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シネマチックな音作りに!音の定位を決めるエフェクタ

tmryLocaterPlusは音の定位★1 を決めるVSTエフェクタです。
音の定位というのは、音楽を聴いているとき楽器の音がどこで鳴っているように聞こえるか、ということです。

奥行きと広がりのあるシネマチックな音楽作品を製作するのに、楽器の定位を細かく決めることができるtmryLocaterPlusは重宝することでしょう。

» tmryLocaterPlusをダウンロードする (2014/11/30 Windows7 32bit ver.1.00)


Stereo Type1

tmryLocaterPlusの各ツマミについて、左から順に説明します。
Stereo Type1とStereo Type2はどちらも音を左右に広げます。これは特にシンセサイザのモノラルな音だと、効果がはっきり分かります。頭の中で鳴っていた音がぱっと左右に広がって聞こえます。

Stereo Type1とStereo Type2を、両方同時に使うことはないでしょう。
どちらかのツマミは0にして、もう片方だけ使います。

Stereo Type1は、低い音は左側に聞こえて高い音は右側に聞こえる、みたいな奇妙な音の広がり方をします。ツマミを1目盛り回すと、ごろっと聞こえ方が変わるので、慎重に回します。★2 ピアノ音源の低音を中心に配置し高音を左右に広げる、みたいな特殊用途に使います。キマると効果抜群ですが……Stereo Type1はあまり出番がないでしょうね。

Stereo Type2

音を左右に広げるなら、専らStereo Type2を使うことになるでしょう。
ツマミの中心が0で、右に回しても左に回してもきれいに音が左右に広がります。

ツマミの回し具合で聞こえ方が大きく違ってきます。
ツマミを大きく回すと、音が左右に広がるというより、左右で別々の音が鳴っているように聞こえます。これは例えばサイドギターで、左右で二人のギタリストが別々に同じフレーズを弾いてますよ的な雰囲気を演出するのに使えます。こんな場合、プロは本当に二人のギタリストを用意したり、同じフレーズをわざわざ2回録音して左右に配置するのですが。作品によっては、こんな安っぽい解決法が似合っている場合もあります。

Wideness

音が左右に広がる幅を調整します。
ツマミを右に回すほど音は左右に広がって聞こえます。左に回すほど音の聞こえる幅が狭くなって、0だとモノラルに戻ってしまいます。

パッドのように世界中に響いているように聞かせたい音は、左右いっぱいに広げます。ボーカルの補佐を務めるコーラスやブラスなどは、もうすこし幅を狭くして、どこで演奏しているか位置を感じとれるようにします。

Pan

音を左右に移動します。
ツマミを大きく回すほど音は左右に大きく移動します。知ってますよね。

Distance

ツマミが0で至近距離、右に回すほど音が遠ざかります。
Ambienceをスイッチオンすると、より距離感がはっきり分かるかもです。Ambienceはテスト用の大ざっぱなオマケ機能ですが。「これでもいい感じじゃん!」と思ったらそのまま使ってください。私も安っぽい音楽作品ではAmbienceをオンにして使ってます。

Output gain

あればなにかと便利な音量調整。
音を大きくしたり小さくしたりできます。

ワンランク上の使い方 - Stereo効果を他のエフェクタで

tmryLocaterPlusが一つあれば自由に音の定位を決めることができますが。
他の高品質のエフェクタを併用することで、より豊かな音のランドスケープ(景観)を作ることができるでしょう。

例えばStereoについて。
音を左右に広げる方法はいろいろあります。tmryLocaterPlusでは左右の片側に短いディレイをかけて音を広げていますが。他にもコーラスやリバーブを使うとか、楽器の生演奏を録音するならステレオマイクを使うとか、いろいろ方法があります。予め他の高品質のエフェクタで音を左右に広げておいて、敢えてStereoを使わず――ツマミを中心の0に設定して、tmryLocaterPlusを使う方法もお勧めできます。

ワンランク上の使い方 - Ambience効果を他のエフェクタで

Ambienceには粗末なリバーブプログラムを使っています。
代わりに他の高品質のリバーブを使った方が絶対によいです。

ここで「遠い音」について説明しておきましょう。
遠くで鳴っている音、というのは物理的には「環境音の強い曇った音」です。音が曇るほど環境音が強くなるほど、遠くで鳴っているように聞こえます。

tmryLocaterPlusでは、曇った音というのを表現するために、ローパスフィルタで高音を削っています。これはこれで不都合ないでしょう。

環境音はリバーブで表現するのが定石ですが……tmryLocaterPlusが搭載しているのは粗末なリバーブプログラムです。Ambienceはスイッチオフにして、tmryLocaterPlusから出てきた音を他の高品質のリバーブに通した方が、よりリアルな距離感を得ることができるはずです。リバーブを強くするほど音は遠ざかって聞こえます。

★1 音の定位
音楽を聴いているとき楽器の音がどこで鳴っているように聞こえるか、ということを音の定位と言います。音楽ソフトのほとんどが搭載しているパン――音を左右に移動するツマミも音の定位の一つですが、それだけではありません。音の定位には、左右、距離、幅があります。

左右
音が正面で鳴っているか、左側で鳴っているか、右側で鳴っているか、ということです。パンで表現します。
距離
音がすぐ目の前で鳴っているか、数メートル離れて鳴っているか、はるか遠くで鳴っているか、ということです。これはローパスフィルタとリバーブで表現できます。ローパスフィルタで高音を削ってリバーブを強くかけるほど、音は遠で鳴っているように聞こえます。
鉛筆を床に落としたときの音は、見ていなくても(ここに落ちたな)と分かるほど明確に位置が分かります。一方で部屋の中で聞く雷の音は、ものすごく大きな音なのに、どこで鳴っているのかよく分かりません。
この音の位置感というかフォーカス感というか……とにかくこれを音の幅と言っているわけですが、音の幅はいろんなエフェクタで表現できます。コーラスやリバーブ、実はグラフィックイコライザでも音を広げる技があります。そもそも楽器の生演奏をステレオマイクで録音すれば、自然な音の広がりや位置感を得ることができますし。

★2 ツマミを慎重に回す
tmryLocaterPlusでは、Shiftキーを押しながらツマミを回すと、通常よりも細かく数値を設定することが出来ます。またツマミをダブルクリックするとデフォルト値に戻ります。

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