-- カンテレ --

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カンテレ(Kantele)について

カンテレ(Kantele, Kokle)は北欧フィンランドのお琴です。卓上に置いて上品につま弾びきます。長く残響する少し哀しい音色です。伝統的なカンテレの弦の数は5本~8本ほどで、曲を弾くこともありますが、主に歌の伴奏に使っていたようです。これが私の知るかぎり、30年ほど前の話。

大型化

近年、クラシック楽器の影響を受けて何十本も弦を張ったグランドカンテレが現れました。まるでちょっとした小さなピアノのような印象です。

優美でゴージャスなグランドカンテレですが…ヘンな楽器を追い求めるてみる屋の芸風からすると、あまり食指は動きません。もちろんすばらしい楽器なのですが…意外性がないので。

ここまでやってしまうと逆に、ヨーロッパには同様の楽器がいくつも見つかります。出発点がどこであれ、アカデミックな進化の最終形態はみな同じ、ということなのでしょうか。

サブカルチャー化

一方で、フィンランドの若者たちがおじいちゃんのカンテレを埃くさい屋根裏から持ちだし、ギターのように肩から下げてジャンジャンかき鳴らすことを始めました。

サブカルチャーな進化を遂げたカンテレは、伝統的な奏法とギターの奏法が混ざって、風変わりな演奏をします。

ブレードカンテレの演奏 onYouTube その1

ギターのように抱えて演奏しやすいように、左手用のアームレストが広く張りだしているのがブレードカンテレの特徴です。張りだしたアームレストを含めた全体の形状が大きなナイフの刃(ブレード)のように見えます。

コンプレッサやオーバードライブなどのエフェクタを使って、エレキギターのような音作りです。演奏中に移調用のチューニングスイッチをひねって、キュイーンとギターのチョーキング音を模倣しています。そういうやり方があるんだ、でもめっちゃカンテレに悪そう。

写真や動画のように、エレキギターのピックアップを取りつけたタイプもふつうに出回っています。(ピックアップを取りつけると3万円ほど割高になる。)


ブレードカンテレの演奏 onYouTube その2

この動画で演奏しているものはそこまでナイフの刃のような形状でない、伝統的な意匠です。移調用のチューニングスイッチのない原始的な作りです。

ギターのようなハープのような独特の奏法。ぱっとひらいた左手のちょこまかした動きが新鮮で美しい。ずらりと並んだ弦のうち鳴ってはいけない弦を指で抑えて、じゃんじゃんとギターのようにコードをかき鳴らしています。これがカンテレや古代アングロサクソン・ライアー(古代ケルト・ライアー)など、一部の琴で見られる和音奏法です。じゃんとかき鳴らした直後に抑えた弦をぴんぴんと弾いて、細かなアルペジオを挿入したりもするようです。

これを私も自分でやってみたいのですよ。
自分用にブレードカンテレをフィンランドの工房に発注しまして、3月頭に入手できそうです。笛と違って、私は鍵盤楽器と弦楽器の経験がありません。45歳で初めての楽器をどこまでマスターできるのか。私自身、興味津々です。
ある程度、勝手が分かった時点でお店でも販売します。

楽器があればもっと楽しい毎日
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