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トイノーズフルートのリゾネート奏法

USA製のトイノーズフルートは鼻息で鳴らして遊ぶ玩具です。ぺらぺらのプラスチック製で、日本での市場価格は500円未満。品質もそれ相応で、音域はものすごくがんばって2オクターブ…下手をすると他の鼻笛では名人を気取る演奏者でさえ1オクターブ★1 がやっと、という代物です。

リゾネート奏法は倍音域と共振(リゾネート)することによって、歌口にテープを貼るなど細工することなく、限界を超えた高音を鳴らす技法です。リゾネート奏法の発見によりトイノーズフルートの音域は3オクターブを上回りました★2 。リゾネート奏法の音は沸騰したヤカン笛のような鋭い音です。
» リゾネート奏法によるトイノーズフルート演奏

リゾネート奏法は口琴や騎馬民の喉歌などからヒントを得ています。
倍音を使って発音するため、楽器本体の性能を無視して高い音を出すことができます。私は調子のよいときで4オクターブ目のミの音まで出せますが、唇はもうほとんど閉じている。これ以上どうやって音を高くすればよいか分からない雰囲気です。音自体もまるで犬笛のようで、仮にこれ以上高い音を出すことができたとしても、音楽的に意味があるとは思えません。

トイノーズフルートの本来の音色と著しく印象が異なること、通常奏法との切り替えが難しいことから、私としてはリゾネート奏法は、現在はまだ実用的でないという印象です。とはいえリゾネート奏法はほんとうに最近見つかった新しい技法なのです。誰が使いこなせるのかさえ不明、まだまだ未知数。これからどんな進化を遂げるのか楽しみにしています。

リゾネート奏法のヒント

まず、トイノーズフルートでふつうに2オクターブ出せるようになってください。

  • 一番高い音を出します(3オクターブ目のド)
  • そのまま息を弱めていくと、3オクターブ目のファの音に跳ねあがります
  • その音がリゾネートした音です、はっきり聞こえるように息を強めます

右図を拡大表示して見てください→
» 右図のとおりに吹いてみました。

★1 名人を気取る演奏者でさえ1オクターブ

この記事を書いていて改めて気がついたのですが。「マイ鼻笛持たせりゃおいら名人。でも鼻笛が変わるともう吹けません」って、この人…修行が足りません。

名人たる者は…って押しつけてごめんなさい、これは私のイメージする名人なのですが、名人たる者は至高の鼻笛を持たせれば誰よりも素晴らしく演奏し、しかし粗悪な鼻笛を持たされてもそれなりに―もちろん至高の鼻笛のときとは比べるまでもないひどい演奏になるでしょうが、少なくとも素人がそれを演奏するよりは素晴らしく―演奏できてしかるべきなのです。
”名人”というと、私はそんなイメージです。

★2 トイノーズフルートの音域は3オクターブを上回った

ほんとうはトイノーズフルートは最初から、吹く人が吹けば通常奏法のまま3オクターブ出せる笛です。私のお客さんが送ってくれた「トイノーズフルートで3オクターブ」の試聴サンプルを、このブログでも紹介しました。彼は鼻笛をとても気に入っていて、鼻笛専門のウェブサイトまで立ち上げています。
» SHow's Nose Flute

だからここで私がしたことは、とどのつまり、トイノーズフルートを販売している私の情報基盤を使って「トイノーズフルートは3オクターブ出せる笛だ」という、最初から分かりきったことを世間に再認識させた。それだけのことなのです。
…練習すれば、ですよ。

楽器があればもっと楽しい毎日
» 鼻笛の販売は世界楽器てみる屋 ―鼻息が奏でる甘美な音色―

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