作曲のメモ
私がはじめて自分で曲を作ったのは40歳過ぎてからです。
インディアンフルートのワークショップを開くことになったものの、よい例題曲が見つからない。短くて繰りかえしの多い覚えやすい曲を探して見つからなくて「これはもう自作しないと間に合わない」と悟ってから、20分くらいで完成しました。
素人が作曲するときの心構え
素人が作曲できるかどうかは、心構えが半分以上のような気がします。思い切りというか開き直りというか。「何も知らずに作った曲だよ文句あるか」みたいな。私の場合、かっこいいとか素晴らしいとか二の次で、とにかく曲が必要だった。練習に使えるかんたんな曲を用意できないとワークショップが困ったことになってしまう。しょぼくてもいい、どこかで聞いた風な曲でいい。どんな曲でもいいから一曲だけでいいから。
素人が作った曲なんだからみっともなくていい、しょぼくてもいい。どこかで聞いた風な曲でもいいと、諦めることが必要なように感じています。出来たものを良しとします。
またその裏返しで、出来あがった曲はきっと気に入らない曲です。どんな曲ができるか自分でもわからないのですから、そりゃそうです。へんちくりんな曲でもゼロよりはいい、これが自分が作った自分だけの曲なんだと胸を張って言えるだけいいと、納得することが必要だと感じています。出来たものを良しとします。
作曲のポイント
突然ちょーかっこいいフレーズを思いついてしまった。そんなちょーラッキーはもちろん即採用です。これが新しい曲の核になってくれるはずなので、ぜったいに忘れないようにします。そういう意味で手軽に扱えるレコーダーが必要です。フレーズを記録するだけなので音質はどうでもいいです。
作曲の基本は、自分の知っている曲からフレーズをいろいろ借りてきてつぎはぎすることです。ですから、たくさんの曲を聞いたことがあるほど―借りれるフレーズが多くなりますから―作曲しやすくなります。民族音楽などふつうの人が聞かない音楽を聞いたことがあるなら更に心強いです。逆にふだんまったく音楽を聴かないのでは作曲はできないでしょう。音楽をたくさん聞いていることが作曲できる条件だと考えます。どのくらいたくさん?、という目安はなくて、とにかく聞いたことがある音楽の数だけいい感じに作曲できるだろうということです。
それとたくさんの時間が必要です。才能も学もないのだから、長い時間をかけてえんえんとブラッシュアップするしかありません。一年ほどいじり回していたら、さすがに短い一曲なら完成します。一年にたった一曲…と思うなら数曲同時に抱え込めばいいです。一生に一曲も作らない人がほとんどですから、自分だけの曲が一曲だけでもできる、それだけで素晴らしいことだと思っていますけど。
インディアンフルートの曲
ネイティブラブフルート工房で作っているドレミ音階のインディアンフルートです。
有名なところでメアリー・ヤングブラッドがこの手の西洋音階のフルートを使用します。彼女の曲をコピーするにはこのフルートが必要ですが。高価なこともあってあまり売れません。だから試聴サンプルをYouTubeにアップして宣伝すべく、一年ほど曲をいじり回しています。これでほぼ完成です…今聞いたら気に入らない箇所が見つかったので、そこを修正して完成です。
» 西洋音階インディアンフルートのための曲
インディアンフルートなら、プロでもこのレベルの曲はざらです。
どちらかというと伴奏のアレンジの方が重要だったりします。それに装飾音やビブラートをつけたり抑揚をつけて感情豊かに演奏すれば、かえって素朴な美しさが出てきたりします。素晴らしい曲を作るのではない、素晴らしい曲に見せかけることを心がけます。
楽器があればもっと楽しい毎日
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