テクノパイプを小型アンプで鳴らす2
» テクノパイプを MOBILE CUBE に繋いで鳴らしてみた
テクノパイプはスエーデン・フェイガーシュトロム社の電気バグパイプです。練習専用のメロディー管(チャンター管)を電気式にしたもので、イヤホンを差して一人静かにバグパイプの練習をする、というのが本来の使い方ですが。小型アンプに繋げば、人前で演奏したり他の楽器とセッションしたりできます。
小型アンプについて
小型アンプというのは、楽器の音や人の声を鳴らす、 2W~3W 程度のパワーの小さなアンプ・スピーカー機器のことです。テレビくらいの音量なので、室内で一人~数人でこぢんまりと楽しむのに向いています。エレキギター専用やエレキベース専用というタイプは、迫力ある音に聞こえるように、わざと音を歪めて鳴らすようなところがあって、今回の用途には向きません。元の音を忠実に鳴らす、キーボード用やボーカル用という万能タイプがよいです。
MOBILE CUBE について
MOBILE CUBE は ROLAND 社の小型アンプです。
ふつうに100V電源でも使えますが、単三電池x6本で15時間鳴らせるという、携帯に便利なフットワークの軽い小型アンプです。
いろいろな入力端子が用意されていて、ボーカルマイク、エレキギター、キーボードなど、たいていの物を繋いで鳴らすことができます。
元の音をいい感じに聞かせるように、コーラスとディレイ(またはリバーブ)★ を搭載しています。 MOBILE CUBE のいいところは、コーラスとディレイのどちらか一方を選んで使える、というのではなく、コーラスとディレイを両方同時に使える、というところです。元の音がショボくても、コーラスとディレイを重ねがけすれば、かなり説得力のある音になります。
iPhoneなどの音を混ぜて同時に鳴らすこともできます。iPhoneにカラオケ伴奏を入れておいて、それに合わせて歌ったり演奏したりできます。
テクノパイプを MOBILE CUBE で鳴らす
テクノパイプは練習用の電気バグパイプですから、すばらしい音とは言いがたいです。しかしながら MOBILE CUBE に繋いでコーラスとディレイをかけると、なかなかいい雰囲気に聞こえます。音量は、リコーダーやフルート、ギターやピアノなど、生楽器とセッションするのにちょうどよい音量です。(路上パフォーマンスや体育館ライブなどをするには、ぜんぜん音量が足りません。)
テクノパイプを MOBILE CUBE に繋ぐには、
ステレオミニプラグ←→モノラル標準プラグx2 のケーブルが必要です。
ふつうに売っているケーブルです。楽器屋で MOBILE CUBE といっしょに買えばいいです。 MOBILE CUBE はそんなに複雑な機器ではありませんから、あれこれいじっていれば、自分なりのベストなセッティングが決まると思います。
参考までに私のセッティングを載せておきます。
またテクノパイプの方でも、ドローンの音を大きめに設定すると迫力が出てきます。
もしスコットランドのグレート・ハイランド・パイプの真似をするなら、キーをBbに設定。
テクノパイプを MOBLIE CUBE に繋ぐとキーンという耳鳴り音がとまりません。これを良しとするかどうかですね…。これ以上のクオリティを求めるなら、あとはMIDIケーブルで繋いでパソコンを鳴らすしかないです。
★ コーラスとディレイ(またはリバーブ)
コーラスというのは、元の音とすこしずらした音を重ねあわせて、音に厚みと広がりを持たせます。ディレイというのはエコーのこと。「わっ」と言うと「わゎゎゎ…」となる、カラオケでおなじみのアレです。リバーブはアパートの階段や地下鉄の通路のように、ウワーンと音が残響します。
そもそも電子楽器の音は純粋すぎるというか、たとえば楽器に聴診器を当てて聞いているようなものです。こんなではどんな名器だってきれいな音に聞こえるはずがない。フルートにしろギターにしろ生の楽器の音は、本体がびりびり振動したり、部屋に反響したりして聞こえています。私たちはそのような ”歪んだ音” を美しい音として聞きます。だから電子楽器の音も、コーラスやディレイなどでわざと ”歪めて” あげる必要があります。最近のキーボードは、どんな安物でも、その程度のエフェクタは標準で搭載しているものです。
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