初音ミク 『ありがとう-いきものがかり』
初音ミクにいきものがかりの『 ありがとう』を歌わせました。
ボーカロイドのための専用のエフェクタを自作
初音ミクを始めとするボーカロイド全般はもともと感情表現が苦手です。
ほんとうに人間が歌っているように歌わせることもできるのですが、それには「パラメータをオートメーションする」という、気の遠くなるような手作業が必要になります。なので私は、当初からオートメーション作業を放棄していて、エフェクタでミクの声を加工することを考えてきました。今回の作品は、私が自作したエフェクタを使っています。
自作のエフェクタは、実はこれで2台目です。
ほんとうに初期のころは私は、エンベロープフォロワやコンプレッサなど、既存のエフェクタを組みあわせてミクの声を加工していまして、1台目の自作エフェクタは、そのやり方をそのまま内部に実装したものでした。要は既存のエフェクタを単純にひとまとめにしただけでした。
この1台目には、ばちばちとクリックノイズが入る、声を加工しても結果が今ひとつぱっとしない、などの欠点があって、音楽作品を作るたびにその後始末に苦労させられました。
なので今回、改めて最初から完全に作りなおしました。
コンプレッサなど既存パーツの使用をやめて、ぜんぶ自分でプログラムを書きました。結果としてクリックノイズが発生しなくなりました。また1台目を使っていて気づいた勝手の悪さを改善したので、操作性が劇的に向上ました。ミクに「こう歌って欲しい」と思ったら「だったらこのツマミを回せばいい」というふうに、イマジネーションをダイレクトに作業に反映できるようになりました。
そして説得力のある歌唱表現が可能になりました。
今までのミクが苦手だった、やさしい中にも腹筋を感じさせる生理的な歌い方が出来るようになりました。
楽器があればもっと楽しい毎日
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