-- テクノパイプ(1) --

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2013年11月12日

バグパイプの楽譜はこちら

バグパイプは日本では見かけない珍しい楽器です。
東京でもなければ演奏教室なんてないし、なかなか教則本だって売っていません。なので外国の楽譜サイトを紹介します。
英語で書いてあるけど、雰囲気で分かるでしょう
» スコットランドのバグパイプの楽譜はこちらのページ
» スペインのバグパイプの楽譜はこちらのページ

グレースノートのやり方

楽譜の読み方に関連してグレースノート(装飾音)の説明を今一度。
グレースノートのやり方は、メロディを演奏する指使いはそのままに、装飾音である高音の指(まれに低音の指)を瞬間的に開けて塞ぎます。その速度はTVゲームでボタンを連打するがごとく。開けて…塞ぐ…というよりタンッと瞬間的に指穴を叩く感じです。

楽譜を見ると、1つだけ装飾音を書いてある箇所があります。
そこは、その音の指穴をタンッと叩きます。

あるいは3~4つほどの装飾音を連続して書いてある箇所があります。
そこは楽譜のとおりにタラリラと演奏するのではありません。上で述べたとおり、メロディを演奏する指使いのまま、装飾音の指穴をタンタンッと順々に素早く連続して叩きます。

ウェブのページには画像ファイルやpdfファイルの楽譜データと一緒に、midiファイルやmp3ファイルの模範演奏もアップロードされています。まずは模範演奏を聞きながら楽譜を追いかけて勉強するといいでしょう。

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2013年06月01日

テクノパイプのMIDI変換ケーブルを自作する

テクノパイプに付属するMIDI変換ケーブルは自作できますよ。

練習用の電子バグパイプです

テクノパイプはスェーデンのフェイガーシュトロム社が製作している練習用の電子バグパイプです。単三乾電池一本で駆動、イヤホンを差していつでもどこでも静かにバグパイプの練習ができます。こういうものはバグパイプに馴染みのない日本では、きっとヘンなモノ好きの人が買ってくれるだろう……と当てこんでいましたが。意外にほんとうにバグパイプの練習用に買うお客さんが多いです。日本でもバグパイプ演奏者ってけっこういるみたいですね。

テクノパイプはパソコンに繋いでソフトウェアシンセサイザを鳴らすこともできます。こうすると本物のバグパイプに劣らない立派な音色を奏でます。YouTubeの動画に見るテクノパイプの演奏は、たいていこちらの使い方をしています。

テクノパイプをパソコンに繋ぐには付属のMIDI変換ケーブルを使います。このケーブルはテクノパイプ専用で、ふつうに市販されているものではありません。無くしたり断線したりした場合は、たぶんメーカーに問いあわせれば、ケーブルのみの販売もしてくれるでしょう。世界楽器てみる屋でテクノパイプを購入したお客さんについては、私の方からメーカーに問いあわせします。しかしそれでも、取りよせるのにどうしても時間がかかってしまいます。

自作する手もある

テクノパイプ付属のMIDI変換ケーブルは自作できます。
端子は、テクノパイプに差す側が『3.5mmステレオミニプラグ』で、MIDIケーブルを繋ぐ側が『DINコネクター5P中継ジャック(180度)』です。ケーブルは同軸1芯でいいでしょう。

私は福岡市中央区の嘉穂パーツセンターでパーツを集めました。全部で655円になりました。配線は下の図のとおりです。

» 試作したケーブルでパソコンに繋いで鳴らしてみました、成功!

火傷には気をつけてくださいね。
私はケーブルの試作中に半田ごてをとり落として、ズボンの裾をざっくり焼きました。素足だったら大変なことになってました。

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2013年01月11日

テクノパイプを購入しました

先日ガリシアン・オープンのテクノパイプを購入したDinoといいます。

 

まずは音を出すことからと思い、てみる屋さんのブログを参考にPCに接続してみました。

環境は以下のとおりです。

 

VSTは全環境共通でUniversal Piperです。

 

【環境1Macbook Air (CPU:Core i7 1.8GHz , Memory:4GB) Roland UM-ONE mk2

MacではASIOの代わりにOSCoreAudioがローレイテンシーを実現とありましたが

実際はかなり遅れます。リバーブをONにすると全く使い物にならないレベルまで遅れます。

設定が悪いのでしょうか・・・

またMac版のUniversal PiperにはWindows版のようにAudio MIDI設定のメニューがありません。

普段使うPCMacなので困ったところです。やはりQuad-Captureを介した方が良いのでしょうか。

もう少し調査したいと思います。

 

 

【環境2Windows7 x64 (CPU:Core i7 3.06GHz , Memory:12GB) + Roland UM-ONE mk2

ASIO4ALLをインストールしましたが、Universal Piperがそれを認識しないという不具合に見舞われています。

Audio MIDI設定画面でASIOを選択しようとするとUniversal Piperがフリーズする状態です。

他の64bit環境でも同様の事象に見舞われたため、Universal Piper側の問題かと思いますが解決方法が見当たらず放置しています。

 

 

【環境3Windows7 x86 (CPU:Core2Duo 1.6GHz Memory:4GB) + Roland UM-ONE mk2

→やっと正常に稼働する環境になりました。

ASIO4ALLも認識しました。 バッファサイズは144Sampesにしています。

リバーブ等のエフェクトも問題なく掛かりました。

ASIO4ALL64bit環境でも稼働しているという記事を見かけるのでやはりUniversal Piperの問題でしょうか。

 

 

【環境4iPad2 + Camera Connection Kit + Roland UM-ONE mk2

iOS版のUniversal Piperがリリースされていたので試しに買ってみました。

画像はiOS版のUPiperです。iPadでも使えますが、iPhone版の画面サイズを2倍にしただけのようです。

Config画面にてMIDI controlerを選択できるのですが、MIDI controlerの選択肢にGeneric MIDI chanterがありません。

てみる屋さんのブログでもテクノパイプを選んでも上手く動かないのでGeneric MIDI chanterを選択してくださいとの記事があったことから嫌な予感がしていたのですが、やはり認識しませんでした。

iOS版はまだver1.0.1なので今後使用できるコントローラーにPC版同様にGeneric MIDI chanterが増えることを願います。

 

ちなみにてみる屋さんの記事で紹介のあったMIDI-USBケーブルのUM-ONEですが現行はmk2という商品に変わっていました。

このmk2iPad(iPad2以降)で使えることが最大の売りかと思うので今後のUpiperのバージョンアップに期待です。

またiPadUM-ONE mk2を接続する場合、Camera Connection Kitが必須です。

パチモンのコネクションキットだと認識に不安定さがあるようなので純正品をお勧めします。

Roland社ではiPadと直結ではなく、セルフパワータイプのUSBハブを間にかますことを推奨しています。

確かにiPadの供給電源容量は少ないのでこれも必須と思った方が良いかも知れないです。

 

 

23週間に渡る出張が多いため出張先の公園等でティンホイッスルを吹いたりBonesを鳴らしたりしていましたが、これからはテクノパイプとの併用になりそうです。

運指をガリシアン・オープンにしているので、ホイッスルと同じように演奏できるのがありがたいですね。

試しにキーをDにしてThe King of Firliesを演奏してみましたが、問題なく演奏できました。

 

ただ外で練習するにはPCは邪魔になりがちなので、RolandMobile Cubeを購入しようかと思います。

(そのためにiOS版のUpiperには期待していたのですが・・・)

 

まずはテクノパイプで慣れ、いずれはredpipeにいきたいですね。

 

長文・乱文失礼致しました。

 

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2012年04月08日

テクノパイプの演奏方法4

テクノパイプはスエーデン・フェイガーシュトロム社の電気バグパイプです。
バグパイプの装飾音について、アメイジング・グレイスを例に研究してみましょう。


» テクノパイプの演奏(原音にディレイなどエフェクトをかけた)

バグパイプの装飾音は、やることは音を区切るのと同じだと説明しました。つまり、指を素速く動かして指穴を開閉します。「ならば具体的にどんなときにどんなふうに?」という話になると、くどくどした説明を聞くよりもいっそ、本物の演奏を聴きながら真似をするのがいちばん間違いありません。スコットランドのバグパイプで定番の曲 『アメイジング・グレイス』 を聞きながら、装飾音を研究してみましょう。

メロディーをドレミで書いてみる

実際にCDやYouTubeの演奏を聴きながら、メロディーを書き写します。アメイジング・グレイスは簡単な曲ですから、本格的な楽譜を書くまでもない。ドレミで書けばいいです。ドレミで書いたアメイジング・グレイスのメロディーはこんな感じです。
» 本場のバグパイプ演奏 『Amazing Grace』

試しに Universal Piper で装飾音など何も入れずにメロディーだけ演奏してみました。音と音が繋がってしまって、なんとも出来の悪い印象です。
» 私の演奏(音の区切りも装飾音も一切なし)

最低限、音を区切る

曲が曲として聞こえるように、最低限、音を区切る必要があります。「ドドー」のように、同じ音が続く箇所にぜんぶ区切りを入れていきます。これは機械的な作業です。

試しにバグパイプで音を区切ってメロディーを演奏してみました。なるほど、今度はきちんとしたメロディーに聞こえます。
» 私の演奏(音の区切りだけ入れてみた)

鳴りだしたら止まらないバグパイプは、指を素速く動かして音を区切る必要があります。音を区切ることさえ出来れば、最低限OKです。きちんとメロディーに聞こえます。とにかくバグパイプを演奏したい、というだけなら、このレベルで十分に楽しめます。

装飾音を入れる

音を区切ることさえできれば、最低限、バグパイプを演奏できたことになりますが。もっとバグパイプらしい個性でもって演奏したいなら、更に装飾音を入れる必要があります。ってもやることは音を区切るのと同じですけど。

注意深くCDやYouTubeの演奏を聴きながら、音を区切る箇所でもないのに素速く指を動かしている箇所に印を付けていきます。そこが装飾音です。どうでしょう、分かりますか。

特に印象的なのは、「ドーラーソー」「レードー」のようにフレーズが下がって終わる箇所で、1音~数音下の音から始めて大げさにずりあげる動きです。これはスコットランドのバグパイプの癖なのでしょうか。それともアメイジング・グレイスを演奏するときの慣例でしょうか。それとも単なる演奏者の癖でしょうか。判断つきかねますが、ひとまずはそっくりに真似をして覚えます。試しに装飾音を入れて演奏してみました。スコットランドっぽく聞こえますか?
» 私の演奏(音の区切りも装飾音もぜんぶ入れてみた)

民族音楽の修得は聞くのが基本

それにしても、バグパイプの装飾音を入れる箇所は、いったいどのようなルールで決めているのでしょうか?アメイジング・グレイスを分析しただけではよく分かりませんが、スコットランドのいろんなバグパイプの曲をたくさん分析するうち、こんなメロディーならこのへんに装飾音を入れるよね、みたいなルールが何となく分かってきます。っても数学の公式ではありませんから、どこまでがんばっても「何となく」というレベルでしょうけれど。でもむこう人も同じです。親や先輩の演奏を見よう見まねして「何となく」を理解するのです。

バグパイプの装飾音は、国や文化によって違います。スコットランドとお隣のアイルランドで既に微妙にルールが違いますし、スペインのバグパイプも独自のルールを持っています。他の国も同様です。ですから「私はスコットランドのバグパイプが演奏できる=私は世界中のバグパイプが演奏できる」なんて奢らないこと。その国毎の先人の演奏をよく聴いて、それぞれの「何となく」のルールを研究するべきです。

私に関しては、バグパイプの装飾音はめちゃくちゃですよ。だから私は、どこの国のバグパイプを習得しました、なんて絶対に胸を張れない。私がテクノパイプやレッドパイプのメタルなど、どこの国のでもない怪しげなバグパイプばかり好んで演奏する理由でもあります。

テクノパイプの演奏方法についての説明は以上です。
テクノパイプはイヤホンを差せばすぐに演奏できます。特に分かりにくいというところがありません。本物のバグパイプだと、組み立て方・分解の仕方、ピッチの合わせ方、メンテナンス方法、などまだまだたくさん説明しないといけませんけど。それはまたいつか別の機会に。

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2012年02月20日

テクノパイプの演奏方法3

テクノパイプはスエーデン・フェイガーシュトロム社の電気バグパイプです。
装飾音を入れると、よりバグパイプらしい音に聞こえます。


» テクノパイプの音(前半は原音、後半はエフェクタをかけた音)

鳴りだしたら止まらないバグパイプ。まともに演奏するためには最低限、音を区切る方法を覚えなければなりません。バグパイプで音を区切るには、左手の指穴のどれかを素速く開閉します。キョロッ、キョロッという感じです。音を区切ることさえ覚えれば最低限、バグパイプの演奏ができるようになります。実際、素朴なバグパイプはこの程度の技法で演奏されますし、ロックバンドで使用されるバグパイプもこの程度の演奏です。

「いやーでもYouTubeで観るバグパイプってもっと違うじゃん。もっとこう強烈な…アレじゃん。」と言う人もいるでしょう。確かに、強烈な個性でバグパイプを演奏したい、いかにもバグパイプな音で演奏したいと望むなら、音を区切るだけでは足りません。装飾音を入れることも学ぶ必要があります。

結局、指穴を開閉するしかない

フルート、クラリネットといった表現豊かな吹奏楽器と異なり、バグパイプは鳴りっぱなしの一本調子です。できることといえば…結局、指穴を開けるか閉じるしかないのですよ。装飾音といっても、やることは結局、音を区切るのと同じです。

テクノパイプの装飾音のやり方

テクノパイプの演奏で装飾音を入れるやり方を説明します。っても音を区切るのとまったく同じです。

  1. 基本は左薬指で指穴を超高速で開閉する
  2. 左薬指が使えないときは仕方ないので、左人差指で指穴を超高速で開閉する
  3. 左人差指も使えないときは仕方ないので、左親指で指穴を超高速で開閉する
  4. それもだめなときは仕方ないので、左親指で指穴を超高速で払う

左親指の場合は、既に開いている指穴を閉じて、それから開ける操作をすることもあります。親指は不器用なので、これはとても困難な操作です。既に開いている指穴を親指で閉じて開けるには、指穴に付いた埃を落とすように、指穴を斜め横から払います。こうするとワンアクションで指穴を閉じて開けることができます。他の指も一般に、既に開いている指穴を閉じてそれから開ける操作は苦手です。指穴を斜め横から払うといいです。特に右小指とか。

装飾音のやり方自体はこんなものです。が、これだけでは「じゃあそれをどんなときにどんな感じにやればいいの?」というのが分かりませんよね。それは…次回に具体的に『アメイジング・グレイス』の曲を追いかけながら説明します。

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2012年02月18日

テクノパイプ演奏 "Tempus transit gelidum"

テクノパイプはスエーデン製の電気バグパイプです。
テクノパイプで中世の古い曲 『Tempus transit gelidum』 を演奏してみました。

ここではテクノパイプ本来の音に、リバーブやエコーなどエフェクトをかけて使っています。テクノパイプは練習用なので、はっきり言って見かけも音もショボいです。テクノパイプはMIDI信号を出力できるので、このように音楽作品に使うなら、MIDIケーブルでパソコンに繋いでバグパイプ・シンセサイザーを鳴らすが定石です。しかしながら、初心者が一からテクノパイプをパソコンに繋いで鳴らすのは、ハードルの高い困難な作業です。なので「テクノパイプ単体でもこの程度には使えるのだぞ」という意味で、この作品を制作しました。

演奏した曲 『Tempus transit gelidum』 は、テクノパイプと抱きあわせで売っている楽譜集の中の一曲です。つまりこんな曲が入ってますよーという、楽譜集の宣伝です。中世~バロックの古い曲ばかり集めていますから、著作権フリーの楽譜として重宝しますよ。そのまま演奏したり、曲の一部に使ったり、作曲の参考にしたり。

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2012年02月05日

バグパイプつったらロックっしょ


» テクノパイプの音(前半は原音、後半はエフェクタをかけた音)

ちらほらテクノパイプが売れてます、よい兆候です。これに続けて超廉価版のバグパイプとプロユースの電気バグパイプを販売して、夏までにバグパイプの商品ラインナップを充実させる計画です。それに伴って、考えておかなければならない重要な案件がありまして…それは、
「いったいバグパイプで何を演奏するように勧めたらよいのか?」ということです。

ふつうの曲に使えるはず

日本で「バグパイプ」というと、スコットランドのグレート・ハイランド・パイプが有名だと思います。だからバグパイプを買ってくれたお客さんはやっぱり、バグパイプでスコットランド民謡やアイルランド民謡を演奏することを考えているのではないでしょうか。

もちろんそういう需要もあるのですが、現代の日本ではかなり乏しい需要だと思うのです。多くの人にバグパイプを演奏してもらいたいなら、いつもの音楽、ふつうの歌謡曲やロックやポップスで使うことを提案できなければなりません。

そしてそれはそれほど突飛な話ではないと判断しています。スペインのヘヴィアが電気バグパイプでダンシングな曲を演奏して、世界的なヒットになりました。バグパイプでポピュラー音楽を演奏することは、それほど珍しいことではない。そういう時代になってきていますから。


中世ロックが参考になる

上のヘヴィアの芸風もそうですけど、スペインのガリシアン・ガイタでダンシングな曲を演奏するときは、かなり速弾きをするのが定番のスタイルになりつつあるようです。これを真似するのはけっこう辛そうです、つか私には絶対ムリ。

「俺のバンドでも次のステージでバグパイプを使ってみるか?」と画策するなら、それよりも中世ロックが参考になると思います。こちらはバグパイプでそんなに難しい演奏をしません。

中世ロックは、ヘヴィーメタルに西洋中世の世俗音楽を取りいれたものです。炸裂するスネアと絶叫するギターの合間に、時代がかった大太鼓の音や、ハーディ・ガーディ、バグパイプといった古楽器が割りこみます。曲調によってはダークな、黒魔術的な印象を帯びます。

中世ロックはメジャーな音楽ジャンルではありませんが、欧米ではそこそこの市民権を得ているようです。中世フェスティバル★1 では即席に設置されたステージの上で、大昔の衣装に身を包んだミュージシャンたちがエレキギターとバグパイプをいっしょに演奏したりします。

中世ロックなら、私は個人的にドイツの 『In Extremo』 というバンドを一推しします。純度の高い古楽からギンギンのヘヴィーメタルまで、多彩な芸風で聞き飽きません。

彼らが使用しているバグパイプは、レッドパイプ社の電気バグパイプ★2 です。YouTube の映像を見ると、歩きまわってコードを踏まないように、音をトランスミッタで飛ばしています。なるほどこうするとコードフリーになって、本物のバグパイプのように見えます。

★1 中世フェスティバル(Medieval Festival)
欧米では、みんなで中世の衣装を着て当時の生活を偲ぶフェスティバルをあちこちで開催しています。日本でも江戸時代の装束をして行列するようなお祭りが各地に残っていますが、あんな感じ。西洋では当時の古い建物が街ごと現役で残ってたりしますから、そりゃもう、成りきり甲斐があります。

西洋では街の重大な歴史的事件―例えば城門前の壮絶な攻防戦―を街の人みんなで演じたりして、まるで映画の撮影現場のようなスペクタクルです。対して近代より前の歴史を持たない北米では、単なるファンタジックなコスプレ祭りとして楽しんでいるようです。

★2 レッドパイプ社の電気バグパイプ
In Extremo が使用しているのは特注品だとのこと。レッドパイプ社の商品ラインナップとしては、『カメロット』 というタイプがこれによく似ています。このカメロットを入手してゴテゴテ飾りたてたら、同じような楽器ができると思います。

世界楽器てみる屋が販売したいプロユースの電気バグパイプというのが、このレッドパイプ社の製品です。まずはカメロットを販売したい。

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2012年01月27日

テクノパイプの演奏方法2

テクノパイプはスエーデン・フェイガーシュトロム社の電気バグパイプです。
音の区切り方さえ覚えれば ”なんちゃってバグパイプ演奏” は合格です。


» テクノパイプの音(前半は原音、後半はエフェクタをかけた音)

バグパイプは鳴りだしたら止まりませんから、最低限でも音の区切り方を覚えなければなりません。逆に音を区切ることさえできれば、とりあえずバグパイプを演奏することはできます。

素速く指を動かして音を区切る

例えば「ドドドレミーレー ドミレレドー」というフレーズがあったとき、「ドドド」や「レレ」のように同じ音が続くところは、一つ一つの音を区切ってやる必要があります。ふつうの笛の場合はツツツと舌先で音を区切ることをよくやります。タンギングと言います。しかしバグパイプは鳴りっぱなしなので、タンギングしても役に立ちません。
» オカリナの演奏、テクノパイプの演奏(音を区切らずに)

バグパイプの場合はどうやって音を区切るかというと、一瞬だけ、どれかの指穴を開けて塞ぎます。「どれかの指穴って…?」と言われても困るでしょうから、例えば次のようにします。
※ ここではガリシアン・オープン式のテクノパイプに合わせて説明しています。


» オカリナの演奏、テクノパイプの演奏(音を区切って)

下からシ・ド・レ・ミ・ファの音を鳴らしているときは…
左薬指の指穴を一瞬だけ開けて塞ぐ
ソ・ラの音を鳴らしているときは…
左人差指の指穴を一瞬だけ開けて塞ぐ
シの音を鳴らしているときは…
左親指の指穴を一瞬だけ開けて塞ぐ
オクターブ上の音は…
オクターブ下の音と同じ要領でやる。

指の動きはできるだけ素速くします。「開けて…塞ぐ」とやっていては間にあいません。開けて…がなくて「塞ぐ」だけ。TVゲームのボタンを連打するときの要領で、「塞ぐ!塞ぐ!塞ぐ!」みたいな。

休符はできない

バグパイプの仕組みとして、休符を表現することはできません。曲を演奏しはじめたら終わるまで鳴りつづけます。

しかしながら私は、バグパイプのドローン管が鳴りつづけているのにチャンター管の音が止まるのを聞いたことがあります。つまり伴奏をしつづけたままメロディーの音だけ止めてみせたのです。いったいどうしたものか。おそらく瞬間的にバグパイプの首を絞めてチャンター管の音を止めたのだと推測しますが、そんなことできるのでしょうか。少なくともテクノパイプではできない芸当です、だからバグパイプではふつうは休符はできない、と覚えておいてください。

その国の演奏方法を学ぶべき

音の区切り方さえ覚えれば、 とりあえずバグパイプを演奏することができるようになります。
それより一歩進んで「もっといかにもバグパイプらしい音で演奏したい」という人へ。「いかにもバグパイプらしい」というのは国や文化によって違います。スコットランドのバグパイプにはスコットランドのスタイルがありますし、ガリシアのバグパイプにはガリシアのスタイルがあります。

私が説明しているスタイルはアイルランドのホイッスルを参考にした ”なんちゃってバグパイプ” です。怪しさ大爆発。そうではなくて本場のスコットランドやガリシアで演奏しても恥ずかしくない立派なスタイルを身につけたい人は、自分で勉強してください。それがいいよ、うんうん。

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2012年01月23日

テクノパイプの演奏方法

テクノパイプはスエーデン・フェイガーシュトロム社の電気バグパイプです。
テクノパイプを演奏するならまず、バグパイプという楽器について知る必要があります。


» テクノパイプの音(前半は原音、後半はエフェクタをかけた音)

ついにテクノパイプを手に入れた!
わくわくしながら電源 ON して音を出してみると…あれ、音が出っぱなしなんですけど?もちろん「音を出す/止める」という大きな操作はできるのですが、音の区切り方がわからないというか。たとえば「ミファソソソー」のように同じ音が続くとき、「ソ、ソ、ソ」と音を区切るにはどうすればいいのでしょう。つか、そもそも休符がぜんぜんできないんですけど。

テクノパイプは練習用の電気バグパイプです。練習用ですから、ふつうは既に本物のバグパイプを持っている人や知っている人が購入するものです。でも日本人だと「テクノパイプが私のバグパイプ初体験!」という人がほとんどな気がします。これはテクノパイプ云々の前にまず、バグパイプという楽器について概説した方がいいかもしれません。

革袋に空気を貯めて鳴らす笛

バグパイプはその名前のとおり、革袋(バッグ)が付いた笛(パイプ)です。ふつうの笛のように口にくわえて吹くのと違い、ひとまず革袋に息を吹きこんでぱんぱんに膨らませます。そして脇で革袋を締めつけ空気を絞りだし、それで笛を鳴らす仕組みです。革袋がしぼんできたら、また息を吹きこんでぱんぱんにします。革袋は止まることなく空気を吹きだしつづけますから、だからつまり…バグパイプは、一旦鳴りだしたら止まらないのです。

ふつうの笛のように「ツツツ」と舌先で音を区切るようなこと(タングング)はできませんし、休符もありません。テクノパイプが鳴りだしたら止まらないのは、接触不良の故障品だからではなくて、本物のバグパイプがそうだからなのです。

とはいえ音を区切ることができないとまともに曲を演奏できませんから、バグパイプではグレースノートという独特な運指を用います。バグパイプの演奏を注意深く聞いていると「キョッキョッ」「ギュルルッ」という鋭い装飾音が聞こえます。これがグレースノートです。グレースノートはバグパイプの重要な個性であり、バグパイプ演奏をマスターするための必須課題です。バグパイプの演奏方法については次回から概説しますが、興味のある方はネットで調べるといいです。むしろそのほうが詳細・正確な情報を入手できますよ、絶対に。

各部名称

バグパイプの各部名称です。本物のバグパイプではなくてテクノパイプを演奏するだけなら、この程度の知識で十分かなと思ってます。

バッグ
名前の由来になった革袋。ここに笛を鳴らすための空気を貯める。(写真では革袋に ”上着” を着せています。実際の革袋はこの中にあります。)
ブロウ管
ここからバッグに息を吹きこむ。内部に弁が付いていて空気が逆流しない仕組み。
ドローン管
バグパイプの演奏中ずっと同じ音★ で鳴りつづける伴奏担当の笛。一本~数本ある。
チャンター管
指穴のあいた笛。これでメロディーを演奏する。

なおバグパイプはいつもこのフル装備で演奏するわけではありません。練習のときはチャンター管をバッグから引っこぬいて、ふつうの笛のように口でくわえて吹きます。これをすると繊細なリードを傷つける危険があるので、くわえて吹く練習専用のチャンター管も発売されています。テクノパイプはこれを電気式にしたものです。

★ ずっと同じ音
これは言葉どおりの意味で、最初から最後まで「ドーーーー」みたいな感じに延々と鳴りつづけます。このような伴奏を ”ドローン” といいます。そんな大ざっぱなことで伴奏になるのか?と思うかもしれませんが、西洋の古い曲などなかなか異国情緒たっぷりにハモります。バグパイプがフェスティバルの花形だった時代は、そのような素朴な音楽が主流でした。

現代の複雑なコード進行する曲を演奏するには、ずっと同じ音しか出ないドローン管はさすがにじゃまです。こんなときはドローン管に栓をして、チャンター管だけ演奏します。

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2012年01月22日

テクノパイプでパソコンを鳴らす4

テクノパイプはスエーデン・フェイガーシュトロム社の電気バグパイプです。
パソコンに繋いで気持ちよく演奏したいなら、 ASIO が必須です。


» テクノパイプをパソコン に繋いで鳴らしてみた(シンセサイザーは Universal Piper)

無事に Universal Piper をパソコンにインストールすることができました。テクノパイプをパソコンに繋ぐこともできました。ここまで上手くできたなら、テクノパイプを操作してパソコンでバグパイプの音を鳴らせるはずです。

でもきっと、ものすごく遅い。
テクノパイプを構えて、ぱたぱた指を動かすと…ワンテンポ遅れて…ぱら…ぱら…と音が聞こえてくる感じです。 Universal Piper の音がパソコンの中をぐるぐる回ってスピーカーから出てくるまで、これだけ遅れてしまうのです。詳細な理屈はともかく、これではまともに演奏できません。

ASIO オーディオ・デバイスは、本来の音の通り道を大幅にショートカットして、遅れることなくスピーカーを鳴らします。テクノパイプをパソコンに繋いで気持ちよく演奏するためには、ASIO が必須です。

ASIO 対応のオーディオ・インターフェースがベスト

いちばん手軽で手堅いのは、ASIO 対応のオーディオ・インターフェースを使うことです。最初から装置の中に ASIO を内蔵していますので、あとは Universal Piper 側でその辺の設定を合わせさえすれば、快適にテクノパイプを演奏することができます。

このとき、いつもどおりにパソコンのイヤホンやスピーカーの音を聞いてもだめですよ。遅れず早く聞こえるというのは、オーディオ・インターフェースのイヤホンやスピーカーの音のことです。必要であれば、スピーカーをパソコンからオーディオ・インターフェースに繋ぎかえます。

ASIO ドライバ・ソフトウェア

”ASIO オーディオ・デバイス” というように、ASIO は本来は電子回路です。ASIO 対応のオーディオ・インターフェースというのはだから、装置の内部に ASIO の電子回路を持っています。他に電子基板の形をした ASIO もあります。昔ながらにパソコンの本体基板(マザーボード)に挿して使います。これ一枚で十万円以上もする時代があったそうです。私たちは恵まれています。

雑学はこのへんにして。
MIDI-USB 変換ケーブルを使っている人、あるいは ASIO に対応していない(安物の)オーディオ・インターフェースを使っている人は、どうしたらいいのか。次善策としてパソコンに ASIO ドライバ・ソフトウェアをインストールします。本来は専用の電子回路がするべき仕事を、パソコンに肩代わりさせるのです。当然、パソコンの負荷はきつくなりますし、どうがんばったところで専用の電子回路の性能には敵いません。

でも最近はノートパソコンでもすごい処理スピードです。ドライバ・ソフトウェアを使ってもなかなか快適に演奏できるものです。質のよいフリーの ASIO ドライバ・ソフトウェアも出回っています。だから敢えて安いオーディオ・インターフェースを購入して ASIO はフリーのドライバ・ソフトウェアを使う、という組み合わせは十分現実的です。 ASIO ドライバ・ソフトウェアをインストールすると、パソコンの音自体が遅れず早く聞こえるようになります。

ASIO4all は定評あるフリーの ASIO ドライバ・ソフトウェアです。私も使ってます。
» ASIO4all (フリーの ASIO ドライバ・ソフトウェア)

ASIO4all の設定のヒント

ASIO4all のインストール方法や設定方法など、詳細はマニュアルやネットの記事を参考にしてください。ここではほんとうにヒントだけ。

ASIO4all のバッファサイズは小さいほどいいです。
できれば128サンプル以下に設定したい。でもバッファサイズをあまり小さくすると、パソコンの計算が追いつかなくなって、音が途切れたりブツブツとノイズが入ったりします。逆にバッファサイズを大きくしすぎると、今度は音が遅れて聞こえます。256サンプルを超えると多くの人が遅れを感じます。音は遅れて聞こえないし途切れたりノイズも入らない…というベストなバッファサイズを試行錯誤して探します。私のノートパソコン lenovo ideapad S100 だと144サンプルが限界でした。たまに音が途切れるのがなんですが、まあ楽しく遊んでます。

Universal Piper 側の設定のヒント

Universal Piper 側では、ASIO4all を使って音を出すように設定します。
ウィンドウ左上の FILE >> Audio/MIDI setup を選択すると、設定ダイアログが表示されます。ここのバッファサイズは ASIO4all のバッファサイズと同じに設定します。(私の場合はだから144サンプル。)それぞれ違っていていいのかもしれませんが、同じにしていても特に問題がないようなので、同じに揃えています。

ここまでやれば正真正銘、テクノパイプでパソコンを鳴らして快適に演奏できるはずなのですが。どうでしょう。

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