練習用バグパイプの吹き方教室、鳴らし始めと鳴らし終わり
学生のお落とし玉で買える練習用バグパイプです。
吹き方教室の第七回。鳴らし始めと鳴らし終わりについて。
ぴたりと鳴らし始めるを良しとする
バグパイプに息を吹きこむとバッグが膨らみ、それにつれてドローン管とチャンター管がにょろにょろ~と鳴り始めます。バッグが膨らむほど音もだんだん大きくなり、そしてバッグをぎゅっと脇で締めつけたタイミングでやっと音が安定します。ここからバグパイプの演奏を始めるわけですが……その、最初ににょろにょろ~と音が鳴るのはNGなのですよ。少なくとスコットランドでは、この切れ味の悪い音の立ちあがり方は「みっともない」「かっこわるい」とされます。まるでオルガンの鍵盤を押さえたかのように、ぴたりと鳴らし始めるのを良しとします。
バグパイプの鳴らし始めは次のようにします。
- バッグに息を吹きこむが、勝手に鳴らないように、半分くらいにしておく。
- 脇をぐいと締めて演奏を開始する。ぴたりと音が鳴り始める。
- すぐにバッグが萎むのでいそいで息を吹きこんでバッグをぱんぱんに膨らませる。
演奏に支障ないほどバッグの扱いが上手になっていれば、案外簡単にできます。
ぴたりと鳴らし終えるを良しとする
終わりも同様です。なにも考えずにバグパイプの演奏を終えると、バッグに残った空気がなくなるまでドローン管とチャンター管がにょろにょろ~と鳴りつづけます。やはりオルガンの鍵盤を放したかのように、ぴたりと鳴らし終えなければなりません。
バグパイプをぴたりと鳴らし終えるには、次のようにします。
- 曲が終わる少し前からバッグに息を吹きこむことを止める。バッグが次第に萎んでいく。
- 曲の終わりのタイミングでぱっと脇を開ける。ぴたりと音が鳴り終わる。
バッグがぱんぱんに膨らんでいると、脇を放しても自力でしばらく鳴りつづけます。空気を抜いてバッグを萎ませておくのが肝心です。
練習用バグパイプの吹き方教室はこれで終わり
以上、練習用バグパイプを吹いて楽しむには十分な事を説明したと思ってます。
最初に断ったように、私自身がバグパイプにそれほど詳しいわけでもないし、「なんちゃってで演奏できたらそれでいいや」という程度にしか考えていません。バグパイプの一般的な話として間違ってはいないと思っていますが、特に演奏スタイルは国や文化によって細かく異なります。「私は将来グレート・ハイランド・パイプを演奏するんだ」「私はスペインのガイタ・ガレガを極めるんだ」と志している人は、その筋の演奏家や先生に正しいところをきちんと習ってください。
ではまた、どこかで会えることを期待して。
さようなら。
楽器があればもっと楽しい毎日
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