セイキロスの墓碑銘を歌おう(1)
2千年前のギリシア、詩人セイキロスの妻の墓石に以下のような碑文が刻まれていました。
私は石碑です。
セイキロスさんが私をここに建ててくれました。
不滅の思い出の、長く生きのこる<しるし>として。
……
(ここから歌)
生きている限りは 輝いていて下さいね。
あなたは決して決して 悲しんではだめですよ。
僅かなんですから 生きている時間は。
終りを時間は 求めているんですから。
(あとがき)
セイキロス……
生き……(以下破損)★1
2千年前に、誰かが誰かを確かに愛していた。
それを綴った気持ちが、気の遠くなるような時を超えて現代の私たちに届く。これをロマンと言わずに何がロマンなのでしょう。そして歌詞がまたいい。大昔の人も、私たちみたいに懸命に生きていたんだなと、ほろりとさせられます。
とりわけ今は、武漢肺炎で世界中が窒息しかけていて、日本だって大変で、私個人だって(そろそろトイレットペーパーがなくなりそう?)なんて近所のスーパーに行ったら、先週まで在庫豊富だったのに棚が空になってたりして。そんな懸命に生きている私たちに、希望の光を投げかけるような……ああダメ。書いてて涙が出てきた。最近こういうの弱いです。歳をとったなあ。
セイキロスの墓碑銘は世界最古の楽曲です。
碑文の歌パートには音符のルビが振ってあったので、今でも歌うことができます。
「昔こんな歌が歌われていた」という話は、世界中のたくさんの文献に残っていますが。完全な楽譜付きで「当時このように歌っていたはず」と完璧に再現できる歌としては、これが一番古いんです。世界最古の楽曲がこの歌でよかったと、本当に思います。
セイキロスの墓碑銘……これ、絶対に弾けるようになりたいです。
自分の声で歌えるようになりたい。いや自分だけでなく、他の人みんなにも歌ってほしいと思いました。喜んで歌いそうな友人やお客さんを何人か知ってますしね。となると、他の人でも歌ったり演奏できたりするような工夫が必要ですね。ふむ……
穏やかで平穏な日々が早く戻ってきますようにと、願いつつ。>>次
★1 訳文は以下のサイトから引用です。
2006年に製作された短編映画「セイキロスさんとわたし」と関連あるような?ちょっと調べたけど分かりませんでした。分かり次第、謝辞を含めてもう少し詳しく説明します。
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