音の定位 3
音楽を聴いているとき、楽器の音がどこで鳴っているように聞こえるか、というのを「音の定位」というそうです。パンを調整して音を左右に振りわけることはよく知られていますが、音の定位を決める要素はその「左右」を含めて「遠近」「幅」「焦点」の4つがあります。
「幅」
音の定位を構成する要素のうち「幅」は説明しにくいです。
とりあえず試聴サンプルを聞いてください。
» 音の定位 「幅」
わかりますか。同じように正面で鳴っているにしても、真ん中の一点だけで鳴っているか、左右の幅を伴って聞こえるかの違いがあります。
「幅」を調整するには専用のエフェクタが必要です。
私はChannelToolsというエフェクタを使っています。これでなくても、高価なDAWには同じようなエフェクタが必ず付いているはずですよ。「あ、ひょっとしてあれのこと?」と心当たりがあるかもしれません。今一度、お手持ちのエフェクタを総ざらいして探してみてください。フリーのエフェクタも出回っていると思うのですが……心当たりはありません。
特徴的な使い方としては、ピアノ伴奏を左端から右端までいっぱいに広げて、まるでピアノの音に包まれたような印象にするとか。
あるいはどんな音でも、一点で鳴っているとどうにも作り物っぽい印象を受けます。取りあえずMIDIデータを打ちこんでシンセサイザー音源で鳴らしてみました的な、安っぽい感じになります。少しだけでも幅を持たせてやると、自然でリアルな雰囲気になります。ギターなど全面にしゃしゃり出る楽器は幅を狭くします。ストリングスなど奥でゆったりと雰囲気を醸す楽器は幅を広くします。
音の定位を決める最後の要素「焦点」については、後の記事で説明します。
楽器があればもっと楽しい毎日
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