NCWデュエットオカリナとCHデュエットオカリナの違いについて
すだれです。
お客さんからNCWデュエットオカリナとCHデュエットオカリナの違いについて、質問
を頂きました。
せっかくですからみんなに読めるように、ブログで回答します。
つか、さっきの投稿ってダブルオカリナとデュエットオカリナの違いではなくて、2
種類のデュエットオカリナの違いについての質問だったのですね。
NCWデュエットオカリナについて。
北米のノース・カントリー・ワークショップ工房のデュエットオカリナ―略してNCW
デュエットオカリナ―というのは、うちで売ってる丸っこいデュエットオカリナのこ
とです。一言で言うと「扱いやすいが手に入らない」。
NCWデュエットオカリナの指穴は大きいので、指で押さえやすいです。吹口は薄く
なっていて口でくわえやすい、特に単音で演奏するとき、左右のオカリナを素早く切
りかえることができます。指穴の数は片手に4つ、両手で8つ。4つの指穴で1オク
ターブ8音を鳴らしますから無理がある、ピッチはどうしても近似値になります。耳
のよい人ならピッチのずれを聞き分けられるでしょう。ってもオカリナという楽器自
体がピッチの不安定な楽器で、演奏者が息の加減でピッチを調整しながら吹くのがあ
たりまえの楽器です。なんとかがんばって吹いてください、私もがんばって吹いてま
す。音はふつうのオカリナよりもリコーダーに近い、つーつーした音です。これは好
き嫌いだと思います。
NCWデュエットオカリナは2人体制で作っています。
一人がオカリナの粗方を作って、もう一人が仕上げと調律・品質検査をしています。
このオカリナの粗方を作っている人が、もういい加減に足を洗いたい雰囲気なのです
(本業は別にあって、オカリナ製作は日曜大工の片手間でやっている雰囲気です)。
それをもう片方がなだめ励まし引き留めてる感じ?だから未来はどうなるのか分かり
ませんが、ここ数年の話であれば、いつ納品してもらえるのか、私には見当がつかな
い状況です。
CHデュエットオカリナについて。
北米のチャーリー・ハインド工房のデュエットオカリナ―略してCHデュエットオカリ
ナ―というのは、うちで売ってる細長いデュエットオカリナのことです。一言で言う
と「数値的な性能は高いが演奏しづらい」。
CHデュエットオカリナの指穴は小さいので、ちゃんと押さえられているのかどうかよ
く分かりません。吹口は大ぶりで、一人合奏するときは息が漏れないようにがぶっと
深くくわえこむ必要があります。また単音で演奏するときは、左右のオカリナを切り
かえるために大きくオカリナを傾ける必要があります。このへん、初めて手に取った
人は苦労するでしょう。でもまあ慣れます、もう私は慣れました。指穴の数は片手に
5つ、両手で10。5つの指穴で1オクターブ8音を鳴らしますからピッチは近似値でしか
ありません。が、4穴よりは正確ですし、半音も比較的出しやすいです。音はNCWデュ
エットオカリナよりはふつうのオカリナに近い音です。
CHデュエットオカリナはチャーリー・ハインドが一人で製作している、と思っていた
のですが。
ウェブで紹介されていた工房の様子を見ると、けっこう広い仕事部屋で何人も弟子を
従えて作業しているようです。オカリナの製作速度はかなり速いです。少なくともう
ちの店で在庫がなくなり予約が積みあがってしまうという状況は、当分なさそうで
す。
「ぜったいNCWデュエットオカリナがいい」とこだわりのある人は仕方ないですけ
ど。
単に一人合奏をしてみたい人にはCHデュエットオカリナの方をお勧めします。
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簾徹之(すだれてつゆき)
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