VSTやVSTiはここで探してます
”VST”とはVST規格のエフェクタ、”VSTi”はVST規格のシンセサイザのことです。DTM(パソコン音楽)で使う★1 ソフトウェアのエフェクタやシンセサイザです。シンセサイザは……分かりますよね。エフェクタは馴染みがないかもですが、身近なところでカラオケのエコーとか。リバーブ、ディレイ、コンプレッサ、ディストーション、イコライザといった名を聞いたことがありませんか。人の声や楽器の音をいい感じに加工する装置のことです。
強力なレアカードをたくさん持っている人が勝ち
DTMでプロのような音楽作品を製作するには、その人の音楽感性や知識・技術もさることながら、ぶっちゃけ、強力なVSTやVSTiをたくさん持っている人ほどすごい作品を作れるという、身もふたもない資本主義のルールがあったりします。
実際問題としてリバーブの一つくらい持っていないと★2 、まともな音楽作品は完成しないと考えた方がよいです。特にシンセサイザの原音は痩せているので★3 そのままでは聞くに堪えません。リバーブ、ディレイ、コーラスの使用は必須です。
只で欲しいだけ手に入る
何万円もする製品版のエフェクタやシンセサイザ★4 もありますけど。フリーウェアが大量に出回っています。これがまた製品版と遜色ない出来だったりします。趣味にそんなにお金をかけられないという人でも、ネットを探しまわってかき集めればいいです。googleで"VST"のワードで検索すればいくらでもヒットしますが。使い勝手のよい人気VSTの情報をまとめたポータルサイトがあります。無数に存在するVSTのすべてを網羅しているわけではありませんが、まずはそのようなサイトを頼って探すと手っ取りばやいです。
私がちょくちょく覗くポータルサイトを紹介します。
» GERSIC.COM
» VST LINK
その場でゲット!
幸運にも(お、これいいじゃん)というVSTやVSTiを見つけたら。「じゃあ晩ご飯の後でゆっくり」などと言ってないで必ずその場でゲットしてください。できないならせめてせめて、ウェブサイトのURLをお気に入りに登録しておくべきです。
まぐれで見つけたウェブサイトは、後で探してもまず見つかりません。後々になって「そういえば使えるエフェクタがあったよな。あれどこだったっけ?」なんて探してもまず見つかりません。
たとえウェブサイトのURLを控えていたとしてもまったく安心できません。フリーウェアの場合は、それを提供しているウェブサイトそのものが閉鎖してしまうことがあります。「人気が出てきたので新しいバージョンから製品にしました」というケースもありがちです。それをいうなら製品版だって、販売中止になる可能性があります。
本当は製品版でもその場で購入するのが確実です。それは金銭的に無理だとしても、フリーウェアならぜんぜん問題ないでしょう。いいなと思ったらその場でゲットです。次は、ないです。
★1 VSTやVSTiをDAWで使う
DAWでどのようにVSTやVSTiを使うのかはそれこそDAWそれぞれです。VSTの利用は重要な事項なので必ずきちんと説明しています。それぞれの説明書をよく読んで使ってください。”規格”というだけあって、DAW側の操作もどれも似たり寄ったりです。一度きちんと勉強すれば、後生どんなDAWを目の前にしても勘が働くでしょう。
★2 リバーブの一つぐらい持っておきたい
リバーブは地下鉄の通路などで音がぐわーんと残響する、あれをシミュレートします。リバーブは、楽器が鳴っているロケーション(場所、空間)と、楽器と聞き手の間の距離を決めます。リバーブをかけないと、楽器の音はただ鳴っているというだけの音で、そんな音をいろいろ寄せあつめただけの作品になります。リバーブを一切使わずに音楽作品を製作するなんて不可能だと思ってます。
因みにカラオケのエコーを使う感覚で、リバーブを「音をきれいに聞かせるためのもの」として使う人がいます。まったく間違いでもないのですが、リバーブの本質は音の鳴っているロケーションを決めることです。音をきれいに聞かせるエフェクタは、むしろディレイです。そこを勘違いしてリバーブをかけすぎて、ぼわんぼわんになった音楽作品をときどき見かけます。リバーブは少なめにしてもう一つディレイをかける。これで、すっきりとしてそれでいて残響豊かな艶っぽい音になるでしょう。
★3 シンセサイザの原音
シンセサイザの原音は言わば、楽器に聴診器を当てて聞いているようなものです。これでは気持ちよく聞ける道理がありません。そのへんを鑑みて、最近のシンセサイザは最初からリバーブやディレイを標準装備しています。ぱっと聞いてきれいに聞こえます。ただしこれは冷凍食品の袋にある「調理例」の写真のようなもので、これはこのままでは使いません。コーラスやディレイはケースバイケースですが……リバーブは必ずオフにして、自分の音楽作品で使っているリバーブに通します。
リバーブは楽器が鳴っているロケーションを決めます。コンサートホールで演奏しているとか、野原で演奏しているとか。一つの音楽作品に使うすべての楽器は、最終的には只一つのリバーブに通すべきです。てんでばらばらなリバーブを使うと、ピアノはコンサートホールで弾いているのに、ギターはスタジオで弾いていて、ドラムは街角の公園で、みたいなちぐはぐになります。
★4 製品版のエフェクタやシンセサイザ
製品版はやはり製品版です、金を払う価値があります。特にバイオリンやギターなど生楽器の音を出すシンセサイザは、実際に人が演奏した音をサンプリングして使用していますから、リアルさが桁違いです。……まあその程度なら、今日日のフリーウェアでも当たり前にやっていますけど。製品版はサンプリングの量が違います。フリーウェアがメガ単位なら製品版はギガ単位です。「フリーのギターシンセ使ってるんだけどいい感じでこれで十分」という人も、製品版のギターシンセの音を聞けば「ああそうそう、本当のギターの音はこうだった……」と思いだすに違いありません。
何もかも製品版で固めなくても、自分の作風を鑑みて、特に印象づける楽器の音だけでも製品版を使うと効果的です。私の場合はベースでした。ずっと良いベース音源を探していました。今はCHRIS HEIN BASSを気に入って使っています。曲の流れに応じて弦をひっぱたいたり、左手をぐいとスライドしたりと、勝手にいろいろ味つけしてくれるので重宝します。
楽器があればもっと楽しい毎日
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