ミクをオートメーションなしで調教する 3
オートメーションを手描きせずにミクを調教するプロジェクト。
オルガンの音でミクの声をほぼ思いどおりにコントロールすることができます。
オルガンの音でミクの声をON/OFF
オルガンの音でミクの声をコントロールします。
エンベロープフォロワを使うと、ミクの声の大小を、横から入れたオルガンの音でコントロールできます。
基本、ミクは「あーいーしてーるー」声を出しっぱなしで、ミクが歌うタイミングに合わせてオルガンを「ビー、ビー、ビビッ、ビー」と鳴らすと、ミクは「あー、いー、してっ、るーっ」と歌います。ブーブー鳴るオルガンの音で、ミクの声をほぼ思いどおりにコントロールできます。★1
ミクの声の長さは、オルガンの音の長さに従います。オルガンをブーブーと切れ目なく鳴らすと、ミクも「あーいーしてーるー」とレガートに歌います。ブッブッと区切って鳴らすと、ミクも「あっ、いっ、してっ、るっ」とスタッカートに歌います。レガートとスタッカートだけでなく、その中間の微細なニュアンスも、オルガンの音の長さで完璧に表現できます。★2
またミクの声の大きさは、オルガンの音の大きさに従います。オルガンを大きな音で鳴らすと、ミクも大きな声で歌います。小さな音で鳴らすと、ミクも小さな声で歌います。
★1 ミクの声を思いどおりにコントロールできる
オルガンはMIDIの音符データで自動演奏することを想定していますから、結局、ミクが人間らしく生き生きと歌うか否かは、人間らしく生き生きとしたMIDIの音符データを用意できるか否かにかかってきます。
DAW(統合音楽ソフト)を持っているならMIDIの音符データを細かく編集することができますし。DAWを持っていなくても、それ用のフリーウェアはたくさん出回っています。
しかし一曲ぜんぶの音符データをちまちまと手で微調整するのは、一曲ぜんぶのミクのパラメータをちまちまと手でオートメーションするのと大して違いがありません。ミクのオートメーションに3日かかるなら、音符データを微調整するのも3日かかるでしょう。これでは意味がない。
MIDIの音符データを人間らしく微調整するのは――ヒューマナイズするのは、ソフトウェアやプログラムで一括処理するべきです。私の場合、音符の強弱はBand-in-a-Boxのフィオリトゥーラという機能で処理しています。音符の長さは自作したJavascriptのプログラムで処理しています。これならどんな長い曲も一瞬で作業完了します。
詳細は後で説明する予定です。
★2 オルガンの音の長さで完璧に表現できる
信じられないことにミクは音符の長さのとおりに歌いません。彼女が表現できるのはレガートかスタッカートだけで、その中間を表現することは一切できません。ふつうのシンセサイザだったら「不良品だ!」とクレームをあげるところですが。日本で暴動が起きないのは……愛ゆえでしょう。
結局、ミクを人間らしく――つか最低限楽器らしく歌わせるために「DYNパラメータをオートメーションする」という作業が必要になります。これは神経質で膨大な時間のかかる手作業です。可能か不可能かで言えば……可能ですが。根気も時間もないふつうの人は、途中で投げだしてしまいます。私もそうです。だからこれを実際にやっている巷の調教師たちは、ほんとうにすごいと思います。
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