アンビエント-熱帯雨林の大気
ヴァンゲリスっぽい音。NHK特集『循環する生命-大アマゾン』みたいな?Noatikl 2による自動演奏です。
タイトルは最後に決めました
私は最初からこの作品を製作するつもりではありませんでした。
取っかかりは、Noatikl 2に付いてくるサンプルパーツを弄りながら(こんな音が似合うかな)などとVSTiソフトウェアシンセサイザをとっかえひっかえしていて、そのうちに(熱い水蒸気の中にいるみたいな…熱帯雨林?)というキーワードが頭の中に浮かび、そのあたりで構想を決めて、作品として固めました。
私のスキルを越えた作品が生まれる可能性
通常のいわゆる音楽ソフトというのは、ユーザが一つ一つ音符データを入力する★1 ものです。「ここでブラスがドミソの和音でばあんと鳴って」「ドラムがタカタカタ!」みたいな。
音楽ソフトは毎回、ユーザが入力したとおりに忠実に演奏しますから、出来上がる作品は「私」というものに強く制限を受けます。早い話、私が思いつかないことは、決して私の作品には表れません。
一方で、Noatikl 2はメタレベルで作曲する音楽ソフトです。
「ドミソの和音でハモって」と入力する代わりに、「そもそもハモるとはどういうことか」というルールを入力します。そのため、ある程度までは私の意向が尊重されるものの、実際に演奏される結果は、私の予測がつかないものになります。良くも悪くもですね。「いくらなんでもそれはないわ-」とか「っとそこでそう来るか!」とか。
最終的に手で調整
Noatikl 2を使って作曲するとき、作曲者・演奏者というのはNoatikl 2であって、私はその一つ上の存在――監督とかプロデューサといった役になります。私は、Noatikl 2が演奏した結果を単なる素材として扱い、それの形を整え作品として仕上げます。
3分くらいの曲を製作するなら、余分に10分くらい演奏させて、その中でいちばん面白く聞こえる箇所を切り出します。場合によっては、伴奏がうるさい箇所の音符を間引いたりとかもします。ただ、あんまり手を入れると偶発的な面白さや驚きがなくなるので、手加減しながらです。少しくらい不備なところが残っている方が、アンビエント・ミュージックっぽく聞こえたりします。
» Noatikl 2のメーカーサイト
★1 一つ一つ音符データを入力する
最近は、エレキギターがチャラッチャ!と演奏するようなフレーズレベルで完成しているパーツを、たくさんぺたぺた貼って組み合わせて作曲する式の音楽ソフトがあります。これは一つ一つ音符データを入力するよりも格段に楽で、音楽に詳しくない人でも作品を製作できるという、優れものではあります。
それでも毎回、ユーザが指示したとおりに忠実に演奏することには変わりありません。「え、まさかそんな!」という驚きが発生する余地はありません。良くも悪くもですね。
楽器があればもっと楽しい毎日
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