とあるオカリナ専門店でデュエットオカリナのパチモンが新発売されました。
「んな買い手のいないニッチ商品をパチってどうする?」とか「仮にも専門店がパチモンを販売するってどうよっ!?」とか、ツッコミどころ満載な事件です。
問題のウェブショップにビックリマーク付きで紹介された写真を見たところ、造作はオリジナルよりもいくぶん簡素でしょうか。しかし記載された数値を信じるならスペックはオリジナルと同等で、価格はなんとたったの6千5百円!?
ムリムリ、ぜったいムリ。「どうすればそんな値段で生産できるんだ」とオリジナルの工房は半信半疑の驚きです。
このダンピングまがいのメチャクチャな価格設定や、その他の要素をいろいろ考えた結果、私は多分大丈夫だろうと判断しました。パチモンを完全に駆逐できなくてもオリジナルの工房の利益を守れるという意味で。もちろん対策は講じますよ、既に最初の手を打ちました。
しかしそれを英語で説明するのが難しい。
一晩中、オリジナルの工房とメールをやり取りすることになりました。
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すみません、フォローするのを忘れてました。
私の中ではこの記事を書いた時点で気分すっきり解決していました…
パチモンに関しては、見なかったことにしています。あるようにあれ、という立場です。「既に最初の手を打ちました」というのは具体的に言うと「うちで売っているのはデュエットオカリナで、ハモリナではありません」とブログやウェブショップのそこここに明記しただけです。これで十分でしょう。法的手段に訴えるとかその準備だとか、一切していませんよ。できないし、必要もないし。
まず最初に。
ハモリナはノースカントリー・ワークショップ工房作のデュエットオカリナのパチモンだと言い切ります。それはハモリナがデュエットオカリナよりも後に発表されたオカリナで、デュエットオカリナに酷似した意匠(外観)だからです。いやだって、そもそもそういうグレイな物を類似品、パチモンって呼ぶのでしょう。更にハモリナを製作した本人が「デュエットオカリナを参考にした」と証言しましたから、そりゃもう太鼓判付きのパチモンです。
それからハモリナの存在はまったく合法です。
デュエットオカリナの”原理”はマヤ・アステカに起源があるため、特許になりません。後は意匠(外観)をマネされないように意匠登録などすればいいのでしょうか、そういうことはできるのでしょうか。そのへん私は詳しくないのですが、どのみち本家の工房はそのようなことをしていないので間に合いません。そんなだから法的手段に訴えようもありませんし、そしてその必要性も感じていません。
今は市場を広げるのがいちばんだと考えています。
和音を出せるオカリナが存在するなんて、ふつうの人は知りません。ふつうの人にデュエットオカリナの存在を広く知らしめること。もしデュエットオカリナの市場が1000倍になったら、半分をハモリナに取られても、今の500倍がこちらの取り分になるわけでしょう。はあ、ほんとうにそうなるといいです…
そもそも私がパチモンのハモリナを売ってもいいのですよ?
(2010年3月28日)
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