珍しい楽器に着目したきっかけ
世界楽器てみる屋のすだれです。
脱サラを予定しているお客さんからインタビューされました。このような話を個別に
回答するのは無駄なので、記事として掲載しておきます。(私も世界楽器てみる屋み
たいなお店を始めてみようか)と画策している人は参考にしてください。
【珍しい楽器に着目したきっかけ】
要は私が「珍しい楽器を専門に扱う通販店を始めよう!」と決意するに至った根拠や
理由を問うているのだと理解しています。
まず、脱サラした私が自営業をするなら…何かの通販店を始めるしかないなという、
消極的な大前提がありました。私には手に職がありませんでした。もし巧みに楽器を
演奏できるならプロの演奏家を目指したでしょうし。あるいはきちんとした楽器を製
作できるなら工房を立ちあげたかもしれません。でも私は自分の手でお金を生みだす
ことができませんでした。更に私は原付免許を持っていないので、どうにも活動でき
る範囲が限定されます。マイカーに一切合切を乗せて全国巡業、みたいな選択肢は私
にはありませんでした。
一方で「脱サラして通販店を始めよう」という起業本をたくさん見ました。
1.低予算で始められる
2.失敗しても諦めず次にチャレンジできる
3.ニッチな商品でも商売になる
という煽り文句でした。(きっとそのとおりなのだ)と思ったし、実際にやってみて
そのとおりでしたし。退職金以外なにもない脱サラリーマンにとって、1,2,3の
特長はどれもとても重要です。
では通販店を始めることは決定として、なぜ珍しい楽器の専門店か?
何よりも”珍しい(厳密には他の店で売っていない)”という条件が重要でした。楽
器でたとえばギターなどどこにでもある楽器を販売するなら、大資本との戦いになる
ことが目に見えています。そして大資本相手に価格競争では勝てません。他のお店で
売っていない商品を売れば競争になりませんし、更に何らかの理由で大企業が扱いた
がらない(扱えない)ような商品なら完璧です。
私自身が、変わった物や珍しい物が大好きでした。
だから珍しいアイテムの専門店を始めてもよかったのですが…そこには既に「王様の
アイデア」など大資本が進出していました、残念。ところで私は楽器も好きです。見
回せば、変わった楽器や珍しい楽器を専門に扱う店はありませんでしたから、それで
珍しい楽器の専門に扱う通販店を始めました。
食ってける程度には儲かるはずと、根拠なく楽観していました。
根拠はありませんでした。いける気がするから試しにやってみるか、という意味合い
が半分でした。通販店は全国が市場です。まさか私のような趣味の人間が日本中で
たった一人、なんて考えられない。いざ蓋を開けてみたら私の同類の多いことにむし
ろ驚きましたけど。もちろん失敗した可能性もありました。そして失敗していたら、
きっと今は別のお店をやっているのだと思います。
楽器があればもっと楽しい毎日
» 変わった楽器、珍しい楽器の販売は世界楽器てみる屋
コメント
補足:”珍しい楽器”と”民族楽器”は別の概念です。
たとえばウクレレやオカリナは民族楽器ですが…今や誰も珍しいとは思わないでしょう。”珍しい”ということはどういうことか?私自身、明確に定義できていません。分かりやすい指針として「福岡市中央区天神界隈の楽器店で売っていない楽器」と口では説明していますが…厳密に守っているわけでもありません。(口琴やポケットサックスなどは天神の楽器店でも売ってます。)
見たことのない楽器、初めて見る楽器がすなわち珍しい楽器、ということでもありません。
たとえばパーカッション専門店のアフリカ楽器のブースに行ったとします。部屋中壁中に様々なアフリカの太鼓が歩く隙間もないほどぎっしり陳列してある。でも私はそれを見て珍しいと思いません。太鼓ってどうせ、木材か金属材かプラスチック材で出来ていて、小さかったり大きかったり細長かったり平べったかったり、張ってる皮がヤギたっだり牛だったりその他だったりするのですが。どれも叩いて鳴らすわけです。叩くとドンだかトンだかポンだか音がするわけです。それも慣れた人なら、材質と形状を見ただけで大凡どんな音がするのか想像できてしまう。(大事なのはその想像が当たっているかどうかでなく、想像できてしまうという事実そのものです。)つまりパーカッション専門店のアフリカ楽器のブースにある数多の太鼓は、私にとっては初めて見る物ばかりですが…珍しいとは思えません。
”珍しい太鼓”というならたとえば、バスケットボールのように太鼓を地面にドリブルして鳴らすとか、叩く度に変形するとか、形はふつうだが女性の悲鳴のような音がするとか。そのくらいのネタはほしいところです。
投稿者: すだれ | 2012年07月03日 01:32
補足:世界楽器てみる屋は”珍しい楽器の専門店”ではありません。
記事の中では話が通りやすいように「こうして私は珍しい楽器の専門店を始めました」みたいに言ってますが。世界楽器てみる屋は”珍しい楽器の専門店”を名乗っていません。
なんというか、”専門店”というのはお客さんがお店に対して付ける尊称のようなものであって、自分で名乗るものではないと私は考えています。”有名人”みたいなものでしょうか。「知らないの?あの人、有名人なんだよ!」と他人から噂されてこそ華。自分から「僕ってここじゃちょっとした有名人なんだよね、そうは見えないかもだけど」なんて名乗るなんて、後から思いだせば悶絶まちがいなしの黒歴史です。厨二病は成人式までに治しましょう。
実は世界楽器てみる屋では、ほんとうに珍しい楽器なんて売ってません。
それは戦略上の理由もありますし、そもそも私がそんなに楽器に詳しいわけでもない。うちで売っている楽器はみんなインターネットを探せば見つかるものです。そのへんよく自覚していますから「うちは珍しい楽器の専門店です!」なんて口が裂けても言えません…
投稿者: すだれ | 2012年07月03日 02:00