北アメリカの竹笛-アロハ・オエ
竹笛でハワイ民謡『アロハ・オエ』を演奏しました。
運指は動画を一時停止して確認してください。
使用した楽器について
使用した楽器は北アメリカ・ジョージア州★1 のバンブー・アルケミー工房が製作した竹笛です。
デザインとしては、西洋に昔から伝わる素朴な6穴の横笛です。
ぜんぶ塞いだ指穴を下から開けていって順にドレミファソラシ。オクターブ高い音は、運指はそのまま強く息を吹いて鳴らします。これより分かりやすい運指はないでしょう。反面、半音を鳴らすのが難しいので、演奏しやすい調が3つほどに限定されてしまいます。
演奏について
今回、私は笛カポを使いました。
ト長調の曲をlowD管の笛で演奏しましたから、それはつまりどういうことかというと、いちばん上の指穴の音が常に半音下げになります。
笛カポというのは小さな穴の開いた革バンドでして、これでいちばん上の指穴を縛ると、指穴が小さくなった感じになって、音が半音下がります。
これでいろいろ工夫しなくても、ふつうに演奏しても常に半音低い音を鳴らすことができます。
笛カポは超便利なので私は愛用していますが、まあこれは自転車の補助輪のようなものです。きちんとした演奏者を目指すなら、こういうギミックに頼らず演奏できるようになりましょう。
曲の中で一カ所だけ、臨時記号の半音が出てきます。
これは仕方ない、がんばって指穴を半分だけ開けて表現しました。これがなかなか微妙な操作でして……それだから後発の笛は「正確に半音を鳴らせるように」「素早いトリルができるように」「いろいろ演奏しやすいように」と、指穴だらけ★2 になっています。
リリカルな曲にもBitterSweet
曲の仕上げ段階でFLUX社のBitterSweetをうっすらかけています。
BitterSweetは音の強弱の瞬間的な変化――トランシエントを強調するエフェクタです。ピンぼけぎみの画像にシャープネスをかけると鮮明に見えるのと同じ効果で、曲全体が引き締まって聞こえます。
特にギターやドラムなどの音がしゃっきりするので、ロックやポップにぴったりのエフェクタですが。このようなリリカルな曲にもうっすらかけると、窓ガラスの曇りを拭きとったような鮮明な印象になります。
» FLUX社のウェブサイト
★1 北アメリカ・ジョージア州
北アメリカで竹笛?と言われてもなんだかピンと来ませんが。国土の広大な北アメリカは、南部は温暖湿潤気候~亜熱帯気候に属するため、ふつうに竹がジャングルになっているという噂です。
★2 指穴だらけ
オーボエだったかクラリネットだったかは、23個も指穴が開いているそうですよ。もちろん人間の指ではぜんぶを塞ぐことができないので、金具とバネ仕掛けで完全に機械化しています。メンテナンスは演奏者は自分ではできなくて、定期的に専門の職人に依頼しなければならないという話。そのへん、映画『攻殻機動隊』の一シーンを思いだしました……
楽器があればもっと楽しい毎日
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