BIABの演奏スタイルを探しだす 3
Band-in-a-Box(以降BIABと記述)はちょっと変わった音楽ソフトです。
C,Am,Dm,G7などとコードを入力して、「ビートルズのイエスタディ風」のように演奏スタイルを指定すると、ギターやピアノなどを使ってそれらしく自動演奏します。BIABがあれば、楽器を演奏できなくても音符の打ちこみが苦手でも、自分の音楽作品を完成させることができます。
候補の演奏スタイルをフィルタリングで絞りこんでも、場合によってはまだ数百の演奏スタイルが残っているでしょう。これはもう、マジで一つずつ試聴していきます。試聴は二段構えで行います。最初はざっと聞いて、「これは」と思う演奏スタイルをお気に入りに登録していきます。次に、お気に入りに登録した演奏スタイルを念入りに試聴します。
「これは」という候補をどんどん登録
試聴の一段目の目的はざっと絞りこむことです。演奏スタイルを次から次に試聴して、ちょっとでも「ん、これは?」と思ったら即お気に入りに登録します。その演奏スタイルの行を選んだ状態で「Fに指定」ボタンを押すと、行に "F" が付きます。
全体的な雰囲気がダメでも、部分的にでも使えそうだったら、ためらわずお気に入りに登録します。「ぜんぜんピンとこないけどシンセのアルペジオだけはきれいだな」とか「ベースのリフだけは捨てがたい」とか。そういうのは最終的に、その楽器パートだけ切りだして、部品として使えます。
試聴しながら曲の構想を固める
ここで大切なのは、使えそうな演奏スタイルを選びながら、同時に自分が作る曲の構想も固めていく、ということです。
「自分はこんな曲を作るんだ!」という、確固とした構想が最初からあるならよいのですが。たいていの場合は「ロックなんだけど、ええっと……」みたいに、隅をつつけば実はぼんやりしてはっきり決まっていない、ということが多いです。ですから、演奏スタイルを試聴しながら曲の構想も固めていきます。「この曲はきっとピアノが大事な気がする」とか「これはロックじゃないな……カントリーかな」とか。
不幸にも、
「自分はこんな曲を作るんだ」という明確な構想を持っているのに、BIABにちょうどよい演奏スタイルがありませんでした、というケースもあります。BIABの演奏スタイルはジャズ、カントリー、ロック、ラテンが充実していて、クラシックや民族音楽はからっきしです。3拍子の曲も少ないです。
泣く子とBIABには勝てません。BIABに用意された演奏スタイルの中で、なんとしても間に合わせる必要があります。「ほんとうはクラシック調なんだけど……強いて言えばロックアレンジでもなんとかなりそうかなあ」みたいな。案外これでトンデモアレンジが生まれたりします。「だからBIABじゃ役不足なんだ」なんて悪態をつかず、まずは使えるところを使ってみてください。
楽器があればもっと楽しい毎日
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