-- 練習用バグパイプ(2) --

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練習用バグパイプの吹き方教室、各部の名称

学生のお落とし玉で買える練習用バグパイプです。
吹き方教室の第二回。各部の名称について。


バッグ
バグパイプの名称の元になった皮袋(バッグ)です。練習用バグパイプのバッグはビニール製です。ここに息を吹きこんで膨らませ、脇で締めつけ空気を絞りだして笛を鳴らします。
ブロウ管
バッグに息を吹きこむためのパイプです。これを口でくわえてバッグに息を吹きこみます。笛を吹くのでなくバッグを膨らませるのが目的なので、笛の演奏と関係なく息を吹きこみます。
チャンター管
メロディーを演奏するための笛です。指穴があります。バッグから引きぬくとほんとうにただのリード笛です。運指の練習だけするときは、チャンター管を引きぬいて、口でくわえてふつうの笛のように吹いて練習したりします。
バスドローン管
メロディーを演奏する間ずっと同じ音を鳴らしつづける伴奏管です。2本あるうちの低音の方。チャンター管とピッチを合わせることができるようにスライド式で長さを変えられます。2つのジョイントで連結していて、分解すると3つになります。
テナードローン管
メロディーを演奏する間ずっと同じ音を鳴らしつづける伴奏管です。2本あるうちの高音の方。チャンター管とピッチを合わせることができるようにスライド式で長さを変えられます。2つのジョイントで連結していて、分解すると2つになります。
ストック
ブロウ管、チャンター管、2本のドローン管を差して固定する口をストックと言います。ブロウ管のストック、チャンター管のストック、ドローン管のストックと言います。
チャンターリード
チャンター管のリードです。これがビービー鳴ってメロディーを奏でます。伝統的な葦のリードだと定期的な交換が必要ですが、練習用バグパイプのチャンターリードはオール合成素材です。これを加工したり取り替えたりということは、ほとんどないでしょう。
ドローンリード
ドローン管のリードです。これがビービー鳴って伴奏音を奏でます。伝統的な葦のリードだと定期的な交換が必要ですが、練習用バグパイプのドローンリードはオール合成素材です。これを加工したり取り替えたりということは、ほとんどないでしょう。

分解と組み立て

練習用バグパイプを分解する理由は2つあります。1つ目は演奏後に楽器を乾燥させるため、2つ目は収納バッグに押しこむため。

バグパイプを演奏すると息に含まれる水分が結露してパイプやバッグの内部が湿気ます。木と皮で出来た本物のバグパイプはこのまま放置すると割れる、腐る、とダイレクトにダメージが入りますから、必ず分解して乾燥させます。練習用バグパイプはオール合成素材ですから、放置したところで壊れません。むしろ、バッグからパイプを引きぬくときによくリードを壊しますから、むしろなにもしない方が安全かもです。

なのですが。私としては(バッグの中に残った水がアレしてアレな臭いがしてくるのでは……)と想像してしまってどうも落ち着けません。ほら小学校の縦笛とかハーモニカとか。私は練習用バグパイプを演奏した後は、ドローン管をストックから引きぬいて、バッグをばふばふして中の湿気を追い出すようにしています。ほんとうはブロウ管とチャンター管も引きぬいた方が完璧なのでしょうが、これらは何度も抜き差ししているとストックを痛めてすっぽすっぽになる気がして心配です。(ドローン管だけはゴムで出来ているのでストックに優しいのです。)

一方で収納バッグに押しこむときは、そんなにばらばらにする必要はありません。バス・ドローン管が長すぎるので途中から引きぬいて2つにすれば、それだけで収納バッグの中に入ります。買ったときもそうなっていたでしょう。

壊さないように、怪我をしないように

パイプを抜き差しするときはどうしても力が入ります。間違ってドローン管を握りつぶさないように。またリードを壊さないように。それとドローン管で目を突かないように気をつけてください。

リードを壊したときは自分で交換してください。バッグやドローン管などを手に負えないほど壊したときは、修理ではなく買い換えることになるでしょう。修理代と日本から英国への往復送料と考えると、新品を買う方が安上がりです。

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2012年07月29日

練習用バグパイプの吹き方教室、概説


» 練習用バグパイプを鳴らしてみました

学生のお落とし玉で買える練習用バグパイプです。
吹き方教室の第一回。そもそもバグパイプという楽器について。

笛のようなアコーディオンのような楽器

バグパイプはその名のとおり、オーボエのようなリード笛に皮袋(バッグ)を取りつけた楽器です。

ふつうの笛のように吹いて鳴らすのでなく、抱えたバッグに息を吹きこみ膨らませて、バッグの中の空気を絞りだして笛を鳴らします。バッグが萎んできたらまた息を吹きこみパンパンに膨らませます。

私が演奏した印象として、バグパイプは吹奏楽器ではありません。息を吹きこむのはあくまでもバッグを膨らませるためで、笛を鳴らすのは脇でバッグを締めつける操作です。これは笛というよりもまるで……アコーディオンみたい。実際、音楽大学のエラい人が言うには「バグパイプはアコーディオンの先祖」なのだそうですよ。なるほど納得できます。とにかくヘンな楽器です。指の動きは明らかに笛なのですが、それに関係なくバッグを締めつけたり息を吹きこんだり。なかなか忙しい楽器です。

皮袋にはメロディーを演奏する笛(チャンター管)の他に、ずっと同じ音を鳴らしつづける伴奏管(ドローン管)が数本ついています。バグパイプは皮袋の中の空気を使って鳴らすため、鳴りだしたら止まりません。ブオォォォンと鳴りつづけるドローン管と、チャンター管が奏でるニョロニョロした切れ目のないメロディー。これがバグパイプの特徴です。「バグパイプ、って何?」という人でも見れば聞けば「ああこれね!」と思いあたる、民族楽器の横綱です。

バグパイプは日本ではスコットランドのグレート・ハイランド・パイプが有名です。
一度はTVか写真で見たことがあるでしょう。

スコットランドではグレート・ハイランド・パイプの他に、街のパブではスモールパイプという、もっと小型で静かな楽器が演奏されます。ここで説明してる練習バグパイプは、このスモールパイプを元に作られた、学生向けの廉価なバグパイプです。

このコーナーでは練習バグパイプの吹き方について簡単に説明します。
私自身がそんなにバグパイプに詳しいわけではありませんから、大枠こんなだ、という説明になります。きちんとスコットランドのバグパイプを演奏できるようになりたい、と志している人は、専門の演奏家や先生に正確なところを習ってください。

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