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マウスボウ(口弓)の演奏

口琴とディジュリドゥとビリンバウのような音、と評判のマウスボウです!
…これらの楽器がそもそも無名なので説明になっていない気がしますが。

世界最古の弦楽器は弓

世界最古の弦楽器は弓です。
そもそも弓は、梓弓のように祭事に用いる楽器が元々で、後になって矢をつがえて飛ばす武器に転用された、という説があるほどです。

大昔、マウスボウ(口弓)・ミュージカルボウ(楽弓)は世界中で普遍的に演奏されていたようですが、素朴すぎて大した演奏ができないため、後発のハープに取って代わられ、今ではほとんど残っていません。

弓は、単純にビンビンと指で弾くほか、端を口でくわえて細い棒で叩いたりします。弓を鳴らしながら口の中をいろいろ動かすと、倍音が増幅されて笛のような不思議な音色が聞こえます。倍音をどのように共鳴させるかでいろいろ音が変わります。喉の奥に共鳴させるとロボットの声みたいに聞こえます。メロディらしきものを演奏したりもできます。

自作で十分いける

私が演奏したマウスボウは世界楽器てみる屋の商品ですから、それなりの見栄えですが。マウスボウは本来はただの弓です。

細い竹竿にギターやベースの金属弦を張って自作することができます。
設計図が必要なら、googleで"mouthbow"を画像検索すれば見つけることができるでしょう。っても石器時代の技術で作れる物ですから、ほんとうにいい加減に作っても何とかなりますよ。子どもたちの夏休み研究・工作にもってこいです。作るのが面倒なら、学校の弓道部の弓を口でくわえてホウキの柄でバシバシ叩いても同じ事ができます。

2本弦がお勧め

うちで販売しているマウスボウは、北米ハワイ州のダン・ゴッシが数十年にわたって改良し続けた入魂の品です。弦が1本のタイプと2本のタイプがあって、もし購入するなら2本のタイプが絶対にお勧めです。

弦が1本だと、倍音の並びが一つしかない★ ため音階が固定されてしまい、どうがんばっても、いつも同じような雰囲気の演奏になってしまいます。弦が2本あると、2本の音程を調節することによって倍音の並びがいろいろ変わるため、いろいろな音階を演奏して楽しむことができます。
» ダン・ゴッシのマウスボウ

★ 倍音の並びが一つしかない
楽器を叩いたり弾いたり吹いたりすると音が出ます。音は、誰でもはっきり聞き取れる基音(ルート)と、無数の甲高い倍音(オーバートーン)で出来ています。

この倍音の並び――音階はどんな楽器でも同じで、低い方から高い方へ順に「ド、ソ、ド、ミ、ソ、シb、ド、レ、ミ、ファ#、ソ、ラ、シ、シb、ド、…」です。トランペットなどラッパを演奏する人はもちろん知ってますよね。フルートなど笛を吹く人も何となく体感しているはずです。口琴の音階もこうなっています。

この倍音の並びは物理的・数理的に決まるものです。
例えば火星人や金星人がラッパを持っていたら、それはやっぱり地球と同じような音階のラッパです。火星人のラッパでも『突撃ラッパ』を吹くことができます。

そうでなくてもっと違う音階で演奏したい。
例えば西洋音階ドレミファソラシドで演奏したいと願うなら、ラッパだったら何らかの仕掛けで管の長さを変えるようにするとか。笛だったら指穴を開けて管の長さを変えるようにするとか。演奏しながら瞬時に倍音の並びを切り替える工夫が必要になります。

2本弦の口弓は、予め2本の弦の音程をいろいろ調整しておくことによって、いろいろな音階を演奏することができます。

楽器があればもっと楽しい毎日
» 変わった楽器、珍しい楽器の販売は世界楽器てみる屋

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コメント

マウスボウ楽しんでいます♪

ゴーストキャッチャーとも呼ぶそうですね。

二本弦だから色々と楽しめています。

まずは、ちゃんと音を合わせて...

そして次はあえて調弦を崩して不協和音のようにする。

みたいに遊んでいますよ♪

ダン•ゴッシの作品は見栄えもいいですね。

> 二本弦だから色々と楽しめています。
2本の弦をいろんな音程に調整して同時に叩いて鳴らすのが通常ですが。

マウスボウを鷲づかみにしている手の指で片方の弦をミュートして、1弦だけ鳴らす技もあります。これだと2本の弦を交互に鳴らして、ベースを切り替える(コードを切り替える)ような演奏ができます。

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