オカリナを吹いていると、吹口のところに水が詰まって鳴らなくなってきます。特に冬場はひどいです。あれは唾ではありませんよ★1 、息に含まれる水分が結露しているのです。オカリナに限らずリコーダなど、同様の仕組み★2 の笛はみんな同じ悩みを抱えています。
眼鏡の曇り止めでアラ不思議!
オカリナ演奏者の間で知られているトリビアとして、オカリナの吹口に眼鏡の曇り止めをスプレーするとよいそうです。手順は以下のような感じです。
- 準備するもの:眼鏡の曇り止め、エアダスター★3 、ティッシュペーパー
- オカリナの吹口に曇り止めをスプレーする
- 曇り止めの滴が中で乾いて固まらないように、余分をエアダスターで吹きとばす
- べたべたになったオカリナをティッシュペーパーできれいに拭く
- 風通しのよい場所で陰干しする、乾かす(30分くらい?)
試してみると、確かに数時間吹きつづけても詰まりません。いつまでも快適に演奏できます。これはいい!と、私は片っ端から手持ちの笛に曇り止めをスプレーしたのでした。
プラスチックのオカリナにこそ
プラスチック製のオカリナは安価なことから、巷の楽器店は入門用として初心者によく勧めます。私がこれにまったく反対なのは、プラスチック製はすぐに水が詰まってまともに練習できないからです。何も知らない初心者を無用に挫折させるからです。
しかしながら眼鏡の曇り止めを使えば、プラスチック製の最悪の短所を打ち消すことができます。昨今のプラスチックのオカリナは、品質自体はきちんと製造された品もあります。眼鏡の曇り止めを使えば、高品質のオカリナを安価に手に入れることができます。なるほど、これからはオカリナ初心者には、プラスチックのオカリナに眼鏡の曇り止めでキマリです。
体にいいかどうかは知らん
しかし眼鏡の曇り止めって、口に入れてもいいのでしょうか。「身体にいいか悪いか」の二択で問うなら、よいものではないでしょうね。ってもオカリナはべろべろ舐めるものでもないし、ちゅうちゅう吸うものでもありません。私自身の吹き方を鑑みるに(そんなに口に入るものではない。あからさまな毒物でもなかろうし、まあ心配ないんじゃね?)という判断です。
オカリナやリコーダなど口でくわえる笛は気になるかもしれませんが。だったら鼻笛なら問題ないでしょう。鼻笛にも眼鏡の曇り止めは効果的です。
★1 吹口に詰まるのは唾ではない
実際問題として、吹口に唾を吹きこむとオカリナが痛みます。唾が糊のように乾いて吹口の狭い通路に張りつき、結露を促進します。最後には、一曲吹いていられないほど結露するようになります。オカリナが陶器という半永久的な素材で出来ているのに、寿命の短い消耗品であるのは、これが理由です。
とはいえ、眼鏡の曇り止めを使えば結露を防ぐことができるのでした。
結露がひどくなって使えなくなり押し入れの奥に眠らせた愛用のオカリナも、眼鏡の曇り止めで復活する可能性があります。これを使わない手はないでしょう。
★2 同様の仕組み
”フィップル構造”と言います。オカリナやリコーダなどフィップル構造を持つ笛は、吹けば誰でも鳴らせます。反面、音量の調整が困難、ピッチが不安定といった難点を共通して抱えていて、これらの難点を克服するために、演奏者は継続した鍛錬を要求されます。
春になると巷の楽器店がこぞって「誰でもすぐに鳴らせるオカリナを始めてみませんか」とキャンペーンを展開しますが。私はあれはほとんど詐欺だと思ってます。「音を鳴らせる」ということと「気持ちのよい演奏ができる」ということの間には大きな隔たりがあります。オカリナは音を鳴らすのは簡単ですが、気持ちよく演奏できるようになるには相当の練習が必要です。
そもそもオカリナがそんなに易しい楽器なら、日本の津々浦々でオカリナ教室が繁盛している道理がありません。
★3 エアダスター
パソコンのキーボードの隙間を掃除したりする、単に空気を吹きだすだけのスプレーです。電気屋やアマゾンでいくらでも売ってます。
楽器があればもっと楽しい毎日
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