ウッドゥン・ボーン工房のダブルフルート
ニュージーランドのウッドゥン・ボーン工房はいろんな変わった笛を製作しています。前に同工房のデュエットオカリナを紹介しました。これもなかなかの逸品でした。
ダブルフルートも二つの音が出る笛で、一人で合奏ができます。常識的に笛といえば「鳴らせる音は一つだけ」ですから、和音で鳴り響くダブルフルートの音色は、聞く人に大きなインパクトを与えます。
きちんと作られた楽器です
左手側に高音を割りあて、右手側に低音を割りあてています。ちょうどふつうの笛を真ん中で分けて左右に配置した使い勝手です。オクターブバランスはしっかりしていて、左右できれいにハモります。なんだかほっとする自然体の和音★1 です。
それと私としては、吹く息の強さがちょうどよいのも好評価です。これより息が強いと、あっという間に息を使いはたすでしょう。これより息が弱いと、いつまでも息を吐き出すことができなくて窒息します。
それでもさすがに7万円はない
しかしながら価格が7万円というのが、ちょっと……二の足を踏むところです。何の装飾もないそっけない外観です。「一人合奏できる笛は珍しい」ということを考慮しても、ふっかけて4万円がいいところではないでしょうか。さらに件のデュエットオカリナの価格が2万円程度という事実が、このダブルフルートの魅力を霞ませます。
ダブルフルートは、物自体はよい楽器ですが……どうにも価格が釣りあいません。これはたぶん、世界楽器てみる屋では販売しない、という判断になるでしょう。なので来年のサマープレゼントキャンペーンに出品★2 します。ダブルフルートに興味のある方は、来年の7月を楽しみにしてください。
★1 自然体の和音
因みにこのダブルフルートを吹いた後でデュエットオカリナを吹くと、説明しがたい違和感を感じます。やっぱりデュエットオカリナのコンサートピッチは近似値であって、ほんとうのドレミとはどこかずれているのだと、思い知らされます。
それでも私はデュエットオカリナに軍配を上げますけどね。コストパフォーマンスが違いすぎます。価格がせめて4万円程度なら、少しは考慮してもよいのですが……
★2 サマープレゼントキャンペーンに出品
世界楽器てみる屋が正常に活動している限り、新商品を発掘する過程で必ず一定数の”ハズレ”を引きます。最初の頃は手当たり次第にお客さんにプレゼントしていましたが、それをパブリックなイベントにしたのが、サマープレゼントキャンペーンの始まりです。
キャンペーンに応募するみなさんは、プレゼントの内容が充実しているほど(てみる屋は去年こんなにがんばったんだなあ)と思ってくださいまし。ハズレを引きまくっている、ということはそれ以上にアタリだって引いてますよ。
楽器があればもっと楽しい毎日
» 変わった楽器、珍しい楽器の販売は世界楽器てみる屋
コメント
デュエットオカリナと同じ2万円台くらいならならかなり惹かれます。が、7万円はちょっときびしいですね。。
基本的な作りとしてはデュエットオカリナとそうは変わらないか、むしろこちらの方がシンプルで価格を下げられそうにも見えるんですけどね。
見た目と実際に作ってる方の苦労はまた違うのでしょうけれども…
ちなみにこれ、音域はどのくらいなのですか?
倍音を使用して、片手で2オクターブくらい出すことができたりするのでしょうか?
投稿者: オカリナ太郎 | 2012年10月01日 18:22
一般的に、長い管で出来た笛は倍音を出すことによって高い音域を鳴らすことができます。が、これは倍音が出ません。指穴の数が音の数です。つまり、件のデュエットオカリナよりも音域が狭いのです。
7万円というのは単純に、製作するのにデュエットオカリナの3倍以上の時間がかかるからでしょう。それに対してスペックがまるでついてきていません。残念ですが、これはないです…
投稿者: すだれ | 2012年10月02日 21:19