbドレミファ#ソラシbシド」のようにいろんな音を出します。このへんの仕組みは笛よりむしろトランペットなどラッパ族に近い。倍音はマイクがハウったときの音ですから、耳にくるヒステリックな音色です。エコーをギンギンにかけてフヤラを力いっぱい吹くとすごいことになります。

» フヤラの音(メーカーの試聴サンプルから)

私はフヤラをずっと販売したいと思ってました。
非常に高価で手の届かない楽器でしたが。ユーロが弱くなったこと、メーカーが値下げしたこと、うちのお店の体力がついてきたことから、ついに販売する運びとなりました。

ふつうのフヤラと、パーツ交換でディジュリドゥに変身するフヤリドゥの二種類を仕入れます。どちらも3パーツに分解できるので持ち運びに便利。フヤリドゥは単に分解できるディジュリドゥとしても重宝だと思います。

「早くて2ヶ月後に納品」と言っていましたから、11月半ば?なんとか年内には発売できそうです。価格はふつうのフヤラが67,000円、ディジュ兼用フヤラが81,000円くらいを想定。

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2009年08月18日

エオリアンハープを日本で製作販売します

イーストウッド・プロダクツのローバート・コリガンは20年間エオリアンハープを作り続けてきました。100年前に絶滅した英国の楽器を復元した功績によりウェールズのチャールズ皇太子から公式に賞賛をいただいたこともあります。
しかしもう体が動かなくなって今年中に工房をたたむことにしました。

» 風を受けて鳴るエオリアンハープの音

「まだ作りかけがいくつか残っているので、それを仕上げたらほんとうに終わりです。工作機械と工具と木材を売りに出します。余っているハープの部品も何もかも売りに出します…」というウェブサイトの文章を読んでいるうち、こっちまでなんだか卒業式の後片づけをしているような気持ちになってきました。

現在、売りに出ているのは在庫のエオリアンハープ数点、それと詳細な設計図。

私はもうエオリアンハープを作ることができません。100年前のようにエオリアンハープが消え逝かないことを私は強く願っています。私は多くの教育CDを販売してきましたし、今後もできるかぎりそうするつもりです。幾人かの木工職人たちが仕事としてこのハープを製作するようになることを私は願っています。

…ま、今後も楽器屋を続けていくとこんな場面に出くわすのでしょうね。
私はロバートにメールを書いて設計図を買い取ることにしました。
日本の工房に依頼して製作・販売します。

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2009年07月22日

ケーナサジフルート プレゼントキャンペーン

アーストーン・フルート工房から届いた小包にケーナサジフルートが1本サンプル品として入っていました。

ケーナサジフルートは古代アナサジフルートの吹口を南アメリカの葦笛ケーナのように改造した笛です。アーストーン・フルート工房はこのようにアナサジフルートやモハーヴェフルートを積極的に改造することによって、コヨーテ・オールドマン工房の製品との差別化を図っているようです。
» ケーナサジフルート吹いてみた


どうなんでしょう。
よい笛だと思います。でもふつうのアナサジフルートとの違いがよく分かりません。工房のウェブサイトでは「ふつうのアナサジフルートよりもマスターしやすいよ」と説明していました。たしかに尺八よりもケーナの方が音を出しやすいというのが定評です。しかしそれは比較の話であって、ケーナ自体、最初の音を出すのに一ヶ月かかったとか、半年習ったけど思いどおりに吹けないのでやめたとか、そんなハードルの高い笛です。意味あるのかなあ。

私にはケーナサジフルートの売り方が分かりません。だからてみる屋では販売しないでしょう。でもそうなるとこのサンプル品の行き場がなくなります。私は持っててもきっと吹かないでしょうし…

このようないきさつで、ケーナサジフルートを無料でお客さんにプレゼントすることにしました。あ、送料は払ってくださいね。ですからまったく只で手に入るというわけではありませんよ。

ケーナサジフルート プレゼントキャンペーン

プレゼント内容
サンプル品のケーナサジフルート(レッドウッド、Bキー)1本
応募資格
2009年7月22日までに、てみる屋の商品をなんでもいいから一つ以上買った人。
応募方法
てみる屋宛てに電子メールをください。件名に「ケーナサジフルートをください」みたいな、まあなんのメールか分かればいいです。あと本文にお名前と、できれば住所も書いていただければ完璧です。てみる屋ではいつ誰に何を売ったか完璧に把握しています。名前、住所、メールアドレスのどれか一致すればお客さんだと判断できますので。
〆切
2009年8月25日までにメールをください。
抽選方法
サイコロでも転がします。かんぜんにランダムです。
当選発表
2009年8月27日にウェブショップかブログにて発表します。「長崎市のK.Aさん」みたいな感じで?当選者には別途メールを差しあげます。

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2009年05月25日

バグパイプが完成したそうな

年始に製作依頼したバグパイプがすべて完成したと、工房から写真が届きました。

中世の文献に載っているバグパイプを復元しました。
バグパイプとしては小型な部類で音量が小さく、リコーダー・ギター・ピアノなど室内での合奏を想定しています。そうですね、リコーダーやオカリナのサークル、古楽のグループに重宝がられるでしょう。

キーはCキー(ふつうにピアノのドの音からドレミファソラシド)。
音域は1オクターブ+1音です、コンサート楽器と比べて信じられないほど狭い音域ですがバグパイプとはそんなものらしい。
伴奏管が一本のタイプと二本のタイプがあります。

6月半ばに販売開始の予定。

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2009年03月01日

新しいインディアンフルートを販売開始しました

» アーストーンのインディアンフルートを吹いてみました

アーストーン・フルート工房のインディアンフルートです。
木目の美しいメイプルにバーンリングとラピス象嵌をほどこしました。ブロックは知恵の象徴である大鴉(オオガラス)をかたどっています。太く力強い音色です。

てみる屋で売ってる他のインディアンフルートとずいぶん雰囲気の違う音だ…と思いましたか。実はそのように吹いているだけです、ストラップをはずして6穴にして吹きました。

初心者には上から3番目の指穴をストラップでかくして5穴のフルートとして演奏することをお勧めしています。下から順に指穴をあけていくだけでインディアンフルートの伝統的な音階―ラドレミソラ―を吹くことができます。どのように指を動かしてもそれらしく曲に聞こえるためフィーリングで吹くのに最適なのですが。

6穴にするとこんなヒロイックな音階も使えます。
» 詳細はアーストーン・フルートのカタログページへ

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2009年02月26日

ホピの笛ヒョウタンスペシャル

去年末からコヨーテオールドマンさんにフルートを卸してもらえることになりました。これはそれを記念してオールドマンさんが製作してくれたスペシャルバージョンのホピの笛です。

オールドマンさんからのメールには「ヒョウタン付きのスペシャルバージョン」と記述されていて、これは変な英語だ、最近は英語の文書も読み慣れたつもりだったが、と、いろんなところで「ヒョウタンの(花)の図柄?のホピの笛」と宣伝してきましたら。

ほんとうにヒョウタンが付いてました。

これも伝統的なホピの笛のデザインなんだそうです。
笛とラッパはちがうからこんなことをしても音は大きくならない、逆にミュートするというか、わずかに音色を曇らせる効果があるようです。
…厳密にはどうもよくわかりません、単なる装飾じゃないかとも思います。

送料・税込で24,360円。
(ウェブカタログに掲載するのはもう少し時間がかかります。)

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2009年01月21日

バグパイプを販売するかも

バグパイプはオーボエのようなリード笛の吹口に革袋を付けた楽器です。革袋から空気を送るので切れめなく笛を鳴らすことができます。バグパイプといえばスコットランドが有名でしょう。キャンディス・ホワイト嬢をして「カタツムリが行進しているよう」と言わしめた、あの音と形を見れば聞けばああ知っているという有名な民族楽器です。でもいざ「自分でも」となるとどうやって入手すればいいのか見当がつきません。

バグパップはリード部分が消耗品で革袋もメンテナンスが必要など課題が多く、だからてみる屋では扱わない楽器と考えてました…それにみんな知ってるでしょう。

したらほんとうに突然、ドイツ帰りの楽器職人さん(日本人)から電話がかかってきて「ぜひお話をしたい」とのこと。今月いちばんのびっくりです。こんな展開ってあるんですね、想像もしてしませんでした。 有名なスコットランドのやつではなくて中欧や南欧のバグパイプを製作するそうです。

スペインのガリシアのバグパイプは『ゲド戦記』に使われたような…でもこんなちょっとマイナーなラインナップこそてみる屋にふさわしい。
» ガリシアのバグパイプ(Carlos Nunez)

職人と商人の話ですからとうぜん「売ってください仕入値はこんなで売値は…」という話を期待しています。どうなるんだろう、楽しみです。

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2009年01月15日

ホピの笛(青の象嵌)を販売開始

ホピの笛は北米インディアンのホピ族が18世紀くらいまで演奏していた笛です。
現在はコヨーテオールドマンさんが復元・販売していて、2月に4本、てみる屋に届く予定です。

» ホピの笛の演奏(コヨーテオールドマン)

それらとは別に先がけて、青い象嵌模様のホピの笛を販売することになりました。
» ホピの笛のウェブカタログページへ

先日、笛演奏者の雲龍さんからこれを注文されまして、オールドマンさんに問いあわせましたら2本在庫があるとのこと。2本とも買いました、卸しで買うのに1本だけ、というのはさすがに気がひけます。値段が古代アナサジフルートとたいして変わらないのは、象嵌模様が高いから。無地の笛はこれの半額なので、外観にこだわらないなら2月に入荷するぶんを待つのがいいでしょう。

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2009年01月10日

カイサドラムが到着しました

9月に注文した最初のカイサドラムがついに到着しました。

» カイサドラムを叩いてみました(五音階Fキー)

造りはしっかりしていて華やかな明るい音色です。立派なもんです。
さすがはドイツ人、素晴らしいっ…キーが間違ってさえいなければ。

「Cキーを送る」と言ってたのに、到着したのはFキーでした。
Cキーを注文していたお客さんは昨年12月から現在進行形で心待ちにしているんですよ、どうしたらいいんですか。届いたFキーのカイサドラムはFキーを予約したお客さんに先行して手渡して、メーカーにCキーを早急に配送するよう依頼しました。

ってもドイツからの荷物は届くのに早くて一ヶ月かかります。
Cキーを注文していたお客さんになんて謝ればいいのか。

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